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ある日ダンジョン出現に巻き込まれた  作者: 鹿野
1章 学校ダンジョン
11/129

#11 模擬戦の感想と黒木家の日常

 春斗達がいなくなった富士森公園支部


「いや〜凄かったな」

「ほんとにな。結界の娘はそれだけで凄いから置いとくとして、剣鬼の息子は雷のスキルもだけど、あの動きでレベル2っておかしくね?」

「それを言うなら、あのギャルの娘もだな」

「でも、それを可能にしてるのはあのお嬢様っぽい娘の魔法だろ?あれ何だ?」

「小説とか漫画だと付与魔法ってのがあるけど、実際には存在しないだろ?」

「でもあの娘はやってみせた。未確認スキルなんじゃないか?」

「まあ、そうなんだろうな。そう考えると、あの雷スキルも未確認スキルっぽいし、あのパーティー未確認スキル持ちが2人もいるのか?」

「それがな、俺の弟があいつらと同じ学校なんだけど、魔石の数とドロップアイテムの数が合わないらしいんだよ。」

「ん?どういう事?」

「普通はドロップアイテムって魔石の3割位だろ?それが明らかにそれ以上あるらしいんだ。しかもレアドロップもかなり混ざってるらしい」

「見間違いじゃねぇの?レアドロップなんて滅多に出るもんじゃないだろ〜?」

「いや、換金額の話になった時にあのギャルの娘のお陰で普通より多いって言ってたらしいんだ」

「て事は、あのギャルの娘のスキルでレアドロップが多いって事か?ドロップアイテムが多そうなのも?でも、ドロップ率に関わるスキルなんてなくね?」

「まさか、あのギャルの娘も未確認スキル持ちとか?」

「だとしたら、とんでもないな。未確認スキル持ってないの結界の娘しかいないじゃん」

「いや、下手したらあの娘も持ってるんじゃないか?まだ、俺達に見せてないだけで」

「だとしたらどんなパーティーだよ。奇跡のパーティーじゃん」

「そんなレアスキルだけじゃなくて、ちゃんとパーティーの連携も良かったし、レベルに対して動きもよかった。」

「あの娘の魔法ありきの動きとはいえ、未確認スキルだと参考に出来るような先達もいないし、自分達で検証して練習したんだろう。かなり使い熟せていたからな」

「そう考えると大変だっただろうな」

「でも、まだ結成10日程って剣鬼が言ってたぞ?」

「ああ、しかもテスト期間があったから、実質6日って息子達が言ってたな」

「て事はあいつら、6日でレベルアップ出来る位に魔物倒して、スキルの検証して、あの程度まで使い熟せるまでに練習したって事か?」

「レベルアップの時点で時間が足りないんだが...」

「あいつら高校生だろ?て事は、放課後と土日に潜ってるんだよな?」

「結成10日程だと、先週の3日前後だろ?土日1回しかないんだが?」

「主に放課後の活動であそこまでになったって事?」

「天才か?いや、天才だわ!」

「あの〜ここにあの結界の娘のファンクラブがあるって聞いたんですけど?入会ってどうすれば?」

「ん?ああ、今ならまだ会費とかは取ってないからこれに記入してくれ。人が増えてグッズ制作とかする様になったら会費取るかもだけどな」

「あっはい。分かりました」

「あの、僕はあのギャルの娘のファンクラブに入りたいんですが」

「ギャルの娘、桃井 雛ちゃんのファンクラブはこっちだ。基本的には結界の娘のファンクラブと内容は同じだ」

「お嬢様っぽい娘、ていうかホントにお嬢様だった青山 ほのかちゃんのファンクラブはこっちだぞー。内容は前の2つと一緒だから遠慮なく入会してくれー」


 春斗達の富士森公園2度目の訪問も支部内の話題となった。


 クローバーの三人娘の非公認ファンクラブも一気に規模が大きくなりつつあった。


 ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆


「それで?ほのかちゃん、あのもう1人の俺は何だったんだ?」

「あれは、ドッペルゲンガーという魔法です。発動した1番近くにいる相手とそっくりの見た目になる土人形です。効果は姿を真似た相手を狙って攻撃します。ですが、能力まで真似る事は出来ないです。因みに発動場所は、私の任意です」

