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ある日ダンジョン出現に巻き込まれた  作者: 鹿野
1章 学校ダンジョン
24/129

#24 専属代理の苦悩と母親への報告

 ロックウルフゴーレム戦後、全員レベルアップした。


「レベルアップ早過ぎない!?」

「今日は殆ど戦ってないのにねー」

「それだけロックウルフゴーレムの経験値が高かったのと、私達のレベルが低かったからでしょうね」

「ここで暫くレベル上げしてもいいかもな」

「そうだね~今日は、ほのかっちが一撃で倒した様なもんだし、アタシもまともに戦ってみたいしね~」

「じゃあ、明日からの放課後は、ここでボス狩りしまくるか」

「「「は~い」」」


 明日からの方針も決まったし、転移陣で協会支部に戻った。


 何だかざわついている支部内を歩き、専属カウンターに向かった。


「紗奈さん、換金お願いします」

「あっみんなおかえり。20階層のボス部屋に行くって言っていたけど、行ってきたの?」

「行ってきたよーこれ、ドロップアイテムー」

「今日は少ないのね。午前中のも少なかったし何かあったの?」

「いえ、何もないですよ。ただ、空を飛んで行ったら、敵に会わなかっただけですね」

「空を飛んで行った?」

「ああ、紗奈さんは俺達の移動方法を知らないんでしたね」

「走って移動してるのは前に聞いたけど、普通に地面を走ってるんじゃないの?」

「それだと、1日では10階層から20階層まで行けないですね」

「そう言われればそうね。砂漠エリアだもんね。えっ?じゃあ、ホントに空を?」

「はい」

「.....」

「紗奈さん?換金お願いしますね」

「あっ、うん」


 俺達の移動方法を知り、固まりかけた紗奈さんに声を掛け、換金作業を進めてもらう。


「まずは小魔石が31個、通常ドロップのデザートイーグルの鉤爪が12個、レアドロップのデザートイーグルの風切り羽が3体分、ロックウルフゴーレムのレアドロップのゴーレムコアⅡが1個、合計642,500円ね」


 11階層からは、通常ドロップの計算方法は同じだが、レアドロップはそれまでの+200円から、+500円に変わっている。


 理由は、階層が深くなるほど取って来れる探索者が減るからだ。


「ゴーレムコアⅡが1個で600,000円ね」

っか!!」

「何に使う物なのー?」

「確か錬金術スキルで、人造ゴーレムを造る時に必要になるんですよね?」

「ええ、コアの後ろの数字が大きい程、高性能な人造ゴーレムが造れるから、値段もそれに合わせて上がっていくのよ」

「後ろの数字って、いくつまであるのー?」

「今現在確認されているのはⅤまでね」

「Ⅴのコアは、以前オークションに掛けられ、2億円の値段が付きました。それ以外に確認されたⅤのコアはありません」

「ほのかちゃん詳しいねー」

「母の会社の錬金術師の方が、欲しくてそのオークションに参加したらしいんですけど、一瞬で許容範囲外になったと、うちで母とお酒を飲んでいる時に泣いていました」

「可哀想だねー」

「それって何階層でドロップしたんだろうね~」

「確か、50階層台だったと思うわよ。ああ、これこれ56階層ね」

「その位の深さまで行ければ、俺達なら取り巻くれるって事だな」

「まずは、行ける様にならないとですね」

「よ~し、明日からも頑張ろ〜!」

「おー!」

「そう言えば、俺達が戻って来た時、支部内がざわついてましたけど、何かあったんですか?」

「ええ、みんなが帰って来る10分位前に、大怪我を負ったパーティーが戻って来たのよ」

「ああ、それで」

「紗奈ちゃん、その人達は?回復してあげた方がいい?」

「大丈夫よ唯佳ちゃん。治癒室に運ばれて行ったから、そこで回復魔法を受けている筈よ」

「そっかーよかったー」

「じゃあ、俺達は帰りますね」

「はい。気を付けて帰ってね」

「「「は~い」」」


 俺達は、個室にある更衣室で着替えを済ませ、家路に着いた。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 春斗達が帰った後の専属カウンター内


