表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
Y・Hファイル  作者: 白百合リーフ
林堂 友理サイド
PR
27/33

第27話 「連続砂かけ事件」

誠也と蘭は日向を取り返すべく2人で

玉藻前の陣へと戦いを挑んだ。

それはかなりの迫力で圧倒的なまでの玉藻前の幻獣化、

手も足も出なかった中、

やっと同じ土俵で互角?の戦いで

少女の助力もあってまさにギリギリの戦闘を繰り広げ

見事、勝利し魂を取られた被害者の開放したのも束の間

閻羅閻羅の策略によって玉藻前を取り逃がす事になる!

その閻来も玉藻前の命により

2人を殺そうと画策しようとした途端、

殺す筈だった自分が無惨にも殺され動く間もなく

冥界行きにした少女は、友理で一体…何者なのか??

本編・・・

玉藻前との決戦から2日ほど経った夜中の事、

その日は日曜日だった。

1人の妖怪が、暗い一室の中で画面を眺めていたのだ。

???「ズルズルズル……もぐもぐ…ゴクリ。

はぁ〜………ふぅ…ふぅ……ふぅ…ズルズルズル」

とパソコンの光と向き合いながら

カップ麺をすすり食べる老婆が居た。

老婆は、しばらくその部屋で過ごしていたのか

お弁当の入れ物や缶…ペットボトルなどのゴミが、

周りに散乱しており、ほぼゴミ屋敷と化していた。

箸を進めながらもマウスをカチカチと押し続け、

日課である今月のニュース一覧を

確認しているようだった。

老婆「山ばぁも最近、

ネットでよく見掛けるようになったもんだ♡

何々?

誰も居ない筈の廃墟に呻き声のような声が、

聞こえて来てどこからともなく現れる老ば……

おい!

勝手にワシらを老婆前提に話を進めるでないぞ(汗)

全くもう、最近の若いもんは〜

ワシらを一体、何だと思っているんじゃ!!

○%*☆#%*○☆#%(言語化不可)

ふぅ〜…これで、よしっ!

えっと老婆に追いかけ回される事件か〜

面白がっているだろうな、楽しそうじゃ♪

今度、ワシも混ぜて貰おうかのう。

え〜山ばぁの下にある事件は………」

残りのスープとなったカップ麺の存在を忘れて

一つ一つの事件を熱心に、読み進めていった。

すると老婆は、1つの事件に目を丸くする。

老婆「連続失踪…事件じゃと???

えっと、詳細はどれどれ?

過去最多の行方不明者を叩き出した

この事件は、5月末に(さかのぼ)る。

最初は行方不明届けが度々、見受けられていたが

当時、担当していた閻魔騎士によると

学生の失踪は家出と判断してなのか

[その内、帰って来るだろう]と

まともに取り合って貰えなかったとも

被害者ご家族から話を聞きました。

何を言っておる!

心配してる家族が言うんだから

もう少し寄り添うとか何とか出来ただろ!!(怒)

それでそれで事態が深刻化し始めたのは………

今月の9月頃で〜

ムッ?直近じゃないかっ?!

それから5月頃に起きた事件と今現在の事件を

合わせると1200件ほどの行方不明者に登った所、

昨日の午前2時半頃に行方不明となっていた人達が

何事も無かったかのように次々と帰って来たのです。

おう、それは嬉しい知らせじゃのう!

良かった、良かった♪

ただ…何人かは重症の状態で後に

病院へと搬送された事が、閻魔騎士から説明された。

それは、どういう事じゃ…!?

て、肝心な所は……まだ何も記載されていないの〜

まぁ、それくらい証明し難い事件だったというのは

間違いないじゃろうな。

分かるぞ、分かる☆うんうん。

ハッ!?いかん、いかん!!

この事件の存在すら知らなかった

ワシは、つい…目当ての確認を忘れていた!

えっと〜……どれどれ?

どこに、記載されているかのう〜

ムッ?….……ムッ?!な、なな何じゃと!?(汗)

ワシが2ヶ月もの時間を掛けて続けてきた

活動が載っていないだと?!!!!!

そんな馬鹿なっ!!誰だ?!

誰の仕業でワシの活動を消し……た…愚かm……

あっ(察)

そういえば、我らの(あざみ)の長であられる

玉藻前様が金曜の夜、

仁川市に近付くなと電報が送られていたな。

て事は………つもりぃ(滝汗をかく)

大変、失礼致しました〜〜〜!!(焦)

玉藻前様がひと暴れする事は

事前に送られていたにも関わらず、

ワシのちっぽけな傷害事件が掻き消されるのは

もはや時間の問題だったと思われます!

申し訳ございませぬ。

……じゃがワシの…ワシのぉ〜(涙目)

とりあえず、スープを飲もうかのう」

と涙ぐんだ目を細めてジュルジュルと飲み干し、

[はぁ〜……]としばらくの間、燃え尽きていた。


その時だった。

老婆の家に、一本の電話が掛かって来たのだ。

ジリリリーン、ジリリリリーン・・・

老婆「何じゃ何じゃっ!(涙)

ワシは今、ショックを受けておるんじゃぞ?!

今まで築き上げてきた小さな事件でも

ワシら低級妖怪にとっては、

[大きな功績]なんだ!!

それを夢見て、何が悪いのじゃ?!

それが不可抗力で消されたとしても

その事件一つ一つにはなっ!

しっかりと思い入れというものがあってだな!!

この気持ちが分かるか、黒電話よぉ!?」

と電話に向かって言葉をぶつけていると

黒電話からの音が止み

また、すぐに掛かってきたのだ。

老婆「あぁ、もう次から次へとぉ〜

今、何時じゃと思っている!?11時じゃぞ、11時!

ワシはこの2ヶ月、

毎日欠かさず監視してきたという日課を

今日に限って老人会の帰りが遅くなっただけで

この弊害じゃっ!!

えいっ、誰であろうと取っちめてやる。

もしもしぃ、どちら様ですか?!(怒)

(わたし)だ、お前さんに頼みたい事がある(???)

あ?何だ、偉そうな奴め!何様のつもりじゃ!!

用件を言うのだ、話はそれからじゃ」

???「…んっ?(汗)

どうやら結構なお怒りのようだな。

どうした、私で良ければ話を聞いてやるでないぞ?」

老婆「な・ん・じゃ・とおぉぉぉ!!!!!!

ワシはな今、頭に血が登ってんじゃ!

ワシが2ヶ月もの時間を掛けて

ネットに爪痕を付けたというのにぃ〜(焦)

我らの長である玉藻前様の事件で持ち切りになって

白紙になったも同然なんじゃあぁぁぁ!!(泣)」

と電話を掛ける前の老婆は、

怒りのままに気持ちをぶつけていたが

今では、急に惨めな気分へと変わってったのだ。

ビールジョッキをテーブルに

叩き付けるかのような音を立てて子供みたいに

泣きじゃくっていた。

???「ふむ、それはすまなかった。

元々は別件で頼む筈だったが、

私が潰してしまった詫びとして頼みたい♪

気休め程度になるかは分からないが、

私の為に尽くしてはくれぬか?(笑)」

老婆「ムッ、だから何様だと言ってるんじゃ!?

ワシは今、虫の居所が悪い!

お前なんかの話に付き合う暇などないわ(怒)」

?「そろそろ頭も冷めてきた頃合いかと思ったが、

私の事がまだ分からんか……仕方ない。

では電話越しとはいえ、言わせて貰おう♪

私は、[薊陣営(あざみじんえい)の長]を務める玉藻前じゃ!!

そう言えば分かるかい、砂ばぁよ♡」

砂ばぁ「何じゃと!?

我らの長を侮辱するような態度をとって

いい加減にっ、に、にぃ……(怒)んっ?

薊陣営の…長を務める玉藻前???(パチ目)

・・・。

ハッ?!す、すすみませんでしたーーー!!

まさかこん↑なちっぽけな私に

玉藻前様から直々にお電話をくれるとは、

ワシは、今かん……!

さ、ささ先程の玉藻前様への無礼な数々…を

どうか、お許し下さいませっ!!(焦)」

電話越しの相手が玉藻前だと分かると

態度を180°変え、老婆は受話器を

目の前に土下座をしていたのだ。

玉藻前「分かればまぁ、()い。

事実、私が起こした事件の被害者に変わるまい

そこで今日は、折り入ってお願いしたい事がある。

お願い…ですか???(老婆)

あぁ、しばらくの間……砂ばぁの好きなように

その事件を再び、呼び起こしてはくれぬか?

私に出来る事でありましたら、何なりと!(老婆)

うふっふふ♡

それじゃあ本題と行こうか、砂ばぁよ?

改めて頼みたい、私の事件を………[消して]欲しい♪」

そう言って玉藻前の願いを

事細かに聞き入れた老婆の目の色が変わった。

仕事人のような自信に溢れた目付きで

頭を再度下げて、胸に手を添えた。

砂ばぁ「ははっ!

玉藻前様の仰せの通りに、

必ずや…このワシめにお任せ下さいませ!!」


当夜、9月16日・・・

女性「ふっふふ〜うふふ♪(鼻歌)

はぁ……今日もつっかれたーーー!!!!!!

全く…もう〜主人様(あるじさま)ってば

私にだけ毎回、無理難題な要望を

押し付けてばっかりで自分は、

今日も暇だから付き合ってよだなんて

甘い口調で他の御使いとほっつき歩いてっ!

どの口が言っている事かっ?!

昼間からお酒とかナンパとか何やらして

アレが・どこの・[神様]・ですか!!

私の苦労も知らないでっ!(怒)

ムムッ〜……知らない知らない!!

ブーブー・・・

んっ?電話、誰かしら???もしもし?」

神様「もしもし、やっほ〜☆

僕の可愛い可愛いハニーちゃん?

今、僕の事…噂したでしょ♪

だから君の為に、出て来てあげたよ」

女性「・・・えっ、主人様!?

ど、どうして私の電話番号知ってるんですか!

私、交換はしませんってあれ…ほど?!(汗)」

神様「んっ?

あ〜確か、最近……君が居ない時に

こっそりカバンを拝借したもんで、ね☆

別にやましい事はしていないよ。

少しばかり僕の御使いちゃんの情報くらい

欲しいもんだろう♪」

女性「こ、この……主人様のバカ!

プライバシーの侵害っ!!

悪意が無くても犯罪は犯罪で・す(怒)」

神様「侵害って僕は、神様だからね〜

そんな罪だか、何だかには問われないよ?

まぁ、ここが妖魔界であって

天界じゃないから罪には問われないだけで

僕は絶賛、修行の身だからね☆

そこら辺の所は、見逃してくれるんだよ♪」

女性「見逃してくれるんだよ、じゃない!

ここは、妖魔界なの妖・魔・界!!

郷に入ったら郷に従えってよく言いますよね(怒)

どうして、分からないんですか?!」

神様「まぁまぁ、そういう話はいいからいいから〜

所で、まだ家に着いてないの遅くない???

女性が1人夜道で彷徨くのは、いくら熟練な君でさえ

襲われる可能性があるんだから急いで帰りぃ…」

女性「そういう目には遭いませんーよだっ!

ダメ主人様の愚痴の一つや2つ言って

わざと遅く帰ってるんです!!

え〜それって僕のせいって言いたいの!?(神様)

当・た・り・前・で・す!(怒)

とにかく私の言っている事が

理解できないのならもう口を聞きませんし、

家出しますので神社には当分、行きませんから。

用があるなら他の御使いにでも頼めばっ!!

じゃあね、ダメ主人様っ!」

神様「ま、待ってくれないか愛しのは………」

プツッ!・・・

女性「はぁ〜……もう嫌なっちゃう(汗)

(自分勝手で子供みたいに駄々をこねて

暇人な女たらしのどこが神様よ!?

一層の事、天界ってとこに

殴り込みに行きたいくらいだわ!!)

ブーブーブーブーブー・・・

あ、主人様からのメールだ。

うげっ!スタンプ連打だけ、無駄に早っ!?

はぁ…無視無視。

もう神様なんて知らないんだから!!

それに…ここが住宅街の中だって事を忘れて

つい、怒鳴った自分が不甲斐なくて更に嫌になる。

……帰ろう。折角、良い気分で帰ってたのに〜

主人様のバカ………(涙目)」

ボソッと口にした言葉を呟いた時の彼女は、

どこか複雑そうで訳も分からず

胸が締め付けられるような苦しみに溢れた顔で

街灯の光に照らされて立ち止まる。

女性「駄目だ、駄目だ(汗)

そんな事で凹んでちゃいけないのにぃ主人様は、

実際には有名な神様の1人だけど

子供を相手にしてる感覚でいれば、まだ平気な筈。

自分でそう言い聞かせてても子供っていう認識を

まず、(くつがえ)す程の域を越えてるのよねぇ。

これからどうやって、主人様の事を見ればいいの?

一層の事、私や他の御使い達の事を

必死に怒ってくれるなら話は別だけど、

そんなカッコいい姿、22年間一緒に居るのに

1回も見た事ないが無いなんて笑っちゃうよね」

と女性が腕を抱え込むように悩んだ途端、

背後から黒い影が急に現れると

女性が反応し、振り返った次の瞬間!!

ブワッーと目に砂を掛けられてしまい思わず、

声に出していたのだ。

女性「キャアァァァァァ!!!!!!」

咄嗟とはいえ、悲鳴をあげるのと同時に

女性は、座り込みながら手提げに付けていた

防犯ブザーのようものの紐を引いて

瞬く間に波紋が街に広がる。

老婆は、女性のそんな動作をしてたとは知らずに

さっさとその場から立ち去って行く。

後ろで縛った白髪を揺らしながら

魔女のような怪しげな笑みを浮かべていたのだ。

老婆「ケッケッケ(笑)

最近の若い子は、良い悲鳴をあげてくれるのう♡

それなら心置きなくワシもやり切れるわっ!

楽しみじゃ、楽しみじゃ!!イッヒッヒ♪」

そう言って甲高い声をあげて駆け抜けていった。


翌朝・・・

カバンを後ろに持ちながら

ダルそうな顔色の誠也と不安げな2人と

一緒に学校へと歩いた。

蘭「だ、大丈夫…なの誠也???

寝不足じゃなくて普通に顔色、悪いよ。

支援制度が切れたとはいえ、もう少し休もう?(汗)」

誠也「……だから朝に言ったろう。

これは、ただの[貧血]であって

それに俺はもう休める程の時間の余裕が無いんだ。

これに関しては、仕方ないだろう」

蘭「そうだけど………(焦)

妖力漏れが起きたら、普通は異常事態なんだから

先生方に掛け合ったらきっと分かってくれるよ」

誠也「良いんだっ!俺は、これで……(ふん)」

日向「また、いつもの強がりだね。

朝からよくもまぁ、そんな気になれるねー(棒読み)」

誠也「お前だけには、言われたかねぇよ!!」

ガシッと拳を握り締めながら

手の血管と頭に怒りマークが現れて

誠也は、朝から機嫌を損ねていた。

蘭「(あ、あれ?

いつも通りの光景ってこっちも同じなんじゃ………

それに、不仲の時の2人に戻ったような〜…)

まぁまぁ、2人共……あはは(汗)」

と蘭の仲介もセットでいつも通りの会話をするも

2人は横目で睨み合い、同時にそっぽを向く。

蘭(玉藻前様の戦闘から早3日、

何だか2人の雰囲気が少し変わった気がする。

決して喧嘩してる訳じゃ…ないんだけど、何だろう。

上手く言い表せないけど

最近、2人の思考が読めない。

何も思っていないのか、

はたまた玉藻前様が私と会話していた時みたいに

何か遮断できる方法がある……のかしら???

玉藻前様は、

[そんなもの身近に心を読める奴が嫌でも居るからに

決まってるじゃないの!]と言っていた。

身近な人、四大妖怪に関わりのある人だと

それは〜…天狗様の読心の力じゃないかな?

私の持つテレパシーと似たような能力なんだけど、

読心は[意識下]において

オンオフの切り替えが可能な変幻自在型。

対して私のテレパシーは、

広げた妖力の膜を引っ込めるようなイメージで

意識する必要があって初めてオフに出来る。

心を読まれたくない人に対しては、

私も何回か使った事があるけど

結構、大変なんだよね。これが……(汗)

とそんな事を内心、考えつつも

蘭達は学校前に辿り着いた。

すると、誠也「おぉっしゃ!

今日一日も頑張ってやりますかっ☆

誰か〜…俺と

模擬戦してくれそうな奴は居ねぇかな?!」

日向(また、始まったよ。

僕が誠也を観察していた時期の記憶メモによると

学校が近付くごとに

やる気、元気な誠也の取り柄が復活し

無駄に気持ちを切り替える。

あと、本当に疲れてる時の誠也の声は、

ワントーン低い声の状態で空元気に振る舞うと

今もそうだ。ただ、問題は〜………)

蘭「もう誠也っ!!

(つら)いなら辛いって言えば良いじゃない?

あと体育の時間とか激しい運動系は、

ぜっ・たいにやっちゃ駄目だからねぇ!」

誠也「おぉよ!!任せとけ☆」

蘭「絶対の絶対だからね?!約束よ」

誠也「お、おぉー???(汗)」

日向「鈴木さんは…いい加減、

誠也と付き合い長いんですから気付いて下さい」

蘭「えっ?何が???(天然)」

日向「・・・。もういいです(諦め)」

蘭「えっ!?

そこで言い掛けてやめるの気になるよ!

ねぇ日向くん、教えて教えてよ〜〜〜」

と気配もなく後ろから

軽く抱き付いて来る蘭を邪魔そうに歩き続け、

フル無視する日向。

すると、校門前に大きな岩と化していた

千秋が(はた)から見てもわちゃわちゃしてる

3人を見つけるなり、スッとその場から立ち上がって

日向に正面から抱き付いて来たのだ。

同時に、軽く弾かれる蘭の姿も!!

千秋「元気にしてたか日向、会いたかったぞ!」

日向「うわぁ!?

ちょ、ちょっと千秋……ここ外っ?!

皆んな見て…る。うぐっ、苦しいぃ(焦)」

千秋「八瀬が連れ戻しに行くって言ったきり

もう5日も経ってんのに、

連絡一つよこさなかったから心配してたんだ!!

日向からは来てたけど、

でも…無事に帰ってきたみたいで良かったよ♪」

と1人で語るだけ語っといて

日向は、今にも気を失いそうな顔色で

体をビクビクさせていた。

日向「ち、千秋……ちょっと痛いぃ(汗)

は…はな……じて、だ…から〜……うっ」

と千秋の腕から何とか抜け出せた手を伸ばすも

段々と締められる力が増していき、

下がっていく手を見て誠也は暗く青い瞳が光り、

千秋の横腹辺りを一瞬で蹴飛ばしたのだ!

学校の敷地内に勢いよく空中へ飛ばすと

緩んだ腕の中から日向がフワッと放り出される。

蹴り上げた誠也は、

すぐさま日向が落下するであろう場所まで

走って行き、何とかキャッチする事に成功した。

蘭「えっ!?えっ、えぇ?!(恥)」

誠也「はぁ〜…んっ?どうしたんだ、蘭???

え、あっ。いや、な…何でもない……よ?(焦る蘭)

んっ?そうか、ならいい。

とりあえずと言って何だが〜良いとこ知らないか?」

蘭「い、良いとこ!?(赤面)」

誠也「いや、日向の奴……気を失ったし

それで〜素直に保健室連れてったら

鬼塚に何されるか分からねぇから

部室に置いておきたいが、控え室として使うから

どっち道、無理だろう?

だから良い隠れ場所とか無いか、聞いてるんだが〜」

蘭「えっ!!

えぇ、そういう意味よね!そうだよねっ?!

あ、あぁ…(誠也)

良かった、それなら良かった!!うふふ♪」

誠也「???」

蘭「良いから良いから〜誠也、こっちだよ」

と言って蘭の後を追うように

誠也は、ひょいっと背中に担ぎ上げ付いて行った。

千秋は、というと2人が居なくなって

すぐ倒れ込んでいた体を起こす。

白い息をシューッという音と共に吐き出され、

目元を暗くさせながら

何事も無かったかのようにそっと立ち去っていた。


・・・・・・・・

日向「うっ……んん…んっ?

あ、れ?ここ…は、ど………こ???」

蘭「はあ♪

誠也っ!日向くん、起きたよ!!

やっと起きたのか、遅ぇ〜ぞ日向(誠也)

開口一番がそれってあんまりじゃないの誠也」

誠也「事実なんだし、別に良いだろう。

起きれるか、日向?」

日向「う、うぅん。いっ…たぁ(汗)」

と誠也は手を差し伸べて掴み合い、

蘭は日向の背中を後ろから

支えてあげて起き上がらせてくれた。

誠也「アイツもかなりの馬鹿力だよな〜

5日ぶりとはいえ、少し大袈裟過ぎねぇか?

流石の俺でも日向相手にそんな事しないし、

自分の力を見誤った事なんて今まで一度も……」

2人「ある(だろ)でしょ、今の今までっ!」

誠也「2人揃って言うなよな〜傷付くだろ(拗)

誠也って、傷付くんだ(驚く蘭)

俺も1人の妖怪だっつうの?!(怒)」

日向「・・・。

(ここは、確か〜…通信制の人達が

個別授業代わりに使う個室の筈。

どういう理由で鍵を貸して貰ったのかな?

というか、今は何限目まで進んだんだろう???

あ〜……ここ、時計が無い部屋だった。

ちょっと2人に聞いてみようかな)

ねぇ2人共?

んっ?(2人)

僕が寝てからどのくらいの時間が経った?」

誠也「…えっ!?(汗)

(ま、まずいぃ!!

時間帯的に今日は、6限目まであって

今は〜……その半分しか満ってないなんて

絶対に言えねぇし、言える訳ねぇよ?!

コイツ、佐川に怪我じゃ済まされないレベルに

傷付いてでも授業に出ようとする。

風邪も同じだっ!

そんな奴、見てられないしほっとけるかよ!!)

そう決心を固くした途端、

誠也的には爆弾発言を容赦なく投下されたのだ。

蘭「今はね、3限目の終わりぐらいだよ!!

………だよ、だよ……ょ♪(エコー)」

誠也「おーーーい?!!!!!

待て待て待て、蘭っ!

