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魔法講座  作者: segakiyui


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8.三日目、一時限

 おはようございます、みなさん。

 今日はまず隣の人を叩いてみて下さい。

 ………はい、『無限大』くん。

 ……ええ、そうです。

 はい。

 ………いえ、どこでもかまいません。

 ……そうですね、強さも適当でいいですが、あまり恨みが残らない程度にしたほうがいいと思います。

 場所としては腕か背中ぐらいがいいかとは思いますね。頭だと違う方へ発展しそうですし。

 ……はい?

 まあ、そうですね。お隣と既に交戦状態にあるなら、別の人でもかまいません。

 ………ええ、自分でやってみてもいいですが………難しいですよ。

 えーと、あなたは………『さくりふぁいす』くん?

 あなたはいろいろ話をややこしくするのが好きではありませんか?

 そうではない?

 むしろ解決しようと奮闘努力している?

 なるほど。

 その努力が身を結ぶものになるといいですね。

 さて………おやおや、なぜそこに数人が溜まってるんですか?

 え? 誰でもいいと聞いたので目当てに向かったら溜まってしまった?

 ………。

 あなたがたはどうも授業に集中できないようですね。

 あなたがたの「叩きたい」という気持ちを発散するのに私の指示を使わないように。

 時々そういう人々が居ますが、一般的にはそのような状況を「虎の威を借る狐」といいます。

 意味は各自調べ直して下さい。

 あなたがたの名前は『狐1』『狐2』『狐3』というところでいかがでしょう?

 ……嫌?

 先日の授業で主語を持たないことばは主語のない中身を語る可能性があると話しましたが、主語のない行動も同様です。

 あなたがたの行動は、あなたがたが自己判断ができないことを表現しています。

 では、こうしましょう。

 あなたがたがきちんと認識された行動を取れるようになるまで、あなたがたは番号で呼ぶことにします。

 では『1』くん。

 あなたです。

 あなたはなぜ彼を選んだのですか。

 ………なんとなく?

 わかりました。ではあなたの名前は『なんとなく1号』くんです。

 …………はいはい、みなさん、一斉に笑ってはいけません。

 いずれ自分の身に降り掛かることですよ。

 では次の人?

 あなたは『2』ですが、理由は?

 え? つい? ではあなたは『つい2号』くんですね。

 ………なんですか、そこ。

 びみょーな意味だね?

 ことばには気をつけましょう、と言ったはずです。

 『つい2号』くんの名前が「びみょー」ならば、それはあなたの中に「びみょー」なものが詰まっているということですよ? あなたは………『純白』くん? 

 ふむ。

 まあおいおい辞書を活用して下さい。

 名前は願望と本質を表す、といいましたが、相反する場合には名前をつけるのは難しくなりますからね。

 さて、さすがに『3』のあなたは答えるのを警戒してますね。

 よろしい、何が起こりそうか、予測し対処するのは大切なことです。

 では、あなたが、彼を選んだ理由はなんですか?

 …………生意気だから?

 おめでとう、よくやりましたね。

 え? いえ、辞書なしで名前に辿りついたじゃありませんか。

 あなたの名前、『3』は取り消して『生意気』くんとしましょう。

 ………ええ、そうですよ。

 はい? ああ………生意気なのはあなたではなく、彼なんだと?

 けれど、それはあなたの中のものが彼に映されただけのことです。

 さて………囲まれていたあなた。

 あなたの名前は空欄ですが、決まりましたか?

 ………そうですか。

 では『鏡』はいかがでしょう。

 え?

 …………きれい、ですか?

 ………いえ、性別種族外見は関係ありません。

 これはあなたの本質の一部であって、しかも孤独な名前です。

 

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