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ある日の舞踏会 (学園二学年夏休暇 )

ちょっとした漏れでた妄想。

今回三人称で書いてみました。

ちょっとした婿殿と舅の戦いのようなお話。

凄く久しぶりですし、相変わらずの文書力の無さに投稿していいのかと思いながらも、ポチっと勇気を出して投稿。

 アルベルトとロゼアンヌがクルーズベルト公爵に、正式に婚約関係を認めてもらった、学園二学年の夏休暇のある日の王城での舞踏会、アルベルトとロゼアンヌ、クルーズベルト公爵夫妻も参加していた。



 クルーズベルト公爵夫妻はダンスを終えて、壁際で休憩していたが、クルーズベルト公爵家の当主シモンは、フロアで踊っている娘のロゼアンヌを見て微笑みを浮かべいるが、プルプル体を震わせていた。

 シモンに腰を抱き寄せられていたマリーローズが、震えている夫に気が付き、そっと夫を見てみると、表情は微笑みを浮かべているのに、目はロゼアンヌの婚約者であるアルベルトを鋭く見ており、そして夫の手が無意識に警告用ナイフがある上着の内ポケットへと移動しているのを見て、あらあらと思いながら自分の方へと意識させるように、夫の胸に手をあてて問いかけた。

「シモン、どうしたのですか?」


 妻に優しく問いかけられ、情けない表情をして妻に顔を向けたシモンは、内ポケットへと向かった手で、自分の胸に添えらた彼女の手をそっと握り取り、妻を見つめ、そして同意を求める様に口を開いた。


「殿下は、ロゼに過度に密着し過ぎではないか、あれを見てくれ」

「そうですか?私には普通に見えますよ」

 いやっとシモンが再度言おうとした時、曲が終わり、アルベルトとロゼアンヌがクルーズベルト公爵夫妻の所へと来た。


 バチりとアルベルトとシモンの目が合い、二人は互いに微笑み合う。

 周りのご婦人方は麗しい二人の微笑みにうっとりと見とれているが、二人の視線からはバチバチと火花が散っている、それがわかるのはロゼアンヌとマリーローズと、ひそかに玉座からちらりと見ていたアーサー王のみ。


 シモンは丁度良いと、アルベルトに釘をさす。

「アルベルト皇太子殿下、婚約者としての節度をお願いしたはずですが、先程のダンスは些か節度ある距離とは言いがたいのでは」

 そう言ったシモンにアルベルトがにこやかに答える。


「おかしいですね、クルーズベルト公爵を参考にしたので、節度ある距離だと思うのですが」

「なっ!?私を参考にしたならもう少しロゼアンヌとの距離が「お父様、今もお母様をそんなに抱き寄せられているお父様では、説得力がありません、そしてダンスをされる時は、私も恥ずかしくなる程に、今よりもお母様を抱き締めて踊られてましたよね、それに比べればきっと(・・・)まだ私達は普通です」うっ、ぐっ、いや、そんな事ない」とシモンは言うものの、ジト目で娘のロゼアンヌに言われ、狼狽えながら妻の腰を抱き寄せて、もう片方の自分の手は妻の指を絡める様にぎゅっと握った妻をそっと見下ろし、改めてロゼアンヌを見ると、アルベルトの腕に手を軽く添えて組んでいた、ぐぅの音も出ない、そんなシモンにアルベルトがニヤリと笑う。


「私もいまの(・・・)クルーズベルト公爵を見習えばいいのですね」

「「えっ?」」とシモンとロゼアンヌの声が重なった。


 アルベルトはロゼアンヌが添えていた手をそっと腕をから外し、その腕を彼女の腰に回して抱いて、反対の手でロゼアンヌの手を握った


 見事クルーズベルト公爵夫妻と同じになった。


 違ったのは、ロゼアンヌだけが頬を赤らめてアルベルトに訴る。

「で 殿下、これはちょっと は 恥ずかしいですので戻しましょう、おねがいですから」

「うん?だけどロゼ、先程の私のエスコートはクルーズベルト公爵には不評だったようだからね、それならやはりクルーズベルト公爵を見習うのが一番だろう、ロゼ」


 ロゼアンヌに蕩けるような微笑みを向けそう言ったアルベルト。

 そしてシモンへと顔を向け、勝ち誇ったように笑んだ。


「ですよね、クルーズベルト公爵」

 シモンはうっと言い詰まるが、何か言わなければと口をモゴモゴするが、言うと全て今の自分にブーメランで返ってくると思い、しかし妻を解放する事も出来ない、だがアルベルトからはロゼアンヌを離したいと葛藤していると、マリーローズがにこやかにシモンに話しかけた。


