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ある日ダンジョン出現に巻き込まれた  作者: 鹿野
1章 学校ダンジョン
36/129

#36 初めてのダンジョン泊

ステータス表示の際に、雛のレア率固定が重複していたので、修正しました。

 8月9日(金)


 一昨日は可憐さんに換金してもらい、31階層から33階層までの判った範囲の情報を、唯佳が撮影した戦闘中の動画と一緒に渡し、自分達の個室であまりにも計画性がなかった事を反省し、今後は計画を立てて行動しようと話し合った。


 とはいえ、すぐには改善出来る訳もなく、思い付いたのは、家族と可憐さんに帰りが遅くなる可能性と泊まりになる可能性もあると伝え、泊まりになってもいいように食事や水、テントの準備をしておく事くらいだ。


 それらの準備は昨日みんなで買い物に行き、食事はばあちゃんに頼んだり、いつもの中華屋さんでタッパーでテイクアウトさせてもらって用意した。


 ばあちゃんも中華屋のおっちゃんも、最初は傷んでしまうと渋っていたが、唯佳の空間収納内は時間経過しない事を伝え、何とか納得してもらえた。


 そうしてやって来た35階層。

 今日は試しに泊まってみようという事になり、その事は家族と可憐さんには伝えてある。


「まずは、34階層の調査とペヘレイピラーニアを狩って、俺と雛の剣術スキルのレベルを上げてしまおう」

「「「は~い」」」

「雪兎は唯佳とほのかから魔石をもらって食べててくれ」

「キュッ!」

「アタシ、今日は水中戦をやってみたい。下着の代わりに水着着て来たし!」

「おー!準備万端だー」

「水着姿で戦闘するんですか?」

「ううん。ちゃんと装備も付けるよ。下着があの水で濡れるのがイヤだっただけだよ~」

「じゃあ、俺も水中戦に挑戦してみるよ」

「この先そういう事も必要になるかもしれないしな」

「春斗くんは無呼吸が使えないのですから、無理はしないで下さいね?」

「2人共怪我したらすぐに私の所に来るんだよ?」

「ああ、分かった」

「唯佳っち頼りにしてるよ~」


 34階層に上がり、俺と雛は大河に飛び込んで泳ぎ出した。


 水中は水が濁っていて、1m先も満足に見えない状態だった。


 俺はサーチがあるからなんとかなるけど、雛はキツいんじゃないか?


 そう思ってサーチで雛の方も確認しながら、ペヘレイピラーニアと戦って行く。


 息継ぎをしながら1時間程戦っていると、剣術スキルのレベルが上がったので岸に上がった。


 そこには、20分程前に上がっていた雛が、水着姿で装備と服を乾かしているのが見えた。


「春斗っちもレベルアップした~?」

「ああ」

「じゃあ、こっち来て服と装備乾かしちゃいな~ 風邪引いちゃうよ〜」

「いや、その内に乾くからいいよ」


 いくらチッパイとはいえ、近くにいるのはc


「はあ゙っ!?声に出てるぞ、春斗っち!!」

「ひぇっ?!」


 何でこんな時ばかり発動するんだこのくせは!?


 その後、雛の服と装備が乾くまでの間、水着姿の雛の正面に正座させられ、3人から滾々(こんこん)と説教されてしまった。けど、チッパイとはいえ超が付く程の美少女の雛の水着姿の正面で正座って、ご褒美でしかないんですが、と思ったら、くせが発動していたらしく、雛は顔が見た事ない程赤くなり、唯佳とほのかに両脇を抱えられて河に落とされてしまった。

 無駄にもう一戦しちゃったよ。


 俺の服が乾くのを待たず、34階層の探索に出掛けた。


 判った事は、ペヘレイピラーニアは10体の群れで泳いでいる事、アジャイルハグワールが最大3体で襲って来る事、初出の魔物はフェリーノサビオという大きなオランウータンだった。


