水底の国32 噴火と復活
『くっ、ここまでやるとは』
流石に、心臓部の大ダメージだけでは倒しきれない。
『なれば、我が最大の一撃を持って貴様らを葬ってやろう!!!』
「いや一応知っているけど、大言造語がすぎるぞ」
その瞬間、今までよりも広い範囲に液体を振りまかれる。
「マジか」
「避けろよお前ら!」
「うわ」(咄嗟に小さくなるセンジュ)
コレまともに食らえば、死ぬからな。
既に何人か巻き込まれているが、もはや見捨てるしかない。
「お前のとこも優秀だけど、こっちも対処はできて」
「いや問題は上じゃなくて下だ」
「…あっ!?」
今までもそうだったが、地面に着弾した液体が凍り、地面がツルツルになっている。
俺たちは大丈夫だけど、慣れていないやつは滑ってしまう。
『フンッ!!!』
そうして、凍ったやつと、滑って転んだやつを巻き込む薙ぎ払いで、一方向に放り出す。
「ヤッベ俺らも巻き込まれてる」
「チッ、すまんみんな」
「ニゲロ〜♡ニ・ゲロ〜♡」
「アンタは逃げなくても大丈夫でしょ?」
『いやちゃんと死にますよ!!?』
放り出されたプレイヤーの位置から、俺たちが離れるように移動している時点で、ポセイドラが槍を引き左手に炎を滾らせる。
『燃えろ、大地の産声よ』
そして、槍の三叉に分かれる部分に拳を打ち付ける。
『大噴火ぁ!!!』
瞬間槍の穂先から、水蒸気爆発で生まれた衝撃波が、直線上の全てを消し飛ばす。
放り出されたプレイヤー、瓦礫の山となった城の一角と街、直線上にいた他のプレイヤー、そのプレイヤーたちが立ち向かっていたハルサグーラ、そしてこのフィールドの壁の役割をしている海に直撃し、ある程度進んで行ったところで止まった。
「「いや距離ヤベー」」
「何アレ☆米国兵器?」
「いや米国でもあそこまでのものはないんじゃ」
『実際に見るとエグすぎますねあれ』
アレの設計の第1人者お前のはずなんだが。
しかも、今の余波でレアの作った重石が外れた。
「厄介だな回数制限があるとはいえ、規模が想像以上だ」
一応、最高難易度の設計での攻撃であるとはいえ、あまりにも広範囲な攻撃では、今の俺にはなす術がない(多分)。
「なら〜♡わ☆た☆しの出番かな?」
そこにリルネアが割って入る。 あと目線がおかしくて、鼻息が荒い。
「分かっているなら解いて欲しいが、まだイベントはあるぞ」
「それはそうなんだけどね〜☆ほら、どうせ大ボス倒すなら全力で戦った方が良くない?」
え?待ってコイツいきなりマトモみたいな発言しだしたぞ。
どうなってんだ?
「まあまあそんなに警戒しないで〜♡それ☆」
「ま、あっぐぅ………」
この身が収縮して拡がって行く感覚をダブルで受ける気分は、絶対慣れないわ。
「クッソやべえ」
大技の衝撃を見て、ギルドは驚くしかなかった。
ただ長距離に届く衝撃なら兎も角、直線上にいたタコのボスにも明らかな大ダメージを与えているのが確認できているので、その強力さが良く分かる。
しかも、仲間の大半が持ってかれた。
「仕方ねえか。みんなの分も突っ走ってやる!」
「その粋じゃジン」
ハバキリのいる反対側ではなく、自分のいる側に避けた仙凛が顔を出した。
「勢いで瓦礫に顔突っ込んだ割には元気だな」
「ハッハッハ、そうそう残りおった仲間に伝えておけ。アレあと2発しか使えんとな」
「マジ!?」
曰く、ポセイドラの槍自体が消耗品であり、大爆発を起こすと耐久力の3分の1が減るらしく、3回使うと粉々に砕けるのだ。
「まあ、頭の隅にでも置いておけ。槍が砕ける前にヤツ自身を砕くからのう」
「同意だ。それに」
攻撃を受けて、怒ったタコが、ポセイドラに襲いかかる。
だが、尖兵とともにぶつけるはずだった一撃が届く前に、その足を全て切り裂かれる。
「ほら来た」
さらに、ポセイドラにまでその剣撃が襲いかかった。
『ぐぅ、なんだコレは』
「はあーっ、最高だ!」
そこには、先ほどまで戦っていた女と同じ姿の男がいた。
「ぷっ」
その状況に、誰かが吹き出す。
「「「ハハハハハハハハハハハッ!!!」」」
それに釣られるようにして、その場にいた3人とも笑い出した。
「「ぶっ飛ばす」」
「斬るよ」
ここでハバキリ君男に戻る。
具体的に言うとメッチャやる気になった。
大噴火:
槍に溜めた凍結液と、炎の力を組み合わせて引き起こす大爆発を直線状にぶっ放すトンデモ技。
深海なので地底火山から準えてシンプルに大噴火になった。