お前、人の心読めるのに人の心無いんか!?(焦)

えっ、何々?だって、本当のこ………(蘭)

わぁ〜わ!!わあぁぁぁ、聞こえないな〜(焦)

誠也、朝から様子が変だよ。いつもだけど(蘭)

ははっ……て、最後のだけは余計だわっ!

大体、蘭はいつもいつも…」

日向「そっか。

僕、そんなに寝ちゃってたんだね〜(あくび)

久しぶりに帰って来たから

やっとクラスの皆んなと会えると思ったのに

今回は、仕方ないか」

と露骨にしょんぼりがる日向の姿を見て

誠也は、疑問を抱き尋ねてみる事にした。

誠也「何だよ、日向。

やけに今日はしおらしいじゃんか〜

心配して損したわ(汗)

ていうか何で、そんなにすんなり諦めるんだよ?

クラスの皆んなとなんて

普通に、廊下ですれ違うだろう」

日向「今日は、そうもいかないからだよ」

誠也「んっ?何でだ???」

蘭「誠也、もしかして。。。

今日と明日の予定、聞いてないの??

今日……と明日の予定?何かあったか(誠也)

はぁ〜…やっぱり。

今日の時間割りは4限までで

なんか学校の電気系統が故障みたいで

その点検として明日は、学校が閉館な・の!!

だから日向くんは、

こうして寂しがってるんじゃない。

別に、そういうんじゃないよ(ジト目な日向)

はあぁぁぁ?!!!!!聞いてn……(誠也)

それは、誠也がちゃんと先生達の話を聞かないで

寝てばっかだからでしょ!

いい加減、自分の身の回りの事は自分で確認するの」

誠也「嫌だねっ☆

俺は、もう既にそう言う面倒な説明中は

退屈過ぎてつまんねぇから寝てる訳で

年間スケジュール表に関しては、

始業式の初めくらいで無くしてるからな!!

絶対、そこ威張るとこじゃない(汗をかく日向)

あはっはっはっ(笑)」

蘭「別に良いもん!

スケジュール表は私がコピーして

誠也に渡せば、万事解決じゃないの」

誠也「はっはっは……あっ(間抜け顔)

・・・。

い、要らねぇ!

俺は絶対に要らねぇからな!!」

日向「どこに、こだわってるのさ?(ジト目)」

蘭「ダーーメー!

明日、絶対に誠也の家に渡すから

意地でも渡しに行くから覚悟してよね!!」

と言って部屋の中を走り回ったり、

壁に逃げ回ったりする誠也に対して

カチン!ときたのか蘭は、

誠也に蜘蛛の巣を使って動きを封じさせたのだ。

日向「鈴木さんも鈴木さんですよ(汗)

そんな所で、ムキにならないで下さい」

蘭「だって本気で相手にしないと

誠也が真面目に取り組んで貰えないじゃない!!

その為にも、私がまずしっかりしないと!」

日向(付きっきりで見るなら

一層の事、付き合えば間近で見られるのでは?)

とそんな日向の心を聞いてか、

蘭は急ブレーキを掛けてから日向に言い返した。

蘭「えっ?!

ちょ、ちょっと日向くん!何言ってるの(焦)

私は別に、そこまで誠也の事を〜すk……」

誠也「え?蘭、日向なんて???」

蘭「ふぇっ!?(赤面)

な、何で…もない!!ホントに何でもないの!

誠也のバカッ!!(裏返る)」

誠也「えぇ〜(汗)なっ、何で???

なぁ、日向なんで急に蘭が怒ってんだよ?」

窓際の角っこに

蘭の蜘蛛の巣によって捕えられたままの誠也が、

更に日向に疑問を問う。

すると、日向「・・・バーカ(ジト目)」

とだけ伝えてトコトコと日向が歩いていく先には、

廊下側の隅っこの方で背中を丸めた蘭の肩に

そっと手をトントンと置いてから

同じ場所で一緒に座り込んだのだった。

誠也「はぁ?!もう訳分かんねぇ!!!!!!」


放課後・・・

誠也「はぁ〜……

今日が4限だって知ってたら普通に休めば良かった。

なんか損した気分でつまんねぇの!

あ〜ぁ、どっかで面白い事ねぇかな〜?」

日向「良いんじゃないかな。

学校が早く終わって嬉しいのは、

大多数の人達が賛成する事なんだから」

蘭「そうだけど〜………

こういう時の誠也って妙に危なっかしいのよねぇ〜

すぐ調子に乗り出すし、迷惑しか掛けないから」

日向「それって、お互い様じゃないですか?

んっ??どうして、日向くん?(蘭)

あ、いえ…心当たりが無いのならいいです(汗)」

誠也「そういや俺って志童に続いて

玉藻前とも戦った訳なんだし、

いよいよ四大妖怪のツートップでもある

天狗や烏天狗にも

なんやかんやで簡単に出会えんじゃねぇか☆

ちょっと待った!!(日向)

んっ???

まさか、その2人とも願わくばって思ってる(日向)

えっ、そうなの誠也っ!?(蘭)

そのつもりだけど……?」

2人「・・・バカじゃないのっ!(怒)」

誠也「うげっ?!何だよ、急に(汗)

いつもの事ながら良いだろ、別にぃ」

蘭「良い訳ないでしょうがっ!!!!!!(怒)

折角の特別部隊を廃部の危機に遭わせる気!?

誠也が個人でやる分なら良いけど…良くないけど、

組織絡みじゃその話は別、

それだと私達が巻き添えになるんだから!!

閻魔騎士が見ていないからと言い、

好き放題して良い理由は無いって

この前、玉藻前様も仰ってたでしょ!

仕方ないとはいえ、2人も同罪だけどね(日向)

それは、言っちゃおしまいなやつだよ〜

実際そぉうだけどさ〜(バツ目)

うぅ〜〜とにかく誠也は、絶対に今は駄目っ!!

また、妖力漏れ起こしたらどうするつもりなの?!」

誠也「ギクッ!

そ、それは〜…だな。ははっ………(汗)

忘れてたな(日向)

わ、分かったよ。今回は、それでいいから!!

これからもだよっ!(2人)

まっ、まぁ玉藻前は〜……

ほぼ本気に近い力にしか見えなかったけど、

妖力を全身纏ってる相手は、正直…無理ゲー過ぎたし

俺でも2度とやりたくねぇよ(汗)

志童となら、まだマシにやり合えるかもな☆」

蘭「全然……」

日向「懲りてない顔してますね。

雄鬼さんに今後ともお世話になって貰いましょうか」

蘭「でも、それじゃあ牧原先輩に悪いよ(焦)」

日向「それは、そうなんですけど

僕らにはもう手の(ほどこ)しようがありませんから

自業自得でしか言いようがないです。

ここは、潔く諦めた方が早いと思いますよ」

蘭「諦めねぇ〜諦められるかな、誠也に?」

日向「さぁ、どうですかね。

少なくとも…僕は、そうすんなりと事が運ぶとは

到底、思えませんけど」

蘭「そうだよね〜……私もそれには同感っ!

ドンッ!!!!!!・・・

うわっ!!何々、今の音っ!?」

誠也「何の音か全然分かんねぇけど、

とりま俺達も学校裏に行ってみようぜ☆

ニヒッ(笑)」

蘭「あっ、ちょっと誠也ーっ!

もう〜待ってってば(汗)」

日向「はぁ……今日も、何だか忙しくなりそう」


少し遅れて日向も2人の後を追い、

3人が学校裏に辿り着くのとほぼ同時くらいに

バンッ!バンッ!!

と学校の壁に激突したような音が強く耳に残る。

それは、壁にのたれ掛かりズルりと落ちる姿と

何かしたであろう人影がそこにあった。

誠也「そ、そこで何してんだよ…志童!?

……んっ?聞こえてたのか(志童)

当たり前だ。

あんなに音立てて気付かない奴の方が、

どうかしてるくらいだ!」

志童「そんなに、うるさかったか?

それは、すまなかった。

んで、お前はここで何してるんだ???(誠也)

見て分かるだろう?

分からねぇから聞いてんだよ!!(誠也)

この3人が僕に奇襲を仕掛けに来たんだ。

勿論、自ら仕掛けた訳じゃないから

今回は正当防衛だがな。

あの3馬鹿達には、何一つ[触れていない]」

誠也「ホント、そういうとこだけは

ちゃんと徹底してるよな〜(汗)

ていうかお前に仕掛けるっていう

状況も字面もやべぇけど、何したんだ?

何かしら原因が無いと無闇に襲われねぇだろ。

例えば、コイツらの気に障る事でもしたとか」

志童「気に障る事かどうかは分からないが、

[体力測定の2次]を今日、やったぐらいだな。

マジで!?Aクラスはもうやったのか!(誠也)

まぁ、落ち着け(引き気味)

その件で、この3人に呼び出されたんだが〜…

奇襲を掛ける程の理由には少々、欠ける。

で、それって何だったんだよ?(誠也)

……[舐めてんのか?]と言われた。

・・・えっ?(3人)

四大妖怪の1人なのに序列が真ん中辺りだから

四大妖怪は大した事ないと思ったんだとよ。

ただ、それだけの為に呼び出される

身にもなって欲しいね」

誠也「それだけって…そんなの弱い奴が、

強い奴に威張ってるだけじゃんかよ!!

言い方には少し気を付けた方がいい、誠也(日向)

いや、だってじ……何でもねぇ、悪かった。

・・・(日向)

それより俺もそれについて

少し志童に聞きたかった事があるんだよ。

んっ?なんだ???(志童)

志童はさ、何で本気出さねぇの?

お前の実力ならもっと上位になれるし、

そういう場を学校側が設けてくれるんだから

1回くらい見ても………」

志童「はぁ……八瀬もこの3人と同類か。

な、何っ?!(焦る誠也)

またしても、くだらない理由だな。

大体、こんな大っぴらな場所で

学校の生徒だけでなく先生や

雄鬼が所属する閻魔騎士が居る中で

安易(あんい)に自分の強さを主張する奴は、

…馬鹿馬鹿しいとは思わないか?

主に2年からは、

その部分しか特出されない評価に結果を出して

それは、(なん)になるんだ?」

2人「・・・」

誠也「……ニヒッ(笑)

そんもん俺に難しい事、話すなよな。

もっと簡潔にだっ!

そんなの何人もその馬鹿が、

ゴロゴロと転がっているからこそ

お互いを高め合い競い合う関係の方が…

何回やっても何倍にも燃えるんだよ☆

これに、特に意味が無くてもなっ!!」

志童「お前は、どこまでも馬鹿に100点だな」

誠也「うっせぇ!

これは、俺個人のコメントとして言ってんだ。

少しは褒めろ!!」

日向「意味が分からない(カタゴト)」

志童「とまぁ、そんな馬鹿な奴らは

案外、身近に潜んでいるものだ。

後先考えず相手をもし、数字だけの見立てで

人間を…妖怪を判断するような奴が居れば

それは少し痛い目に遭わせないといけない義務が、

こっちにはあるんでね(冷徹)

因果応報とは、まさかにこの事なんだろうな」

蘭「でも、良いの志童くん?

いくら正当防衛とはいえ、これってまずいんじゃ……」

志童「学校裏で気絶したよく分からない人達だって

新聞に載せられるくらいには、

反省して貰う必要がある。

そんなの本当に、効果があんのかよ???(誠也)

少しは小っ恥ずかしい記事を載せれば

載せられた本人は良くても周りからの評価だけは、

切っても切り取られるばかり………

それだけでも十分だと思わないか?

なるほど〜!(キラ目な蘭)

まぁっ☆俺には、関係のない話だな(誠也)

……ふん(笑)

それに君達こそ、巻き込まれたくなかったら

さっさとここから離れた方が良い。

君らが、大目玉を食う羽目になるよ」

日向「それは、そうだけど…(汗)」

誠也「んじゃあ〜

コイツらは放置っていう結論で良いんだな?」

志童「あぁ、それで構わない。

君達も口外しなければの話だからな(無言の圧)」

2人「うっ(寒気)

は、はい……ここでの光景は何も見ていません」

日向「・・・(ジト目な横目)」

誠也「さ、さぁ…行こう(カタゴト)」

蘭「お、おぉ〜!!(焦)」

と見るからに怪しいカクカク歩きで行進する2人。

2人「もう少し隠そうとしようよ、普通に。

はぁ〜……んっ?」

志童「一緒に行かないのか?

志童も来ると思って〜…(日向)

ふん(笑)

そういえば僕、

前から新條に聞きたい事があったんだった。

この機会に、少し答えて貰えるかな?

なに???(日向)

いつもあの2人につるみ付き合わされてる身の筈なのに

新條は、やけに固執してる印象が見受けられる。

それは何故なのかが聞きたい。

固執……か(日向)

どうして、あの2人と同じ場所に立つ?

どうして、一緒に歩もうとする必要がある?

それに蘭さん達と離れれば、

自分の日常にだって簡単に戻れる筈だ。

それなのに、そんな日常でさえも切り捨てて

新條が付いて行く理由が

僕には、その気持ちがいまいち分からなくてね」

日向「・・・。

僕は、過去に……大切な友人を

目の前にして助けられなかったんです。

彼に出会う前までの自分は人とあまり関わらず、

何の変化もない普通の日常を送って

ずっと同じ日々の繰り返しで生きて来た。

けど彼と出会ってからは、それが変わってしまった。

僕にはもう孤立する必要が無くなったから

彼が残した[友達との在り方)を教えてくれた通りに

その人達以外となら過ごせた!

けど、何か…何かが違ってそれが何なのか分からずにその欠けた違和感に苛まれながらも過ごした。

地獄だった。。。

その日々から逃げ出したくて、目を逸らし続ける

自分がどうして許せなかった!!

そんな時に会ったのが鈴木さんでした。

こんな僕でさえ、僕の知らない所で

鈴木さんはずっと見守ってくれていた。

知らない筈なのに些細な変化に初めて気付いてくれた

鈴木さんだからこそ、この恩を無下にはしたくない!

それから誠也は、当時と今では変わっていないようで

段々と変わってってる事を知っている。

最初こそ、低級妖怪は弱い印象があったせいで

あんまり良い印象を持たれなかった。

玉藻前の一件を得て

誠也が僕への印象が変わった気がするんだ。

前より優しくなったっていうか〜

弱い妖怪に考えてるものがあるし、

クラスが違うだけで

皆んな、1人の妖怪なんだって気付いてくれた♪

そういう所が友人に似てきた気がする(照)

僕なんかに頼ってくれた事がただ単に嬉しかった!

これからも…この先もあの2人の事を……いや、

特別部隊の皆んなを、裏切るつもりもない!!

だからまずは同じ目標で、同じ場所で、同じ景色を

見る為にただ…一緒に居たいだけ。

ちょっと長くなったけど、これでいい?」

過去や今の心境を語り終えた日向は、

どこか良い表情をしておりそんな顔を見た志童は、

何故か素っ気なく言葉を返したのだ。

志童「そっか。。。

そんな事があったんだ、なるほどね。

良い考え方だ。

けど、新條が追い求めているその理想は、

皆んなが皆んな同じ場所に立てると思わない方がいい。

1人の妖怪には必ずしも限界が訪れ、

それ以上の成長は見込めないと定められている。

噂だと……いや、そんな不確かな情報よりも

これは法に基づいた絶対的規則であり

進化を超える事こそが難しいC以下の妖怪には、

現状では不可能に等しいとまでもある。

どういう…こと???(日向)

………いや、少し[未来]について話してるだけだよ。

新條も八瀬も……蘭さんも

当分、受け入れ難いんじゃないかな。

んっ?(日向)

・・・。

まぁ、今のは心の内に秘めておくといい。

この先、幾度となく特別部隊は困難な事に巻き込まれ

嫌でも味合わされると思うが、

それでも気にしないのなら平気かもな♪

ひとまず新條もここから離れた方がいい!

気付かれたら最後、

特別部隊全体が責任を担う事になるぞ。

それでも良いのか♪(片目閉じ)」

日向「あっ、そうだった!?志童も急ごう(焦)」

志童「あぁ」

そう言って日向は走り出し、

その後ろに付いて行こうと足を踏み留め志童は

今だに、倒れたままの人達の事を

チラ見してほくそ笑みながら音もなく去ってった。


4人は時間差に合流し、

学校裏の出来事が全部無かったかのように

学校の敷地内で輪を囲み、その場に留まったのだ。

約2名は、タジタジながら落ち着きもなく

無理矢理でも会話をし続ける様子を見て

引き気味+ジト目な2人は眺め続ける。

蘭「ね…ねぇ、志童くんって

確か〜私達が玉藻前様に挑みに行った

あの日、急遽行われた

3年生の野外活動にも同行したのよね?(汗)

まぁ、そうですけど……(志童)

どうだった!?ねぇ、どんな感じだった!!☆」

誠也「この期に及んで、どんな神経してるんだよ。

てか、3年生の野外活動???

そんなのいつ行ったんだよっ?!

さっき鈴木さんが言ってたけど…(日向)

えっ?まぁ、別に良いや。

なぁ!どうだったんだよ、志童っ!!☆☆」

志童「おい、さっきの態度どこにいった!?(汗)

もう……無理そうだよ、志童(汗をかく日向)

あぁ〜…八瀬は、馬鹿だったな。

余計なお世話だっ!(誠也)

まぁ、流石に新入生相手と違って

3年は想像の上を平気で超える程のレベルだよ。

アレは(汗)

特殊部隊も混みだからな、厳しいよな(誠也)

ホントに急な話だったよ。

まだ入ったばかりの特殊部隊ならまだしも

余程の訓練を積み上げた上級者になると

こうも進みが悪いとは、思わなかった。

2年の序列は常に影に徹していて

目立たない位置に居たつもりだったけど〜

急遽とはいえ、

閻魔騎士である雄鬼にまでバレる事になった。

それからよく視界に映るようにも、な(汗)

あはは……それは、ドンマイ(誠也)

3年生の皆んなは、手強かった?(キラ目な蘭)

3年のSクラス上位だと

流石に太刀打ち出来るのにも限度はあるし

下手に弱い振りをすれば、

許可なく山へ入って来る生徒を出す事になる。

だから…まぁ、注意喚起程度に

釘を刺そうと少しばかり本気を出したよ。

それで〜……結果は?(誠也)

ふん、聞かなくとも分かるだろ。結果は歴然さ(笑)」

誠也「へぇ〜余裕で勝ったんだな。

やるじゃんかっ!流石、俺のライバル☆

いつの話だ?(志童)

あっ?

んなもん、志童と初対戦した時に決まってんだろう」

志童「勝手に決めるな、はぁ………んっ?

おい、待て。誰が勝ったって言った???

……へっ?だって、さっき余裕ってぇ〜(誠也)

それは、良い戦いを演出する為には

互角以上の力で繰り広げてようやく降参したんだ。

言っただろう、少しばかり本気を出したって

本来の本気とはまた異なるものだが、

上位クラスの人達と平気で渡り合える人は、

早々居ない筈だろう?

君達にはあまり物足りない話かもしれないが

そういう人達の良い抑止力には結果なったし、

こっちはこっちで場所関係なく

一般人に危害を加えちゃいけない方針なんでね♪

薄ぺっらい内容程、

その裏では不測の事態が巻き起こっているからな。

俺が関わってるものは、

どれも他人に話せるような簡単な話じゃないし

正直、口で言うよりも実際に体験してから

物を言えって話だ(キレ気味)」

と怒りの熱風が3人を襲い、

所々、タジタジな蘭と日向だったが

約1名だけは、頭の中が???でいっぱいだった。


そのまま話が進み、またしても誠也が

志童の地雷を踏みかけようとしていたのだ。

誠也「そういえば、今思ったんだが〜

何であの野外活動に

お前が加担する必要があるんだよ?

何の理由もなしに参加する意味がねぇよな。

それ、本気で聞きたいのか?(怒る志童)

あっ?あぁ、そうだけど〜……」

蘭「言いたくない事なら

無理に言わなくても良いんだよ!?

誠也、そういう所が

気になっちゃうタイプなだけだから

その〜…(焦)」

志童「・・・いや。

いずれは、君達に話さなければならない話だ。

だが、その前に。

こちら側に足を踏み込むのも

いい加減にしろよ、八瀬???(怒)

ギッ……!?は、はいぃ(焦る誠也)

・・・はぁ。

そもそも俺がなぜ、この活動をしているかというと

今だから言える事だが〜

[四大妖怪の河童である証明]と

[劇的に増え過ぎた仲間を減らす為]のものなんだ」

2人「仲間を……減らす???」

蘭「それって、どういう…」

志童「君達には関係のない話だが

俺達、四大妖怪は……[名声)が全てだ。

俺みたいに皆んなが皆んな知能が高い訳もなく

長からの命令を平気で破り、

人間に(あだ)なす者も実際には存在する。

それを知能の低い野生共が邪魔するんだ文句は、

言わないだろう?(怒)」 

3人「・・・ゴクリ(汗)」

どこか冷たい視線を3人に浴びせ怯む中、

蘭は少し悲しそうな顔でこう尋ねる。

蘭「で、でも……志童くんは、それで良いの?(汗)

何がですか?(志童)

そ、その〜………うーんと。

人に気害を加える野生の妖怪さん達は、

勿論、良い事をしてる訳じゃないよ。

現に街にまで降りて来る事は

今より昔の方が凄かったってよく聞くしぃ〜

それは全部、悪い事だと思っていないから

また、同じ事を繰り返しちゃうんじゃないかな?

それに仲間が居なくなったら

きっと……あの閉鎖的な場所で

志童くん1人になっちゃう!

俺は、それでも構いませんよ(志童)

志童くんが良くても

もしかしたら他の河童さん達にとっては、

その空間で過ごす事じゃ飽き足らず

街に出て人を襲う事が楽しい事だって

思ってるのかもしれない!

頭が多少、悪くても時間をかけて

皆んなの意見を聞き入れるべきだよ!!

だからせめて、学校や街にまで入って来た

野生の妖怪さん達を特殊部隊の人に頼んだり、

学校の生徒達までも巻き込むのは違うと思う!

志童くんだって自ら消したりする事も可能だよね?」

誠也「そういや、そうだな!?」

志童「・・・。

確かに、蘭さんの言う通り

生まれてからずっと同じ場所以外に行けないのは、

窮屈な所に押し込められてるようで

それも…可哀想かもな。

はあ♪(蘭)

けど、それはあくまで能無しの考える事であって

街がこんなになるまで侵食し始めた

原因を使ったのは全部、先代が起こした事なんだ!!

