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美波さんには絶対勝てない~低身長小動物男子が高身長女子たちに溺愛されている件  作者: UMA未確認党
8章 美波さんの家で…編

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44/50

44話 美波さんの家に招かれる④そして偏愛

 しばらく遊んでいるうちに時間はいつの間にか経つものでもう昼になっていた。

「あらもうすぐお昼なのね。食堂に行きましょう?」

「は、はい。お世話になります」

僕は美波さんに手を引かれて屋敷の廊下を歩き、広い食堂に着いた。

「今日は麻婆豆腐なのよ。嫌いかしら?」

「い、いえ!凄く大好きです!三食麻婆豆腐でも構わないです!」

麻婆豆腐それは凄く凄い当たりだ。僕の大好物じゃないか!

僕はウキウキしながら椅子に座るって、スプーンですくう。でも…高級な料理って変な味するのかなぁ…そう思って一口入れた途端に止まらなくなった。

何これ美味しい!しかもただ美味しいだけじゃない。どこか親の作った麻婆の味を感じる…

「これ凄く美味しいですね!」

「それはそうね。だってウチのシェフは世界指折りだもの。専門はフレンチだけど一応和洋中何でも対応できるそうよ。まぁ専属料理人なんてそんなものだけれど」

「味も…変な味じゃなくて凄く家庭的で…」

「もしかして私の家が毎日フルコースだと思ってるのかしら?そんなの時々よ。普段はこういう感じで一般的なものも食べるわ。たまにグループの飲食店の新メニューも食べさせられるわ。そっちは当たり外れあるけどね」

美波さんはそう言って微笑んだ。凄く凄く美味しい…しかもすぐ隣に美波さんのお母さんもいるのだ。

「父は仕事の都合で今日はいないのだけれど、母とはいつも一緒よ」

ふぅん孤独じゃないんだね。まぁ当たり前かもしれないけど。

「淳志くん?美味しいかしら」

「は、はい凄く家庭的で…」

「良かったわ。家庭的な味って大事だものね。主人もそうだったわ実家の味を再現すると喜んで食べて…可愛かったわねぇ」

なるほど美波さんのお父さんって婿養子だったのか…ってことは女系相続なのかな?

そんなことを考えているともう食べ終わってしまった。


僕は1時ごろに帰った。

「すみません。お昼までごちそうになっちゃって…」

「構わないわ。また気が向いたら来なさい?そのうち住む家だもの」

「え?!」

「いや何でもないわ。それじゃあね」

「うん、佐竹さんもありがとね」

「はい。学校では秘密ですよ」

「う、うん」

そう言って僕はまた車で家の近くまで送られていった。


淳志が帰った後の神崎家で美波は部屋に入っていた。と言っても先ほど淳志をもてなした部屋ではない部屋だ。美波はクッションに横たわる。

「あ~最高よ。淳志くん♪」

そのまま手を伸ばして抱き枕を手に取る。しかしこれはただの抱き枕ではない。淳志の身長体重抱き心地を研究して作り出した特殊な抱き枕に淳志の写真を被せてあるものだ。

美波はそのまま枕を抱きしめる。

「あぁ何よあの天使…可愛すぎじゃないかしら。あんな美味しいごはんを食べて喜んでいるなんて天使の生まれ変わりよ。盛り付けを手伝っただけとはいえ私が作ってあげたのだもの♪あぁあの顔…あの天使ぃ…」

そのまま恍惚した顔で頬ずりをする。部屋の周囲の三方には淳志の写真が所狭しと貼られており、空いた一方の壁にはテレビ画面が置かれていて。電源を入れるとなぜか会場の机の動画や、家の動画に至っては風呂の中にまで隠しカメラがまわされている。何でこんなことになっているのかについては追々察してもらうとして…

ここは美波の表に出せないコレクションルームであった。彼女が海城淳志を愛で、愛し、守り育てるために作った部屋である。当然淳志はおろか武史や優香にも見せない顔である。なぜなら美波の顔は嬉しさに歪んでいたから…キャラ崩壊の極みである。


「美波…やっぱりここにいたのね」

奥から優子が顔を出してくる。

「あらお母様…部屋に入る時はノックしてくれとの約束ですよ」

「そんなR18の本を隠している中学生じゃないんだから…」

優子は部屋を見回す。

「また淳志くんコレクションが増えたわね…今度は抱き枕まで?」

「自費だからいいでしょう」

「全くあなたは本当に…」

優子は顔を伏せてまた上げると。

「昔の私そっくりね♪」

そう優子も同じ穴の狢だった。彼女もとある年下の男子を偏愛し、家にコレクションを集め…そして家に招き婚約した。それが美波の父親の正体である。ちなみにコレクションは別の部屋に溜まっている。これは美波も父親も知らない場所であった…

「淳志くんの顔見たけど昔の主人そっくりで驚いたわ。親子の遺伝子って似るのね…」

「いくらお母様でも指一本触れさせないわよ?」

「知ってるわ」

優子はそう微笑んで扉を閉めた。美波はまた抱き枕に全身を押し付けて「淳志くん♪淳志くん♪淳志くん♪淳志くん♪」と唱え続けるのだった。

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