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ある日ダンジョン出現に巻き込まれた  作者: 鹿野
1章 学校ダンジョン
15/129

#15 日帰り温泉

 7月15日(祝・月)


 今日も朝からダンジョンに来ている。


「今日は昨日のレベルアップで上がったステータスの確認をしたら帰るぞ~」

「「「は~い」」」


 休みの日にダンジョンばかりでは味気ない高校生活になってしまう。

 なので、祝日の今日は休みにする予定だった。のだが


「休みの前日の探索終わろうかってタイミングで、全員レベルアップするとかどうなってるのよ~」

「上がったステータスを試したくても、ブランクのあるかれんさんを連れてというには、酷な時間でしたからね」

「だよねー可憐ちゃんお疲れだったもんねー」

「でも、試さないと気になって休みどころじゃないしな」

「ホントだよ~久しぶりに優里奈っち達と遊ぶのにそんな状態じゃイヤだしさ~」

「私も兄と弟の買い物に付き合うと約束しているので、さっさと確認して帰りましょう」

「さんせーい。私もおばあちゃんに日帰り温泉誘われてるんだもーん」


 それぞれ予定があるらしく、いつもより急ピッチで魔物と戦って行く。


 昨日、密かに上がっていたサーチをフル活用し、1時間で150体もの魔物を討伐した。


「よし!そろそろ戻るか?」

「戻ろう〜」

「そうしましょう。大体上がったステータスの事も把握出来ましたしね」

「温泉だー」


 結果としては、俺と雛はホワイトアントは安定して一撃で、オオシロアリタケはほぼ一撃で、偶に仕留め損ねる感じだった。

 これはレベルというよりも俺達の技量不足な気がする。


 転移陣に乗り帰還して、昨日の疲れが残っていそうな可憐さんに換金してもらい、それぞれ帰路に着いた。


 8時半

 俺達は今、高速道路を走行中の車内にいる。


「おばあちゃん、今日は何処に行くのー?」

「今日は伊香保温泉に行こうと思ってるの」

「伊香保か〜伊香保といえば、あの階段の温泉街が有名よね~」

「そうね。智佳ちゃんよく知ってるわね」

「いや、おばあちゃん。いくら何でも知ってるよ?」

「ふふっごめんね」

「伊香保行った事ないよね?」

「そうね〜?あなた達が生まれてからは行ってないわね」

「あなた達って事は、智佳姉達も?」

「ええ、凛だけじゃなくて智佳ちゃんも春斗も唯佳ちゃんも一緒には行ってないわね」

「私は友達と1回行った事あるよ」

「おーじゃあ、お姉ちゃんに案内してもらおうー」

「そうね。私も行くのは20年振り位だし、最近の伊香保は分からないからそうしましょう」

っかせなさい」


 車内には、俺とばあちゃん、唯佳に智佳姉それと妹の凛がいる。


 それぞれの両親は、今日はお留守番しているらしい。


 10時半

 上里SAで休憩を入れ、テイクアウトコーナーでお芋づくしもんぶらんを堪能して、移動を再開。


「モンブランめっちゃ美味しかった〜」

「さつまいもの甘みがめっちゃ良かったよねー」

「お兄ちゃ〜ん、毎週ここに買いに来て〜」

「馬鹿言うな。遠いわ!」

「お兄ちゃんのケチ!だから彼女が出来ないんだよ」

「ぐっ」

「凛?あんまりお兄ちゃんをイジメちゃダメよ」

「春くん、大丈夫だよ。春くんには私や雛ちゃんやほのかちゃんがいるからね」

「アハハ、うちからここまで毎週買い物に来ないと彼女が出来ないんじゃ、恋人持ちなんていなくなっちゃうね」


 唯佳が言ってるのはちょっと違う気もするけど、智佳姉そうだよね?そんな条件をクリアしないといけないんじゃ、恋人持ちの人なんてユニコーンレベルの幻獣になっちゃうよね?