せん…だい???(蘭)

四大妖怪に先代なんて言うのが居んのか?!(誠也)

もうとっくに死んでるがな。

四大妖怪は、[入れ替わり制]で

俺で河童は3代目、玉藻前も代替わりした1人だ。

俺は、先代の顔や性格共に知らないし、

会える機会なんて作ってはくれない。

先代をよく知る幹部から聞かされた時は

正直、愕然とした。

何故なら先代が残した実績というのは、

どれも……[悪評]ばかりのものだったんだ。

俺と天狗は、日本を代表する

有名な妖怪として讃えられてるっていうのに

[初代が得た功績]を先代は、全てを白紙に変えた!

四大妖怪が代替わりしてる事をよそに

世の中の仕組みをあまり理解していなかった俺は、

あの手、この手で

一般市民からの名声を回復させるのに尽力した。

だが、誰も理解を示さなかった。

そんなに簡単じゃないって分かってた事だけど、

いざ言われると心に来るものがあったが故に

俺は、四大妖怪の仕事を[放棄]した。

・・・(3人)

山に籠るばかりの日々を過ごして

それから〜2年ほど経ったある日、

何もしない河童の姿が無くなった事を不審に思った

市民の方から直接、歩み寄って来たんだ。

……えっ?(蘭)

これは後に分かった事だが、

どうやら先代は戦う事すら出来ない一般市民にまで

危害を加えられていたらしく

追われる日々を過ごしていただとか。

そんな悪事にしか手を染めていなかったせいか

先代は初代より早く幕を閉じるのが

早かったと呆れる程、聞かされたよ。

そこで気付いたんだ。

今までの行いを全て俺が()け負う事で

少しでも反省の意味を兼ねて

その出来事をゼロにする事は出来ない。

が、せめて自分にやれる事だけをやってみようって

考えを改めたんだ。

あまり人前に、

姿を現さなくなったのもその為だった。

安息の無い毎日なんてこの世には必要ない!

普通の毎日が送れるなら喜んで尽力すると

[水陣(すいじん)の仲間]や迷惑を掛けた街にそう誓った。

初代の時からの幹部達は生まれ変わっていても

俺に一生をかけて着いて行く事を

自ら契約を申し出るくらいには、

信頼…されてはいるんじゃないかな。

俺が山に籠っただけで、

こんなにも功を制するとは思ってもみなかった。

そして、野生の河童が

こんなにも溢れ返っている理由についてだが、

その先代が最後の悪足搔きのように

残したものが2つある。

1つは、次に引き継ぐ者に

河童は悪名の高い事を世の中に轟かせて

活動しづらいよう仕向けられた事だな。

普通に迷惑じゃねぇか……(誠也)

だが、それは街の人達に会わない選択をしたお陰で

名声は回復され、ひとまずこれは良しとして。

それともう一つ。

初代よりも生きれる時間が短かった為か

街の人達への逆恨みが先代の感情を色濃く形にした

そのものが[野生の河童]を誕生させた全貌って訳だ。

これに関しては、ほぼほぼ自業自得だけどな。

本来なら処分すべきなのは俺の責任になるのだが、

先代が残した痕跡や証を

現在の四大妖怪が無くす事を禁止事項にしている。

それが例え、[悪]だとしても塗り替える事が出来ず

手が出せないんだ(汗)

情けない話だが、この処理については

君達側に委ねているのが事の顛末(てんまつ)さ」


あまりの出自話を間近で聞いた3人は、

唖然としており、浮かない顔で誠也だけが

口を開いていた。

誠也「あ、あぁー…

それは、何と言うか〜災難だったな志童(苦笑い)

引き継がれた身からの視点って変わってんだな〜

そういや先代は幕引きするのが早かったって事は

志童って、いつから四大妖怪になったんだ?」

志童「あっ?[小6]ですが、何か???(怒)」

3人「荷が重過ぎる……(汗)」

志童「ある意味では、俺も先代の駒として

良いように使われてたんだろうな。

[無名(むめい)の妖怪]とはいえ、

意志のある河童が2人も存在した時点で

俺の運命は決まってはいたんだ。

先代からは面会する機会が何回かあるようだが、

こっちは何も覚えてもいない。

妖怪は不死身な生き物でもないし、

いつかは朽ち果て行く行くは死んでいくもの。

この世界での終わりを意味するのは、

死して冥界に連れて行かれる事で

記憶から抹消される仕組みを

良いようにしたとしか俺には考えられない」

日向「無名の妖怪?

生きてきた中で、そんなの聞いた事がない(汗)」

誠也「無名って言うんだし、

めちゃくちゃ名誉ある響きにしか聞こえるな☆

それに、なんかカッコイイし!!

理由が安直過ぎるのは、相変わらず…(日向)

ほっとけ(ジト目)

意味は、よく分かんねぇけど良いな〜

俺も[特別な妖怪]みてぇな権限を使って

注目、浴びてぇなぁ♪」

志童「……[無名の妖怪]は、

そんな良い名誉なんかじゃないぞ。

ましてや特別扱い…

そんな欠片すら微塵も感じられないがな。

んっ?じゃあ何なんだよ、その〜……(誠也)

[無名の妖怪]、、、

妖怪なんざと名付けられてはいるが、

実際は妖怪以下として(さげす)まれる子達の呼び名だ。

妖怪はこの世に降り立った時点で

大体の人達には役職または、名前が与えられるが、

ごく稀に名前を持たない妖怪が現れる。

あまり良くない事ばかりの連鎖が続き

疫病神だとか呪いの子とも呼ばれ、

どこへ行こうとも、どんなに逃げようとしても

妖怪はどこにでも存在する。

低級妖怪までも誰もが見下し忌み嫌われる存在。

いわば、見せしめのようなものとでも思えばいい。

羨ましい事なんて何一つ無いさ・・・」

目元を暗くさせながら

そんな過酷な日々を送っていたとは知らず、

そう聞かされた日向は落胆する。

日向「・・・。

(これが……志童が四大妖怪になった経緯…だけど、

なる前までの12年間、

無名の妖怪として生きて忌み嫌われ蔑まれ、

過酷な毎日を送った志童を

僕には到底、想像が付かない(汗)

僕なら千秋と引き剥がされただけで

心は既に折れていたも同然だった筈なのに、

よくもここまで心を壊さず、生きてきたものだ。

志童は……いつ、どうやって、

生きる意味を見出させたのだろうか?)

そう考え込み始めた日向と

何を思ったのかずっとだんまりだった蘭を横目に

この意味をあまり理解ができなかった

誠也だけが口を開いた。

誠也「んんっ?

な〜んか、意味が分かんねぇ話ばかりだよな〜

妖怪が住む街の事を妖魔界っていうのに

皆んな揃いも揃って束になってねぇと

ろくに行動できない奴らが

妖怪以下って呼んでるとか、どんな称号だよ。

妖怪は(みな)、妖怪……だろ☆(笑)

この街に、公平だとか不公平なんざ関係ねぇ!

皆〜んな平等であるべき権利を

一人一人持ち合わせているからこその平和だぜ?

他人を見下す前に、

まずは自分の事を考えろってな☆」

といつにもなく真面目な返答が返ってきた事に

驚きの余り終始、無言となった2人。

その言葉に救われたかのように

鼻から目元部分までは隠れていて見えなかったが、

この時の志童は微かに口元が緩んでいた。

志童「……ふん、全く。

好き勝手に言いたい放題言いやがって

ホント、どうしようもない奴だな♪(ボソッ)」

誠也「・・・ってぇ〜

何で、誰も何も言わねぇんだよ!?!!!!

めちゃくちゃ俺、良い事…言ったと思ったのに

締まんねぇじゃんか!!」

蘭「ご、ごめん。

誠也が、誠也が……凄く真っ当な事を言うから

聞き間違えかと思ってぇ〜(焦)」

誠也「はぁ?!何だと〜!

もはや俺が急に真面目キャラになった途端、

一番、困るのは蘭達の方だろう!(汗)」

といつもの2人の言い合い合戦が始まり、

ギャーギャー騒いでいると

下校時間という存在をすっかりと忘れているせいか

まだまだ多い生徒達が顔を揃えて

こちらを眺めてくる。


そこへ…とびっきり明るい声で声を掛ける人と

その後を走って追い付いて来る一つ目の姿があった。

友理「せんぱ〜い♪

まだ、帰っていなかったんですね!!

もしかして私達の事、

待っててくれたんですか???」

蘭「えっ!?

え、えぇ…そうなの(汗)

ちょっと志童くんと話してたら

もう、こんな時間になっちゃって〜………

本当にこんな時間になっちゃったよ?!!!!!(焦)

まずいよ、私…早く帰らなきゃ!?」

日向「えっ?

何か用事があったから

ここに居たんじゃないんですか?

あるよ、だって今日は家族と出掛ける……(蘭)

いえ、そうではなくて

この5人に用事があったから待ってたんですよね?」

蘭「ふぇ…?(点目)

・・・(4人)

あっ、あっ!そうじゃん?!忘れてた。

えっとね〜

ここんとこ特別部隊もしくは個人で動く事が、

結構、多かった筈でしょう?

パトロールだって

いつも雫ちゃん1人に任せっきりだったから

そろそろ休暇を取っても良い頃合いかと思って

1週間くらい取りたいのだけど、どうかな♪

流石に、明日の祝日だけ休んで終わりじゃ

なんか休息にはならないから

一層の事、丸々取って1週間にしたんだ〜!!

それは、パトロールも一緒に…ですか?(雫)

うん!

特別部隊関連全て、

しばらくは部長からの禁止命令です♡

あっ、でもトレーニング系は

毎日コツコツ積み重ねてこそだから

それだけは、やって欲しいかな。

あれ?どうしよう……うーーん(焦)」

誠也「良いじゃんか、それで行こうぜ!!

誠也…???(蘭)

それに俺と蘭の2人で作った

トレーニングメニューの追加にもなるし、

絶好の機会じゃねぇか☆」

蘭「誠也、それは皆んなにはシーッだよ。

まだ作成中なんだからっ!(バツ目)」

日向「もう遅いですよ」

2人「うっ……(汗)」

志童「感情の緩急が凄いな、相変わらず。

そんなんだから周りに、

気付かれやすいんじゃないか?」

誠也「ち、ちげぇよ!!

周りの奴らが俺達に正論ばかりぶつけてくるから

振り回されてるだけだわっ!」

蘭「誠也、それは否定できてないよ(汗)」

日向「バカ正直に言ってるだけに過ぎない」

誠也「い、良いんだよ!!俺は、これで…(焦)」

と言い合いながら順に喋っていく人達を

何度も目で追いかけ、目の前に焦点が合った所で

友理は、口にする。

友理「それにしても皆さん、仲良いんですね♪

えっ?(蘭)

捉え方によっては、この前までは敵だった相手と

今では味方のように接して

そういった境界線を自ら進んで歩んでいく意志、

敵味方関係なく、今その時だけの仲間と築き上げる。

それって、と〜っても素敵な事だと

私は、思うんだよね☆

そ、そう…ですよね。あはは……(怯む蘭)

うん!!絶対、そう!」

と満面の笑みで話掛けてくる顔に嘘偽りもない

が、2人の脳裏には消しても拭い切れない

友理の怒りの表情がまだこびり付く。

誠也は、言葉を失い顔色が更に悪くなる。

日向「ふん♪

んっ?2人…とも???

どうしたのそんなに固まって?」

誠也「えっ?!あ、あぁ……いや、平気だよ。

少し立ち眩みがしただけだ。

大丈夫?(日向)

………うん。

そ、そういえばっ!

話が全然、変わるんだけどよ。

俺と蘭の2人で玉藻前と戦った時に

俺、4発撃ったんだが、

その最後に使ったのが新技でさ〜

それが結構、エグい反動くらって

意識が吹っ飛んだんだよ。

その後、蘭が玉藻前と何か話して去り際くらいに

目が覚めて〜……うろ覚えだけどな?

日向と雫もこうやって開放された訳だけど、

他に囚われてた奴らは

全員、開放されたんかなって〜思ってよ(汗)」

雫「それなら私達が開放される前は、

玉藻前様に何人か食べられてしまったので

限りなく人数は減らされてはいると思います。

あ、あぁー………あん時か(焦る誠也)

ですから全員、元居る場所に

返ってるとは思いますが〜……

あっ、あくまで私の勝手な推測ですがね…(焦)」

日向「そうだね」

誠也「志童は、なんかコレについて

何か知ってる事はあるか?」

志童「そうだな。

俺の知る限りだと大体の魂は、返ってるとは思うぞ。

だ、大体ってそれじゃあ全員かえっ……(誠也)

まぁ少しは、落ち着け。

良いか?

玉藻前は、本当に追い詰められていない時こそ

全ての魂を返すような生優しい奴じゃない。

玉藻前の言ってる事は

大抵、本音2割り嘘が8割りだと思え!!

ほとんど駄目じゃねぇかっ!?(誠也)

だから玉藻前の話は、あまり鵜呑みにするな!

その意味を考えれば大体、ろくな事にならないぞ」

と少し澄ました顔で

腕組みをする志童に若干、引き気味の4人。

蘭「あはは……(汗)

それじゃあ、とりあえず明日から

特別部隊はしばらくの間、お休みって事で

絶対に・ちゃんと・休むんだよ!!(強調)

あ〜ぁ、やっと言えたからスッキリしたよ!

うふふ♪

それじゃあ私は、そろそろ帰るね。まt………」

と蘭が言い掛けた途端、

友理はトコトコと志童の前へと歩いて行くのを見て

皆んなの視線が友理に向く。

友理「ねぇ、河原先輩?

私、さっきから気になっていた事があるんです。

その〜……モヤみたいな白いオーラ、

私にはずっと見えているのですが〜…

それって何ですか?」

志童「・・・っ(汗)」

淡々とした態度で友理の質問に反応した

志童が友理の顔を見て汗をかいた。

友理の目には、緑色の瞳でもなく赤い瞳でもない

黒目で口だけがニッコリと不気味に笑っていたのだ。

その顔を目の当たりにした志童は、

白黒反転した状態で少し怯えた素振りを見せるも

通常の人では気付けない僅かな違いで

平然と装う事が出来た。

誠也「モヤみたいなオーラ?

俺には、全然見えねぇけど……(目を凝らす)」

蘭「私も…」

日向「僕も」

雫「???」

誠也「本当に友理にしか見えていないんだな。

友理、お前の目にはどんな風に映ってんだよ?」

友理「ですから、夜空に浮かんだオーロラが

フヨフヨ動くみたいな……そうですね。

薄いものが、風で靡くようなそんなオーラが

途切れ途切れに見えるんですよ!

本当に皆さん、見えないのですか?」

4人「うぅん」

とキョトンした顔で皆んなを見てから

友理は、志童の体に纒わり付く白いオーラが

点滅するかのように発光して見えていたのだ。


何食わぬ顔をする友理に対して

志童は、目を瞑り頭の中で思考を巡らせた。

※この心の声は蘭には届きません。

志童「(………なるほどな。

お前が、その気になったら

俺はとっくに死んでいたんだろうな。

こっちの訳も聞かずにお前は、人気のない所で

堂々と俺を簡単に殺せた…けど、

まだ下校したばかりという事もあって

周りには沢山の生徒が居る。

それで殺す事を諦め、

会話だけで[確認]を済まそうとしているのか。

こっちの言い分も聞いて欲しいのだが……

あいにく俺は、弱み程度には彼女に握られている。

主導権は間違いなく…………

彼女が言いたい事は分かる。その訳も、な)

あぁ。見えているのだな、これが?

にしても人目を(はばか)らず、

こんな目立つような場所で話せる内容じゃない。

もう少し…(わきま)えて、聞いて欲しかったよ」

友理「すみません。

視界に映り込む余り、

無性に気になっていた事だったので(冷静)」

そんな返答が帰って来ても尚、

友理の黒目は揺るがず、志童を見続けた。

志童「いや、良いんだ。

君の気持ちも分からなくも無いんでね?

一定の間隔を空けて光る発光体…そのものを

見逃す方が、無理があるからな」

友理「・・・」

誠也「おーい、友理だけじゃなく

俺達にも分かるよ〜う説明してくれよ!!

志童と友理、2人の世界じゃないんだぞ。

お前も少しは、空気を読め(焦り気味の志童)

あっ?(謎)」

志童「……分かった。

これは結論から言うと、

君達に見えなくて当然の事だ!

何故なら…俺と同等のクラスじゃないんだからな」

誠也「同等って、んなもん!!

当然、俺らには見える筈だろう?!

何で友理には見えて、俺らには見えないんだよ(汗)」

志童「まぁ、そう慌てるな。

八瀬達の言いたい事は分からんでもないし、

それが凄く真っ当な事だ。

だが…まず、この話でもっとも重要な事は

俺が[正式なクラス]じゃないという話なんだよ。

えっ?はぁ???(2人)

……ふん(笑)

本来、世間一般から見れば

河童はAクラス判定だが[四大妖怪]という異名を持ち

かつ、市民から恐れられる存在として

印象付ける為の措置(そち)だそう。

それからSクラスと繰り上げられた事が理由だ。

玉藻前も元は、Aクラスだったんだよ」

誠也「ま、マジ……か(汗)」

日向「まぁ、そんな事だろうとは思ったよ。

繰り上げられてるって噂は、本当だったんだね」

誠也「日向、お前…知ってたのかよ!?」

日向「知ってるも何も〜

そこら中から(ささや)かれてるからね。

知らない???

い、いや……初耳なんだが(焦る誠也)

・・・。

まぁ、誠也がそういう嘘か本当か

どうかなんて曖昧な噂を信じる筈ないか(呆れ顔)」

日向の後ろの方で

雫は、計4回頷き2回ずつ相槌を打っている。

誠也「カチン!日向、ちょっと来い(怒)」

蘭「せいーや、あまり乱暴はやめてよね!!(焦)」

志童「そう。

だから〜……人の話を最後まで聞いているのか?

す、すみません(3人)

偶然、君達の中には俺と同じAクラスは居ない。

よって彼女だけが見えるという証言は、

彼女こそが[Aクラス]であり

それが証明にも捉えられなくはないと思わないか?」

蘭「そっか!

まさか、そんな手があったなんて!?

でもそれ、もう少し早く言って欲しかったかな〜

(プスッ!プスッ!!)」

志童「すまない…(汗)

あまり、このオーラについて見えている人でも

まず普通の人なら触れていい事なのか

どうか、ちゃんとした判断がつかない事から

まず、聞かれないんです。

口外していい情報かまでは、

俺も正直、分かりませんでしたから。

でも俺らには、言ったよな?何でだ???(誠也)

状況が状況だからな。

今回に関しては、公共の場での出来事だったので

隠すに隠せない情報でしたし、

致し方ないと思う。

それに信頼してる人達だからこそ、

言い出した事には変わりないしな」

誠也「ふーん、そういうもんなんだな〜

それじゃあ〜……

上過ぎるのも下過ぎるのも駄目ってか?

変な話だな。

めっちゃ、分かりやすく言うのなら

[見てる景色が違う]って方が、

凄く真っ当な事だなっ☆」

志童「こちらとしても話を省けて助かるよ。

珍しく八瀬がまともな事を言っているのだからな」

誠也「最後のがな〜んか、ムカつくな…(怒)」

イライラが止まらない誠也は、

その場で足をパタパタとしたり

地面を掘ったりと足の動きが止まらなかったのだ。

志童の目の前を

ずっと立ち尽くしていた友理は目を瞑り、

黒目からいつもの綺麗な緑色の瞳へと変わる。

状況を呑み込んだのか、ようやく口を開いた。

友理「・・・。

そっか、そうだったんですね!!

私〜……てっきり皆さんにも見えているものだと

勝手に、思い込んでしまいました。

私にしか見えない…もの。。。うん!

そういう事なら仕方ないですよね、きっと♪

だから、すみませんでした(汗)

急に……初対面の人が混乱を招くような事を聞いて

それが特別部隊の皆さんだけとはいえ、

こんなにも人目がつく場所で話してしまい(苦笑い)」

志童「あぁ、それに関しては別に構わない。

事実、2人の力にはなれなかったのだからな………

こちらとしても参加したくないというよりかは、

参加できなかった方のが正しい。

街を壊しかねないという理由だけじゃ、

あまり筋が通らないだろう。

……それでも俺は、

2代目と同じ運命を歩む義理は無いし

俺が協力できる範囲の事であれば、

喜んで受け入れよう。

それだけでも信用は、出来るんじゃないか?」

そう言って友理に向けて言い放つと

志童は見つめ、友理は両目を瞑っていた。

たった1人にしか向けていない会話だと知らずに

誠也だけが、反応してしまったのだ。

誠也「いや、あんな話聞いた後じゃ

そう思うのも無いと思うが、

まぁ、なんかすまん…変な気を遣わせたな(汗)」

志童「んっ?あぁ。

今更、俺に拒否権なんて存在しないからな。

そう…でしたね・・・(小声な友理)

???(日向)

いや、何でもない。

とにかくこの話は、

くれぐれも他の者に口外しないようにしてくれると

助かる。

もう一度言うが、

君達の事を全く信用していない訳ではない事を

よく覚えておいて欲しい。

それじゃあ…僕は、そろそろ帰るよ」

と一人称を変えてから

皆んなの視界から外れていく。


??ばかりが頭に浮かびながらも

蘭は、ふと我に返りすぐ別れると

校門前で立ち止まる志童を見つけたのだ。

蘭(あれ?

志童くん、帰るんじゃなかったのかな?

もしかして私達とすぐ別れたい口実だったりして〜

まさか、志童くんがそんな事する訳ないよね。

それにしては全然、動かない。

どうしたんだろう???………んっ?)

そう蘭が思い込んだ矢先、

志童の体から漏れ出る禍々しい妖気が

炎のようにパチパチと音を鳴らして

視界をチラ付く。

蘭「えっ!?何々???(汗)」

志童「・・・チッ。

あまり[花梨]に、近付くなよ(小声)」

と髪を掻きむしりながら

瞬時に禍々しい妖気を引っ込めて

校門前を通り抜ける。

志童の目には、

花梨と桃華それと何故か傀来(かいら)と一緒に

楽しげに話し込んでいたのだ。

蘭「い、今の……何だったの…かな?(困惑)」

青ざめた顔をした蘭を

ピロティーの柱の影から見守る雄鬼の姿があり、

蘭が再び動き出す頃には、その姿は無かった。

雄鬼「・・・」

・・・・・・・・

傀来(おーこっわ(棒読み)

こっちは、今日の授業でやった単元について

普通に話してただけなのに

一緒に居るだけで嫉妬ですか、河童さん?