「うう~自分で書いた報告書だけど、こんなの信じてもらえないよ~」


 1人の受付嬢が頭を抱えていた。

 彼女の視線の先には、カウンターの上に置かれた1台のタブレットがあり、画面には彼女が今書き上げた報告書が映し出されている。


「10階層のボス後の転移陣から20階層のボス後の転移陣まで9時間で行きました。お昼休憩は1時間なので、実質8時間で行きました。なんて、誰が信じてくれるの!?」


 報告書の内容は、彼女が今日休みの先輩から専属代理を任されているパーティーの活動報告である。


 当然、彼ら本人達から聞いた事と換金時などに自分で確認出来た事、それと偶々彼らと短時間行動を共にしたという他のパーティーのメンバーから聞いた事だけが書かれている。


 そこに嘘偽りはなく、自分の憶測も入れていない。


 しかし、その内容は異様だ。

 この報告書を読んで、あっさりといや、あっさりとじゃなくても、信じてくれる人がどれだけいるだろうか。


 少なくとも自分は信じられないと、この報告書を書いた彼女は言うだろう。


「はあ〜〜〜」

「大きなため息なんて吐いてどうしたのよ?」


 大きなため息を吐く彼女に、同僚の先輩受付嬢が声を掛ける。


「源先輩に渡す報告書なんですけど、ちょっと内容が...」

「ん?内容?報告書の内容なんて、あった事や聞いた事を書くだけじゃない。困る事なんてないでしょ?」

「聞いた事と自分で確認した事しか書いてないですよ。でも、凄過ぎちゃって信じられない様な内容なんですよ~」

「源さんへの報告書って事は、あのクローバーの報告書よね?そんなに凄いの?」

「はい。流石に源先輩と彼らに許可取ってないので見せられませんけど、凄いです」

「めちゃくちゃ気になるじゃ〜ん」

「凄いんです」

「あ~んもう!紗奈、私の反応見て楽しんでいるでしょう?」


 先輩受付嬢のお陰で、彼女は気持ちを切り替えられた様だ。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


 トントン


「どうぞ」

「失礼します。会長、黒木くんについて調査結果をご報告します」

「ソファーで聞きます。どうぞ座って」

「失礼します。結論から言いますと黒木くんの評価はかなりいいです。」

「よかった。じゃあ、詳しくお願い」

「はい。まず彼が最初に認知されたのは7月1日、ほのかちゃんが探索者講習を受けた日に、パーティーメンバー全員で、付き添いで富士森公園支部に行った際に、女子メンバー3人をナンパして来たDランク探索者を返り討ちにした事が切っ掛けだった様です。」

「ナンパされたなんて聞いてないわね。」

「続けます。その際に丁重に相手に引いてくれる様に頼んでいたらしいのですが、聞き入れられず、殴り掛かって来られた為、メンバーの1人に結界を張る様に指示し、自分は結界の外で防御系と思われるスキルでDランクの相手を気絶させた事、そのスキルが今まで確認された事がない、雷系のスキルだった事、父親が全国的にも名前が知られている剣鬼・黒木 春輔だった事、その日の内に専属が付いた事で名前が知られる様になりました。」

「そう、あの黒木さんの息子さんだったのね」

「はい。その1週間後、今度はパーティーメンバーで黒木くんの幼馴染でもある、白坂 唯佳さんに好意を寄せていた男子に、ダンジョン内で武器による襲撃を受けましたが、この時も結界を張るよう指示を出し、雷系のスキルで気絶させ捕縛、ダンジョン協会に引き渡しています。」