「でも智佳姉?そんな我が儘を叶えてくれる人がいたらさ〜付き合うでしょ?」

「うん。間違いなく付き合うね!」

「でしょ〜」


 くっ!いいもん!君達は幻獣を追い求めればいいさ!俺は堅実な人に見つけてもらうからな。


「春くん。ヨシヨシ。でも、全部声に出ちゃってるよ?」

「!?」

「お兄ちゃん?そういう事は、恋人を作ってから言ってよね!」

「アハハ、確かに幻獣レベルで見つかんないね」

「クスクス。そんな何でも言うこと聞いてくれる男性がいたら、ダメな人間になっちゃいそうね」


 この声に出しちゃうクセ治さなきゃな~

 温泉の効能で治らないかな~


 11時半

 渋川伊香保ICを降りた車は、山を登って行く。


「ね〜おばあちゃん、お昼ご飯はどうするの?ここら辺の名物って何?」

「水沢うどんっていうのが名物ね」

「友達と来た時に食べたけどめちゃくちゃ美味しかったよ。あと大きな舞茸の天ぷら!顔くらい大きかったんだよ?」

「おー!そんなに大きいの?楽しみだねー春くん!」

「食べごたえありそうだな」

「どうする?温泉行く前にご飯食べちゃう?」

「「「食べる〜」」」

「ふふっ分かったわ」


 牧場を過ぎ、左に曲がって進んで行くと水澤観世音の看板が見えた。


「あそこのお店にしましょう」

「水沢うどんは、観音様に参拝に来た人達に門前でうどんを振る舞ったのが始まりって、友達と来た時に聞いたような気がするけど、あそこが元祖なのかしら?」

「おー元祖のお店美味しそう!!」

「おばあちゃん、あそこにしよう!」

「はいはい」


 店に入りそれぞれ注文をする。

 俺と凛と唯佳は、セットメニューの椿を頼んだ。

 ざるうどんにつゆ2種類(麺つゆ、ごま汁)、舞茸の天ぷら2個に一品料理2品、みそおでん1本とつぶあんの団子が1個付いて2,310円。


 智佳姉が頼んだのは、セットメニューの桐。

 椿からみそおでんと一品料理が1品減って、2,090円。


 ばあちゃんは、そんなに食べられないとざるうどんと舞茸の天ぷら2個の楓を麺つゆからごま汁に替えて1,639円。


「うっわ!この天ぷらサックサクなんだけど!」

「うどんもツルツルで美味しいよー」

「春斗〜みそおでん、ひと口ちょうだ〜い?」

「ん?いいよ」

「やった〜春斗お礼にあとで混浴してあげる!」

「いや、大丈夫です」

「お兄ちゃん、智佳姉と間接キスだけじゃなくて、混浴まで狙うとかキッモ」

「はっ?いやいや、狙ってないぞ?凛?ちゃんと聞いてた?」

「春くん、混浴したいの?一緒に入ってあげようか?」

「いやいや、そうじゃなくてな唯佳?」

「智佳姉だけじゃなくて、唯佳姉まで...お兄ちゃんサイテー」

「凛?俺か?今の流れ俺が悪いのか?」

「ほらほら、春斗をからかうのが面白いのは分かるけど、お店の中で騒がしくしないの。他のお客様にご迷惑ですよ?」

「「「は~い。ごめんなさ〜い」」」


 くっからかって遊んでいただけか。周りのお客さんにまで笑われてしまっているじゃないか...


