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ある日ダンジョン出現に巻き込まれた  作者: 鹿野
1章 学校ダンジョン
33/129

#33 エピックドロップ再び

 8月6日(火)


「さて、昨日は時間がなくて出来なかったコアの融合をしちゃおうか?」

「とうとうコアⅤになるんだね~」

「ワクワクするねー」

「早く見てみたいですね」

「見た目って変わるの?」

「「「さあ〜?」」」


 じゃあ、何で3人揃ってワクワクしてるの?


「ま、まあ、融合してみるか」

「「「は~い」」」


 コアを融合して、遂にコアⅤが出来た。


「見た目変わらなかったな」

「変わらなかったね〜」

「ねー」

「書いてあるローマ数字がⅤになっただけでしたね」

「じゃあ、売るか?」

「売ろー」

「2億だ〜」

「取り敢えず、お金が必要になった時の調達方法が出来たのはよかったですね」

「そうだな。よし、可憐さんに売ってからダンジョンに行こう」

「「「は~い」」」


 俺達は、個室から専属カウンターに移動した。


「可憐さんおはようございます」

「みんなおはよう」

「「おはよう〜」」

「おはようございます」

「可憐さん。これ換金して下さい」

「あっ!出来たのね?」

「はい」

「昨日、春斗くんのお父さんと話してね、これはオークションに出した方がいいんじゃないかって話になったんだけど、みんな的にはどうかしら?」

「オークションに出すと身バレしませんか?」

「それは買い取りに出しても同じだと思うわ。うちの支部から売り出す事になるから、遅かれ早かれあなた達に辿り着くと思うの。それならばオークションで高く売れる方がいいだろうって、春斗くんのお父さんが仰ってらしたわ」

「なるほど...」

「2億より高く!?」

「おー!!」

「確かに、ダンジョン協会から市場に売る時には、何処のダンジョン産のアイテムかを明示する義務があります。それは、詐欺などを防ぐ目的と希少なアイテムだった場合、探索者が集まる様にする目的があって、協会側と市場側の双方にメリットがあるからですが、私達にとっては身バレを避けられなくなる悪習となっている訳ですね?ならば、オークションで少しでも高く売れる事を祈った方がいいと」

「そうなるわね」

「なら、オークションに掛けるか?」

「「いいと思う〜」」

「私もいいと思います」

「じゃあ、オークションに掛けるって事でいいわね?」

「「「「はい」」」」

「そうしたら、この書類に目を通して同意したらサインをしてちょうだい」

「はい。書きました」

「では、次の8月11日のオークションに出品するから、出品するゴーレムコアⅤを預からせてもらうわね」

「はい」

「確かに預かったわ。これが預かり証、これがオークションへの出品登録証よ」

「はい。じゃあ、宜しくお願いします」

「分かったわ」

「じゃあ、行ってきます」

「「「いってきま~す」」」

「ふふっいってらっしゃい」


 コアⅤを可憐さんに預け、ダンジョン25階層にやって来た。


「今日は30階層まで行くぞ」

「「「はい!」」」

「キュッ!」

「ここから30階層までは、どの階層も階段と階段の距離は短いらしい午前中にさっさと到達してしまおう」

「「「は~い」」」


 俺達は10分程の移動で、26階層に降り立った。


「この階層には、パンテラ・アンシアが最大で5体、アルクス・アルクスが最大で3体、初出のヒドルルガレプトニクスが1体で出てきます」

「出た!呪文!」

「ヒドルルガレプトニクスってヒョウアザラシか」

「あーあの読むのに苦労したやつだー」

「そうですね。ヒョウアザラシです」

「最初から日本語でお願いします〜っていうか、ヒョウアザラシって何?日本語でも分かんないんだけど...」

「ヒョウアザラシはねー恐いアザラシって思っとけばいいと思うよー?」

「俺達は空を行くから遭遇しないと思うしな」

「ええ、基本的には海中にいる魔物ですからね」

「ああ、アザラシだもんね」

「うん」

「じゃあ、さっさと行っちゃおう~」

「おー」


 雛の掛け声で俺達は出発して、27階層を目指した。と言っても、10分後には辿り着いてしまったが。


「この階層の初出の魔物はイエティです」

「おー!魔物っぽい!」

「魔物っていうか、UMAだな」

「ここもスルーでしょ?さっさと行っちゃおうよ~」

「そうですね。そうしましょう」


 という事で、この階層もスルー。20分程で28階層へとやって来た。


「この階層からは注意が必要です」

「そうなん?」

「はい。この階層からハリアエエトゥス・ペラギクスというオオワシの魔物が出てくるので、空でも襲われます。」

「ああ〜デザートイーグル的なやつ?」

「そうです。的なやつです」

「的なやつって...大きさは3m位で、翼を広げると6〜7mある化け物な」

「おっきいねー」

「風魔法も使ってくるので要注意です」

「オッケ~気を付ける〜」

「軽いな...」


 そんな話をしている所に、ハリアエエトゥス・ペラギクスが襲って来た。が、まだ地面にいた為、雛がハリアエエトゥス・ペラギクスの影を斬り付けて討伐。3人の雛が合計4回攻撃してやっと倒せた事で警戒度を上げる事にした。


