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この校舎は既に閉鎖されています。  作者: トランス☆ミル
エピローグ

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19/19

この校舎は既に閉鎖されています。

 ある日。2人の若い男が、巨大な校門の前に立っていた。


 ――比較的カジュアルな格好をした一条と、陰陽師のような古風の装束を着た天宮あまみや


 門にはツル植物が絡んでおり、門から坂を登った先に見える第二校舎がしんみりと佇んでいる。


「ウワサに聞いてはいたが、随分とでかい私立高校だなぁ。本校舎はここからあんまり見えないが、かなり綺麗だ」


 そんな中、一条が感心したように口を開く。


「……この県で一番でかかったらしいからな」


 その言葉に、天宮が静かに答えた。


「マジか。なんで廃校になったんだ?」


「お前、知らずに着いてきたのかよ……俺たちの話聞いてなかったのか?」


 天宮は、呆れたようにため息を吐く。そして、軽い説明を始めた。


「……約2年前の9月19日。この学校の生徒37(・・)人が神隠しにあったらしい」


「37人?」


「あぁ。その事件は禁忌の怪奇事件として隠蔽され、表沙汰になることもほとんどなかった……」


 風が吹く。校門の鎖が小さく揺れた。


「だが、生徒が37人も消えたんだ。在校生の中退や転校、新入生の極度の定員割れが続いてな。結局、学校は潰れた」


「へぇ〜」


 一条は、天宮の話に興味半分といった様子で校舎を見る。


 そして、


「で、お前は"宮の家系"として肝試しに来たってことか」


 と、軽く言った。


「肝試しじゃねぇよ! 調査だって言ってるだろ!」


 天宮は即座に否定する。


「調査? あ~、なんかそんなこと言ってたな」


「そうだ。だから、お前来んなって言ったじゃねぇか。五摂家とはいえ、"宮"でも"神"でもない奴がくる場所じゃない」


「いや、だって面白そうだったし」


「はぁ……」


 天宮は呆れたように頭を押さえる。


「まぁ、何があるかわからんが、着いてきたからには死ぬ覚悟で来いよ」


「死ぬ……まっ、お前がいれば大丈夫だろ」


「お前なぁ……」


 しばしの静寂。2人の間を、夕暮れの風が再び吹き抜けた。


 2人の視線の先には、誰もいない校舎。


 そして校門に掛けられた看板。そこにはこう書かれていた。



【この先は禁足地です。立ち入りは固く禁じられています。】



 さらに、その下。古びた別の看板が静かに揺れていた。



【この校舎は既に閉鎖されています。】


これで、『この校舎は既に閉鎖されています。』は終わりとなります。


ご愛読、誠にありがとうございました。次回作にご期待ください!!


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