人の嫉妬って怖いねぇ(薄笑い)

と蘭のテレパシー圏外で

傀来は、ほくそ笑み桃華との会話を

同時に聞いていた。

桃華「そういえば〜

お2人にお時間は、ありますか?

この後、図書館へ行って先程教えて貰ったものを

復習したいのですが〜…どうかな?」

花梨「私は〜………はい、大丈夫ですよ♪

とはいえ、私の家は門限がありますので

5時には家に着かなくてはいけないませんから

お先にお暇させて貰いますが、

それで宜しければ……(汗)」

桃華「それだけでも有難いです、花梨さん!

傀来は、どうなさいますの?

・・・(傀来)

んっ?傀来???

傀来さん、どうしましたか?(花梨)

いえ、何も。俺で良ければ、良いですよ(傀来)

ふぅ〜…良かったです。

それでは、正門から出てしまいましたから

少し遠回りにはなりますが、

加賀江市の図書館へ向かいましょうか♪」

花梨「はい!!」

といつにもなく元気な声で振る舞う花梨を

横目に傀来は、ハイライトの無い目で見つめていた。

・・・・・・・・

雫「では、私達もそろそろ帰りますか!

だねだね☆(友理)

新條先輩とそれから〜……誠也先輩も

また水曜日に、お会いしましょう♪」

友理「さようなら〜」

と挨拶を終えて速やかに帰っていく

2人の後ろ姿を見て微笑んでいた日向の横で

終始、ゾッとする誠也がいた。

日向「どうしたの?

いやー…まだ頭の中に名残りが……(誠也)

いい加減、何があったのさ。

まぁ、良いや。それより誠也…この後、時間ある?

俺が用事あるように見えるか〜(誠也)

修練の間に行く予定は、

大体把握してるけど……それ以外の予定だよ。

何でお前も知ってんだよ?!(誠也)

誠也が、行方知らずになった時にちょっとね。

その話はいいから…早めに教えて」

誠也「何で、いつにもなく

俺の予定を知りたがるんだよ?

そんなの俺の勝手だろ!!

僕の身が保ちそうにないからだよ……(日向)

あっ???」

と状況がよく呑み込めないのか

キョトン顔をする誠也に、

[あそこだよ]と言う日向が指で差し示す方向を見て

非常に面倒くさそうな顔へ段々と変わってたのだ。

そこには直立不動で、

2人の目の前に立ち止まっている千秋が

待ち構えていた。

誠也「あ、アイツ…まだ居たのかよ(汗)」

日向「居るよ。

あの感じだとずっと待ち続けてたと思うし、

多分、今朝の延長線になりそう……(ダダ下がり)

だから………仲介役として誠也に頼み…たい。

・・・日向(誠也)

んっ?

……ちょっと今すぐに、ここでボコって来んわ(怒)」

日向「誠也!?

いくら何でもそれはやり過ぎ、

止めてくれるだけで良いから!!(焦)」

誠也「良いや!!

アイツは、1回分らせないとぜってぇ止まんねぇ

止めんな日向!!!!!!(爆発寸前)」

日向「あれ?頼む人、間違えたかな(汗)

いや、こんな事で雄鬼さんに頼む訳には〜………

ちょっと待った、い…今の誠也じゃ、

絶対………絶対に勝てないから!」

誠也「何で俺が、勝てない前提なんだよっ!?

俺のどこが足りねぇんだ!!

今朝、助けた恩を仇で返すのか日向はっ?!」

日向「怖い怖い!?

てか、何で僕が問い詰められる側なの!(焦)

……って、違う違う(汗)

誠也はホントに、そんな事しなくて良いから

とにかく止めるだけで………」

と必死に誠也を説得しようと言い掛けた途端、

日向の視界がふと暗くなり、

後ろには千秋が立ち尽くしていたのだ。

日向(あ〜ぁ、ついに痺れ切らして来ちゃったよ。

どうしよう、これ〜……

1日半は誠也のボディーガード確定か…な(汗)

と日向は、完全に諦めムードで

何とか阻止してくれるだろうと誠也に任せる事に。

そんな風に心の中で日向が思っていると

それとは裏腹に表では、

誠也が千秋に向かって飛び掛かる瞬間で

視界が暗転したのだ。


その夜・・・

桃華「うーーん、はぁ〜……(背伸び)

今日も、つっかれたっ!

だらしないですよー(ジト目な傀来)

良いの良いの♪

今は傀来以外、だ〜れも見てないんだし

それにずっとお淑やか()る設定が邪魔して

学校だと全然、休めないんだよね〜

だから、こういうまったりとした時くらい

楽したい時があるじゃない?

俺には、その理由が分かりかねますね(傀来)

えぇーどうして、分からないかな?!」

傀来「ただの痩せ我慢じゃないですか。

自分の素性を他人に明かすのが、

そんなに嫌ですか?

いや、全然☆むしろその逆で超面白い!!(桃華)

はぁ〜……だから意味が分からないんです(汗)

俺なんかに、そんなクソどうでもいい話をしても

(はな)から共感もしませんし、無視しますよ。

く、くく…クソどうでもいい!?(白目な桃華)

で桃華は、どこ住みなの?

……私の話にクソを付ける人、初めてみた(桃華)

遠いなら家まで送り届けられますよ。

俺の能力上、負荷に耐えられるかは保証しませんが

自分の足で行く?それとも上昇する?」

桃華「で、でも…少しくらい話せば

私の容姿端麗な姿を一目、目にするだけで

猫又が魚に群がるように大体の人は釣られる(早口)

それを利用して、傀らm……(グルグル目)」

傀来「はぁ………聞け、[茨木童子]!!!!!!

はぇっ!?な、何でございましょうか?!(桃華)

俺の足なら一瞬で

家まで送り届けられる事は出来るが、

負荷を受ける保証は、出来ないよって話です。

どうします、使いますか?」

桃華「あ、あの……

その〜…でも、まだ心の準備が………(タジタジ)」

そう言ってビクビクと震えながら

傀来が一呼吸置いた後、もう一度大きな声で

怒鳴る口の形をして言われると思った桃華が、

勢いに任せて返事してしまったのだ。

桃華「あ、わぁい!

使いますからそれ以上、

私の名前で呼ぶのはやめて下さい(焦)

設定の意味が無くなってしまいますぅ!!

聞いていないのが、悪いんです(傀来)

うぐっ……何も言い返せない…」

傀来「では、参りましょうか。

これは、桃華の為の[地獄行き特急]になります♪」

桃華「えっ、地獄そんなの聞いてn……!?

わあぁぁぁぁぁ〜〜〜!!!!!!(絶叫)」

と一瞬で地から天へと昇り

足で空中をひと蹴りするだけで物凄い速さで

直進して行くと同時に風が2人を襲う!

が、傀来は対策済みで

ひたすら桃華だけが受け続けるという鬼畜な光景を。

傀来「大丈夫ですよ、電車と同じように

地獄が終点場所なだけで本当に向かいませんよ♪

地獄に向かう途中で

桃華の家があればの話ですが〜(笑)」

桃華「こ、この……ひねくれ者がーーー!!(怒)」

数分後、家の前にて・・・

桃華「うっ、うぅ…ぎもぢわるいぃぃ」

傀来「すみませ〜ん(笑)

事前に風避けする方法を教えるの忘れてました♪

うぅ……はぁ、絶対にわざとでしょ?!(桃華)

いやいや、吐き気程度なら良かったじゃないですか。

あのまま上昇し続けたら妖力漏れを引き起こして

体が木っ端微塵になるよりは、まだマシですよね?」

桃華「(コイツ、シンプルに怖いぃって!?

ひねくれだけに留まらず、サイコパスだよ!)

ま、まぁ……そうでしたのね。

それでは、私が手遅れになる前に

傀来さんは少し加減してくれたのでしょ?

お優しいのですね♡

いや?(即答する傀来)

・・・。

カチン!カチン!!カチン!!!

な〜〜んですってえぇ?はあ?!!!!!(怒)

アレで加減してないとかマジで言ってんの!?

馬鹿っじゃないの無神経過ぎるつうの!

何でそんな澄ました顔で居られる訳、あぁ?!」

傀来「・・・めんどっ」

桃華「おい!!

ここで反省するとか謝るフェーズでしょうに

アンタ、そんな事も分かんないわ・けぇ!

つくづく腹が立つわね、その澄ました(ガミガミ)

傀来「無駄に減らず口を叩けるようには、

回復したみたいで良かったですね。

それじゃあ俺は、これで」

桃華「はあ?!

逃げる気なの傀来、見損なったわ!!

吐き気なんてそう簡単に止まる訳ないじゃないの」

傀来「勘違いしないで貰いたい。

そもそも…こんな時間になってまで

帰宅しない馬鹿が、どこに居るってんだ?」

桃華「じゃあ早く帰りたいのなら

私を置いて、1人で帰れば良かったじゃない!

どうして半ば強引に、私を送り付けた訳?!」

傀来「はぁ〜……

ホント、自分の事以外になると

やけにからっきしなんだな。

それ、どういう意味よ!!(キレる桃華)

今、世間では再びとある妖怪が事件を

引き起こし始めているんだ。

その事件の犯人である砂かけ(ばぁ)が、

曲がり角から出くわした人に対して砂を掛けて

目眩しにしたりとまたやりたい放題さ。

だが、桃華の事だ。

こんな事を話した所で

余裕で返り討ちには出来るとは思うが、

油断は禁物です。

犯人は、相手の手が空く時間帯を見計らって

奇襲を仕掛ける奴で〜……

ふん!そんな奴、私が瞬殺よっ☆(桃華)

殺すなよ(汗)

とはいえ、瞬殺とほんの隙を突かれるのは

大きく(くつがえ)る可能性がある…が、

まぁ、十分に警戒しておけって事。

話は以上だ、俺は帰る」

と潔く傀来は家の前から屋根へと飛び移り、

桃華の顔色を伺ってから飛び去ってった。


ミサイルのように風を遮り、

跳躍一つで飛行していると

街中を着物の姿で裾をパタパタさせながら

荒々しく走っていくお婆さんを見掛ける。

傀来「あれは〜……んっ?

ジリリリーン、ジリリリーン♪・・・

黒電話の音だから(あね)さんの方か。

もしもし……ん?うん、うん…分かった。

試せば、良いんでしょ?

ふん、それくらい分かるよ。

何年……アンタと一緒に居たか、分かります?

・・・(???)

皆んな…あなた様の事、

すっかり忘れてるみたいですが、俺なら平気ですよ。

忘れてた部分も多少ありますが、

どうせ、腐った連中の仕業でしょうし

その仕返しは、皆んな……いや家族揃ってからでも

遅くないんじゃないですか♪」

???「・・・そうね、あなたの言う通りだわ。

また、こうして話せる時が

あなたの顔を直接見ながら再会したかったけれど、

まだ早いわ。

あなた達に明かす、その時が来たら……

家族全員…揃ってるでしょうから

後のお楽しみって事で……いい?

懲りませんね、姐様(あねさま)は(傀来)

ふふっ…それが私ですから☆」

傀来「分かりました、その時を待ちましょう。

まぁ、会ってるも同然ですが………

それは完全じゃないもの1にも満たないわ(???)

ふん、良いですね!楽しみだ…(笑)」

と言って電話を切り、空中からビルの屋上へ止まり

三日月を背景に傀来の姿がはっきりと映し出され

両目を瞑ったまま傀来の顔が映し出される。

タタタターン、タタタターン♪・・

傀来「今度は2台目のスマホか〜

こっちは、姉さんが中等部の時にヤケクソになって

ピアノ連打捌きを披露して

半壊させた音まで録音した着メロの方だ。

バッ!!!・・・

ただし……ノイキャンは、されている(ジト目)

もしもし、姉さん?」

津鬼「ちょっと傀来、今どこに居るの?!

晩御飯がもうすぐ出来るっていうのに

まだ帰って来てないから心配で(汗)」

傀来「すみません。

知り合いと少し勉強してて

遅くなってしまったので家まで送りに行った所です。

すぐに帰りますね、姉さん」

津鬼「なら良いけど。

傀来はさ〜魁斗と一緒じゃないの?

魁斗ですか?一緒には…居ないですね(傀来)

魁斗もまだなのよ。

もう、どこ道草食ってんだか

今持ってるこのおたまで叩こうかしら。

程々にして下さいね……(傀来)

まぁ、冗談はさておき…早く帰ってきてね!!

待ってるから♪」

プープー・・・

傀来「ふん、今日も平和だな〜」

両目を瞑ったままクスクスと笑みが溢れ

ゆっくりと(まぶた)を開けて

黒い瞳と歯を見せながら

狂気的な表情を浮かべていたのです。


翌日の夕方、9月17日・・・

デパートの袋を両手いっぱいに握り締めながら

オレンジ色の空の下で歩いて来る老婆が居た。

カシャカシャと音を鳴らして

人気のない場所へひたすら歩いて行く。

砂ばぁ「はぁ〜……やはり一度、起こした事件を

再び、呼び起こすとなると

どうにも週間ニュースに記載されんようじゃな。

どうすれば、もっとこう〜

話題性をガバーッと底上げられるかが問題だ(汗)

うーん、しっかし玉藻前様に

こうも頼まれてしまえば、それほど問題ではない!

そんじゃあ多少の路線をズラしてでも

達成して玉藻前様の妖力を分けて貰うのじゃ!!

さ〜て今回の目標(ターゲット)は、

割りかし強い妖怪に吹っ掛ければ良いんだ☆

奇襲なら強い奴かろうと誰しも隙が生まれれば、

弱いも同然。

そうすれば、良い!楽しみじゃな〜♪♪♪

イッヒッヒ!!!!!!

数分後・・・

さぁ、今帰ったばかりじゃが

ちゃちゃっと済ませて帰る頃には8時じゃな。

次からは、その時間をベースに仕事しますかねぇ♡

そしたら良い眠りに付けるだろう。

ここんとこ寝付きが悪いからな〜

丁度、良いかもしれん。

せっせと身支度をせねば、出遅れてしまうわい!(焦)」

おいさっ!!こいさっ!!・・・

よいしょっと〜はぁ……(汗)

よ、よし…そろそろ出発する時間じゃの!

予定より30分もオーバーしたが、

事件を起こす事こそがワシの任務☆

気合いを入れて、いざ出発だ!!」

と言って老婆は勢いよくアパートから飛び出し、

目標(ターゲット)を探しに市内を走り回った。

高級住宅街である三多田市を回れば、

かなり強いと鉢合わせると考えた老婆が

小さな妖気ドームを展開させて

どこに人が居るのか判別する事を優先した。

砂ばぁ「(そうじゃの〜

ここらで妖気ドームを展開してみるかのう♪

ムッ、ムムムムッ……ふーわぁっ!(設置)

はぁ…はぁ……はぁ…はぁ……

あんまし年寄りに負担を掛けるでないぞ。

頼む、この中に誰か…誰か居てくれ!!

こう何回も発動させるのに少々骨が折れるんだわい)

・・・。

おっ!居たぞ☆すぐ近くまで迫っておる

ナイスじゃ、我ながら良いセンスじゃったぞ♪

よし、ここで待ち伏せていれば

いずれ向こうから現れる。

それまでは、気配を消して慎重に近付く

それくらいワシには、朝飯前じゃっ!!」

妖気ドームをすぐに引っ込めて

うっすらとあった気配と老婆の影すらも消し、

曲がり角の奥で息を潜める。

そして、徐々にこちらへとお構いなしに

近付いて来る目標(ターゲット)の正体とは、

老婆と同じくデパートで買い物を済ませたのか

両手だけでなく肩にも2つの袋を背負(しょ)って

鼻歌を歌いながら上機嫌な高校生が。

それは、何を隠そう茨木 桃華の姿だったのだ。

桃華「うふっふ〜ふふ♪(鼻歌)

今日は、大量にお寿司のパックが買えたから

晩御飯はお寿司パーティーが出来るなぁ〜

ふふっ、楽しみだな♡♡♡

あっ!

そういえば私、醤油切らしたりして無いよね?!

うわあ〜これで無かったらショック過ぎ!?(焦)

でも家に全然あったらきっと無駄遣いしちゃう!

でもでも、こんなにお寿司を大量買いしたんだから

もし足りなかったら〜……あぁ、どうしよう(焦)

二度手間にはなりたくなーーい!!

はよぉせんかい!(小声の老婆)

だ、駄目だわ(汗)

一度気になった事を忘れる事なんて出来ない。

私からしたら、いつまでも脳裏に張り付いて来る

…ならよしっ、決めた!

今すぐにでもデパートへ戻って買い………

もう良いわい!!(怒る老婆)

えっ、だ…誰っ?!」

痺れを切らした老婆の声がした

曲がり角の奥を桃華が覗き込むとそこには居らず、

代わりに石塀の上に乗っていた

老婆が、不意打ちに桃華の目に砂を掛けた。

桃華「……っ!!(汗)」

老婆「はぁ…はぁ……はぁ…はぁ……はぁ………

ワシが・幸運にも・お前さんを・

見つけたというのに、なに独り言をほざいてやがる!

さっさとこちらに来れば良いものを心配せんとも

この些細な嫌がらせは、すぐ終わるのじゃ!!

心配ごとは、その場で考えても何も始まらんぞ。

そういうのは、走り出してから考えんかっ!

この馬鹿者が!!(逆ギレ)

ふん、ワシは帰らせて貰うぞい」

桃華は目眩しにあったが、

状況を理解したのか老婆の足音だけを頼りに

追跡しようと試みるも老婆は、気配を消したまま

走って行った為、その場には沈黙が流れた。

耳の後ろに手を当てた格好の桃華が、

各方向に耳を澄ませる。

帰宅・・・

砂ばぁ「はぁ……今日は調子が悪かったのう。

妖気ドームを張った時、

奴の妖力量の桁がえげつなかったが故に

あのような無様な結果になってしまった。

ああいうのが最近のBクラス以上なのか?

昔は、もっと暴れ散らかし

目に付くもの全てに見下し蔑まれる毎日じゃった。

そんな奴らが沢山おったのにな〜

まぁ、時代の変わりとは恐ろしいもんじゃ(汗)

さて寝る時間だ。

2分過ぎよったが、構わん構わん。

おやすみなさいませ、我らの長…玉藻前様」


翌朝・・・

誠也「はあ〜ぁ……(溜め息)

ど〜したの誠也、顔色…この前より酷くない(蘭)

はぁ……俺の家に居た時の方が、

一番、良かったんだな〜って考え直したんだよ。

いや、何がっ!?(蘭)

この前の半日と昨日だけとはいえ、

アイツはアイツで執念深過ぎんだよ!(逆キレ)」

蘭「だから、何がなの?!(焦)」

日向「ほら〜先日、鈴木さんも居たでしょ?

千秋が暴走して僕が大変な目に遭ったの。

あ〜アレね!!確かに、そんな事があったわ(蘭)

それで誠也に僕のボディーガードを頼んだんですよ。

1日半ほど、僕の家に泊まって食住付きで

千秋の妨害をしてくれたんです」

蘭「へぇ〜良かったじゃん、誠也♪

いつも家があるとか言って黙ってたけど

実際は、ほとんど野宿ばっかりで

心配だったんだよね!

それは、普通に初耳です(驚く日向)

そっか♪そっか〜♡ありがとう、日向くん」

日向「ま、まぁ……ここまでは、ね?(苦笑い)

ここまでは…って、どういう事???(蘭)

千秋がいつも以上にくっ付いて来て

油断してるつもり無いんですが、

気付いたら抱き付いてて離れようとしなくてですね。

それで・・・段々、力を入れて来るようになって

誠也に頼んで強制退場させて貰ってを

繰り返し続けて1日に何回やられたかも

分からないくらいには、もうベッタリでした(汗)

それで、誠也が疲労困憊な訳ね(蘭)

は、はい……ごめん、誠也。

僕がすぐに家に帰らなかったせいで

千秋の暴走、何度も止めて貰っちゃって(焦)」

本当に申し訳ない気持ちでいっぱいなのか

かなり反省する日向の姿を見て

誠也は、ふと口が開きムッとして口を閉じ

すぐ口を開いて日向の頭に手を乗せる。

誠也「……っ!!

・・・良いよ、俺は……別に気にしてないし

責任は、アイツの方だぞ?

それに日向らしくもないしなっ☆

本当の自分は、こうなの…(拗ねる日向)

ははっ(笑)はいはい」

蘭(んにゃあぁぁぁぁぁ!?!!!!

え、あっ?ふぁっ!

ねぇ、どういう事?どうなってるの?!

何で・どうして・こんなにも!!

2人の距離が近いの!?(グルグル目)

や、やややっぱり前に聞こえた誠也の声は、

う、うう嘘じゃ……ないのっ?!)


フラッシュパック・・・


それは、一昨日の朝に起こった

千秋の日向を好き過ぎる余り久しぶりに会ってか

思わず、日向を締め付けるという

パワープレイをした時の事だ。

日向の手が段々と下がっていく光景を見て

誠也が発した言葉が存在した。

蘭(そう。

あの時…本当は、

誠也の心の声がはっきりと私には聞こえていた。

不仲だった2人が、ここまで成長するとは思わなくて

そ、それにぃ……咄嗟だったのか

誠也は、忘れてたみたいだけど)

日向(千秋、やめて!!やめ…てよ(焦)

ぼ、僕が苦しい事は嫌いって知ってる筈………

うっ、だ…誰か……千秋を助けぇ…(汗)

心の声・・・

誠也(……おい、日向から離れろよ!

何が無事だ。

何で、一番何もしてねぇ奴が勝手に舞い上がって

日向を一方的に傷付けて………

お前が本当に、純粋に日向の事が大事なら

もっと良いやり方があんだろうがっ!!

俺の……日向に触んな!(怒)

と言って千秋の横腹を蹴り上げて

緩んだ腕の中から日向をキャッチして

すぐにも言葉を発していたのだ。

誠也「(ふぅ〜…良かった、日向が無事で♪

全然、無事じゃねぇけど(汗)

日向も気失ったんだし、どこか良い場所ないか?

