#83 雛の称号
60階層に降りて来た俺達は、真っ直ぐボス部屋を目指した。
1時間半後、漸くボス部屋の前に辿り着いた俺達は、さっさとボス部屋の扉を開いた。
ボス部屋の中にいたのは大きなヘビの魔物だった。
名前はクレアドール・デ・ベネイノ。毒を生み出す者という意味らしい。
可憐さんからもらった情報だと、体長は40mあり強力な毒を持っていて、その毒を飛ばして遠距離攻撃をして来るらしい。
他には巨体を活かして叩き潰す様に攻撃して来たり、噛みつき攻撃や巻き付き攻撃などをして来るらしい。
まあ、俺達には関係ないけどね。
唯佳が結界を張り、3人の雛が影移動で近付き同時に斬り付けて戦闘は終了した。
60階層のボスなら、もう慣れたものである。
「いえ~い」
「雛ちゃんお疲れー」
「よし。先に進もうか」
「ここからは私達にとっては未知の階層になります。油断せずに行きましょう」
「ああ、気を付けて進もう」
「「は~い」」
唯佳と雛の返事に気が抜けそうになったが、いつも通りなので気にせず先に進んだ。
ボス部屋の先にある転移陣を使える様にしてから、61階層に降りて来た。
60階層台は森林エリア。富士森公園ダンジョンでは40階層台も森林エリアだったので、2回目の森林エリアになる。
「同じダンジョンでエリアが被る事もあるんだねー」
「ね~初めてだね~」
「そうですね。私達が攻略して来たダンジョンでは初めてですね。ですが、結構一般的なんですよ?」
「この辺だと、高円寺ダンジョンと奥多摩ダンジョン、新宿ダンジョンにもあるな」
「そうなんだねー」
「知らんかったね~」
「そんな事よりこの階層から魔物の強さの上がり幅が跳ね上がるから、気を付けて行くぞ」
「「「はい!」」」
「この階層の魔物は60階層のボスと同程度の強さになっているからな」
「因みに、この先の魔物の強さの上がり幅は、これまでのボスとボスの強さの上がり幅と同等らしいです」
「えっ!?10階層分も上がるって事?」
「それはキツイねー」
「だから、ここからはより慎重に進んで行こう」
「「は~い」」
「ふふっ2人はいつも通りって感じですね」
「ハハッ頼もしいと思っておこう」
ここからの魔物の強さの上がり幅を教えても、いつも通りの雰囲気のままの唯佳と雛を見て、俺とほのかも肩の力が抜けて程よくリラックスする事が出来た。
59階層と60階層から出て来た魔物は大して強さは上がっていなかったが、この階層から出て来たダブルヘッドスネークは、情報通り60階層のボスと同じくらいの強さだった。
これまでのボスは、5階層先の魔物と同程度の強さだったのが、60階層のボスは次の階層の魔物と同程度の強さなのだから、普通だったら大変なのだろう。だが、俺達にとっては特に苦労する程の事もなく討伐出来てしまうので、これまでと同じ様に次階層への階段を目指して進んで行けた。
「この階層はまだ楽勝だね~」
「そだねー」
「次の階層でどうかって感じだな」
「そうですね。今までの感覚で言えば、一気に10階層先のボスに挑む様なものですからね」
「でもさ~今までも何だかんだそういう進み方をして来た気がするんだけど?」
「そだねー」
「「言われてみれば...」」
「まあ、取り敢えず行ってみてからだね~」
「そだねー」
そんな感じで進む事1時間、62階層に降りて来た俺達は、早速この階層から出て来た魔物、フレイムゴリラと遭遇した。
強さは連携しなくても倒せるけど、流石に纏雷なしでは一撃とは行かなかった。
とはいえ、近接組と唯佳の弓矢は、2〜3発で倒せるので苦戦する程でもなく、ほのかとエレンの魔法組は消費MPを2増やしたマジックバリスタ一撃で倒せていた。
「楽しい〜欲を言えば、もうちょい強くてもいいけどね~」
「雛ちゃん楽しそうだねーよかったねー」
「ふふっそうですね」
「流石バトルジャンキーって感じの発言だな」
「この感じなら、次の階層でも戦えそうですね」
「そうだな」
「アタシは全然平気だよ~」
「私もー」
「じゃあ、63階層への階段を目指して進んで行くか」
「「お〜!」」
「ふふっはい」
この階層は階段間の距離が短かった事もあり、30分程で63階層に降りて来られた。
この階層から出て来た魔物、馬頭との戦闘を経験してみたのだが、近接組と唯佳の弓矢で4〜5発、魔法組は62階層と同じ消費MPで1〜2発で倒せてしまった。
「もう何階層か降りても問題はなさそうだな」
