46話 夏なのでプールに行こう!②
プールから上がって来た存在は前に垂れた髪を持って後ろに戻した。出て来た顔は見覚えのある顔であった。
「に、仁木さん?!何で見た目貞子みたいになってるの?!貞子ごっこ?」
現れたのは僕の同級生の仁木麻里奈さんだった。
「何でわざわざプールにまで来て貞子ごっこをするんですか……淳志くん。別にあなたがお望みならやってもいいですけど……」
仁木さんはそう言ってスタスタと晃の方に歩いて来た。
「京極くん……なぜ淳志くんが左側だと思ったのか。私とゆ~っくりお話ししましょうか……」
「ヒ、ヒィ……許して貞子様~!」
「だから私は貞子じゃないですって」
そうなぜかすごい気をまとってきたので流石の晃も少し引いてしまう。
しかし来たのは仁木さんだけではない。
「おいおい仁木よ。どこで油を売っているのだと思ったら。淳志と愉快な仲間たちA~Fではないか!」
何か光士郎もやって来たんだが……
「やぁ光士郎。君もプール?」
「あぁ、渋川とアンジェリカに誘われてな」
「二人も来てるの?姿が見えないけど」
「まぁ渋川とアンジェリカは早急に目的を見失い美女の水着鑑賞に行ったし……叩き出されてないといいがな」
えぇ……二人とも中々チャレンジャーだなぁ。
「しかしプールもいいですよね……だって海に行くと溺死した地縛霊がうようよしていて恐ろしいですから……ここはプールなのでそうしたことも少ないです」
「フハハハ!!そうだな。なんせ俺様レベルの猛者がひょっこり海に行くと片手を動かしただけで海が割れてしまうからな!それで怒って海底から姿を現した海を統べしネプチューン神と揉め事を抱えたくはないぞ!」
二人は自分だけの世界に没入しているようだ。まぁ二人とも平和ならいいかな。
「よし!じゃあ一緒にスライダーでも滑りに行くか!」
「え?スライダー?啓馬よお前そんなこと……腕引くな!」
そうして啓馬は僕と晃と光士郎を引き連れてスライダーを滑りに行った。
「ひゃっほーい!」
啓馬が勢いよくスライダーを滑り落ちる。次は光士郎の番だ。
「まぁ……俺様レベルにもなるとこの程度の速さなど静かに止まっているも同然なのだがな……まぁ俺様は優しいから後ろの淳志に次を譲ってやっても……」
中々滑り出さない。光士郎はビビりな所があるので……「早く行け厨二野郎」晃が優しく背中を押してあげた。
「えっ、あっ、ちょっ、うわぁぁぁぁぁ!!!」
光士郎は今世紀最大の断末魔を上げて滑っていった。危ないっと言ったってここ小学生でも滑れるコースだから流石の光士郎でも怪我はしないと思われるが……
まぁそんなことを言う前に次は僕の番だ。覚悟を決めて勢いよく滑り落ちる。
風を切る感覚が心地よいが、それ以前に速い!これ本当に小学生でも滑れるコースなのか?!そんな疑問を口にしながらも僕は黙って身を任せる。
「おぉ~ちゃんと滑ったねぇ~」
上から梨奈さんがジュースを飲みながらニヤニヤしながら言う。梨奈さんの水着はクロスビキニで凄くスタイルがいいし、隣に座る明菜も意外に胸のふくらみが大きくあることが分かる。僕が昔から知ってるだけあって体の成長もすごくすごく分かってしまうのだ。
「何見てるのよ!あっちゃんのエッチ!」
明菜に足で水をかけられる。
「うわぁ!」
「何女子の水着をじっと見てるんですか……変態ですね淳志くん……」
へ、変態?!いつの間にか隣にいた仁木さんにニヤニヤされながら告げられ、僕はビックリする。
「いや…別に変態って訳じゃ」
「フハハ!そうだぞ仁木。貴様の胸など見るほどの物は……」
「光士郎さん。貴方がこのプールで最初の地縛霊になりますか?」
「ご、ご遠慮願おう……」
仁木さんに冷たくあしらわれ光士郎は犬かきで離れて行った。
そう油断していた光士郎を水中から狙うものがいたことにも気づかずに……