いや、流石に部室の中には連れて行けねぇし

俺だけのサボりスポットは、

大体屋外だから〜……仕方ない)

蘭、良いとこ知らないか?」

蘭「良いとこ!?」

  ↑

日向を助けた後の誠也の言葉は、

蘭には聞き取れておらず

前半部分の印象が強過ぎてそれどころじゃなかった。


フラッシュバック終了・・・


蘭「(誠也は、そんな人じゃない。

誠也は、そんな人じゃない……じゃない…ない!!

誠也が、日向くんの事をす…すすす……すk…)

クシュン!」

突然、鼻がムズムズしてきた蘭は

即座にカバンから白いハンカチを取り出し、

小さくくしゃみをする。

誠也「んっ?大丈夫か、蘭???」

蘭「う、うにゅ(うん)、大丈夫((つま)んだ声)」

誠也「そ、そうか(汗)

なら良かった。でさ〜俺、昨日……」


その夜、9月18日・・・

暗い一室の中でパソコンの光と向き合いながら

お茶を啜りつつ1つの問題に苦悩していた。

砂ばぁ「ズズズ……はぁ〜そうじゃな。

昨日、ワシが襲った女子高生らしい子のニュースは

載ってはおらんな〜

流石にか、うーーん(汗)

やはりワシが起こす事件の規模が、

小さ過ぎる問題か、もしや?

そうだな。

玉藻前様が過去に起こした事件の詳細を

参考にワシでも手軽に出来る方法がないか、

確認する必要があるのう。

同じ事件があるか探してみるか、どれどれ?」

と老婆は早速、机の引き出しから

かなりの年季が入った手帳を取り出して

パソコン周りには鉛筆立てが倒れており、

赤と黒のマジックペンが何本も散乱していた。

その中のペンを1つ摘んで

画面と向き合い続ける事で色々な発見があった。

砂ばぁ「ほほう〜

・小さな事件を大きくするには、

まず、人目の付く場所で実行し目立たせる。

そうすれば、写真や動画を周りの人達が取る事で

ニュースに取り上げられて話題を信憑性を高める。

・事件の被害者に当たる人に気付かせる為には、

大きな注目を集め印象付けさせ

被害に遭ったと名乗り立たせれば、

瞬く間に拡散されるだろう。

ふむふむ♪

・人に何か不利益な事を起こし、

被害を訴える人達が現れる頃には

その事件の被害地から情報が届いていない地域へ

活動すれば、良いかぁ〜

なるほど、それは良い考えじゃな☆

さっすが!我らが崇めるお方じゃ!!

とりあえず今の情報を下に

今、ワシに何が出来るのか

それから活動の幅を広げる為には、

もっとも〜っと被害を増やすかのう♪

そうじゃな、良い事思い付いたぞいっ!

白昼堂々とワシは動くつもりも無いが、

ピンポンダッシュ並みの早技で

砂をかける手段に変えるか!!

それにワシが起こしていた事件が

まさか、傷害罪じゃなく暴行罪に当たるとは〜

それは知らなかったわい、難しいのう(汗)

まぁ、そういうのは今回から改めて

早速だが、行くかっ!

今日は夕方じゃから、3件ほど起こすのが良いか♪

イッヒッヒ、楽しみじゃ楽しみじゃなっ!!」


女子大生「ねぇ〜さっきさ、

最後の授業に配られた数学のプリントの問題

中身、見たぁ〜???

見た見た、ざっとだけど難しいよね(男子)

そうなのよ!

だからさ〜この後、

ちょっと……一緒に家でやらない?(照)」

男子学生「うーん、ごめん。

今日は、授業の途中で

明日なら俺は平気だけど

そっちはどう、大丈夫そう?

明日か〜…明日はちょっと用事が入ってて(女子)

そっか、大学に入ると

色々と用事が合わなくなるのは、

しょうがないよね」

女子学生「だねぇ〜……

(本当は、康太(こうた)と一緒に帰れるなら

それで良いんだけど。

大学生ともなると都会に出ないとだから

流石の皆んなも電車を使わざるお得ないのよね。

私は、都会住みだから関係ないけど

康太の方は田舎に近い場所に住んでるらしいから)

じゃあ俺は、ここで(男子)

うん、ありがとね♪送ってくれて。

良いよ、気にしないで(男子)

うふ♪……はぁ」

笑顔を頑張って作っていたが、

ふと溜め息を吐く女子を見て首を傾げていると

どこからともなく聞こえてくる

怪しい声が耳に入った。

砂ばぁ「ケッケッケッ(笑)

何やら不満そうじゃな?

あまり溜め息を吐くと幸せが逃げるぞ。

ほれ、ワシが幸運という名の種を撒いてやろう♪」

女子大生「へっ???

んっ?どうした、美結(みゆ)?(男子)

い、今…お婆さんみたいな声が聞こえ…わっ!?」

と男子の背後から高く飛び上がった老婆が、

女子学生の目を目掛けて砂をかける。

男子学生「美結っ?!

どうしたんだ美結、今何がっ!!(焦)」

女子学生「わっ、分かんな〜い。

けど、目に何か…かけられた気がするの(涙目)

……っ!(男子)

えっと、カバンカバン。康太、目薬探して〜(汗)」

男子学生「待った!

目薬よりも瞬きして涙を流した方が良い、

砂とかなら涙と一緒に出てくるらしいから

それでもまだ残るのであれば、

水で洗った方が良いって今調べたらあった!!

この一瞬の出来事で調べる暇があるの?!(女子)

一大事だからね!俺って指先だけは器用でさ♪」

女子大生「へぇ〜…って、そうじゃない!!

康太、悪いんだけど家の中まで案内してくれると

助かっ……わわっ!?」

瞬きを一生懸命やっている最中、

男子が一気に持ち上げられてお姫様だっごされた。

男子学生「いや、こっちの方が良い!

洗面所に着くまでずっと瞬きしておいて

それから家の中までとは言わずに

俺を頼って欲しいな。

…で、でも仕事があるって(女子)

そんな事よりもっと大事なものが、

俺の腕の中に居るから、良いんだ!!

俺が勝手に決めた事だし☆

・・・(赤面する女子)

そういえば、家の鍵ってどこにあるの?

か、カバンの横ポケットに入っているわ(女子)

そっか、それじゃあ少しの間だけ借りるね!!」


カチャ……ガチャン・・・


砂ばぁ「イッヒッヒ、成功じゃ!成功じゃ!!

よ〜し、このまま一気に行くぞ♪♪♪

つ・ぎ・は、仁川市に侵入するか〜のう!」

着物の裾をパタパタとさせながら

慌ただしい走り方で次の目的地へと行く途中だった。

魁斗とその横には、他クラスの男子2人と一緒に

楽しく談笑していると目の前から走って来る

老婆の思わぬ、不意打ちにより

3人共、仲良く目に砂がヒットしたのだ。

老婆がその場から立ち去る時には

後ろから断末魔が飛び交っており、

ケタケタと笑い飛ばしていた。

砂ばぁ「ケッケッケ(笑)

小僧達の悲鳴は、

前に襲った女性の悲鳴と同じくらい

ワシには、需要があるからな!

悪事を働けば、働くほど

非常に盛り上がる要因となるのは、

[悲鳴と活気]じゃ☆

これが、ワシらにとって

醍醐味と言っても過言じゃないわい!!

うむ、あっ。

まだ仁川市に入ってすらおらんではないか(汗)

まぁいっか!

突発的にやった犯行の方が

捜査に出向いた人達の目を盗めるし、

ワシの足取りが掴みづらいやもしれん!

よ〜しっ!!

これからジャンジャンバシバシッ被害を広げて

ワシ史上初の快挙を成すのじゃ〜♪」

と言って再び、着物の裾をパタ付かせて

変わらぬ走り方で仁川市まで走って行き、

男性一名を襲い、老婆はその場を後にした。


翌朝・・・

老婆が起こした事件は、

未だニュースですら話題に上がらないものの

ネット掲示板には、こんな書き込みがされていた。

ひな「[砂かけ(ババァ)に砂をかけられた人]

これは、9月16日に

私が砂かけ(ババァ)に砂をかけられた事で

周りに迷惑を掛けてしまいました。

私は、神様の御使いの1人でもありますが

不覚にも砂を掛けられたという被害者が

この先も増え続ける事をここにご報告致します。

もう少し世間にも知って欲しい事ではありますが、

神様の怒りを鎮めるのに

今は、精一杯で難しいです(汗)

あくまで私個人の話なので目に通して頂き、

頭の片隅に置いて貰えると幸いです。

誰かに相談できず、口に出していないだけで

どこかでは被害に遭われてる方々も

いらっしゃると思います。

どうか、この掲示板を見ている方々からも

自分の周りの人達にも伝えて頂けると嬉しいです!!

必須事項:

2人以上の行動を私は、推奨致します。

私が襲われた際の砂かけ(ババァ)の特徴になりますので

参考にはなりませんが、

[白髪に(くす)んだ紫色の着物の着ていました]!

私は、注意喚起がてら報告に伺いに来た人なので

気にせず、ネット掲示板を楽しんで下さい」

・・・ひなが退室しました。

カリッとさん「へぇ〜最近は、

そんな事件があるんだ。深刻そうだね」

ミズタマ「他人事じゃないよ!!

砂をかけられて被害に遭った知人が、

私の周りにも居るんだから被害に遭ってからじゃ

遅くなるよ!」

匿名さん「いやいや、そんなの返り討ちにすれば

良い話だろう?

砂かけらたぐらいで1人で対処も出来ないのかよ(笑)

目に頼らず、音だけを頼りにすれば

簡単に対処が出来るだろ☆」

ゴシック小物さん「それは、人によるのでは?」

匿名さん「そんなの…君達が所詮、低級妖怪だから

出来ないんじゃないの?

あ〜ぁ、ごめんごめん。

弱いとか強いとか

そんな理由で出来ないとは訳が違うか、

不可能だから無理なんだった。

こりゃ、失敬(笑)」

一般通過者さん「君、友達いないでしょ?話聞こか?」

匿名さん「・・・。

はぁ?!何で、そうなるんだよ!!

自意識過剰なんじゃねぇの(怒)」

ミズタマ「こんなんでキレるんだ〜

強い妖怪って、意外と器が小さいのね(笑)

アンタも同じ妖怪なんだから

どんなに威張った所で

ろくな結果、生まないわよっ!」

スミレの花さん「そうです。

強い妖怪さんも弱い妖怪さんも

皆んなが皆んな自分と同じような事が

出来るかだなんて軽々しく言わないで下さい。

自分が得意とする事を他者を見下す為だけに

簡単に強要して良い理由にはなりません!!」

ミズ・カリッと「そうだ、そうだ!」

匿名さん「マジレスすんなよ、つまんねぇの」

・・・匿名さんが離席しました。

ミズタマ「やった!

やったね、ありがと〜スミレの花さん♪」

スミレ「私は、ただ…あの人に

言いたい事を言っただけに過ぎませんよ???

ううん、お陰でスッキリしたよ♡(ミズタマ)

そ、そう……ですか?

でも私、少し言い過ぎちゃった所もあった

と思うんです。

大丈夫…でしょうか?(汗)」

ミズタマ「平気だよ!!

ああいう奴ほど、意外とタフな奴が多いからね〜

器はちっちゃかったけど♪♪♪」

一般「あんまり無駄口、叩かない方がいい。

匿名さんみたいな人がまた溢れ返りますし、

さっさと解散した方が良いです」

ミズタマ「そういう割りには、

一般通過者さんも結構、言ってるけどね(汗)

でもそうだね、ここらで解散しよっか!

またね〜スミレの花さんと一般通過者さん♪」

スミレ「は〜い、では私もこの辺で

またお邪魔させて貰いますね」

・・・一般通過者さんが退室しました。


真っ暗闇の部屋の中、スマホの光を浴びながら

さっきまで掲示板のやり取りしていた

一般通過者さんの正体、

それは傀来であり彼は情報収集の為に

ネット掲示板にアクセスしていたのだ。

傀来「(……被害者は、もう既に出てるか。

少数の人間だけとはいえ、こっちとしては

あまり騒ぎを起こして欲しくないね。

特に、薊陣営は他の組織と違って

大多数の奴らは信仰心が尋常じゃない勢いで

自らの手で黒に染まる奴の気が知れない。

洗脳のように見えて自我は普通に正常なんだよな。

はぁ…これ以上、無差別に暴れられても困るし

気が乗らないが………)

まぁ(あね)さんの頼みだ♪

俺は、しっかりと任務を遂行させて貰うよ。

ふん……(笑)」

津鬼「傀来〜!!

ごめん今、私手が離せないから

魁斗、起こして来て〜〜〜

分かったよ、姉さん(傀来)

お願〜い!」

コンコンコン・・・

傀来「魁斗、開いてたから入る」

と言って容赦なく土足で入って来るような早さで

魁斗の部屋へと入る。

そこには、今にもベッドからズリ落ちそうな所で

大の字になっており、

口を大きく開けてイビキをかいていた。

それを見て傀来は、妙に引きずった顔をして

魁斗の部屋の扉をしっかりと閉め直し、

腕を組んでいた手が横に付く。

傀来「(こんなのが同じ種族、同じ兄弟とはいえ

ここまで違うのは、

とっくの昔から呆れていた自分が居ただろうに。

俺だけ記憶が戻った所で2人は、まだ戻っていない。

俺が気にする事じゃない、傀来。

また…いつもの事、いつもの行動を取れば良い)

はぁ〜……(汗)」

一方、津鬼は

自分と2人の分のお弁当作りに励んでおり、

傀来の苦労をよそに味見していた。

ワイシャツの上から

ピンク色のエプロンを付けている。

津鬼「スーッ…はあ〜♪

美味しい、このくらいなら2人も喜びそう。

まぁ、傀来は素っ気ないし

あんまり顔には出さないからアレだけど

魁斗は素直過ぎて、

たまに私が自信ない時に限って

刺さるくらいの攻撃力を兼ね備えてはいるから

良い塩梅かもね♡

悪気は無いんだけど〜(汗)

ガタンッ!!・・・

あっ、魁斗も丁度…起きた所だし

お皿並べないと!

お……おはっよ、(ねえ)ちゃん(魁斗)

おはよう、魁斗♪」


兄弟揃って学校へ行くのは、そう珍しくはないが

家から出れば、特に話す事はないそうだ。

一緒に入れるだけで嬉しい津鬼と

傀来から離れたい余り少し距離を置く魁斗、

そんな態度の魁斗を気に留めず、

傀来は、周囲の気配を感じ取る事に集中していた。

特に学校の道中、何か起こる訳もなく

無事に学校へ登校できた3人は、

兄弟の中で一番乗りに入ってった魁斗を見て

お花畑を眺めるかのように

朗らかに笑う津鬼とまだ周りを警戒する傀来だった。

A組の教室に入ると

何故か桃華と魁斗が2人揃って声を大にして

こう宣言していた。

桃華「私は、学校が閉館だった日の夕方くらいに

1人で買い物に行ったんです。

ですが、その帰りに私は砂かけお(ばぁ)さんに

砂をかけられてしまいましたの!!

それで、昨日は学校を仕方なく休んで

目の洗浄に必死でしたのよ」

傀来「いくら被害者とはいえ、

入りどこが(わる)ければ、大変な事になるってのに

相手の事を[さん付け]で呼ぶんだな(汗)」

魁斗「お、俺だって

昨日、友達と一緒に帰ってたら

砂かけ(ババァ)にやられたんだぞ!」

傀来「いや、そこ威張るとこじゃない」

津鬼「どうも昨日、様子がおかしいと思ったら

そんな事があったの?!

だったら、私に相談してよね!!

直接言ってくれないと分からないじゃないの!」

魁斗「だ、だってぇ〜…(恥)」

と津鬼は、クラス皆んなが居る前で

所構わず可愛い弟達を抱き締めれる癖があり、

人前で簡単に甘えられる筈もなく

魁斗は、教室を飛び出してしまったのだ。

津鬼「まぁっ!?

魁斗もそんな年頃になったのね☆☆☆

はあ〜♡やった♪」

傀来「それだけは違いますよ、姉さん(棒読み)」

とても仲睦まじい会話を交わして

津鬼が1人で舞い上がってる所に

友理は、自分の意見を不満げに語った。

友理「でも〜…桃華さんの事ですから

私、てっきり返り討ちに遭わせるくらい

1人で対処できた筈です。

どうして、何もしなかったのですか?(キョトン顔)」

桃華「ち、違います。違います(焦)

ほら、言った筈でしょ?!

私は買い物帰りで

お寿司を大量に買ってしまったから

今夜は、お寿司パーティーだと意気込んでいたら

ふと家に醤油を切らしていないか

余計に心配になって

いざデパートにもう一度、戻ろうとした所で

不意打ちをくらったんです!!

私の武器である手は、袋とか邪魔しちゃって

動きづらかった事もありますが、

これは言い訳にしかならないかもです〜(バツ目)」

男子共「そうだ!そうだ!!

突然やって来る事に対しては、

普段より判断とか行動するのだって

鈍くなったりする事があるだろう?!

誰しも手に何か抱えたまま動けってか、

お前ならどうするんだよ!」

と殺気立って言うのは、

桃華の根強いファンクラブによる人達で

間違いなく、友理1人を敵とみなされていたのだ。

友理「・・・」

傀来「そんなもの上に投げれば、済む話だろうに

袋が落ちてくる前に事を済ませればいい。

そ、そんなのお前が出来るだけあって!(男子)

出来る出来ないの話をしている訳じゃない…が、

そうだな〜……俺?俺は、簡単に出来るねぇ♪(笑)

あ、そっか!!君達には、出来ないか♪

だって君達の信仰心って本当は〜……

下心しかない不愉快な感情の表れ…だったな?

そんな無意識でしか物事を語れない奴らに

主人(あるじ)を称える資格など……無い!」

そう言う傀来は、何も言い返さない友理を見越して

傀来自らが進んで意見を述べた。

男子共「だからって

そんな事、俺達だけに言った所で

お前は茨木さんのファンクラブに入った人達全員を

侮辱している事になるんだぞ、良いのか?!

お前は、茨木さんファンの人達を

敵に回した奴だってレッテルを貼ってやる(怒)

それでも良いんだな、後悔すんなよ!!

あっ???(傀来)

ひいぃぃぃ!?!!!!(涙目な男子達)」

傀来「言った筈だぞ?

お前らなんかに、主人を称える資格など無いと

そんなもの君達が勝手に開いたものであって

主人の許可なしにやっただけに過ぎない!

君達にとって

そこは、楽園で天国な居場所かもしれない…が

それはただ単に自己満足な気持ち故、

他人に押し付けているだけじゃないか。

勝手に作られた主人からすれば、

表向きは嬉しいかもな?

はあ〜♪(男子達)

だが、あくまで表向きの話であって本心では、

お前達の事なんぞ……ありがた迷惑なんだよ(怒)

分かったか?」

と傀来の瞳が黒目から赤色へと光りを発し、

フツフツと湧き上がる怒りを静かに発散させた。

いつにもなくキレる津鬼も戸惑いながらも

怒りの瞳孔を見た男子達は、

一目散にその場から解散し席へと座る。

津鬼「まぁ、私達の言いたい事を

全て傀来が言ってくれたお陰でスッキリしたわ♪

とにかく、あの男子達は自業自得って事!!

うんうん!(女子達)

ありがと〜傀来♡♡♡」

傀来「いや、自分が言いたかっただけです。

俺が、どうこう言う資格なんてありませんよ」

津鬼「そんな事、今はどうでも良いの♪

こういう人達には、ズバッと言わないと懲りずに

今度は、怒りの矛先が傀来に

向けられるかもしれないじゃない!!

だから次は、私が傀来を守る番ねっ?

良いでしょう♡♡♡」

傀来「……っ!

まぁ、姉さんの力なしに

自分の身は自分で守りますよ。

しばらくは、精進する必要があるのでね」

先程の魁斗と同様に抱き付いてくるのか

と思ったら津鬼は、傀来の頭を優しく撫でた。

はにかんだ顔で傀来は、

まんざらでもなさそうな表情をしていた。

女子達(ぎゃ、ギャップ萌え!?)

友理「(かわいい☆)

全く、友理も友理よ(津鬼)

んっ???何が?」

津鬼「何がって、あんな奴らを煽った所で出るのは

怒りとか負の感情の連鎖なんだから

あまり刺激しては駄目よ?

は〜い♪(友理)

もう調子が良いんだから本当に心配してるのよ!!」

友理「は〜い!!!!!!」

傀来「・・・。

(こりゃ〜披露する時が

一番、危険な香りがするな(汗)」


放課後・・・

友理「で、何で私達…招集されてるんだろう。

休暇取るって言ってたよね???」

誠也「休暇に限って事件事件が溢れ返るけどよ、

急を要するってよく言うだろ?そういう事だ(汗)」

日向「珍しく、簡潔にまとめたね」

誠也「(チラッ)

……って、呼び出した蘭は蘭でどこ行ったんだ!?

いくら連絡掛けても蘭の奴、機内モードにしてんのか

ぜっんぜん!繋がんねぇ?!(焦)」

日向「落ち着いてよ、うるさいな」

誠也「おいっ!?」

雫「あ、あの〜…(汗)

あっ?!(怒り誠也)

ひえっ、ごめんなさい!?

良いよ、雪乃さん。誠也は、ほっといて(日向)

あ、はい!!

私……この部室に来る途中、

偶然、鈴木先輩を見掛けまして〜

何年生の先生かは存じ上げられませんが、

先生と一緒に居ました」

誠也「じゃあそれを、早く言えよ!!

す、すみません…(バツ目な雫)

誠也が、黙らせたも同然なのに(ジト目な日向)

ふん!知るか」

日向「はぁ……やれやれ(汗)

機嫌が悪くなるといっつもコレだ」

ガラン!!・・・

蘭「はぁ…はぁ……み、皆んなお待たせ〜!

私がここに待ち合わせしようって言ったばっかりに

先生に呼ばれちゃって…はぁ……はぁ…はぁ(汗)」

誠也「そろそろ学校から出ねぇと

追い出される時間になるとこだったぞ!!」

蘭「えっ、嘘!?

もうそんな時間なの???

うん……(3人)

そ、そっか〜それじゃあ皆んな、

秘密基地に場所を変えましょ(汗)」

秘密基地にて・・・

トントントンと誠也以外の皆んなの手元に

お茶が置かれて、お盆を体に押し当てながら

蘭は、真面目な顔で話し始めた。

蘭「それで〜皆んなに集まって

招集したのには、理由があるの!