「つまり、狙った相手の人形を作って攻撃させられるが、土人形が物理攻撃しか出来ないから本物より劣ると」

「はい。ですが、強度を上げれば足止め程度には使えると思います」

「なるほど、強度を上げられるのか」

「はい」

「氷の魔法は?」

「あれは水属性と風属性魔法を合わせて作った、合成魔法です」

「合成魔法?」

「はい」

「そんな事出来るのか?いやまあ、出来ていたけど...」

「出来ちゃいました。ふふっ」

「いや、ふふって...」

「ねえねえほのかちゃん、私の人形も作れる?」

「作れますけど、攻撃されますよ?」

「あっそうだった」

「唯佳は自分の土人形を作ってもらって、何かしたかったのか?」

「うーん、何だろう?」


 何も考えていなかったらしい。


「あっそこの家です」

「でっか!ほのかっちの家これなの?」

「はい。よかったら今度遊びに来て下さいね」

「遊びに来ていいの?」

「勿論ですよ」

「それじゃ遊びに行くね~」

「お待ちしてますね。それでは、送って頂きありがとうございました」

「ほのかちゃん、また、明日ねー」

「はい」


 車を降りたほのかに見送られ、雛の家に向かう。


「おじさん、よくこんな道知ってるねー」

「ああ、細い道好きでな、色々な脇道に入って探検気分を味わってるんだよ」

「あ〜何か分かる〜。子供の頃アタシも色んな細い道入って、迷子になってたらしいんだ~」


 うん。凄く想像出来るな。


「雛ちゃんぽいねー」

「ね〜そうでしょ〜」


 親は大変だったろうな~


「これって高速の横でしょー?ずっと道あるのー?」

「ずっとかどうかは判らんが、暫くは続いているな」

「このまま行くと大学病院の近くに出るんよ。で、アタシんちの近くでもあるんだ〜」

「そうなんだ〜」

「あっおじさん、そこ左に曲がって。その右の家が家だよ」

「ここか?」

「そっここ〜送ってくれてあんがとね」

「雛ちゃん、また明日ー」

「は~い。またね~」


 雛を送り届け、俺達も家に向かう。


「「「ただいまー」」」

「おかえり〜あれ?唯佳姉達、今日はお父さんと一緒なんだ」

「うん。今日はおじさんにお稽古してもらったんだ」

「そうだったんだ。唯佳姉、怪我しなかった?」

「うん」


 仲の良い姉妹みたいな会話してるけど、凛?ホントのお兄ちゃんじゃなく、メインが唯佳なの何でかな?

 あと、お兄ちゃんの怪我の心配もしておくれ。


「春斗〜な~に寂しそうに凛ちゃんの事見てんの~?」

「い、いや見てないよ?」


 マズい。隙あればからかうネタを探している智佳姉に見つかってしまった


「ホントかな~?お姉さんが聞いて上げるよ~ほらっほらっ」


 智佳姉得意のヘッドロックに捕まってしまった。

 くっヤバい!幸せな感触に顔が...


「お兄ちゃん何ニヤけてんの?キッモ!」

「グフッ」


 いつもの展開になってしまった...

 ああ、こうやって凛の俺に対する好感度がどんどん削られていくんだよ...


「は~ると!ほらほら落ち込まないの。イイコイイコして上げるから。ね?よしよし」


 こうしていつも智佳姉のオモチャにされるんだよな~

 役得もあるから一概にイヤだとも思えないのがまたツラい。


「春斗ーお風呂空いたよー」

「春斗お風呂空いたってよ。ほら入っといで、なんなら久しぶりに一緒に入る?」

「ひ、ひとりで入れます!」

「そう?ニシシシシ。あっそうだ、凛ちゃんと一緒に入れば?」

「はっ?智佳姉?な、何を?」


 智佳姉?それはダメです。凛からどんな罵詈雑言が飛んでくるか!


「えっ?お、お兄ちゃんとお風呂?一緒に?で、でも、お、お兄ちゃんがどうしてもっt」

「凛!今のは智佳姉の冗談だからな?俺はそんな事思ってないし言ってないからな!」


 弁明しとかないと俺が思ってるなんて思われたら余計に嫌われる!


「...わ、分かってるわよバカ兄!さっさとお風呂行きなさいよ!!サイッテー」


 な、何で?凛?バカ兄は酷くないですか?言ったの智佳姉なのに...

 それに今、最低って、何で...?


「春くーん。ヨシヨシ。凛ちゃんも本気じゃないから落ち込まないでー」


 励ましてくれる唯佳の横で、智佳姉が笑っているのが腹立たしい。


 普段は優しい姉って感じなのにスイッチ入った時のからかい方は度が過ぎる時があるのは何でなんだ?


 俺は肩を落とし、1人風呂へと行くのだった。

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