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ある日ダンジョン出現に巻き込まれた  作者: 鹿野
2章 目指せSランクパーティー
79/129

#79 武器の更なる進化

 9月24日(水)


 放課後、今日も富士森公園支部の専属カウンターに行くと、可憐さんに少し待つ様に言われた。


 1分程で可憐さんが奥から1組のパーティーを連れて戻って来た。


「彼らがみんなにお礼を言いたいとさっきから待っていたのよ」

「昨日は助けてくれてありがとう。混乱していたとはいえ、まともにお礼も言えず申し訳なかった。俺はバーニングスピリッツというパーティーでリーダーをしている山本やまもと 一輝かずきだ。改めてよろしく」

「クローバーの黒木 春斗です。わざわざ待っていてくれたんですか?」

「朝、源さんに君達が何時くらいに来るのか確認して、それに合わせてダンジョンから戻って来たんだ」

「なるほど、お礼は受け取りました。皆さん無事でよかったですね」


 見た限り昨日助けた人は全員いる様だし、ダンジョンに潜っていたのなら身体に問題もなかったのだろうと思う。


「ああ、君達のお陰だよ」


 それから他の人達からも自己紹介をされ、お礼を言われた。


「俺はタンク担当の山本やまもと 洋輝ひろき和樹の双子の弟だ。昨日はホントにありがとう!」

「アタシは羽田はねだ 美桜みお、槍使いのアタッカーよ。あなた達は命の恩人よ!ありがとう」

「私は三田みた 加奈かな。火属性と水属性の魔法使いよ。助けてくれてありがとう」

「みんな怪我治ってよかったねー。あっ!私は白坂 唯佳です。クローバーの回復担当だよー」

「じゃあ、あなたが治してくれたのね。ありがとう。切断された足を元通りに治してくれて。ここの回復術士の人から、これだけきれいに治せるのは、相当な腕の持ち主だけだって言われたわ。あなたがいなければアタシはここにいられなかったの。だから、ホント〜にありがとう!」

「それは俺も同じだ。白坂さんが腕を繋げてくれなかったら俺もここにはいなかった。ありがとう!ホントにありがとう!」


 洋輝さんと羽田さんが唯佳にもう一度お礼を伝えている。

 確かにこの2人は、命は助かっても切断されていた手足がきちんと繋がっていなかったら、現場復帰は難しかっただろうな。

 そう考えると、唯佳の回復魔法の腕ってかなりいいんだな。


「ええ、白坂さんの回復魔法は相当な腕よ。それはここの回復術士の人も言っていたから間違いないわ」

「えっ?」

「春斗くん。また、声に出ていましたよ」


 突然三田さんに話し掛けられ戸惑っていると、ほのかから声に出ていたと指摘された。


「えっ?今のって声に出してるつもりではなかったの?」

「春斗くんはよく、心の声が口から漏れるんです」

「そうなのね。大事な秘密とかは気を付けてね?」

「私達が見てますので」


 2人からダメな子を見る目で見られてしまった。

 居た堪れないし、時間もないのでダンジョンに潜る事にして、話を打ち切った。


「じゃあ、今度食事を奢らせてね」

「はーい」


 後日、お礼に食事を奢ってもらう事になり、みんなで連絡先を交換して、35階層の転移陣の前で別れた。


 バーニングスピリッツは、34階層でもう少し力を付けてから35階層に再挑戦する事にしたそうだ。


「出来れば今日中に50階層まで行きたいな」

「いいね~行っちゃお〜!」

「おー!」

「41階層からは少し階段間の距離が遠い階層もある様ですから、時間的にギリギリですかね」

「そうだな。取り敢えず先に進もう」

「「は~い!」」


 昨日と同様にサーチで確認しながら、他の探索者とすれ違う時や追い越す時にはスピードを緩め、声を掛けて行った。


 トラブルもなく40階層のボス部屋に到達した時、ほのかから提案された。


「富士森公園ダンジョンの40階層のボスは、マグマ大使という魔物なんですが、レアドロップの圧縮マグマはこの階層の魔物のドロップアイテムとしては、かなり高性能なドロップアイテムなんです。しかもドロップ率が低く、取引金額も高い事で知られています。私達は雛さんのスキルのお陰で、10体目に倒した魔物からは確定でレアドロップが出ますから、先に進みながら魔物の数を調整して、リポップ時間の10分毎に唯佳さんの転移で戻って来れば、確実に圧縮マグマを手に入れられます。どうでしょう?少し面倒ではありますが、狙ってみませんか?」