今、テレビのニュースとかには

あんまり取り上げられていない事件があるんだけど

ネット掲示板では、話題になってるみたいだよ♪

その名も[連続砂かけお(ばぁ)様事件]って言われてて

現れる時間帯が決まっていて

それが、夕方〜晩御飯の時間辺りまでなの!

そんなの人によるわっ?!(誠也)

うーん?

私のお家は、いつも8時半くらいに食べてるよ☆

家族全員揃うのっていつもこの時間だからさ

私、一番それが楽しみなんだ♡」

誠也「……っ!そうかよ。

(うそ…付くなよ、蘭(怒)」

蘭「(・・・せ、誠也???)

……さん?鈴木さん、どうしたんですか?(日向)

えっ?え…えぇ!!

ごめんなさい、少しボーッとしちゃってて

それからえっと〜どこまで話したっけ?

砂かけお婆さんの出没時間です(雫)

あ、ありがとう……雫ちゃん(点目)

そうなの!

ホントに、私から皆んなに休暇を提案した

張本人なのにいつもの癖で事件見つけちゃった(テヘ)

申し訳ないのだけど〜…

あまりにも気になり過ぎちゃって

この為だけにちょっと念入りに調べてきたの(焦)

それで〜被害に遭った人達に

直接、会いに行けるようアポも取ってたんだけど」

雫・日向(あれ?

話が、かなり進展してるような〜……)

蘭「その〜わた…1人で勝手に進んどいてなんだけど

い、いくら被害に遭われた人とはいえ

知らない人なのには、変わりないから

あの〜……だから(恥)

ひ、1人だと話聞きに行けないから

誰か1人でも良いの…来てくれると嬉しい、な(涙目)」

2人(こ、これは……来て欲しいと言わんばかりに

言っている気がする(汗)

日向(話が飛び過ぎる。

鈴木さんの身勝手は今に始まった事じゃないが、

根気良過ぎる余り突っ走っちゃうから

まぁ、本人は悪気がある訳じゃないけど

そこが肝心だが…)

蘭「(グサッ!グサッ!!

う、うぅ〜日向くんの言う事はごもっともです。

でも、でもでも目に入った事件は

とことん向き合わないといけない事が必要だって

分かったから〜

ホントに見に付けた癖なんです(涙)

はぁ………」

と皆んなの心の声がダダ漏れな事に

ついつい、溜め息を吐いてしまう蘭の元に

思いもよらない人が口を開く。

友理「良いですよ、私も訪問しに行きたい!

……えっ?!(驚く蘭)

うふ♪だって今日、私のクラスの子達も

意外と被害が広がってるみたいで

それで、初めて知ったんだよね!!

だからずっと気になってんだ〜♪」

蘭「そっか、そんなに深刻になってるんだね。

私がネット掲示板で情報収集して見つけた時は、

まだ被害者がごく少数だったから

てっきりこっちには、

被害が来てないものだと思ったけど

この学校にも被害が出てるだなんて(困り眉)

うーん、でも事件が起きてからじゃ

被害が加速してからじゃ、動くんじゃ遅くなる!

だから皆んなにも協力して欲しいの。

ほら、何気に特別部隊が

こうして情報収集とか状況整理とか

皆んな揃ってお仕事するのって初だと思わない?」

雫「た、確かに!!

今まで私は、

林堂さんとパトロールやトレーニングを欠かさず

こなして向こうから襲われる事が多々ありましたが

ちゃんとしたお仕事は、

先輩達を交えてやった事がない…ですね(パチ目)」

日向「なるほど。

一理あるかもね……今、思い返してみれば

銀行強盗の際に雪乃さんが、

[そういった事件の経験は、まだ無い]って

確か〜そんな事を言ってた気がします」

雫「よ、よく覚えてますね。

その後は、それどころじゃなかったのにぃ(汗)」

そう雫が指摘すると

日向はそっと目を逸らし、

普段から揃える足を今ではバタバタと揺らす。

雫「???」


日向「とりあえず、僕は鈴木さんに賛成です。

火車の時も言いましたが、

前もって戦えるだけの経験と力は付けた方が

この先、単独で行動する事が増えてくる。

これに関しても起こってからじゃ遅い、

その場限りで自分が何をすれば良いか

いずれ、身に付く事なら判断は早い方が良いです」

雫「わ、私も先輩達が言う理想に近付けるなら

もし、可能であれば

自分の力だけで皆さんの役に立ちたいです!!」

蘭「うん、雫ちゃんも最初の時よりも

自分の意見、通せるようになっただけでも

私は、それだけで嬉しいよ!

はあ♪(雫)

私も2人の意見に賛成だよ。

誠也も雫ちゃん達の為に、協力してくれるわよね♡」

と言われ、誠也の目が泳ぎ続けて

目元を暗くさせながら

まさかの返答が返って来たのだ。

誠也「・・・俺は、今回…行かねぇよ。

お前らだけで勝手に行けば、良い話だろ……

ちょ、ちょっと誠也っ!?せい〜や!!(焦る蘭)

悪い…蘭、今日はなんかやりたくねぇんだよ。

ほっといてくれないか?」

蘭「せい……や???(悲し目)」

その時の誠也の背中は、かなりの哀愁が漂っており

遠ざけられた蘭は怯み、動揺していた。

蘭「(なん…で?何で……なの???

私、何か…誠也に酷い事させた?

何かあるなら言ってよ、

言ってくれないと伝わらないじゃないっ!

さっきの心の声は、何だったの?

私、なんか嘘付くような場面あったかな。

ねぇ…嫌だ、嫌だよ。

誠也、私を……置いていかないで!!)

せい…や、待ってよぉ(掠れ声)」

今にも涙が溢れそうな潤んだ目を見て

日向は、誠也の目の前へと立ち止まり

こっそりと耳打ちをした。

日向「誠也が鈴木さんを避ける理由は、

僕には分からないけど今更、その態度で切り離す

やり方は良くないと思うよ!

誠也が目指す目標に

鈴木さんが側に居てくれないと一番困るのは、

果たして、どっちかな?

もし、鈴木さんを誤解させるような事を

こっそりと聞かれてたら

次会う時には、余計に(こじ)れるよ。

それでも良いなら僕は、止めないけど………

それに、次の怪奇事件に

必ず出席するって言ったのは、どこの誰だっけ?」

誠也「(こ、コイツ…一度、学んだ事は、

しっかり覚えるタイプだったわ(汗)

記憶力も観察能力もそうだし、

妖力の使い分けを軽々とマスターしやがって

はぁ……つくづく、面倒な奴だな(笑)

何を隠そう、それは俺のだ☆(小声)

知ってるよ(即答する日向)

グサッ!

あ、あぁー!!

なんか急にやり気が出て来たわ、あははー!

傍から見れば、怪し過ぎる(ジト目な日向)

悪い、今のは少しからかっただけで

あんまり本気にすんなよ、蘭♪」

蘭「???」

誠也「てか、今話してたとは全然関係ねぇが

蘭のその[砂かけお婆様]ってなんだよ(汗)

そこは、犯人なんだから

普通に砂かけ(ババァ)で良いんじゃか!!」

日向「正式な名前でも犯人であろうと

あくまで、高齢者扱いなのには変わりないからね。

だから誠也は、言動には慎むように!」

誠也「また俺だけかよ、厳重注意っ?!

い〜や!!

一旦、この話は頭の片隅に置いといて

砂かけ(ババァ)、砂かけ(ばぁ)さん、砂かけお婆さん、

砂かけお婆様、

一通り俺らだけで呼び方をはっきりしようぜ!

なんか、ややこしいからさ(汗)」

蘭「まぁ、1人で呼ぶ時は好きに呼ぶとして

うーん。そうだな〜………

でも砂かけお婆様って呼び方が

染み付いちゃったし、何か案ある?」

日向「僕は〜…砂かけ(ばぁ)さんですし」

雫「私も似たような感じで

お婆さんと言ってその他で呼ぶとなると

やはり、シンプルな呼び方にして貰えれば(汗)

すみません、そういうのはあまり得意ではないので」

蘭「うんうん、私もだよ!!

何ならここに居る皆んなも言い出しっぺの誠也も

完全に待ちに入ってるしね♪」

雫「・・・あっ」

誠也「ボーッとしてちゃ、悪いかよ?」

雫「い、いえ……別にぃー(汗)」

蘭「こ〜ら、誠也…すぐにガンを飛ばさないの」

日向「いつも通り、いつも通り(遠目)」

友理「えっと、話が脱線してるような気がしますが

さっきの話に戻しますね。

私は、普通の名前で呼んでも良い派ですが〜

折角なら砂の要素とお婆さんを掛け合わせて

[砂ばぁ]なんて、どうですか?

砂場と婆さん理論だったから[ばぁ]を残しました!」

蘭と雫「す、凄い(汗)

この速さでこんなあだ名が付けられるなんて」

雫「芽亜さんが、初対面の人に付ける

あだ名と同じくらいの速さでしたよ」

友理「えへへ、嬉しいな♪」

誠也「んじゃ[砂ばぁ]で決定だな☆

良いな、それ!!俺も結構、気に入ったわ」

日向「本来、話す事とはかけ離れてるけど

関係のない話でも着地したなら

僕は、何も言わないしそれを肯定するだけだよ♪」

そうほくそ笑む日向の言葉に

友理は、何やら驚いた表情をして

目のハイライトが揺らいだ。

友理「……っ!」

蘭「それじゃあ砂かけおば…砂ばぁさんの名前も

決まった事だし、明日の予定についてだけど

明日の12時半に上木(かみき)駅に集合ね!」

雫「えぇ〜!?

と、と都会に行くんですか、鈴木先輩!!

勿論、そういう事になったからよろしくね(蘭)

そ、そうだ。帽子、帽子探さなきゃ(パニック)」

日向「雪乃さんが、

こういう反応すると思って僕は止めたのに

鈴木さん、そのまま直進して来ましたね(汗)

もう少し考えて下さい、メンバーの事を」

蘭「・・・」

誠也「俺……乗り物と人混み苦手なんだよな〜

なぁ、辞退して良いか?

話聞きに行くだけならその後でも良いだろう」

蘭「え〜駄目だよ!

少しでもお相手の方々と面会する機会を

これからも増やしていくつもりなんだから

誠也も勉強するのよ!!

ギッ、それは〜蘭達に任せるってぇ(誠也)

駄目!

誠也は一応、この部の副部長っていう

高い地位に立ててるんだから

文句なら部活創設時の自分を恨んでよね」

日向「まぁ、どう足掻いても

クラス順で役職決めたようなもんだから

今みたいな考えに辿り着くのには、

もう少し先の話だね」

誠也「いちいち細けぇ事、覚えてやがるな(ガミガミ)

あぁ〜もうわったよ!!行けば、良いんだろ!」

日向「誠也が、普通に行く分には良いけどさ〜

市から離れるとなると

千秋も同行させないといけないという

とてもややこしい事になるから〜(汗)」

蘭「……りょ〜かい。

それじゃあ私、家に帰ったら

再度、被害者の方に連絡してみるよ。

出来なかったら、ごめんね(凹む)」

日向「その時は、その時です。

そんなに重く受け止めなくて、大丈夫ですよ」

蘭「う、うん。ありがと〜…日向くん。グスッ……」


その日の昼前頃・・・

蘭「わざわざ、こんな田舎まで

お越し頂きありがとうございます。

それと………本当に、

ご足労おかけして申し訳ありませんでした(汗)」

美結「いえいえ、こちらこそ♪

康太の家に泊まる事、すっかり忘れていて

私も急遽、来たって事じゃないですから

お気遣いありがとうございます。

ホントに、ホントにすみません(ペコペコする蘭)

いえいえ、とんでもない」

康太「・・・」

3人「・・・」

誠也(いや、この家に訪問してるの俺らなんだが?!

ここに来て精々、30分も経ってんのに

しばらく、こんな調子なんですけど!?

早く本題に入ってくれーーー!!(汗)

雫「それで本題に入りますが、

その〜……砂かけお婆さんとは

いつ頃、被害に遭われましたか?」

美結「うふふ♪

あっ。そういえば、そうでした!

えっと〜アレは確か…大学の帰り道で日付は……

9月18日(康太)

そう、9月18日に被害に遭いました。

その場には、康太も一緒に居ましたが

私だけが砂をかけられて、逃げて行ったわ。

私は、それどころじゃなかったのだけど

康太曰く犯人である

お婆さんの気配は感じ取れなかったみたい。

私より康太の方が、

妖怪としての能力値が優れているのだけど

そんな康太ですら気付けなかったの。

だからお婆さんは、犯行時刻になったら

気配を消して近付いてるんじゃないかな?」

と真剣に美結の話を相槌を打ったりと雫と蘭が、

聞いていると誠也はこっそりと日向に耳打ちする。

誠也「なぁ、さっきから熟練老婆の話してねぇか?

うん、誠也は少し黙ってよっか(日向)

んっ???」

蘭「それで、砂をかけられた事以外は

特に何もされていないんですね!

良かったです♪」

美結「うーーん、あっ……でも。

何かあったんですか?(雫)

え、えぇ。

一通り、目に入った砂を洗い流した後、

康太は仕事に行ったんだけど〜

改めて、カバンの中を漁ってみたら…無かったの。

何がです???(蘭)

そ、その〜……

お財布の中に入ってたお札が無くなってて(困)

えっ、じゃあ窃盗もじゃないですか?!(雫)

一応〜学校から近い場所に住んでいる私ですが、

康太と一緒に帰る時以外は

よく友達とだったり1人で行く事が多くて〜

それでショッピングが趣味な私は、

お財布に少し多めに入れてて大体、6000円ほど(恥)

そんなに、取られたんですか!?(雫)

は、はい!そう…なんです」

蘭「えっと暴行罪と窃盗罪、

被害者数は、ネット掲示板を見て回った所〜

神様の御使いの人と美結さんで、

友理ちゃんのクラスに2人っと。

うーん、まだまだ被害は少ないものの

これから徐々に増えてくる可能性を考慮して

そろそろ潮時よね」

美結「本当に、あなた達だけで

お婆さんを捕まえに行くのですか???」

蘭「はい♪

何てったって私達は、[特別部隊]ですから

例え特殊部隊のお手伝いさん兼、

困っている人達に寄り添えれるような

そんな方々のお役に立てればと思っています!!

うふふ♡」

美結「……っ!

そっか〜…あなた達、良いチームだね♪

そ、そうですか?(照れる蘭)

えぇ、良いな〜☆

私達も高校生の頃に、

そんな部活あったら気になって入っちゃうかも♡」

蘭「本当ですか!?

いや〜もし、そうなっていたら

私達はまだ高1くらいですから

美結さんとは、1年しか過ごせないのが残念です(汗)

そうね、私が2個上なばっかりに〜(美結)

いえいえ、美結さんのせいではありませんよ?!

うふふ♪例えばの話よ(美結)

私でもそれくらい、分かってますよ(プクゥ)」

美結「わぁ〜可愛い♡♡♡」

ニコニコ目な美結が、

蘭のぷっくらとしたほっぺたをツンツンしていると

その2人の後ろに立っていた康太が、

ズボンのポケットに入ったスマホを取り出す。

すると、何やら驚いた顔をして声を発した。

康太「んっ?ハッ、すみません。

テレビ付けて貰ってもいいですか!!

えっ?康太、どうしたの?(美結)

ピッ!・・・

俺の知り合いにこの事を前に話したら

今、その事件がニュースでやってるみたい!

ええぇぇぇ!?(蘭と美結)

あ、これだ!!」


テレビ画面には、

速報とデカデカと書かれた文字が表記されており

犯人の顔写真らしい砂かけ(ばぁ)が既に載っていた。

男性アナ「砂かけ婆によって

引き起こされた連続砂かけ事件で

被害者が立て続きに起こった事と

当時の被害者とお思われる方が、

ネット掲示板に書き込まれた事から

事件が発覚したと閻魔騎士が、

今朝の記者会見で断定されました。

そして、閻魔騎士が調査を始めた所、

砂かけ婆に砂をかけられる被害にも

お金も盗まれたと言う被害が続出してるようで

これで28件にも登るそうです!

ええ、今回の事件につきましては

[暴行と窃盗の罪]で問われていますが、

犯人の行方は今だに掴めていないとの事で

現在も引き続き捜索を続けているようです」

女性アナ「いや〜まさか。

玉藻前様の事件が終わって

まだそんなに経っていませんが、

[またしても]薊陣営の仕業のようですね!!」

男性アナ「そうですね。

とはいえ、薊陣営の法則としては

やはり玉藻前様の[無理難題な要求]でも

意図も容易く呑めるという

組織ならではの行動ですから

きっと何か頼まれてでの事でしょうね」

女性アナ「なるほど〜!

無理難題な要求一体、それは何なんでしょうか☆

皆さんも予想してみましょう!!

そういう番組では、ありませんよ!?(男性)

良いんですよ♪そういう細かい所は〜

皆さんの予想もどうかおまt……」

男性「あ、そろそろ時間みたいです!(焦)

それでは引き続き、野球をお楽しみ下さ〜い♪

スタッフさん!!ねっ?ねぇ〜?!」

女性「あっ、ちょっと?!」


シーーーン・・・


誠也「このニュース、ホントに大丈夫なんか?(汗)

一応、重要な事は話してましたし(康太)

まぁ…いっか。

無理難題な要求なぁ〜

玉藻前と戦った時も案外、理不尽な所もあったし

独占欲凄くかったもんな」

蘭「そうね!

猫又ちゃん達の存在も

あまり触れて欲しくなかったような感じだったよね」

美結「いや、待って待って!?

玉藻前様と戦った、あなた達がっ?!

正確には、俺と蘭だけですけどね(誠也)

たった2人だけで!?

ていうか四大妖怪と戦う事って法律上、

危険というか禁止されてる事じゃなかったっけ?

ねぇ、康太!!(焦)

康太「……うん(汗)

普通に、戦うとなると

確実にこっちが命を落とす事になるから

少なくとも自分から進んで死にいく事に関しては、

正直、理解できない。

まぁ…君達がやった事を否定する訳ではないけど

俺はそう思うかな(苦笑い)」

蘭「勿論、私達だって目的もなく

玉藻前様と戦いに行った訳じゃないんです!

じゃあ……どうして?(美結)

それは、この2人を助けたかったからです!!」

と言って蘭は椅子から立ち上がり

丁度、ソファーに座っていた雫と日向の後ろへと

回って2人の肩に手を乗せる。

雫「私は、風邪扱いだったのにぃ〜

知らなかったくせに、魂が返納されるまで

気付いてすらくれなかった。

魂を取られただけなのに消滅扱いにはならないし、

もっと気付く場面があった筈…なのにぃ!

ム〜〜〜ッ!!(拗ねる)」

日向「・・・まぁまぁ(汗)」

蘭「その節は、本当にごめんなさい!」

康太「凄く真っ当な理由で

挑みに行ったみたいだけど、結果はどうだったの?」

美結「お2人が、今こうして帰って来てるって事は

勝てなのよね?!

どんな感じに勝てたの☆☆☆」

康太「美結、落ち着け(汗)」

誠也「そ、それは〜まぁ……

俺と蘭の力をいくら合わせても

玉藻前は、アイツはピンピンしてたよ。

まさか…あんなにも

ビクともしない敵だとは思わなかった。

正直、驚いたし勝てる気がしないって悟ったんだ。

???(蘭)

それでも俺は、最後まで必死に食らい付き

最後の怪撃を撃とうと近付いた瞬間、

天高く打ち上げられて意識が遠退くし

玉藻前は俺近付いて来て血走った目で来るわで

アレは、マジで危なかったぜぇ〜(汗)」

蘭「やっぱりアレよね?

ホントに、何だったんだろうね???」

誠也「なぁ〜?

今だに、俺らも分かってねぇもんな」

美結「えっ、何々?!

何があったの!!!!!!(キラ目)」

康太「美結、不謹慎だぞ(焦)」

蘭「誠也は、意識が無くなる寸前の事だから

詳しくは知らないと思うけど、

誠也を守る?形で重たい何かが玉藻前に当たって〜

雷が落ちたみたいにビリビリ痺れてたの☆

そこ、嬉しくなるとこじゃないぞ……蘭(誠也)

でも現に誠也は、

そのお陰で救われた形なんだから

誇るべき事じゃないかな♪」

美結「へぇ〜!!

そんな事があったのねぇ!?不思議〜☆」

蘭「ホント、アレ〜何だったんだろうね?」

友理「そっか〜そうだったんだね、2人共♪

ギクッ!(2人)

冗談のつもりで言ったのに

そっか〜本当に、2人で行って来たんだ!!

良かったね、取り返せて♡」

2人「は、はいぃぃぃ!(滝汗)」

日向「ていうか、話が戻るんだけど〜

鈴木さんが言う雷みたいなのが落ちたって

その場に落ちたというよりかは、

未だ復旧されていない

学校の電気設備だったんじゃないかな?」

3人「・・・。あっ、なるほど!確かに(点目)」

日向「今まで何だと思ってたのさ???

電灯の取り替え工事かと(誠也)

電気トラブルとか〜(目を逸らす蘭)

学校側が節約してるものかと思っていました(雫)

少しは、変化した事に対して疑って欲しいね。

自分の憶測だけで物事を捉えてると

いつか知らない内に失ってる可能性もあるから

これからは、些細な事でも注意深く

気を引き締めないとだね」

蘭「そ、そ〜だね。あはは……(汗)」

美結「うふふ♪

やっぱりあなた達、とても良いチームじゃない!

私の目に狂いは無かったわ☆

それで、あなた達は

やっぱり砂かけお婆さんを捕まえに行くのですか?

はい、これ以上…野放しには出来ませんから(蘭)

そう。

・・・それでは私達は、待つ事しか出来ませんが

特別部隊といった組織?という存在を知れて

直接、お会いできて嬉しかったわ!!

また機会がありましたら。

はいっ!その時は、是非☆(蘭)

それと♪

んっ???(蘭)

あなた達の武運を祈っていますね!!」

蘭「はあ♡

はい、ありがとう……ございます♪

康太さんもありがとうございました!」

康太「いえ、俺はその場に偶然居ただけで

何もしていませんが、そうですね。

この先も特別部隊という名が、

世に轟かせられるように

これからも頑張って下さい!!」

誠也「こちらこそ、まだ名もない特別部隊だけど

そういう人達の助けや支えられる人になれるよう

俺も、もっと頑張ろうと思います!」

いつにもなくちゃんとしてる誠也の後に

日向が言葉を述べている最中、

友理は2人を雫は、誠也の顔をじっと眺めていた。


夕方前・・・

特別部隊「お邪魔しました〜!!」

蘭「いや〜今日の面会も良い人で良かったね!