「彼のせいではないとはいえ、よく襲われているわね」

「周りに3人も美少女を連れていれば、やっかみなどを受けたりもするのでしょうね」

「パーティーメンバー全員可愛い子なの?」

「はい。タイプの違いこそあれ、全員がそこらのアイドルが裸足で逃げ出すレベルの美少女です。こちらが写真です」

「あらホント。これはほのかも大変ね」

「報告を続けます。更に約1週間後、富士森公園支部で父親である剣鬼と模擬戦を行った際に、防御系のスキルだと思われていた雷系のスキルを、攻撃時にも使用している事が確認され、汎用性の高いスキルである事が判明し、彼の評価を高めました」

「まず、剣鬼と呼ばれる人物に模擬戦を挑む勇気も凄いわね」

「その模擬戦ですが、パーティーメンバー全員が、個人戦とパーティー戦を行った様です」

「ほのかもやったの?」

「はい。なんならこの模擬戦で、1番評価を上げたのはほのかちゃんらしいです。と言っても、元々可愛いという事以外知られていなかったほのかちゃんが、見た事もない魔法を使いまくった為、振り幅が大きかったという事の様です」

「そう、それでも娘が評価されるのは嬉しわね」

「公になっている能力や実績はこの位しかまだありませんでした。性格面などの評価も、話し合いで解決しようとする冷静さ、咄嗟の対応力、剣鬼に模擬戦を挑む勇気など、概ね好意的に取られている様です」

「性格的に問題がなさそうで一安心ね」

「これ以上詳しい事は、パーティーメンバーか家族、教会内部でしか知らないと思われます」

「分かったわ。ご苦労さま」

「はい。では、失礼します」


 娘を心配する母親への報告は、こうして終了となったのだった。


 名前:黒木くろき 春斗はると 所属:クローバー

 年齢:16歳 誕生日:6月26日

 歩数:556,491歩

 Lv:5⇒6

 MP:44/44⇒50/50

 力:49⇒58

 耐久:46⇒45

 敏捷:49⇒59

 器用:42⇒49

 魔力:25⇒30

 運:76/100

 スキル:ウォーキング、サーチLv5、剣術Lv5、纏雷、リペアLv1、鑑定、剛力

 ※ウォーキング

 10万歩毎にスキルを1つ取得又は、既存スキルのスキルレベル1上昇


 名前:白坂しらさか 唯佳ゆいか 所属:クローバー

 年齢:16歳 誕生日:6月14日

 Lv:5⇒6

 MP:62/62(186/186)⇒70/70(210/210)

 力:24⇒30

 耐久:30⇒35

 敏捷:27⇒35

 器用:50⇒58

 魔力:53(159)⇒61(183)

 運:77/100

 スキル:女神の祝福、光魔法Lv2、MP回復速度2倍、空間収納

 ※女神の祝福効果

 魔力3倍、MP3倍


 名前:桃井ももい ひな

 年齢:16歳 誕生日:5月5日

 Lv:5⇒6

 MP:45/45⇒53/53

 力:47⇒57

 耐久:37⇒44

 敏捷:51⇒61

 器用:41⇒48

 魔力:31⇒37

 運:93/100

 スキル:レア率固定、剣術Lv5、忍術Lv2

 ※レア率固定効果

 ドロップアイテムのレア率がパーティーで倒した魔物の数の1割で固定される


 名前:青山あおやま ほのか 所属:クローバー

 年齢:16歳 誕生日:7月1日

 Lv:5⇒6

 MP:62/62⇒70/70

 力:22⇒27

 耐久:25⇒30

 敏捷:24⇒30

 器用:38⇒45

 魔力:56⇒66

 運:69/100

 スキル:創造魔法、MP回復速度2倍、火水土風属性、消費MP半減、演算

 ※創造魔法

 ・イメージした魔法を所持属性に限り創る事が出来る。

 ・最大消費MPは、イメージした時に自動で設定され、それ以上にはMPを込められない。

 ・最大消費MP以内であれば、自由に調整出来る。

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