「そうだな。武器の強化に繋がりそうだし、俺はいい案だと思う」

「「さんせーい!」」


 という事で、魔物の数を調整してボス部屋の扉を開き、ボス部屋の中に入った。


 マグマ大使は、マグマでかたどられた5m程の人型の魔物だった。


 雪兎が瞬歩で近付き氷雪魔法1発で倒してしまったところを見ると、強さ自体はこの階層のボスらしい強さだった様だ。


「強さは普通なんだな」

「そうだね~期待していたのにな~」

「まあ、階層に合わない強さの魔物が出て来ては、探索者はたまった物ではありませんからね」

「そだねー」


 地面に落ちていた圧縮マグマを拾い、俺の雷神に融合した。


 〘雷神〙

 〘黒木 春斗専用武器〙

 〘攻撃時に力と敏捷に大幅にプラス補正。攻   

 撃時に追加で、本攻撃とは別に任意の方向に斬撃を2つ飛ばす事が出来る。与えた傷口を任意で凍らせる事が出来る。斬った相手を確実に麻痺させる。麻痺効果は相手の耐性によって変わる。攻撃成功時にマグマによる追加効果。凍らせた場合、その氷には影響を与えない〙

 〘等級:レジェンダリー〙


「攻撃成功時に激しい炎による追加効果からマグマによる追加効果に変わったな」

「お〜!マグマの追加効果とか、ヤバそうだね~」

「そだねー」

「早速41階層で試してみましょう」

「そうだな。でもその前に転移陣を使える様にしておこう」

「そ、そうですね。すみません。気が逸ってしまいました」


 ボス部屋の後ろの転移陣を使える様にして、41階層の魔物で試し斬りしてみた。


 最初に遭遇したレインボーカメレオンに掠り傷を付けただけで、傷口からマグマが溢れレインボーカメレオンは光の粒子へと変わって行った。


「レインボーカメレオンってああいう風に見えてるんだね~あれ?ひょっとしてアタシもああいう風に見えてんの?」

「「うん」」

「はい」

「うっわ!超不気味じゃん!!」

「でも、攻撃の時だけだぞ?」

「そうだけど、みんなよく今まで平気だったね~」

「慣れですね」

「そだねー」

「慣れって事は、最初は不気味に感じてたんじゃん!」


 雛の指摘に一斉に目を逸らしてしまった。

 俺達の反応にショックを受けている雛を励ましながら、次階層への階段を目指して進んで行く。


 42階層に降りたタイミングで40階層のボス部屋に戻り、マグマ大使を倒して圧縮マグマを手に入れ、雛の影丸と融合した。


 〘雛の影丸〙

 〘桃井 雛専用武器〙

 〘攻撃時に空気抵抗を大幅に軽減して、力と敏捷に大幅にプラス補正、器用にプラス補正。攻撃成功時に風魔法とマグマによる追撃を行う。影を攻撃する事で本体にダメージを与える。純粋な切れ味だけでもファンタズマクラスの性能がある〙

