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ある日ダンジョン出現に巻き込まれた  作者: 鹿野
2章 目指せSランクパーティー
88/129

#88 記者会見と爆弾発表

 10月3日(木)


 授業が終わり一旦俺の家に行き、雪兎とエレンも連れて制服姿のまま新宿支部に転移して来た。


 転移前に先に新宿支部に来ていた可憐さんに連絡を入れておいたので、すぐに迎えに来てくれた。


「みんなこっちよ」

「可憐ちゃーん」

「願いが叶ってよかったわね」

「うん」

「可憐姉〜」

「かれんさ〜ん」

「ヨシヨシ」


 女子達が可憐さんに抱き着いて泣いている。

 俺の知らない所で何かあったのか?


「可憐、ここだと目立つから、奥へ行きましょう」

「そうね。みんな、一先ず奥に個室を用意したから、そこに行きましょう」

「「「は~い」」」


 周りにちょっと注目されながら、可憐さんの友人で以前会った事のある武田さんに案内され、奥の個室に移動して来た。


「ここはクローバーの控室なので、自由にお使い下さい」

「ありがとうございます。あの、緊張してしまうので、出来れば普通に話してもらえると助かります」

「えっ?いえ、ですが...」

「奈緒、この子たち畏まられると緊張しちゃうんですって。私と話す時みたいに接していいわよ」

「えっ?ホントに?」

「うん!そっちの方が落ち着くよー」

「可憐姉と話す時みたいに話してくれた方が嬉しいな~」

「宜しくお願いします」

「じゃ、じゃあ、そうさせてもらうわね?」

「「「は~い」」」

「ふふっ何だか妹が増えたみたいね」

「最初私も妹と弟が出来たみたいって思ったわ」

「そうね。黒木くんもよろしくね?」

「はい。宜しくお願いします」

「黒木くんは敬語なんだ...」

「まあ、春斗くんとほのかちゃんは敬語で話す方が楽らしいから、気にしなくていいわよ」

「はい。気にしないで下さい」

「そうなの?分かったわ。じゃあ、ダンジョン協会の役員の人達を呼んでくるわね」


 10分後、奈緒さんは協会の役員さん達を連れて戻って来た。

 その中に見知った顔を見つけた。


「よく来たね」

「あれ?おばあさん何でここにいるのー?」

「あたしは本部の役員も兼任させられてるからだよ」

「大変だね~」

「ホントに年寄り使いの激しい連中さ」

「おいおい、千代さん勘弁してくれよ。いきなり印象が悪くなっちまうじゃねえか」

「あんたの顔じゃ最初っから印象最悪だろう?」

「ぷっ確かに千代さんの言う通りね」

「美也子まで、たくっ酷ぇ昔馴染達だぜ...まあいいや。俺は日本ダンジョン協会の会長をやってる権藤ごんどう たかしだ。宜しく頼む」

「クローバーのリーダーをやってる黒木 春斗です。宜しくお願いします」

「同じくクローバーの青山 ほのかです。宜しくお願いします」

「同じくクローバーの白坂 唯佳です。宜しくねー」

「同じくクローバーの桃井 雛で〜す。ヨロシクねゴンちゃん」

「「「「「「「「「ぷっアッハハハハハ」」」」」」」」」

「お、おい!雛!」

「ああ、いい気にするな坊主。好きに呼んでくれていいぜ嬢ちゃん」

「いえ~い」

「私もゴンちゃんって呼ぶねー」

「おう!いいぜそっちの嬢ちゃんも坊主も好きに呼んでくれ」

「分かりました。権田のおじさま」

「じゃあ、俺は敬さんで行きますね」

「この子達物怖じしないわね」

「会長のこの顔を見て、いきなり懐いて懐に入り込む奴なんて初めて見たな」

「ああ、実の孫でも未だに懐いてないのにな」

「おい!孫の事言ったのはどいつだ!?」

「敬!さっさと話を進めな!!さもないとあたしもあんたとの昔話に花を咲かせちまうよ?」

「うっ!そ、そうだな。この後クローバーには、俺と一緒に記者会見に臨んでもらう。そこで正式にSランクパーティーへの昇格が認定された事を発表する。その後、Sランク探索者用の探索者カードを渡す所を写真撮影させてやって、質疑応答があって会見終了の予定だ。カメラのフラッシュは平気か?」

