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【完結】勇者殺しの元暗殺者。~無職のおっさんから始まるセカンドライフ~  作者: 岡本剛也
第7章

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第259話 新たな名づけ


 パッと思いつくかと思ったが、案外思いつかない。

 レッドドラゴンの姿を見た方が思いつく可能性があるし、とりあえず会いに行ってみよう。


 俺はベインの部屋を後にし、一階にいるレッドドラゴンに会いに行った。

 やって来た際も元気よく出迎えてくれたが、俺の顔を見るなり飛びついてきたレッドドラゴン。


 それにしても……まったく体が赤くならないな。

 みるみる大きくなっているのは間違いないが、体の色は赤くなるどころか、むしろ黒くなっているくらいだ。


 母親がレッドドラゴンだからレッドドラゴンだと思っていたが、父親がブラックドラゴンなどの別種である可能性が高い。

 もしくは、レッドドラゴンが卵を持っていただけで、まったく関係のない子どもである可能性すらある。


 喜んで尻尾をブンブンと振っているレッドドラゴン?を撫でながら、俺は名前を考える。

 さらに成長したとき、体色が赤でも黒でも問題ないと考えると……血に関する名前がいいかもしれない。


 ブラッド。いや、ブルートはどうだろうか。

 呼びやすいし、俺的にはかなりしっくりきた。


「レッドドラゴン。今日はお前に名前をつけようと思っている」


 頭を撫でながら、レッドドラゴンの目を見てそう言ったのだが、言葉の意味が分からないようで、喉を鳴らしながら首を傾げた。

 まぁ意味が理解できなくとも、名前をつければ劇的に変わるだろうから問題ないはずだ。


「今日からお前の名前はブルートだ」


 レッドドラゴン改めブルートにそう言った瞬間――体の力が一気に抜ける感覚に襲われる。

 ベインのときと同じ……いや、それ以上に魔力が流れ出ていく速度が速い。


 すべての魔力がブルートに流れ出そうになるため、俺は必死に魔力操作でそれを止めようとするが――止まらない。

 焦りで全身から汗が噴き出すが、この危機的状況を打破するため、俺は必死に思考を巡らせる。


 まずは持参したお手製の魔力ポーションをガブ飲みしつつ、周囲の魔力を練り上げて吸収する。

 それでも吸い出される魔力の方が多く、俺は大声でベインを呼ぶことにした。


「ベイン! いるかッ!? いるなら、すぐに来てくれ!」

「グレアム様、お呼びでしょうか?」


 俺の声に反応し、ワープで即座に駆けつけてくれたベイン。


「今、レッドドラゴンに名前をつけたんだが、魔力を吸い出される量が多いうえに止められない。ベインの魔力を俺に分けてくれ」

「分かりました! すぐにお渡しいたします!」


 ベインは俺の右手を両手で握り、魔力を送り込んでくれた。

 左手から流れ出ていく魔力に対し、右手から供給されるベインの魔力。


 最初は送り込まれる魔力の方が多かったのだが、時間が経つにつれて流れ出ていく魔力の方が多くなり始めた。

 流れ出る魔力を抑え込みながら、周囲の魔力、魔力ポーション、そしてベインの魔力を使っても、なお流れ出る魔力の方が多いことに冷や汗が止まらない。


「グレアム様、どうでしょうか!? 魔力は何とかなりますか?」

「い、いや……足りる気配がない。い、意識を飛ばしたら……あとは頼んだ」


 俺の魔力が尽きるまで吸われ続けると察した俺は、ベインにそう伝言を残し、ベインの手を離した。

 そして、もはや魔力を止めることもせず、残っている魔力をすべてブルートに渡す勢いで送り込む。


 体内の魔力がなくなるにつれ、脳がぐらんぐらんと揺れる感覚に陥る。

 久しぶりに感じる命の危機だが、抵抗はせず、すべての魔力を吐き出した。


 その瞬間、俺の視界はブラックアウト。

 上下左右も分からなくなり、そのまま意識を失った。




 目を覚ますと、俺を覗き込んでいる一人の女の子の顔が見えた。

 記憶はぐちゃぐちゃだったが、ゆっくりと意識を失う前の記憶が蘇ってくる。


 ……確かブルートに名前をつけて、魔力をすべて吸い取られたんだったか?

 魔力切れによる酷い酔いを感じながらも、俺は記憶を手繰り寄せた。


「ここはベインの屋敷だよな? ベインはいるのか? ……というか、見ない顔だが誰なんだ?」

「僕はブルート! ご主人様、覚えてなぁい?」

「…………ブルート? あ、あのブルートなのか?」


 まさかの自己紹介に、開いた口が塞がらなくなる。

 見た目は完全に人間……いや、よく見れば額のあたりに角が生えている。


 八重歯も牙のようだし、冗談ではなく本当にブルートのようだ。

 人型になるのではとベインと話していたが、ここまで人型になっていいものなのか?

 ドラゴンの欠片も残っていないその姿に、俺は言葉を失ってしまう。


「そうだよ! ご主人様のお陰でこの姿になったんだ!」

「驚くほどの変貌に、さすがにびっくりしている。言葉も喋れる……というか、ブルートって女の子だったのか?」

「えー! 気づいてなかったの!? ご主人様、ひどいよぉ!」


 ぺちぺちと殴ってくるブルートに、未だに頭の整理が追いついていない。

 早いところベインを呼び、いろいろと説明してもらわないといけないな。



ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。

本日からコミカライズ版の公開が始まりました!!!

担当してくださった村下先生が漫画を描いてくださっており、web版を読んだ方でも楽しめるような素晴らしい作品に仕上がっております!

無料で読むことができますので、どうか何卒読んで頂けたら幸いです<(_ _)>ペコ


↓の画像をタップして頂くと、カドコミに飛びます!

近況報告、X(ツイッター)にて、リンクが張ってあります!

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