2人は、初面会どうだった?」

雫「思ってたより意外と楽しかったです!!

これは、少し私の体験談ですが〜

都会の方へ出掛ける度に

多少、顔の事をよく指摘される事があったので

不安…だったんです。

先輩方が付いているとはいえ、

私だけ外見が違うから

どこ行っても悪く言われる事ばかりなんです(汗)

・・・(一同)

けど、そんな事……気にしない人達が居るからこそ

まだ立ち直れてる…気がします(嬉)」

蘭「そっか〜

やっぱり雫ちゃんも少し成長したんじゃないかな?

前より明るくなったっていうか

毎日が楽しそうな顔してる♪

私が見ていない間の時の日向くんみたい!

・・・(赤面する雫)

鈴木……さん???(圧をかける日向)

えっ!?あ、ごめんごめんねぇ!!日向くん(焦)

つい、つい思い出しちゃっただけだよ〜

ジーーーッ(日向)

うぅ、ゆ…友理ちゃんは、面会どうだった?!」

日向「あ、話逸らした(ジト目)」

友理「うん、すっごく楽しかったよ!

相手方の対応によるかもしれないけど、

美結さん達は、比較的アタリだったのかな〜って♪

先輩方は、既に面会は何回かしてるんですか?」

蘭「そうだよ!!

面会は、部活創設時からずっとやってた事だから

大体の事なら任せてよっ!

でも、ホント今回は美結さんが良い人だったから

良かったけど、人によっては暴れる人が居るんだよ。

えっ!そんな事があるんですか?!(雫)

うん、あの時はホントにびっくりしたよ〜」

日向「まぁ…僕らも面会という

仕切りがあるとはいえ、

話してる相手は主に事件の被害者。

事件当時の状況を再び思い出す事は、

被害者にとって、嫌がる人も居るからね」

蘭「そうなのよ。

だから〜話を聞くこっちも

どうしたら良いか分からなくて

私は、事件解決の為だとか

新しい被害者が出ない為にも協力してなんて〜

言うと口も聞いてくれない時もあったんだよね。

アレは、普通に心に来るよぉ〜って

ずっと嘆いてたもーん(バツ目)

それで、どうしたら聞き出せたんですか?(雫)

うーんとね〜

そういう事態になった時は、

全部、日向くんに押し付けてるっていうか

いつも任せてるよ(汗)

誠也じゃ、頼りないから♪」

誠也「ガーーーン?!!!!!」

雫「そう…なんですね、チラッ」

日向「その時々にもよりますが、

暴れてる相手を落ち着かせる事と

その相手から信頼を勝ち取る所から始まります。

誰か1人は、自分の心を(さら)け出せる

良き理解がこちら側に居なければ、

この方法は使えなくなりますが」

雫「何故です?

ほぼ初対面の人から信頼を勝ち取るには、

かなりの時間を有します。

その日の内に引き出させるのが目的だった場合、

手遅れになるのでは?」

日向「だからって、条件通りに

無理にでも引き出させるのは自らの信頼を減らし

的確に勝ち取るには相当、難しくもなります。

ですから大体は、3日それ以上に掛かる時は

一週間くらいを有します。

この中でたった1人もしくは、

鈴木さんと誠也、僕ら3人で

被害者の家に訪問する以前から言葉遣いだったり、

一つ一つの動作を丁寧に演出する事で

一番、信頼に置けそうな人と一対一で話せる機会が

出来るという方法で行った方が妥当なんです。

この方法は、確かに相手を誘導させて

利用してるだけに過ぎませんが

今まで信頼を得た人達からは

よくメールだったり直接、会いに行く事ぐらいは

友好な関係になっても居ますしね♪」

蘭「私も1回くらいならやった事があるけど、

ほとんど日向くんが選ばれるのよね〜

もう一層の事、日向だけで良くねぇか?(誠也)

あはは……結構、根気いる作業だからね」

日向「それなんだけど…これから先、

僕1人だけでやって行ける自信はほぼ無いよ。

いくら自分と同じような境遇の人に

今まで会ってきたとはいえ、

雪乃さんみたく外見を

気にする人達の気持ちは正直、難しい。

・・・(雫)

でも全部が全部、理解できない訳じゃない。

雪乃さんがその都度、感じた印象や状況によっては

違うかも知れないけど、

僕も似たような場面をいくつかはあると思うんだ♪

そういう共通点がある人や全く持って自分の考えで

肯定したり、自分の偏見だけで物を言う人にも

共感する人が必ず居る。

だからこの場に皆んなにも

これから先、自分の考えや悩みを

相手の人と共有する事と同時に信頼を得れる。

時間が掛かるやり方に面倒だと思うかもしれない

けど、土足で相手の心に踏み込む事は

絶対にしないで!

信頼を得る為だけに

相手の心を踏み(にじ)るのは違うから(怒)」

誠也「……っ!!」

蘭 (・・・)

雫「うぅん!

教えて頂き、ありがとうございました新條先輩♪」

日向「実際に、経験して得た事を言ったまでだよ。

むしろ面会以外にも教える事は、まだ山程あるから

その量も極力減らせるよう頑張ろう」

雫「はい、その時はよろしくお願いします!!」

友理「……ふふ(小声)」


蘭「まぁ、何はともわれ

良い勉強になったんじゃないかな!

美結さんとは今日、初めて会ったばっかりなのに

すっかり仲良くなっちゃった♪

1人でも来れたんじゃないか?(誠也)

それは、無理(即答)

皆んなが一緒に来てくれたお陰で

普通に話せてるけど、

最初の30分が無限ループするくらいには

進まなかったんじゃないかな。

それは、マ〜ジでやめろ!(誠也)

……っていう冗談は、さておき(汗)

それじゃあ面会する前にも宣言した通り

砂かけおば…砂ばぁさんの事件を

今夜、片付けて玉藻前様の思惑を打ち消すよ!!

そ・れ・か・ら・皆んなには、

1人一つ役割を担って分担して決めたいのだけど〜」

誠也「おぉ〜!

なんか、いつにもなく張り切ってるな(笑)」

蘭「当然だわ!!

何てったってあの美結さんの願いだもの。

誰かに応援されるのって、凄く気分が良いし

今まさに私は、無性に動きたい気分なの!」

誠也「へぇ〜蘭がそう言うのも珍しいな♪

俺も蘭見てたら

なんか、やる気が満ち溢れて来たぜ☆」

蘭「うふふ♪

とりあえず、これから皆んなにやって欲しいのは

たった1つだけ♡

砂ばぁさんの居場所を特定次第、

各自、確保できる状態にするのみ!!

一定の範囲で留まりつつ、

何事も無かったら次の目的地まで移動する。

その時は、コレを使って皆んなに知らせたり

自分の身が危うくなったら第一に連絡を取って、

その場から離れる事っ!

(立体的、イヤホン型通信機)

主な範囲としては

仁川市、御鐘(みかね)市、(かのえ)市、干潟(ひがた)村、上木(かみき)市、

周辺の街中を巡回パトロール、

それが終わったら隣町みたいな段取りかな。

それと、さっきニュースの中で言ってた

最初の事件の被害と思われる女性に

ネット掲示板の個人チャットを使って確認した所、

砂ばぁさんの事件は、御鐘市が発端の事件みたい。

こう何度も来るとは思えないけど一応、念の為ね♪

今夜、皆んなで力を合わせて決着を着けましょう!」

誠也「特別部隊〜……出動だーーー!!!!!!」

と急に割り込んできた誠也が、

円陣の中央に伸ばした手を空へと掲げ

力強く声を上げる。

日向「あと全然、関係ない話になるんだけど

その掛け声、どうにかならないの?」

誠也「うるせぇ!!」


その夜、9月20日・・・

母親「きゃあああぁぁぁーーーーー!!!!!!」

女性が悲鳴を上げるのと同時に

ベビーキャリアに入っていた赤ちゃんの泣き声を

聞いた周りの民家の窓から順に光り始めて

悲鳴に駆け付けた人達が次々と出て来たのだ。

奥さん「どうなさいましたか?!

急にお2人から悲鳴のような声を

聞いて来たのですが(焦)」

旦那「まさか今日、夕方辺りのニュースにあった

砂かけ(ババァ)にやられたんじゃないか!?

どうなんだ???(汗)」

母親「・・・は、はい(涙目)

多分、そのお婆さんだと思います!

はっきりとは見ていませんが、

目に砂をかけられたので合っているかと」

赤ちゃん「うあああぁぁーーわあぁぁ(泣き声)」

男性「やっぱりか!!

よりにもよって赤ん坊を抱えた親御さんを

狙うとかあり得なさ過ぎだろ!(怒)」

奥さん「そ、そうですね(汗)」

母親「あ、あの〜……

目に入った砂を落としたいのですが、

どなたか水を…(涙)」

奥さん「そうだったわね!!

じゃあ私、先に洗面器に水張って来るね。

あなたはその人を家まで連れて来て(焦)

旦那「分かった!まだ、歩けますか?」

母親「は、はいぃ。すみません(汗)」

女性「あっ、私もお手伝いします!!

はい、お願いします(旦那)

じゃあワシは、声掛けをしますんでこちらへ(お爺)

普通にこっちを手伝って下さい!?(焦)」

お爺「あー…そうかい?

じゃあワシが、周りをしっかりと見てるんで

そっちはお願いします(掠れ声)」

女性「だ・か・ら〜こっちを手伝ってて!(汗)」

そっと皆んなで一致団結して

赤ちゃんを抱えた母親の足並みを揃えて

家まで連れて後もう少し、もう少しという所で

やっと家に着いたのだった。


一方・・・

薄汚れた白い髪を後ろで縛っていた元結(もとゆい)

どこかで落としたのか髪が解けており、

着物の袖をパタパタと煽り

一部破けてる箇所もあったが気にせず

裸足で走り続ける老婆が走っていた。

走りながら風圧でオールバックになった髪に

血走った目で手を縦て

めちゃくちゃな走り方で街を徘徊し続けている。

砂ばぁ「イッヒッヒッ!!!!!!

あぁ〜♡さっきの女の悲鳴も赤ん坊の泣き声も

全て全てワシの傑作じゃ!!

悲鳴、悲鳴、悲鳴、悲鳴の賞賛の嵐を

もっともっとワシに寄越せっ!

この街中、砂埃にしてやるわ〜〜〜(笑)

砂嵐と風起こしの術、同時発動じゃ!!

イッヒッヒッ!!!!!!」

ケタケタと堂々と笑う姿は、

どことなく玉藻前と似ており砂を全方向に振り回し

走って来た勢いの風を使って竜巻のような渦が

干潟村(ひがたむら)を襲う!

民家の窓や屋根、木…土管など

小さい物から大きい物まで上へと連れてかれ

渦の中で暴れ回っていたのだ。

砂ばぁの[拡散せよっ!!]という言葉を叫んで

風である程度、飛ばされた建物から人々が

唖然とした顔で降って来る障害物に気絶したり、

辺りをアリのように走り回ったりする人もいたが

逃げられる訳もなく降り注ぐ物に人々は、

同時に息を呑んだ、その時だった!

蘭「皆んなーー!!

これで全部、糸を張り巡らせたから

いつでも行けるよ!

めっちゃ緊急だけど、何とか行けるぜ☆(誠也)

私も準備完了です、鈴木先輩!!(雫)

この被害、どうにかなると良いね(日向)

皆んなで力を合わせて、頑張ろう!(友理)

……うふ♪(汗)

(皆んな、ありがとう。

私1人だったら…ううん、3人だったら

きっと無理だった。

だから……この部活に2人が加わってくれた事、

ありがとうの気持ちを込めて

村の人達を絶対、助ける!!

鈴木家代々受け継がれてきた、私だけの専用の技を

こんな場所で大々的にお披露目するのは

初めてかもしれない。

この糸のように今後も私達、特別部隊が固い絆で

結ばれるよう……これからも沢山の経験を積んで

干潟(ひがた)村を私達の手で救うんだっ!

[カラクリ古刀術その():鳥籠]っ!!(叫)」

と言って干潟村全体だけを囲った

小さなカラクリ箱のような頂上付近に立つ

蘭の姿を向いてその場から

更に大きい網目状にした円形の檻を作り出し、

二重に干潟村を巨大な糸でドームが張られたのです。

風に強い糸に空から降って来る中位(ちゅうくらい)の障害物は、

キャベツをみじん切りされたように

物が雪みたいに降ってくる。

大きいものに対しては、

誠也の怪撃で人気のない場所へと飛ばし

日向の陽炎(かげろう)で真ん中をいくつか狙い撃ち、

雫の火炎球でかなりの数を撃ち抜いて

大きな障害物を禍々しい球状のもので退かし、

爆破寸前の物を瞬時に

守りのドームを展開させ、被害を防ぐ友理。

そして、全ての障害物を取り除いた特別部隊に

賞賛の拍手が巻き起こるが、

終わったのも束の間で街には大きな竜巻が蔓延(はびこ)る。

蘭「あっ!

流石に、風を取り除くとなると

誠也の怪撃はすり抜けちゃうし、

日向くんや雫ちゃんの術じゃ

風と一緒に回り続けるだけになっちゃう(汗)

それに、なんか最初より大きくありません?(雫)

えっ?!

確かに、成長してるようにも見える……(日向)

風の妖術で何か吸収したら

成長するなんて文献は載っていない筈だけど」

とガラスの破片が誠也の頬を掠めて

黒い煙が渦の方へと流れて込んでいく。

誠也「おい、どうする!?(焦)

なんか、あの渦こっちに近付いて来てんぞ!!

早く何とかしねぇと風圧で浮かせられて

全員、蘭の鳥籠で切り刻まれる!」

蘭「嘘…でしょ、どうすれば良いの???

折角、皆んなを救えたと思ったのにぃ(涙目)

諦めちゃ駄目だ!!(誠也)

じゃあ、どうすれば良いの?!」

誠也「……そ、それは〜(汗)」

この鳥籠の中には2万人の村の人達と

特別部隊4人が、取り残されている。

作戦では、全員が街の中に入って

風で浮かされた障害物を取り除く為には

なるべく至近距離の方が術の威力が上がる事と

妖力量から飛ばせる飛距離が限られている為、

やむ追えず中に入っていた。

竜巻までも対処するという所まで

頭が回らなかったのだ。


だが、それは………

たった1人の女性によって解消される。

全部の障害物を取り除いた所で残すものは、

竜巻だという事を見越してかその中には入らず

じっと外で待機していた友理が居たのだ。

友理「……はぁ。

結局、まだまだ爪が甘いのね女郎蜘蛛。

そんなんだからいつまでも経っても

同じ場所で止まり続けるのよ?

玉藻前と戦って

自分らしい戦い方を見つけ出せた事までは、

褒めてあげる。

けど、所詮………

あなたは、あれから何も学んでいない。

皆んなの事を救えて満足してるようだけど、

この村に住む人達の居場所は…救えてるかしら?

砂ばぁよりも街をめちゃくちゃにして

被害を悪化させているのは、

あなたの考えの甘さじゃなくて?

そういう事まで視野に入れておかないと

次は、私が手を出すかもしれない。

まぁ……この話は、今はお〜しまいっと♪

折角、アイツから聞き出した技のお披露目と行こう。

しっかりと目に焼き付けるといい、八瀬童子」

と誠也の名前を呟き、

右手の甲から骨が剥き出すくらいの力を込めて

左足を強く踏み留まらせると

地面に穴を開けて右足を後ろに引く。

すると、ロケット噴射のような勢いで

撃つ手前くらいで赤い瞳へと変わる。

友理「[衝撃波]っ!!」

そう言って突き出した手の風圧で

真正面から向かっていき見えない風の力だけで圧倒し

竜巻は何事もなかったかのように消滅したのだ。

村人「おっ、うおおおぉぉ!!!!!!

消えたぞ!本当に、あの竜巻が消えたわ!!

凄いなお前さん!まだまだ若いのに〜♪

えっ、い…いや私達は何も(焦る蘭)

何言ってんだい♡

アンタ達は、私達が暮らす

この村を守ったんじゃないか!!

ついでに、あの竜巻も〜☆」

蘭「あ、アレは私達ではありませんよ!?(汗)」

村人「構わん、構わん!

それが誰の仕業だろうと

君達は、この街を救った救世主なのには

何も変わらないさ(笑)

ハハハッ、そうだい!!アナタの言う通りだよ」

蘭「私達が、救世主???

何だかピンッとこない話だねぇ〜皆んな(汗)」

誠也「救世主……それ、良い響きだな☆

なんかめっちゃカッコ良くないか!?

えっ?!(点目な3人)

人生で一度は、言われたい称号を

この耳で・しかも間近で・聞いたぞっ!

なぁ、皆んなもっと喜べよ☆☆☆

こんな事、滅多に言われないぞ!!!!!!

今の内に喜んどけ☆」

日向「あ〜ぁ、これしばらくうるさくなるよ(汗)

一番、こういうのに目がない奴にぃ〜……

アンタも見た目の割に可愛いのね(お婆さん)

あははー…そうですか(ジト目+棒読み)」

雫(いつにもなく不快なオーラが漂ってる気がする。

可愛い、可愛いって散々、言われてるのかな?

私は〜……いつもクールで

格好良いと思っていたけど、私だけなのかな(恥)

蘭「えっ?!(汗)

あっ。そうだ、砂ばぁさん!!

誰か白髪で(くす)んだ着物を着たお婆さんを

私達、探していて見掛けませんでしたか?」

お爺「お婆さんなんて

ここらじゃ、ワラワラ居るもんだから

その情報だけじゃ分からんな〜(汗)」

蘭「あ〜確かに、この中から砂ばぁさんを探した所で

うんがい鏡と一緒に全国各地に沢山居る。

それに今回、起こした事件の犯人かまでは

正直、私達の力だけじゃ難しいかもしれない……」

お婆「まぁ〜!

お嬢ちゃん、まだお若いのに働き熱心だこと♪」

蘭「い、いえいえ。私は、そんな〜(焦)」

とかなりの人数が5人を囲い、

さっきまで悲しんでいた子供からお年寄りまでも

笑顔が絶える事なく一人一人に村の人達が、

話し掛けて来て幸せ100%で埋め尽くされたのだ。

大笑いして特に気分が良い誠也、

引きずっていた顔が今じゃ和らぎ笑顔を見せる蘭、

沢山の人に何故か可愛がられる終始呆れる日向、

街のちびっこ達に意外と溶け込めている雫、

はにかんだ顔と優しい顔で包み込む友理を見て

神様を崇めるような人達が集まっていた。


そんな笑顔の連鎖をただただ見せ付けられる

砂ばぁは、先程の出来事が何だったのか

理解が出来ず、髪をくしゃくしゃする。

砂ばぁ「ば、バカなっ!?

ワシの玉藻前様から与えて下さった数々の妖力が

あんな一瞬で撃ち消された…だと???

我らの薊陣営のトップであられるお方の力を

無下にぃ……そう簡単に無下にして

そんなものあって、堪るものかっ?!(怒)

馬鹿げているアイツもアイツらもこの村も

たった5人に対して拝められ、愛されるのは

お前達などでないっ!!

その座は、他の四大妖怪よりも

ちっぽけな妖怪より全ての妖怪をも付き従える

我らが玉藻前様お一人なのですよ!?

それを、それを、それを〜アイツらがっ!

お前さん達、今すぐにでもワシに来るのじゃ(叫)」

一同「・・・。

居たあああぁぁぁぁぁ〜〜〜!?!!!!」

誠也「へっ☆

言われなくとも俺達は、

とっくにお前目当てで探しに来てたんだよ!!

お望み通り、大人しくとっ捕まえてやんぜっ!

砂かけ(ババァ)☆☆☆」

砂ばぁ「へっ?(パチ目)

に、ににに逃げるが勝ちじゃーーー!!!!!!」

誠也「あぁ〜待て、逃すか!!♪♪♪(上機嫌)」

雫「何だか喜んでませんか、誠也先輩?」

日向「いつも以上に嬉しそうだけど、

先が思いやられるよ。

どうしてですか???(雫)

こういう時の誠也は、よく調子に乗りやすいから

少し歯止めをかける必要があるね。

だけど〜……追い付く保証は、無いかな(汗)」

雫「ええぇぇぇ!?!!!!」

と言いながら特別部隊は村を後にし、

(かのえ)市と御鐘市の街を全力疾走する老婆の後ろを

更に追い掛ける特別部隊。

4人の走るペースが早いせいか

雫は、かなり失速してしまい

どんどん突き放されて行ったのだ。

雫「はぁ…はぁ……はぁ…はぁ……はぁ…はぁ……

(じ、自分の事をかなり過信していたようですね。

特別部隊に入ってから毎日欠かさず、

走り込みを続けてきたつもりだったのにぃ

同じ日に入った林堂さんは、

あんなにも先輩達と同じペースで走れて

私は、そこにすら追い付けていない…(焦)

どうしよう。どうしよう……っ!

皆さんに、追い付きたいのにぃどんどん離されて

これで追い付いた所でまたペースダウンする。

私なんかが声を掛けて先輩達に止まって貰うのも

なんか違う気がする。

私にばっかり気を配ってたら

それこそ犯人さんに逃げられちゃう(汗)

私のせいで犯人さんが捕まらなかったら

責任は、私に押し付けられる…かもしれないぃ。

だったら一層の事、迷惑をかける前に……

皆さんに先へ行って貰った方が早いんじゃ…?)」

と目からハイライトが消え失せ、

雫が遅れている事すら気付かない4人は

目の前の老婆をロックオンしていた。


一方・・・

前衛側は、市を跨ぎつつ長い住宅街の屋根を

走り抜けながらもなかなか距離を縮められず、

目だけで老婆を追い続けた。

4人の目線の先には道無き道を走ったり、

石塀を登って何人かの庭に侵入したりと繰り返す。

誠也「空き巣の常習犯かよ!?

