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第3話 それいけクラシー

[クラシー視点]

「ストーンバレット!ストーンバレットォ!」


 ズガッ!バキッ!


「ピギップギィィィ!」


 私の魔法が炸裂!真っ黒で豚人(オーク)の人たちにによく似た魔獣、邪豚人(イビルオーク)を倒しました!


「わぁ!すごいねクラシー!教えたばっかりなのにこんなにできるなんて、さえは天才だな?ういうい。」


「もぉ、褒め過ぎだよミック。貴方の教え方が上手だったからできたんじゃないの。」


 そう、私がこの『土魔法』を使えるのは、ミックが教えてくれたからなのだ。

 本来なら、レベルを上げて、お勉強をして覚えていくものなんだけど、ミックが教えてくれて、何個かできるようになっちゃったの。本当は、『回復(ヒール)』しかできなかったんだけどね。


 そして、私達がいるのは9階層。ミック曰く、もう少しで次に行けるとのこと。習得した火魔法、『トーチ』で照らしながら進んでおります。

 ところで…


「この死体、どうするの?」


「んーっとね、『(イビル)系の魔獣は倒しても戦利品的なものは経験値と持っているものしかない』って前見かけたヒトが言ってたよ。だから、ふつーなら燃やすらしいんだけど、わたしがたべちゃうね。」


 いただきまーすってな感じでミックが死体を食べ始めた。目を背けておこう…。


「ねえミック、焼いたりしたほうが良かったりしないの?」


「むしゃむしゃ、ん?こいつらはなんでか焼いてもそんなに変わんないんだよね。魔素の塊みたいなものだから。」


「それって…」


「無味だね!でも大丈夫、慣れてるから。あ、クラシーは間違っても食べちゃだめだよ?魔素は魔素でも汚れた魔素だからね。」


「心配しなくても食べないよ…。」


 プッ、ゴトッ


「え?なにこれ。」


邪豚人(イビルオーク)の魔石だよ。冒険者ってのは魔石とかがいるんでしょ?」


「う、うん。ありがとう、ミック…そういえばさっきの邪大鬼族(イビルオーガ)は魔石無かったの?」


「あったよ、でもね、丸ごといったから魔石も飲み込んじゃったんだよね。あの倒し方だと、魔石は取り出せないんだ。」


 へぇ〜、にしても、食べながら話すなんて器用な真似するよね…発声器官何処にあるんだろ。




 〜〜





 ミックの食事?も終わり、9階層を着々と進んでおります。

 途中で落とし穴に遭遇もしたけど、そこはやはりここに住んでいるミック。どこにどんなやつがあるかは教えてくれました。下はトゲトゲがいっぱいあったよ、ヒェッ。


「クラシー、前から骨人(スケルトン)が来るよ。」


「今度は(イビル)って付かないんだね。」


「普通の骨人(スケルトン)には知能が無いからね。たまに賢いのが生まれるけど、そういうのは魔物を倒して無害ってことをアピールしてる事が多いね。今のはスライムも素通りしてたから、普通のやつだよ。」


 前世の記憶があるとかそんな感じなのかな。絶対におなりしたくない。


「骨ならこれだよね!ファイヤーボール!」


 ゴォッと大きな火球が突き進み、命中!

 逃げる素振りも見せず、骨人(スケルトン)は消し炭になりました。


「やったねクラシー!ししょー冥利に尽きるよ!レベルもそこそこ上がったみたいだよ!」


「本当!?あ、11になってる!嬉しい!」


 9階層って本当は何人かでチームを組んで挑む階層だもんね。私とミックだけだから、レベルも早く上がったんでしょう。


「あそこに階段があるけど、わたしの体内時計によると、もう今日は夜みたい。」


「8階層の終わりより、9階層の始めの方が、まだ安全…よね?」


「どうかはわかんないけど、ここら一帯の魔物は倒したし、こっちの方が休むにはいいと思うよ。じゃあ、わたしが魔物には多分バレない壁に『擬態』するから、クラシーは休んでてね。」


「ありがとう、ミック。」


 ミック、まるでちょっとした個室みたい。これなら安心できそうね。ミックがおともだちになってくれて、本当によかったわ…安心したら眠くなってきちゃった…


「おやすみ、ミック。」

「おやすみクラシー。見張りは任せてよ。」


 そうして私は夢の世界へ旅立った。





 [ミック視点]


 さて、と。クラシーも寝たことだし、わたしは罠でも張りますかねぇ。


 罠というと色々あるけど、今回の獲物はこの階層の魔物!つまり、等しく人間を襲う&遠距離攻撃できるやつなんかいないので…


「クラシーがいるとこはそのままで…よく見えるように、『クラシー』に擬態!」


 無防備に休んでいる人間がいたなら魔物がすっ飛んでくるのは当たり前!

 それに、クラシーの姿なら、クラシーの知り合いが通ったときに気づいてもらえるからね。


「さて、反応があるまでわたしも休もうかな。」


 間違えても人間には反応しないようにしなきゃなぁ…






(数刻後)





 コッコッコッコッコッコッ


 う〜〜ん、なんだろ。階段を靴で降りる音?


「――シー!いたら返事してくれ!」


 おや?その名前にはなんだか心当たりが…というかこの声、知ってる!


「おーい…ん!?もしかして、クラシーじゃないか!?」


 やっぱりクラシーを探してたのね。

 わたしの眼の前に出てきたのは、金髪で、剣を持ってて、キレイな格好をした精悍?な顔立ちをした男の人だった。

 そして、改めて思った。その人は、クラシーにそっくりだと。

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