相対する龍と冒険者
正直ここらへんで貯蓄がなくなってきている
マグマの流れる洞窟にて、3人の冒険者と一体の龍が対峙している。
「チョーイチョイこれ仙女ババアがヘイト稼いでも攻撃飛んで来てんじゃん!」
1人の桃色の剣士が、死角から飛んで来た敵の攻撃を避ける。さらには、龍の噛みつきまで来るが難なく躱し、顔に剣撃を与える。
「クソッ!配置覚えるのキツいんだよ!」
そう言っている間に龍の周りに雷の膜ができ、龍を一時的とはいえ拘束する。
「ホレホレ!コレくらい捌き切ってみせよ!」
「クソが!バイクで避けてるやつには言われたくねえ!」
1人の仙人が、バイクに跨り剣士のそばを通り過ぎる。先ほども、バイクから出る雷で相手を拘束したのだ。
「しかしヤツの鱗が空中に留まっていないのはありがたいな」
「そこまでされておれば今頃コヤツを使ってはおらんよ」
「そうでなくてもちょっと硬すぎるだろ。どこかに弱点とかないのかよ」
と攻撃したばかりの顔部分を見やると、あまりダメージが入っていない。
「おそらくは鱗を射出したところが黒くなっているので、そこに攻撃を当てるべきでゴザルよ」
スタッと剣士の隣に降り立ったもう1人、魔法少女風の衣装のプレイヤーが、語る。
「ミスト、そこらじゅうに刺さってる鱗は」
「ああアレ破壊は可能っぽいでゴザルけども、普通に拾えばアイテムとして持ち運べるでゴザル」
とさっきからそこらじゅうに突き刺さっていた鱗と同じものを影から取り出す。
「それは少々欲が出るのう」
「じゃあミストは引き続き鱗を取り除いて…そろそろくるよ!」
「Vvvvooooooooooooo!」
バリッと膜を引き裂き、龍が顔をのぞかせる。そして体を丸めて全方向に鱗を放った。
「「「「「ではコレで回収してくるでゴザルね!!!!!」」」」」
避けながらも5人になった魔法少女風のプレイヤーは駆け出していく。
「はっやいねー。ヨシッ!集中集中!」
「コレコレ童よ」
「ん?なんだ急に」
「アヤツが鱗を飛ばす周期はおおよそ60秒といったところじゃ」
「アドバイスサンキュ!ってもうブレスしてくんのかよ!」
「では儂も飛ばすかのう」
そう言い、バイクで走り出し龍に向かった。
「ああもう」
そして剣士は思う
「正直、角折りたいなぁ」
さーてハバキリと仙凛と…あと一人は誰なんだ一体
ちなみに彼らに魔法少女の知り合いはいません。
このゲームに魔法少女という職業もありません。