「大丈夫です」

「「平気〜」」

「私も平気です」

「よし!流れはそんな感じだ」


 流れは至ってシンプルなので問題ないけど、緊張しないか心配だ。


「大丈夫だよ春くん。緊張してなくても噛んだりするし」

「そうそう、心の声が漏れたりもするしね~」

「私達でフォローするので安心して下さい」


 自分がダメな子である事を再認識させられた。


「ところでお前ら千代さんと源を70階層のボス部屋に連れて行ったそうだが、その方法を教えてもらう事は可能か?」

「うん。いいよー」

「ホントか?じゃあ、どうやったのか教えてくれ」

「私の転移スキルで連れて行ったのー」

「転移スキル!?そんなスキルは聞いた事がないぞ?協会のデータベースにも載っていないんだが!?」

「それは、私の判断でデータベースに載せるのを止めていました。クローバーの不利益にもなりかねないと判断し、自分達で公表するまではこのままの状態で行く予定です」

「なるほどな。優秀な専属担当だな」

「でしょーえへへー」

「ありがとうございます」

「じゃあ、そのスキルの事は秘密のままって理解でいいのか?」

「うーん、もう公表してもいいかなー?」

「いいのか?」

「うん。その方が楽そうだからねー」

「分かった。まあ、公表する時は自分の口で公表してくれ。どのタイミングで公表するのかは唯佳の嬢ちゃんに任せる」

「分かったー」


 時間になり敬さんに連れられて、会見場の前まで行き、扉の前で呼ばれるのを待っている。俺達は呼ばれてから入るらしい。


 閉じられた扉の向こうから、司会を務める可憐さんの声が聞こえて来た。


「大変お待たせ致しました。これより新Sランクパーティー発表記者会見を行わせて頂きます。私、本日司会進行を務めさせて頂きます、源 可憐と申します。宜しくお願い致します」


 会場から一斉にざわめきが起こった。


「それでは本日の主役にご登場頂きます。新Sランクパーティークローバーの皆様です」


 可憐さんに呼ばれると同時に職員さんが扉を開き、敬さんが歩き出した。

 俺達は敬さんの後に続いて会場に入り、一礼して席に着いた。


「先ずはメンバーの紹介からさせて頂きます。権田会長の横から順に紹介させて頂きますので、ご本人からも一言頂ければと思います。では、クローバー唯一の男子にしてリーダーを務めます黒木 春斗くん」

「はじめまして。クローバーのリーダーの黒木 春斗です。宜しくお願いします」

「続きまして、黒木くんの幼馴染みであり、聖女の称号を持つクローバーの回復担当、白坂 唯佳さん」

「クローバーの白坂 唯佳です。宜しくお願いしまーす」

「続きまして、幸運の女神の巫女の称号を持つクローバーの特攻隊長、桃井 雛さん」

「クローバーの桃井 雛で〜す。ヨロシクね~」

「続きまして、火水風土雷の5属性魔法の遣い手、クローバーの知恵袋、青山 ほのかさん」

「クローバーの青山 ほのかです。宜しくお願い致します」

「最後に黒木くんの従魔を紹介させて頂きます。先ずは風雷雪うさぎの雪兎くん」

「キュッ!」

「続きまして、クリエイティブエレファントのエレンくん。以上でクローバーのメンバー紹介とさせて頂きます」


 俺以外の紹介内容に会場がどよめいている。

 俺の紹介内容はリーダーってだけだったもんな...


「今、司会の源からもあった様に今日からここにいるクローバーをSランクパーティーと認定する事に決まりました。これから、認定する決め手となった映像をご覧頂きたいと思います。この映像は、クローバーの専属担当であるそこの源と、富士森公園支部支部長の武者小路が同行して撮影して来た物で、一切の編集などは行っておりません。では、ご覧下さい」


 スクリーンに映し出されたのは、先日おばあさんと可憐さんを70階層のボス部屋に連れて行った際の神の遣い戦を撮影した映像だった。


 僅か1分にも満たない短い映像が流れ終わっても、誰もスクリーンから視線を動かしていなかった。


「ただいまご覧頂いた映像は、希望される方にお渡しさせて頂きます。但し、1社に付き1つとさせて頂きます。続きまして、権田会長からクローバーの皆様へSランク探索者用の探索者カードの授与へと移らせて頂きます。撮影者の方はどうぞ前の方へお越し下さい。では、権田会長宜しくお願い致します」