 そんな俺達の所に、小魔石と一振りの刀が降ってきた。


「これって、まさか?」

「嘘!?またエピックドロップですか!?」

「おー!!」

「ラッキ~」

「軽っ」

「春斗くん、鑑定をお願いします」

「ああ」


 〘オオワシの紋刀〙

 〘ハリアエエトゥス・ペラギクスのエピックドロップ〙

 〘攻撃時に空気抵抗を軽減して、力と敏捷にプラス補正。攻撃成功時に風魔法による追撃を行う〙

 〘等級:エピック〙


「これはまた凄い物が出ましたね」

「デザートイーグルの時の完全上位互換だな」

「おー!凄いねー」

「これ、どうする?この前はアタシがもらったから、今度は春斗っちの武器に融合したらいいと思うんだけど?」

「いや、今回も雛の武器と融合しよう」

「そうですね。春斗くんには申し訳ないですが、雛さんの武器に融合するのが、いいと思います」

「私もー」

「ふぇっ?な、何で?」

「この刀の能力的に、〝雛の影丸〟との相性が良さそうだからだよ。折角のいい武器なんだから、より良くなる可能性の方を選ぶべきだろ?」

「うう~でもアタシばっかり悪いよ~」

「そんな事ないですよ?今後、私に合った物が出れば、私がもらいますから」

「そうだぞ?ここで雛を選ばなかったら、自分と相性の良さそうな物が出た時に、欲しいって言い難くなっちゃうだろ?」

「うんうん。そうだよーもらっておいて?ね?雛ちゃん」

「エピックドロップって、そんなにポンポン出ないんでしょ?うう~分かったよ~みんなありがと〜」

「じゃあ、やるぞ?雛影丸を貸して」

「うん」

「融合!」


 オオワシの紋刀と雛の影丸が一振りの刀へと変わった。


 〘雛の影丸〙

 〘桃井 雛専用武器〙

 〘攻撃時に空気抵抗を大幅に軽減して、力と敏捷に大幅にプラス補正、器用にプラス補正。攻撃成功時に風魔法による追撃を行う。影を攻撃する事で本体にダメージを与える〙

 〘等級:レガシー〙


 とんでもない物が出来てしまった気がする。


「ぶっ壊れ性能過ぎるだろ...」

「レ、レガシーですか!?世界でも数点しか発見されていない等級ですよ!?」

「おおー!影丸くんすっごーい!!」

「影丸〜凄いよ~」


 取り敢えず、先に進む事にして、移動を始めた。


 移動をしている20分で2体のハリアエエトゥス・ペラギクスに遭遇した。


 1体は、雛が()()()一撃で倒してしまった。

 もう1体は俺が、剛力も使って2回の攻撃で倒した。

 一撃の威力でも、雛に遅れを取ってしまっているけど仕方ない。

 武器の差は、如何ともし難いからな。


 ハリアエエトゥス・ペラギクスの攻撃魔法は翼をはばたかせる事で発動させるらしく、避けるのは難しくなかった。


 そうして降りて来た29階層にいたのは、1体のオオカミ、スノーウルフだった。


 魔物は階層を繋ぐ階段には入って来れないので、実物を前に、ほのかの解説を聞き、雛が飛び出して切り捨てた。


 スノーウルフは、氷雪魔法による攻撃をして来たが、階段前のバリアに防がれた。

 どうやら攻撃も通さない様だ。


 貴重な体験をし、移動を開始。途中で3体編成のハリアエエトゥス・ペラギクスと3度遭遇した。


 俺も毎回1体もらって戦ったが、2回は一撃で倒せたし、雛も一撃では倒せない時もあった。


 どうやら俺と雛の攻撃力は、それほど差がない様で安心した。

 やっぱり、少し焦りはあった様だ。


 30分程掛けて30階層に来た俺達は、一旦転移陣で支部に戻り、トイレ休憩を入れてボス部屋に向かった。


 途中、この前絡んで来た先輩達がこの階層から出て来る魔物、ウルスス・マリティムスと戦っているのが見えた。

 特に危険そうではなかったのでスルーしてボス部屋を探す。

 1時間後、ボス部屋の扉前に辿り着いた。


「この階層のボスは未確認です。ですので、油断せずに行きましょう」


 みんなの視線が俺に向いた。

 いや、俺の油断ぐせは直ったはずだ。だから、そんな目で見ないで下さい。


「き、気を付けます...」


 くっ!負けた。視線の圧に負けました。


「中に入ったら唯佳は結界を張ってくれ、結界の中から鑑定してみる。どう攻めるかはその後で相談しよう」

「分かったー」

「偉いですよ。春斗くん」

「ヨシヨシ。成長したね。春斗っち」


 凄く複雑な心境で扉を開け部屋の中に入る。


「結界!!」

「鑑定」


 鑑定で見た情報はこうだ。


 〘タイランド・ウルスス・マリティムス〙

 〘頭からの突進と立ち上がっての前腕での爪撃、噛みつき攻撃はとても力強い。また、氷雪魔法も使い、遠距離からの攻撃も得意。

 ダメージを受けると怒りによりパワーアップする。〙


「だってさ」

「なるほど、確かに魔法も広範囲でしたし、接近戦での攻撃も力強いですね」

「唯佳っちの結界がなかったら、鑑定する時間もなかったかもね~」

「フフー役立ったー」

「どう攻めるかね〜?」

「私がやってもいいですか?特に新しい事をやる訳ではないですけど、コンプレッションファイアーを全力で撃ってみたくて」

「お〜見てみた〜い!」

「うんうん。私もー」

「じゃあ、よろしく」

「はい!コンプレッションファイアー!!」


 ほのかの全力のコンプレッションファイアーは、タイランド・ウルスス・マリティムスの胴体を消し飛ばしてしまった。


「ふう。スッキリしました」


 タイランド・ウルスス・マリティムスは光の粒子になって姿を消した。


 俺達は一先ず転移陣で支部に戻って、今後の事を相談する事にした。

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