 腕力と握力が強く、火魔法を使うらしいその魔物は、何故かご機嫌な3人の雛に即殺されてしまった。


 出て来る魔物の種族と数、それと特性も判ったので、35階層に戻って35階層の探索を始めた。


 階段を出て魔物を倒しながら南下して行く。

 今の所アジャイルハグワールが5体、フェリーノサビオが3体で出て来たのが最大だった。


 はじめましての魔物と遭遇したのは、南下を始めて40分後の事だった。


 尻尾まで含めると10mはありそうなワニの魔物で、鑑定の結果は


 〘グリーンクロコダイル〙

 〘巨体から繰り出される突進と尻尾を使った攻撃が特徴。風魔法も使え、遠近どちらも攻撃手段を持っている。強靭な筋肉の上に硬く頑丈な鱗に覆われている為、耐久も高い〙


「でっか〜 尻尾斬ってくるね〜」


 短く感想を言うと、唐突に影移動を使って行動に出る雛。


「キュッ!」


 そんな雛に合わせて、瞬歩で近付き目を切り刻む雪兎。


「強くてもこの階層の魔物1体だけなら怖くないんだよな~」


 少し遅れて斬撃を飛ばし、前腕2本を切り飛ばす俺。


「アイシクルステイク!」


 淡々とタイミングを計ってとどめを刺したほのか。


「みんなお疲れ様ー」


 元気な唯佳。


 高い耐久とは何だったのか?あっさりと討伐が終わり、拍子抜けしてしまった。


「この階層ラクショー過ぎじゃない?」

「流石に一撃とは行かないけど、剣術スキルもレベルが上がって、経験も多少積んでこの程度なら苦戦はしないな」

「データも採れたので、さっさと次階層への階段を見つけたいですね」

「はーい!あそこに見えてるよー」


 唯佳の指差す方に目を向けると、そこには確かに次階層への階段があった。


「唯佳っちお手柄〜 ご褒美だよ〜」

「ひゃっ!ひ、雛ちゃん!?おっぱい揉んじゃダメって言ってるでしょー!!メッ!」

「出遅れました」

「ほ、ほのかちゃん!?」

「お~い!ここはダンジョン内だぞ~」

「「は~い」」

「2人はちょっと反省しようね?聞いてる?」


 まだ何かやってるけど、まあいいか。

 36階層に進もう。


 階段を降りると、そこは沼地だった。

 沼の中からマングローブの様な形の、でも背の高い木が生えていて、根の上を跳び移りながら進む事は出来そうだ。


「アタシ達には関係ないけど、普通は移動しにくそうな階層だね~」

「落ちる人もいそうだねー」

「ここまで来れる奴に、そんなドジ踏む奴いるか?」

「どうでしょうかね?いないとも言い切れませんよ?」

「何で俺を見るんだ?」


 おかしい、3人から視線を向けられるが、そんなドジやった事なんてない筈だ。

 折角忘れた記憶を掘り返されたくないから言わないけど...


 そんなやり取りを階段内でやっていたら、沼の中から巨大な蛇が襲い掛かって来た。

 階段入り口の結界に阻まれて、大きな口の中が丸見えになっている。


「コンプレッションファイアー」


 そんな大蛇の口の中に、ほのかが容赦なくコンプレッションファイアーを撃ち込む。


 大蛇の頭が吹き飛んだが、まだ胴体が動いている。


「うげ〜 これだからヘビは嫌いなんよ~」

「キモいよねー」

「はあぁぁぁぁぁっ!!」


 一撃で、胴体の半ばまで3枚に卸した。

 流石の大蛇も光の粒子へと変わって行った。

 鑑定の結果は


 〘エノルメピトン〙

 〘大きな身体で巻き付き締め上げる力はスチールゴーレムすら即座に潰す程。飲み込まれると、フリアゴリラですら身動き取れずに消化されるしかない〙


「知らない魔物で例えられても分かんないよ~」

「そうだそうだー 不親切だー」


 鑑定結果を聞いた雛と唯佳から不満が溢れる。

 確かに戦った事がない魔物で例えられても分かんないよな~


 名前の意味もよく分からないし、一体何語だよ?


「名前はスペイン語っぽいですよ?いい加減なスペイン語っぽいですけども」

「ほのかっち、スペイン語分かんの?」

「少しだけですけどね」

「すごーい!」


 何をきっかけに覚えようと思ったのかちょっと気になる。

 俺もサッカー見ていて、少しだけ聞き取れる様になったけど、ほぼサッカー用語だけなので黙っていよう。


 木の上から火魔法を撃って来るサルや、水中から飛び付いて来るワニやヘビを撃退しつつ36階層の探索を進める事2時間。


 入り口から28kmの距離に次階層への階段を見つけた。


 距離の割に時間が掛かってしまったのは、魔物が厄介だったからだ。


 フェリーノサビオは10体の群れで、木の上から魔法を一斉に撃って来るし、グリーンクロコダイルは3体が時間差だったり同時にだったりと、不規則にタイミングをずらして飛び付いて来る。

 その点、エノルメピトンは単体なので楽だった。


 ただフェリーノサビオは、魔法を連発では撃てない様で、初撃を防いでしまえば楽だった。


 唯佳の結界に入っていればいいのだが、魔法が斬れるか試してみたくなってしまい、斬ってみたら斬れたので、俺と雛は結界から出てそれぞれ3つずつ魔法を斬ってから、フェリーノサビオに襲い掛かった。

 残りの魔法は、ほのかのディバイドファイアーボールで3つを相殺、1つを唯佳の結界で防いだ。


 俺と雛がフェリーノサビオの元へ行くと、雪兎が既に戦っており、風魔法を使って数体のフェリーノサビオの目を潰して、フェリーノサビオの群れに混乱を齎していた為、その混乱に乗じて攻撃を仕掛け、危なげなく討伐する事が出来た。


 グリーンクロコダイルは飛び付いて来た所を、雛の影縛りで捕まえて俺と雛、ほのかで1体を受け持ち、雪兎が遊撃でダメージを与えて討伐した。


 影縛りって前に父さんに通用しなかったよな?