 12時半

 昼食を済ませ、石段近くの駐車場に車を停めて日帰り入浴をやっている旅館に向かう。


「あっ春くん、射的があるよー」

「温泉まんじゅうだ!お兄ちゃん買って来て!」

「混浴は凛ちゃんに怒られちゃったから、腕を組んであげよう」

「ここは相変わらず賑やかでいいわね」


 唯佳と凛は、両脇のお店の誘惑に負けそうになりながら、俺は左腕の柔らかな誘惑に負けながら、ばあちゃんに付いて行く。


「ここが目的の旅館よ。本当は、泊まりで来たいけど、最近はみんな忙しそうですもんね」

「私はいつでも付き合うよおばあちゃん!」

「私もいつでも一緒に来るわよおばあちゃん」

「私もー今度、みんなで旅行に行こうー?」

「あら、ほんと?じゃあ、計画立てておくわね」

「「「やった〜」」」


 そうして旅行の計画が立ち上がり、俺達は今日の日帰り入浴で利用させてもらう旅館へと入って行った。


 入浴料は中学生以上は1,500円。タオルとバスタオルが付いていた。


 他にも日帰り入浴のプランがあり、客室を利用できて、夕食が付くものもあるらしい。

 その場合は、15時〜22時までが利用時間らしいけど、その間なら何回でも入れるのかな?ていうか、22時までいたら、もう泊まって行った方がよくない?


 なんて、自分とは関係ない事を考えつつ大浴場を1人で堪能する。

 屋内と外を仕切る様にすだれが垂らされていて、雰囲気がある。


「あ~さいっこ〜だ〜」


 他にお客さんはおらず、大浴場を1人占めとか最高過ぎる。


 女湯は、仮に他のお客さんがいなくても1人占めじゃないしね。


 30分程お湯を楽しみロビーに行ったけど、まだ女性陣は出ていない様だ。


 仕方ないので、フロントの方が持って来てくれた団扇で扇ぎながら、椅子に座って中庭を眺めて待つ事30分、漸く女性陣が出て来た。


「ちょっとのんびり入り過ぎたかしら?」

「春くんお待たせー」

「春斗〜ゆっくり入れた~?」

「お兄ちゃん覗かなかったでしょうね?」


 凛よ、お前は兄を何だと思ってるんだ?それは犯罪だろう。


「そんなに待ってないよ。こっちは他にお客さんがいなくて、貸切状態だったからのんびりお湯を堪能出来たよ」

「そっかーこっちはお姉さんが2人いたけど、いい人達だったよー」

「キャリアウーマンって格好いいよね~」

「私もあと何年かでそうなるよ?凛ちゃん」

「智佳姉は今でも格好いいよ~」

「お〜うい奴め!あとでアイスを買ってやろう」

「わ~い!智佳姉だ~いすき!!」

「ニシシシシ」


 智佳姉、凛の手の平の上で転がってるけどいいのか?


「それじゃあ、牧場に寄ってソフトクリームでも食べて帰りましょうか?」

「「わ~い!」」


 牧場に寄った俺達は、ソフトクリームを食べて終わる訳もなく、みんなで乗馬体験を楽しみ、シープドッグショーに拍手を送って、羊やヤギ、うさぎと触れ合って癒やされたのだった。


 帰りの高速では3人は疲れて寝てしまった。


「春斗も寝てていいわよ?」

「大丈夫だよ」

「今日は付き合ってくれてありがとうね。ダンジョンもいいけど、偶にでもまた、こうして付き合ってくれると嬉しいわ」

「うん。俺も今日は楽しかったよ。それに今度は泊まりで温泉に行くんでしょ?楽しみにしてるよ」

「ふふっそうね。何処がいいかしらね?」


 祖母の楽しそうな顔を見れて、一緒に来て良かったなと思った。


 名前:黒木くろき 春斗はると 所属:クローバー

 年齢:16歳 誕生日:6月26日

 歩数:439,381歩

 Lv:3

 MP:30/30

 力:30

 耐久:29

 敏捷:30

 器用:28

 魔力:17

 運:76/100

 スキル:ウォーキング、サーチLv3⇒4、剣術Lv3、纏雷、リペアLv1、鑑定

 ※ウォーキング

 10万歩毎にスキルを1つ取得又は、既存スキルのスキルレベル1上昇

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