「そうですね」
「じゃあ、先に進んじゃお~」
「おー!」
「ですが、今日はもう帰る時間ですね」
「そうだな」
「う〜折角乗って来たのに~」
「しょうがないねー」
3人で雛を宥めすかして支部に戻った。
「可憐ちゃんただいまーこれよろしくー」
「おかえりなさい。ドロップアイテム的に今日は63階層まで行ったのね」
「うん!」
「60階層台でも攻略速度が落ちないのね」
「今の所はって感じですね」
「やっぱり60階層台だと、1階層降りるだけで加速度的に魔物の強さが上がるので、そろそろ攻略ペースが落ちると思いますよ」
「そうよね。流石にキツくなるわよね」
「次の64階層かその次の65階層辺りで一旦レベル上げする事になると思います」
「無理だけはしちゃ駄目よ?」
「「は~い」」
「ふふっ分かりました」
換金を済ませ、可憐さんも一緒に学校支部の個室に戻った。
「アタシはちょっとビッグボアのバラブロック肉を取りに行くから、みんなは先に帰ってて〜」
「ん?そのくらい一緒に行くぞ?」
「ええ、序にうちの分も取って行きたいのでご一緒します。」
「私も一緒に行くー特上ロース肉欲しいー」
「じゃあ、みんなで行こうか」
可憐さんとは別れ、クローバー全員で4階層に転移して来た。
今回は雛が一緒にいるので、1人で来たこの前よりも楽に集まった。
「やっぱり雛が一緒にいると集めるのが楽だな」
「でしょ~」
「雛ちゃんは幸運の女神だもんねー」
「そうですね。恩恵に預からせて頂いてます」
全員分の肉も手に入り、帰ろうとした時だった。
「ふぇっ!?」
雛がおかしな声を出して立ち止まった。
「雛?どうした?」
「えっ?な、何か女の人の声で、私の巫女として認めますって言われたんだけど...」
「巫女?ですか?」
「うん...」
「何にも聞こえなかったよー?」
「春斗くん、鑑定で見てあげて下さい」
「ああ、鑑定。はっ!?」
「は、春斗っち?どうしたん?変なとこでもあったん?」
「いや、称号が付いてるのと、選択ドロップアイテムっていうスキルが増えてる」
「ふぇっ!?」
「春斗くん、称号はどういった称号ですか?」
そこで、鑑定の結果をみんなに正確に伝えた。
名前:桃井 雛
年齢:16歳 誕生日:5月5日
称号:幸運の女神の巫女
Lv:39
MP:274/274
力:337
耐久:308
敏捷:376
器用:269
魔力:195
運:93/100
スキル:レア率固定、剣術LvMAX、忍術Lv6、アクセラレーション、選択ドロップアイテム(New)
※レア率固定効果
ドロップアイテムのレア率がパーティーで倒した魔物の数の1割で固定される
・選択ドロップアイテム
スキル保持者が倒した魔物に限り、ドロップアイテムを通常ドロップかレアドロップかを選択する事が出来る。
エピックドロップは条件を満たした時のみ選択可
「幸運の女神の巫女...本当に雛さんは幸運の女神だったんですね...」
「いや、巫女だから!幸運の女神本人じゃないから!」
「選択ドロップアイテムっていうスキルも凄そうだよー」
「そうだな。これ、ドロップ率ってどうなるんだろうな?」
「100%ですかね?」
「流石に違うんじゃん?」
「試してみるー?」
「そうだな」
全員好奇心には勝てず、このまま試してみる事にした。
結果は100%の確率で選択肢が現れたらしい。
俺達には何もないように見えていた場所に、選択肢のアイテムが落ちている様に雛には見えているそうで、どちらかに触るともう片方のアイテムは消えてしまうらしい。
雛が触った途端に、俺達にも視認出来る様になり、触る事も出来た。
因みに両方に触れると必ずレアドロップが残った。
時間的に今日は帰る事にして、全員を唯佳が転移で送り届けた。
名前:桃井 雛
年齢:16歳 誕生日:5月5日
称号:幸運の女神の巫女
Lv:39
MP:274/274
力:337
耐久:308
敏捷:376
器用:269
魔力:195
運:93/100
スキル:レア率固定、剣術LvMAX、忍術Lv6、アクセラレーション、選択ドロップアイテム(New)
※レア率固定効果
ドロップアイテムのレア率がパーティーで倒した魔物の数の1割で固定される
・選択ドロップアイテム
スキル保持者が倒した魔物に限り、ドロップアイテムを通常ドロップかレアドロップかを選択する事が出来る。
エピックドロップは条件を満たした時のみ選択可