「懐かしいですわね、シモン、私達が婚約していた時、アルベルト皇太子殿下と似たような事を私の父にシモンも言ってましたわね」

 そして可愛らしくクスクスと笑った。

「マリー……」情けない表情をして妻を見るシモン。


 マリーローズは、私もシモンと婚約したばかりの頃は、今のロゼアンヌの様にシモンに翻弄されてたわね、と懐かしく思いながら、若い二人の邪魔はしてはいけないわねと思い。

「シモン、私飲み物が欲しくなりましたわ、あちらへ参りましょう、殿下、ロゼアンヌの事宜しくお願い致しますね」

 そしてマリーローズはシモンにさあさあと移動を促し、ロゼアンヌにウィンクをしてその場を後にした。



 マリーローズに意味深なウィンクを贈られたロゼアンヌは思った。

 お母様、そのウィンクの意味はなんですか?!アル様の事は止めてはくれないのですか!と母に心の中で訴えたが、マリーローズはシモンと共にそのまま去ってしまった。


 ロゼアンヌは去って行った母に呆然とする。

 そんなロゼアンヌにアルベルトがぎゅっと抱き寄せた。

「少し私達も休もうか、ロゼ」

 このままテラスに連れて行かれると不味い気がと思いながらも拒否出来ずに、アルベルトにエスコートされるロゼアンヌ。

「ロゼ、愛してるよ、でも結婚するまでは我慢して、クルーズベルト公爵を見習うことにしするよ」

 アルベルトはそう言ってロゼアンヌの耳元に囁いた。

 アルベルトに色っぽく言われ、言われた内容にフリーズしたロゼアンヌを連れ、嬉しそうにそのまま移動するアルベルト。


 ロゼアンヌは、かぁっと顔が熱くなるのを感じながら内心慌てて思う、お父様を見習うって!?無理です!?心臓が持ちません!あっ頭に血が昇ってと思うと、頭がボンヤリしてきたロゼアンヌはふらりとよろめいたが、しっかりとアルベルトに抱き寄せられているので倒れる事はなかったが、ふわりと足が浮いたと思ったらアルベルトに抱き上げられていた。


 慌ててロゼアンヌは小さな声で訴えた。

「アルベルト殿下、おろして下さい大丈夫ですから」

「気にするな、それに俺が嫌だ」

「?」

「今の可愛いロゼの顔を皆には見られたくない」

 言われたロゼアンヌはぶわっとなお顔が熱くなり、恥ずかしくてアルベルトの胸に顔を埋めた。


 そんなロゼアンヌをより愛しげに見つめ微笑むアルベルトはそのまま会場から移動した。




 アルベルトとシモンのやり取りをはらはらと玉座から見ていたアーサー王は、シモンとアルベルトが逆方向に会場から移動したのをほっとしていたが、まさかさっきのアルをシモンは見てないよなっと思い、アルベルトの対角線上向かいに居たシモンは、背中を向けていたのでほっとするが、ぶるりと寒気を感じた。


(もしかして、明日シモンが怒鳴りこんでくるんじゃ……うう、胃が……)

 華やかな舞踏会の中アーサー王はどんよりと肩を落とした。

日常のひとこまのお話でした。

いろいろ妄想はあるのですが、落ちがないのでなかなか文章に書きあがらないなか、この短編がポロっと漏れでました。

2019/3現在も読んで頂いてる方々がいらっしゃり、ありがたく思います。

なかなかお礼を言える機会がないので、この場でお礼申し上げます。

ありがとうございます。


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