 〘等級:ファンタズマ〙


 影丸も激しい炎の追撃からマグマの追撃に進化した。


「やった〜影丸がまた強くなった〜春斗っちありがと〜」


 テンションの上がった雛に抱き着かれた。

 雛の防具は忍装束なので、雛の柔らかい感触がストレートに感じられる。

 ああ~幸せな感触だな~


「おっ?今回はチッパイとは言わなかったね。偉いぞ春斗っち〜幸せな感触を味わえ〜」

「はいはい。雛ちゃんそこまでー」

「時間もないので行きますよ」


 幸せな感触に浸っていたら、唯佳とほのかに引き剥がされてしまった。


 先程までいた42階層の階段付近に戻って来た俺達は、魔物を9体倒して43階層に降りる階段を目指した。


 階段が見えた辺りで10分を知らせるアラームが鳴ったが、取り敢えず43階層に降りてから40階層のボス部屋に戻った。


 今度は唯佳のサラマンドラに融合して、鑑定で見てみた。


 〘サラマンドラ〙

 〘白坂 唯佳専用武器〙

 〘光魔法の効果に大幅にプラス補正。白坂 唯佳の任意で、杖と弓に変形可能。弓形態時、MP5使って、魔力で作ったダイヤモンドの矢を射てる。攻撃成功時にマグマの追加効果。ダイヤモンドの矢は使用後消滅。弓形態でも、魔法発動体として使える〙

 〘等級:レジェンダリー〙


「おっ!等級がレガシーからレジェンダリーに上がったぞ」

「ホントー?やったー!」

「追加効果も俺と雛と同じく激しい炎からマグマに変わっているな」

「春くん、ありがとうー」


 さっきの雛と同じ様に唯佳も抱き着いて来た。

 1日に何回もこんなに幸せな時間があっていいのだろうか?そう思っていると、雛とほのかに引き剥がされてしまった。


「雛ちゃんの時より短いよー?」

「そんな事はありませんよ?」

「ほのかっちが時間計っていたよ~」


 どうやら時間制の様だ。

 時間を計っていたと言われ、渋々納得した唯佳の転移で43階層に戻って来た。


 これまでと同じ様に魔物を9体倒して次階層への階段を目指して進んだが、今度は階段に辿り着く前にアラームがなった。


 40階層に戻ってマグマ大使を倒し、圧縮マグマをほのかの杖にも融合して行った。


 〘夔神きのかみの火星杖〙

 〘青山 ほのか専用武器〙

 〘装備時MP2倍、MP回復速度2倍、火魔法威力3倍、雷魔法取得、雷操作〙

 〘等級:レジェンダリー〙


「おお〜ほのかの杖もレジェンダリーになったぞ。あと火魔法の威力が3倍になったな」

「ホントですか!よかった~」

「ほのかちゃんよかったねー」

「ほのかっちおめでと~」

「ありがとうございます。この子にもそろそろ名前を付けて上げましょう。あなたの名前はアペフチ。アイヌ神話の火の女神の名前です」


 ほのかの杖は、俺の雷神と同じく神の名を冠した武器となった。


 〘アペフチ〙

 〘青山 ほのか専用武器〙

 〘装備時MP2倍、MP回復速度2倍、火魔法威力3倍、雷魔法取得、雷操作、火の女神アペフチカムイのレプリカを作り出し、使役する事が出来る。アペフチカムイの許可あり〙

 〘等級:ファンタズマ〙


「へっ?」

「どうしたんですか?」


 俺は鑑定結果を伝えた。


「えっ!?ファンタズマですか!?それにアペフチカムイのレプリカを使役出来るって凄過ぎませんか?」

「ああ、アペフチカムイの許可は得ているらしいぞ」

「ほのかちゃんすごーい!」

「神様の許可ありって、神様ってホントにいたんだ...」


 雛の感想は俺も思った事だった。

 これからは雑に扱うのは止めようと思う。


 その後も圧縮マグマを取りに行きつつ、攻略を進めた。

 圧縮マグマは自分達で使った物以外に5個手に入った。


 ただ、目標にしていた50階層には届かず、48階層で帰る時間になってしまった。


 まあ、武器も強化出来たし良しとしようという事になり、予定通りの時間で支部へと戻り換金して帰宅した。


 それにしても、レプリカとはいえアペフチカムイの攻撃は凄かったな~

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