第56話 オカルト部活動
大牙が色々大変なことになった頃――
その数日前――
――ブラック・リザードの潜入場所
――金剛学園「オカルト部」にて
「――では、行きましょう!」
意気揚々と言う部長。
オカルト部に入部して、数日――
僕は、今日――
初めて、オカルト部の部活動(依頼)をすることになる。
「…今日、どこに行くんですか?」
九朗は、部長に依頼の場所を聞く。
「近くの公園です!」
「公園…ですか…」
予想外な場所に少し驚く。
(廃墟なんかに行くかと思ってた…)
今回はお祓いらしく、公園に幽霊が出てくるから祓う。
ということになっている。
「公園の幽霊…」
公園に出てくる幽霊と言えば…。
「……首吊り?」
「コラ!不謹慎っすよ!」
「…すいません」
さすがにダメだった。橙に怒られる。
「今回は…子供の幽霊…」
「へえー…」
楓さんが、今回の幽霊について教えてくれた。
(子供か…)
「…事故?」
「うん」
どうやら事故にあったらしい。
「…悲しいですね」
「そうですね…」
子供のことを聞き、怪人だけど少し悲しくなる。
「その子が成仏できる様に頑張りましょう!」
「はいっす!」
「はい…」
コクン――
そう言われ、僕たちは個々に気を引き締める。
と言っても…僕たち護衛だけで…。
(……いる意味あるのかな?)
成仏をやるのは、部長だけですけど…。
そう考えるが――
(まぁ……何とかなるでしょ…)
そうして公園に行く。
『アクアマリン公園』
その名前にぴったりな藍色をした海のような色で彩られた公園だ。
「――では、みなさんコレを…」
部長から渡されたのは、眼鏡だった。
「これは…」
「幽霊が見えるメガネっす!」
幽霊が見える…。
よく見ると――
なんか極小でお経?みたいな文字が書かれてる?
「コレは、私が開発した眼鏡で、九朗くんでも幽霊を見ることができます」
幽霊が見える――
そう言われてもあんまりピンと来てない。
「大丈夫…」
とりあえず、楓さんに言われた通りにかけてみることにする。
「…ん?」
(…?…何か白黒の様なものが…?)
かけた途端、白黒の人の様なものが出てくる。
「…もしかして…これが…」
「はい。白黒の人っぽいものが幽霊です」
(ああ、やっぱり…)
「なんで、白黒なんですか?」
「ああ、それは――」
部長が説明してくれて――
眼鏡の仕掛けらしく、幽霊はわかり易いように白黒に見えるらしい。
見える人だと、同じ人のように見える。
しかし、幽霊が見える歴が長い部長は‘‘感じ‘‘でわかるらしい。
「スゴイですね……」
「そうでしょう!」
部長は眼鏡の事を褒められて、自信満々に胸を張っている。
「ああ!それと言っとくことが…」
「?」
「『異形』には気を付けて下さい!」
行く前に説明されたが――
幽霊の中にも『異形』と呼ばれるものがいる。
幽霊の『念』が強いと人型から怪物の様な姿になるらしい。
基本、何を言ってるかわからない。
…というか意思疎通が不可能らしい。
色々理由があって狂ってしまったからと言っていた。
「わかりました」
「はーい!」
「…了解」
オカルトには興味ないけど…。
でも、僕はこの世界では素人だから、玄人の部長の言葉には従わなければ…。
実際、この眼鏡――
仕掛けはないけど…なんか力を感じる。
そうして――
僕は子供の幽霊を探す。
因みに――
子供を探す理由は――
依頼というのもあるけど――
子供は純粋だから、感情が強い。
だから…『異形』になり易いから、早く見つけなくてはいけない。
(どこだろう…)
周りを見ているが、その他の幽霊が多く、見分けずらい…。
「…そっち、どう?」
「まだ、全然…」
楓さんも見つけられてない。
これは思った以上に難しいかもしれない。
「――……えー……ん……」
「?」
(…なんだろう?)
何か音?…いや、声か…。
どこからか声が聞こえてくる。
これは…子供の声かな?
しかし、それは生きた人間の声だろう――。
この眼鏡は、幽霊を見えるようにするだけで、声は聞こえない。
実際、近づいてみても幽霊の声は聞こえなかった。
僕たちは、この眼鏡をかけて、その目で見るしかない。
「…どうしたの?」
楓さんが、僕の行動が気になったのか、聞いてくる。
「……子供の泣き声がする…」
「子供の?」
僕は、楓さんに言った。まだ数日の付き合いだけど信頼はできる。
「どこかで子供が泣いているだけだと思うけど…」
楓さんに気のせいだと言う。
しかし――
「…そんなのどこにもいないけど?」
「え…」
楓さんの言葉を聞き、少し戸惑った。
「いや…でも、確かに…」
聞こえてないはずない…と思う。
楓さんは意外と耳は良い方だ。
オカルト部に入って間もない頃に忍者について聞いてみたけど、忍者の修行をしていたせいか五感が鋭くなってるらしい。だから、常人より耳は良いらしい。
その楓さんが聞こえてない。
その理由は――
その1、周りの声にかき消されてる。
確かに、他に子供はいる。
子供の泣き声は意外に大きい。スーパーで泣いている子供がいたら、大体の人がその声の方に気づき見るだろう。子供でも大人でも――
しかし、その様子はない。周りの子供や大人は普段通りに過ごしている。
その泣いている子供を叱りつけている大人もいない。
その2、空耳だった。
単純に僕の気のせい。
初めて幽霊を見て、動転したから――。
――って、そんなわけない。
どんな状況でも冷静に行動できるように訓練してきたから、その可能性は低い。
その3――
「――…えーん……えーん…!」
幽霊の声が聞こえるようになった。
「えーん!えーん!」