 俺から順に敬さんから新しい探索者カードを受け取り、1人1人写真を撮られた。


「最後に質疑応答へと入らせて頂きます。質問のある方は、挙手の後、指名されてから所属、氏名に続き質問をどうぞ」

「月刊ダンジョンマガジンの藤田 真希と申します。先程の映像はそちらで司会をされている源さんと富士森公園支部の武者小路支部長が同行して撮影されたとの事でしたが、映像に映っていたのは70階層のボス、神の遣いだったと思うのですが、現役当時53階層まで行かれた経験のある源さんは兎も角、武者小路支部長は探索者経験はなかった筈です。どうやって連れて行かれたのか、お教え願えますか?」

「それについては私から説明しますねー。2人を連れて行った方法はー、私の転移スキルで連れて行きましたー。その後は私の結界内から撮影してもらったんでーす」


 唯佳の話し方に一瞬和んだ会場が、転移スキルという発言で一瞬にして静まり返り、盛大にどよめいた。


 その後、映像に映っていた雛の分身やほのかの雷魔法についての質問もされたのだが、スキルに関する質問には、可憐さんや敬さんも回答に回っていた。


 一通り女子達のスキルについての質問も終わり、唯一の男子である俺がいる事に関しての質問がされた。


「週刊しんしおの野中 太一と申します。女子3人の中に1人だけ男子が混ざっている事に違和感があるんですが、やっぱり黒木くんは3人が可愛いからパーティーに入れたんですか?」

「いえ、偶々ですね。3人共美人なのでよく勘違いされてしまうんですが、このメンバーでパーティーを組んだのは偶々です。すみません。期待された答えじゃなかったですよね」

「週刊あらしろの田中 雅文と申します。先程の映像では、女の子や従魔に戦わせて最後の美味しい所だけを掻っ攫った様にしか見えなかったんですが、いつもああやって手柄だけを横取りしているんですか?だとしたら恥ずべき行為だと思うのですが」

「あれは偶々ですね」

「先程から偶々偶々と仰っていますが、そんなに偶々がつづk」

「ああ~うっざ!さっきの映像を観てそんな感想しか出て来ない訳?仮に弱っていたとして、70階層のボスを一刀両断に出来る探索者がどんだけいるのよ。手柄を横取り?何言ってんの?パーティーで戦ってて、手柄も何もないっつうの!そんなに春斗っちの事を悪者にしたがるなら、会見はもうおしまい。行こ!みんな」

「最後に1つだけ、Sランクパーティーになったので、クローバーの女子一同からという形で政府に1つお願いをしまして、承認されましたので発表しておきます。ここにいる黒木くんの重婚が認められました。ですので、私達3人は黒木くんの、春斗くんの妻として頂ける様にこれからアプローチして行きます。春斗くん、宜しくお願いしますね」

「はっ?ハア〜〜〜!?」


 俺への失礼な質問に雛がキレて帰ると言い出したかと思ったら、ほのかから超弩級の爆弾発表まで飛び出し、記者さん達以上に俺が混乱してしまった。


 その後、騒然としている会場から連れ出され、控室に戻って来たのだが、未だに頭が真っ白で何がどうなったのか分かっていない状態だ。


「ハッハッハッハ、何だ春坊は聞かされていなかったのか?」

「あたしもてっきり知っているもんだとばかり思っていたよ」

「でも、宵闇の時も竜次は聞かされていなかったじゃない。あの時も面白かったわね」

「宵闇の響子ちゃんにやり方教えてもらったのー」

「えへへ〜大成功だったね~」

「雛さんが怒って出て行こうとするので、危うく発表を忘れる所でしたけどね」

「だって~あの記者達春斗っちに対して失礼なんだも〜ん」

「うんうん!私も怒ってたよー」

「それは私もですけどね」


 周りでみんなが何か話している様だけど、全然頭に入って来ない。


 結局、ほのかの爆弾発表は、次の日の朝、目が覚めるまでの記憶を、俺の中から吹き飛ばしたのだった。

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