なんか既視感あるなと思ったら

過去の空き巣犯と同じ手口使ってんじゃねぇか

あのババァ!!(怒)」

日向「どこに、キレてるのさ(ジト目)

あの時の犯人は、

空き巣に入った家から脱出する際に

追跡する人達の視界から消えたように

わざわざ石塀を登って通過する方法を選んで

見せ掛けたトリックであっただけで

今回は、上から追跡してるんだから

全然関係ないよ」

誠也「そ、そういや…そうだったな(点目)」

蘭「……うん(汗)

アレも捕まえるのに結構、時間掛かったよねぇ〜

懐かしい(苦笑い)

あの先輩方、真面目に考えてるんですか?(友理)

ご、ごめんなさい!!

今は、そんな空き巣犯よりも砂ばぁさんの確保が

優先だよね!

お婆さんの通ってる道の方が険しいのに

中々、距離が縮まらないのよね。

どうしてかしら???

幻術…(小声な友理)

ふぇっ?

あの砂ばぁさん、幻術を使って惑わしてる(友理)

う、嘘でしょ?!いつの間に!!

じゃあ、あのお婆さんは偽物なんじゃ!?」

誠也「それってもう撒かれてんじゃねぇかっ!」

友理「ううん、違う。

砂ばぁさんは、あそこに居るよ」

2人「えっ?!」

と言って3人が紺色の屋根へと飛び移る前に

立ち止まり、友理が指で差す方向は、

庭に生えた茂みだったのだ。

3人揃って首を傾げていると

茂みがカサカサと揺れ

着物を着た老婆が這いつくばって出て来たのです!

砂ばぁ「ふぅ〜…よしよし。

これで追跡される心配はもう無いな、うむ♪

ワシの作戦勝ちじゃ!!

で、ででで………(2人)

イッヒッヒッ……ひっひぃ???んっ?

出たぁぁぁ!?!!!!!(2人)

シーッだよ、2人共(ジト目な日向)

お、おおお前らぁ〜どうして、そこに?!(汗)」

日向「2人と全く同じ反応してる」

と家の屋根上でしゃがみ込みながら

冷静なツッコミを入れる日向の横で

淡々とした口調で老婆に語り始める。

友理「気配消しと幻術を使い分けるなんて〜

お婆さんって妖怪の名前の割りに

結構、勤勉だったりするんだっ!

その両方の術を使って

今までは上手い事、惑わせてたみたいだけど

感知能力に長けてる妖怪も居るって事、

この期に覚えておいた方が良いよ!!

今回の被害者達には、

気配察知能力に(ひい)でた妖怪が

運良く居なかっただけで

こんなにも好き勝手に暴れられた♡

良かったね、砂ばぁさ〜ん♪」

そう言って雲のある暗い夜空を背景に

友理の緑色の瞳を光らせながら女王のような表情で

薄気味悪い顔を老婆だけに浴びせた。

すると、老婆は青ざめた顔で

[あぁ…あ〜ぁ?!]と怯えた声を出して

幻術が行った方向とは、

別の横方向の石塀を登っていく姿を見て蘭が叫ふ。

蘭「誠也、今だよっ!一度、動きを封じて!!」

誠也「にぃ、加速が足りねぇから

アレは使えないか、仕方ない……かいげっ!」

日向「誠也、目瞑って突っ込んで!!」

誠也「んっ?」

と日向の助言に対して誠也は理解が出来ず

そのまま老婆の目に届く範囲に

足を踏み込んだ途端、

老婆は、砂を詰めた袋で着物の袖から取り出し

地面に叩き付ける。

それは瞬く間に、視界を阻む程の威力で

煙幕代わりに砂を駆使してその場を掻い潜った。

誠也「ゲホッ…ゲホッ……ゲホッ…ゲホッ(汗)

危ねぇ〜目だけは、守られた。

守れたけど、ゲホッ……ゲホッ…(涙)

体に支障きたすってコレ〜………」

蘭「大丈夫、誠也???(汗)」

誠也「これでぇ…ゲホッ……平気に見えっか?

バックション!!!!!!

わっ!?びっくりした〜(焦る蘭)

そういや…あのババァどこ行ったんだ。

見てたんだよな、日向……友理???」

友理「・・・。

(目を逸らす)

さぁ〜ホント、どこ行っちゃったんだろうね!?

しっかりと見てた筈だったんだけどな〜

はあぁぁぁ?!何してんだよっ!(誠也)

ごめんなさ〜い(バツ目)」

誠也「じゃ、じゃあ日向は!!

日向は絶対に、分かるよな。なっ!?(焦)」

日向「ううん。

こっちも収穫は、ゼロだよ。悪いけど」

誠也「ま、マジかよ(汗)

どうする?!どうする、蘭?これから!」

蘭「うーーん。

せめて、砂ばぁさんの居場所さえ特定できれば

話は、別なんだけどな〜(困)」

日向「あれ?居場所……特定???

誰かその方法、使ってなかっけ?

んっ?(2人)

・・・(友理)

雪乃さんの妖気ドームで確か…出来た筈だけど?

ハッ、そうだよ!!

合宿の肝試しの時、

雪乃さんの力のお陰でどこに妖怪が隠れているのか

特定しながら回避できたの忘れてた?!

おい……なんだ、その反則技!?(誠也)

妖怪なんだから反則も何もないでしょ!(蘭)

それなら使えるかもしれない!!

雪乃さ………って、あぁ!?」


一方・・・

屋根の上を走ったり飛び移ったりする

走り込みに対して体力の消費が激しい為、

雫は諦め、下から皆んなを探していたのだ。

走り疲れた事もあり終始、小走り程度で

落ち着き次第、妖気ドームを展開しようと考える。

今すぐにでも妖力を消耗させると

体力が無くなり、後がなくなってしまう恐れも。

無闇に妖気ドームを建てれば均衡が崩れ

しばらくの間、妖力もろくに扱えず

行動不能になるのだ。

雫「(出来る事なら妖気ドームをこのまま使わず、

温存させた状態で皆さんと合流できれば

良いのですが〜……

やはり、下からでは見つけられないでしょうか(汗)

はぁ…はぁ……はぁ…はぁ……はぁ…はぁ………

いえ、まだ砂ばぁさんが進路を変える可能性を

考慮して下から探し出すべきです!

それよりも前に皆さんを見つけ出せれば

安心して妖気ドームを使用でき、

例え、私が動けなくなっても

皆さんがやってくれると、信じています!!

まずは、皆さんが向かって行った方向へ

ひたすら突き進んで……」

と言いかけた途端、真横からドシドシと大きな音が

雫の方へと煙が向かって来ており、

バーン!!という音が目の前を

誰かが突き破ってきたのです。

石塀ブロックが粉砕したのか

足元にゴロゴロと重たい音と共に

転がってくる程だった。

その砂煙の中から現れたのは、

どこかに着物を引っ掛けて来たのか

かなりビリビリに切れており、

髪に葉っぱを付けた老婆がぜいぜいと息を漏らす。

その姿を見た雫が、

[ぴぎゃー!?]という驚きのあまり

ピンで跳ねられた玉のような悲鳴を上げて

老婆が、こちらの存在に気付かれてしまった。

地面に居座っていた老婆が急にバッと立ち上がり、

雫の方へと近寄って来た。

砂ばぁ「お前は、さっき………

あのガキ共と一緒に居た一つ目かい?

砂……ばぁさん(小声な雫)

何ぃ〜聞こえないねぇ?!

もう少しおっきな声で頼むよ、歳なんでね。

砂…ばぁさんですか?!(雫)

ムッ?

その名は、玉藻前様と老人会の皆んなにしか

知り得ない情報じゃ。

なぜ、お主が知っておる!?(怒)

ひぃっ!ごめんなさい(目を瞑る雫)

はぁ〜…最近の若い子は、忍耐力が足りんねぇ♪

ワシが勇気付けてやる(笑)ヒァッハ!!」

と笑い混じりの声を上げて

雫が次に目を開ける頃には、老婆による砂の攻撃を

受け目眩しに遭い、

後ろへ飛ばされる前に準備しておいた

火炎球を撃つものの空に撃ってしまい不発、

そのまま転倒してしまったのです!

そして、これを期に

またもや老婆の心に火が付いたのか

被害者を増やそうと再び住宅街を駆け始める。

砂ばぁ「イッヒッヒッ!!!!!!

まだ足りん、ワシには全然足りんのじゃ!!

早く…早く次の目標(ターゲット)を見つけ出して

良い悲鳴が聞きたいのう。

待ち遠しいわい!イヒッヒッヒッ……んっ?」

次の目標を見つけるべくケタケタと笑っていると

老婆の真上を黒い何かが通過し、

目線を上の方に上げて見ると

そこには嬉しそうな顔で笑う誠也が左手を染め、

今まさに手を下す瞬間だったのだ。

誠也「やっと見つけたぜ♪

このクソババァ、(くら)いやがれ…追撃(ついげき)っ!!」

そう言って誠也は、

老婆の背中目掛けて拳を撃ち込み思いのほか強く、

コンクリートごとぶち壊す程の威力だったのです。

誠也「あ、ヤベッ(汗)」

蘭「あぁ〜誠也がまた壊したっ!」

日向「犯人の確保もそうだけど、

撃退するくらいの威力は要らないよ」

誠也「んん〜?おっかしいな。

手加減……力加減、あんなに修練の間で

数え切れない程の特訓を重ねて

やっと成功してたのに、

本番になるといつもミスるんだよな〜

何でなんだ???」

自分の拳を開いたり、握ったりを繰り返していると

誠也の攻撃を受けても尚、飛ばされた勢いで

綺麗に受け身を取り転がり込みながら

まだまだ自らの足で逃げ続ける。

蘭「す、凄い……あのお婆さん(汗)

誠也のあんなダメージ受けても走れるなんて

あ、違う!?

誠也、日向くん追わないとだよ!!!!!!」

誠也「あ…あぁ忘れてたっ?!

まだ走れてんだよな、急いで追いかけるぞ!」

日向「3人は先行ってて僕は、用事が出来た。

はぁ?!それ、今じゃ駄目なのかよ!!(誠也)

ごめん、すぐに追い付くから!!」

誠也「あ、おい!?(汗)」

蘭「誠也、早く追わないと逃げられちゃう。

今は日向くんよりもあのお婆さんだよっ!」

友理「そうですよ、誠也先輩」

誠也「くっ、仕方ねぇな!!俺らだけでも行くぞ」


・・・・・・・・

雫「あ、ぁぁ……うぅ…どこ〜???(涙)」

と言う雫は、大きな目から大粒の涙を溢れさせ

身長は低く巫女装飾の服で

砂をかけられた事で驚きのあまり

妖怪化してちっちゃくなっていたのだ。

小柄で細身の子供が、

コンクリートの地面を手探りで何かを探しており

丸い電柱を手で見つけ出せたのか

おぼつかない足取りで一生懸命、電柱にしがみ付く。

すると、背後から[ここに居たんだね]と優しい声で

呼ばれた事に思わず、目を瞑ったまま弁解しようと

うっかり日向に顔を見せてしまったのだ。

日向「……っ!

あ、あっ…あの〜……そのぉ〜〜〜(赤面する雫)

・・・。

違うんです?!これは〜…とにかく違うんです(雫)

……ごめん。

えっ?(雫)

雪乃さんの事、気付かず置いてったりして(汗)」

雫「ち、違います!!

新條先輩が気付かなかったんじゃなくて〜

私が自分の体力を過信し過ぎて

皆さんのスピードに付いていけなかった

私が悪いんですっ!

決して、先輩達に迷惑をかけたくなくて

私だけ諦めて皆さんに任せておいて

砂ばぁさんに不意打ちを食らった人です(バツ目)

・・・ふん、ハハッ(日向)

へっ?!えっ、な…何ですか!?(焦)」

日向「ごめん、ごめん(笑い泣き)

だって僕の方から問い詰める筈が、

自分で自白するんだもん♪おかしいよ(笑)

う、うぅ〜(赤面+涙する雫)

分かったよ!それ以上は、何も言わないよ。

それじゃあ行こうか、僕達も♪

えっ、でも私は今、足手纏いで〜(焦る雫)

ふん(笑)

その役目は、僕が担うよ。ほら早く乗って!!」

今だに目が見えない雫を気遣って

日向は、優しい声で呼び掛けその場でしゃがんで

雫が来るのを待った。

雫「……あっ。ムッ、お手数…お掛けします(照)」

日向「良いよ♪

あ〜…あと結構、揺れるかもしれないから

縛っておくね!

えっ?!ちょっと待って下さい(赤面する雫)

ごめん。

目、まだ苦しいと思うけど……もう少し待ってて」

と言い、日向はおんぶした状態から

更に黒妖縄で自分の体と雫を固定し

全速力で風を斬り、風圧を調整しながら

3人の元まで走って行く。

その途中、日向は思い出しかのように

雫にある事を頼み始めた。

日向「そうだ、雪乃さん!!

ちょっと聞きそびれちゃった事があって

砂ばぁさんがおそらく雪乃さんに被害が渡った後、

今も尚、逃げている最中なんだ!

それで〜……出来る事なら雪乃さんの力を借りたくて

さっきまで探してた所で。

え、私の事…探されてたんですか!?(雫)

うん。向こうも緊急とはいえ、

雪乃さんが被害に遭っちゃったから

頼るのも申し訳ないんですが……(汗)」

雫「・・・あっ。

私に出来る事でしたら喜んで、手伝いますよ☆

何ですか♪♪♪

……今だけは、本当にごめんね(日向)

いえ、実は私、体力の消耗の問題で

今はたった1回しか使えませんが、

皆さんと早く合流したいが為に

大事にとっておいた切札でしたから喜んでっ!

ホントに…良いの?(日向)

はい、1人なら使える勇気がありませんでしたが

今は新條先輩が側に居ますので思う存分、

お使い下さい!!

・・・うん、僕からもお願いするよ(日向)

はいっ!」

と雫は、元気よく返事を返し

妖気ドームを広範囲に展開させ仁川市まで

水色の膜で覆われたのです。

雫「(えっと〜……砂ばぁさん、砂ばぁさんは

んっ?んっ?!

な、なな何ですか、この尋常じゃない妖力の塊が

街を徘徊しています!?

下手したら、Sクラス相当の妖力量ですよ!!

そんなデタラメな力を取り込んだとしたら

お婆さんは、暴走して…(焦)

あっ、だって……だって干潟(ひがた)村で起こした事は

お婆さんの力だったら…コレは〜対処でき……!)

うぐっ……(汗)

雪乃さんっ?!(日向)

あ、ぁぁ…あっちぃ……です。仁川市にむかっ………」

と言って突然、大量の汗が出てきて

日向の背中でかなりぐったりしながら

後ろが静かになった。

日向(妖力の少ない者、妖力が枯渇寸前の人に

よく現れる症状だ。

実際、妖力は体を動かす上で必要なエネルギーで

シェアする事で体力が増す……のだが、

妖力を使う度に体力までも減り続け

その2つの存在が繋がっている限り

片方が切れれば、何も出来なくなるという

デメリットを兼ね備えているのだ)

ピッ!・・・

誠也、鈴木さん、聞こえる?!

あの後、雪乃さんと会えたんだけど

砂ばぁさんに出会(でくわ)して食らったらしくて

砂ばぁさんの位置を割り出してくれたお陰で

今は、疲れて休んでるよ。

それで場所なんだけど、

仁川市に向かってるみたい!!」

誠也「オッケー、サンキューなっ!日向☆」

蘭「ありがとう♪

また、砂で撒かれて困ってた所だったの。

学習しましょうよ(日向)

だって〜急に来るんだもーん!!!!!!

対処しようもんなら、もうやってるよ」

日向「そうですか。

それでは引き続き、追跡して下さいね!

あっ、捕まえられるんでしたら

よろしくお願いします☆

こっちも御鐘市に入った所なんで、

間に合うと思います!!」

ピッ!・・・

蘭「あ、ちょっと日向くん!?もしもし!

大変だよ、誠也!!

日向くんと話してたら急に途絶えたよ。

私、心配だから行ってくっ……」

誠也「おい!何言ってんだよ、蘭(ジト目)

そんなの普通に向こうから切ったに決まってんだろ。

そんな事より今は、目の前の犯人を捕まえる事だ」

友理「そうだよ!!

えっ?!(2人)

誠也先輩の言う通り、

今は犯人を追いかけてるんだから

無駄口を叩いていないで、ちゃんと走る!」

蘭「は、はい!!(汗)」

誠也「急に、声かけて来んなよな?!

てか、友理…お前、どこ行ってたんだよっ!

さっきから姿が見えねぇと思って

少し探してやったぞ!!

それでも少しなんだね……(汗をかく蘭)

ずっと居ましたよ?(友理

あ〜それ、言っちゃう感じ???

よく言うよな。

自分は、ここに居ないのに居ますって言う奴?

はぁ?!居たのかよ、マジかっ!」

蘭「驚き過ぎだよ、もう早く行くよ〜(汗)」

と言いながら

3人は、未だに屋根移動をしており

体力が化け物の人達が仁川市へ辿り着く。


一方・・・

砂ばぁ「あ、はぁ…あっ……はぁ…ぁぁ(汗)

こ、ここまで来れば

後は民家の庭に侵入し茂みに隠れ抜くのみ!!

ぜい……ぜぃ…ゲホッ……ゲホッ。

流石に年寄りの体にここまで走らさせるとは

あのガキ共を甘く見とったわい!

じゃが、ガキ共の仲間の1人である

一つ目を封じたつもりが、

あんまし良い悲鳴を上げんかったな。

よしっ!

茂みになりすましのは、もう1人狩ってからにして

それから隠れるとしよう。

隠れられる目星は、大体…検討が付いておる。

じゃから問題は……深夜12時に人が居るか…だ。

誰か居ないか?誰か居ねぇか〜?!」

となまはげのような台詞を吐いて

辺りをキョロキョロと見回していると

ヒールのようなコツコツ音が老婆の耳に入った。

それは、老婆の居る場所から

すぐの曲がり角の向こう側へ向かう

綺麗な深藍(ふかきあい)色の長髪を腰まで伸ばした髪を(なび)かせて

黒いロング丈のスカートを履いた女性だったのだ。

その姿を見て老婆は、目をかっぴらいてこう呟く。

砂ばぁ「居た居た〜♪

アレは、洗練されたとても良き上玉じゃないか!?

どんな悲鳴を出すか、どういう感じで顔が歪むのか

気になって夜しか寝られんなぁ〜♡♡♡

さぁ!さぁさぁっ!!

お主の悲鳴を聞かせてはくれぬかっ?!」

女性「んっ?」

誰かに大きな声で制止されたような気がした

女性が振り向く頃には老婆は真後ろにおり、

上に振り上げた砂を握った手を振り下ろす。

女性「ああーーぁぁぁぁぁ!!!!!!(悲鳴)」

蘭「まずいよ!

また、砂ばぁさんの被害の餌食にぃ!?」

誠也「遅かったか?!(汗)」

と悲鳴が上がるのとほぼ同時くらいに

3人と日向達が現場に到着し、

女性と老婆が向き合った状況を目撃した。

すると、次の瞬間!!

老婆が襲うとした女性が体に向けて平手打ちを受け

逆に返り討ちに遭い、目を回した老婆が

誠也達の元へと転がってきたのです。

その場に沈黙が流れ、皆んなの動きが止まる中、

友理だけが女性に向かってこう口を開く。

友理「予定してた時間より

大分、遅かったですね〜[河原先輩]♪」

と口がニコりと微笑みかけ赤い瞳に女性の姿が映る。

2人「……えっ?ええぇぇぇ!?!!!!」

と雫をおんぶしながら日向は、驚いた表情で

目を見開いており、一同は再び固まったのだ。

登場人物、紹介!!・・・


名前:黒井(くろい) 傀来(かいら) 正体:黒鬼(ゴツゴツ2本角)


髪型:短髪(左のもみあげが長め)

髪色:黒髪(もみあげ白メッシュあり)

瞳:黒目

制服:青緑色のブレザー、黒ワイシャツ、

      黒チェック柄ズボン、赤ネクタイ


キャラ解説・・・

妖怪三輪学校高等部の1年生で

姉の津気と長男の傀来、その後ろに魁斗が居て

苗字は違えど、[実の三兄弟]である。

傀来の性格としては、

興味のある事以外は特に淡白な人で

兄弟から離れると単独行動を取る事が多く見られる。

授業は、真面目で予習や復習をしたり

比較的苦戦する事はなく

やり方次第では一度、見てしまえば

すぐにでも修正が効く出来る兄。

だが、サイコパスな一面を持ち合わせている。

姉思いで優しい所もあるが、

下のだらしない弟には

容赦なく厳しく毎回、半泣き状態?!

そんな傀来には裏の顔があり、

実の兄弟でも…いや弟は一応、知っているが

あまり関わりたくないというのが正しいだろう。

例えば、相手が不利になるような証拠を残し

人の弱みに漬け込み、脅したり

少し(ハード)なイタズラを仕掛けては、

相手をビビらせるという悪事を

平然と実行する日々を噛み締めている。

それから〜………

津気の事を[姉(ねえ)さん]とも呼ぶが

傀来の言う[姐(あね)さん]の正体とは、一体???


名前:青井(あおい) 魁斗(かいと) 正体:青鬼(2本角)


髪型:短髪(右のもみあげが長め)

髪色:青髪(もみあげ白メッシュあり)

瞳:青目

制服:青緑色のブレザー、黒チェック柄、

         白ワイシャツ、赤ネクタイ


キャラ解説・・・

同じく高等部の1年生で

姉の津鬼、兄の傀来、弟の魁斗で三兄弟。

性格は、かなりの活発さで

周りの人を巻き込んで振り回しちゃうくらい

問題児で姉好きの弟!!

いつも津鬼と一緒に買い物へ行くものの

お手伝いとしてではなく、

あくまで[お菓子]の為に駄々をこねる策で

姉を困らせるけど、姉は姉で可愛い弟には弱く

津鬼はいつも完敗している。

そんな姉を悩ませる奴には……と

傀来は、わざと魁斗に牙を向け

かなり厳し目に接していたのだ。

これには、魁斗もタジタジで傀来の事が嫌い!

何が原因で傀来が厳しいのかは分かっておらず、

懲りずに津鬼を困らせ続けるのであった。

誰とでも仲良くなれる事を得意とし、

特に男子達が集まっている輪の中に平気で入れたり

友達と話す時も姉に向けるヤンチャさは無く

非常に温厚な性格で男の子らしい一面も。

小さい子への接したが掴めず、苦手意識がある。

ただ魁斗には、

誠也と似過ぎる特徴を持ち合わせており

ちょっと困った部分も引き継がれている。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