 あの時と比べて、雛の魔力も上がっているとはいえ、力自慢のグリーンクロコダイルが身動き取れないでいるんですけど?

 父さんどんだけ本気出してたの?

 あれ、手加減して影縛りが通用してなかったなら、父さんどんだけ強いんだ?

 いやまあ、元Aランクだけどさ...


 なんて事を考えながら37階層に降りた。


「また沼地か、ここで昼飯を食べようか?」

「さんせーい!お腹空いたよー」

「今日のお昼は何かな~」

「沼地では、落ち着きませんからね。そうしましょう」


 お昼ご飯として、鴨南蛮そばを平らげて、休憩がてら今後の事を相談する。


「今日はダンジョンに泊まる予定だけど、沼地は避けたいよな~」

「沼地じゃテント作れないしね~」

「テントが作れてもびしょびしょになりそうで嫌ですね」

「どこまで沼地なのかなー?」

「最悪、階段で寝る事になるな」

「落ち着きませんけど、仕方ないですね」

「びしょびしょになるより全然いいよね~」

「そうだねー」

「取り敢えず、探索を始めようか?」

「「「は~い」」」


 魔物を倒しながら探索する事5時間、階段は未だに見つからずにいた。


「このままじゃ沼地で寝る事になるじゃ〜ん!どうしよう〜」

「幸いまだ明るいし、もう少し探してみよう」

「そうですね。諦めずに頑張りましょう」

「うん!頑張るぞー!」


 更に探す事1時間、流石に暗くなり始めた頃に、漸く次階層への階段を発見した。


「「やった〜!!」」

「なんとか階段が見つかってよかったですね」

「ああ、取り敢えず38階層を見てみよう。今ならまだ確認出来るだろう?」

「そうですね」

「沼地じゃありません様に」

「おねがーい!」


 願いを込めて確認した38階層は、沼地が転々とあるものの、土の地面も多くあり、テントを設置する事が出来そうだった。


「「やった〜!!」」

「これで、落ち着いて寝られますね」

「そうだな。階段じゃ横にもなれないし、沼地は論外だしな」


 時間は19時半過ぎ、今が8月でホントによかったよ。


 急いでテントを張り、唯佳が結界を張って夕飯を食べた。

 ばあちゃんのカレーは、いつ食っても美味いな~


 テントが1つしかない事を疑問に思い、唯佳に聞いてみると、俺のテントを忘れてしまったとの事なんだけど、昨日買ってそのまま唯佳の空間収納にしまったのにそんな事あるの?


 仕方ないので地面にそのまま寝るつもりでいたら、3人から同じテントで寝る様に言われ、女子用のテントに押し込まれた。


 4人で寝る事を想定していたかの様な、ちょうどいい広さのテントの中央に寝かされ、落ち着かなかったものの、なんとか眠りに付く事が出来た。


 今日は俺も雛も剣術スキルがレベルアップしたし、雪兎のレベルも上がったし、テントで寝る事も出来たし、割といい1日だったな~


 名前:黒木くろき 春斗はると 所属:クローバー

 年齢:16歳 誕生日:6月26日

 歩数:874,199歩

 従魔:雪兎ゆきとLv1⇒2(風雪うさぎ)

 Lv:20

 MP:140/140

 力:192

 耐久:149

 敏捷:177

 器用:145

 魔力:74

 運:76/100

 スキル:ウォーキング、サーチLv7、剣術Lv7⇒8、纏雷、リペアLv3、鑑定、剛力、アイテム融合、テイム

 ※ウォーキング

 10万歩毎にスキルを1つ取得又は、既存スキルのスキルレベル1上昇


 名前:桃井ももい ひな

 年齢:16歳 誕生日:5月5日

 Lv:20

 MP:151/151

 力:186

 耐久:163

 敏捷:198

 器用:146

 魔力:98

 運:93/100

 スキル:レア率固定、剣術Lv7⇒8、忍術Lv4

 ※レア率固定効果

 ドロップアイテムのレア率がパーティーで倒した魔物の数の1割で固定される


 名前:雪兎ゆきと

 種族:風雪うさぎ

 主人:黒木くろき 春斗はると

 Lv:1⇒2

 スキル:突進、氷雪魔法、瞬歩、風魔法

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