41話 美波さんの家に招かれる
翌朝になって僕が家のドアを開けるとそこには美波さんが待っていた。
「おはよう。淳史君♪」
僕は驚いて後ずさる。すると彼女は言った。
「そんなに驚かなくても良いじゃない。」
「だって……」
すると彼女は笑って言った。
「今日は私の家に来るんでしょう?」
彼女はそう言って手を差し出してくるので僕は掴む。
「そうですね。早く行きましょう」
「フフッ良い子ね♪」
僕はそのまま高級車の後部座席に乗せられる。
しばらく僕たちは車の中で揺られていた。
「どうも海城様。私は運転手の乃木と申します」
「よ、よろしくお願いします」
僕は乃木さんに挨拶をしてから美波さんに尋ねる。
「それで……神崎家の屋敷ってどこにあるんですか?」
「そんなに遠い所ではないわよ。この街の郊外に一族の屋敷は建っているわ」
美波さんは僕の手に手を伸ばして捕まえる。
「え?」
「あら……つい手を繋ぎたくなってしまって♪」
そ、そうなんだぁ~。僕はそう思いながら前を向いた。
着いたところは普段僕が出歩くところではなかった。僕や啓馬の家から市街地を挟んで逆側の川向こうなので仕方ないが。目の前には大きな門が立っており、周囲はレンガの塀で覆われている。全体が学校くらいの面積がある場所だ。この広さじゃ固定資産税凄いだろうなぁ……
「いくつか門があるのだけれど。まぁこの東門が一番近いからここから入るわね」
そのまま東門に車が入って石畳の道の途中で止まる。
「では私は駐車してきますので、ここで降りて玄関からお入りになってください」
「お疲れ様」
「お、お疲れ様です!」
僕らを下ろしてそのまま車はどこかに走り去った。
僕たちは巨大な玄関の前に立った。
「ここが美波さんの家の扉……大きいですね」
「まぁ大きすぎて使ってない部屋も多いけれどね。いずれ埋まるわ」
美波さんはそのままノックすると、古代遺跡のごとく扉が音を立てて開いた。
「お帰りなさいませ。美波お嬢様!」
メイド服を着た人や執事服を着た人が一斉に頭を下げる。その姿は圧巻であった。
「お疲れ様。今日は新しい来客を連れて来たわ。いつも話してる海城淳志くんよ」
「よ、よろしくお願いします……」
「初めまして淳志様」
「噂どうりのお方ですね」
「あ、淳志くん。ようこそ」
僕はペコリと礼をすると、皆温かく出迎えてくれた。何かそのメンバーの中に知ってる人がいる気がするんだけど……
「入る前にこの家に上がるにあたって守ってほしいことがあるのだけれど」
「な、何ですか?」
「勝手にうろついて他の部屋を覗かないでほしいの。別に来客用のお手洗いとかは後で教えるわ。色々な資料もあるし、何よりプライベートな空間だしね」
「分かりました」
まぁそれは当然だ勝手に家探ししてはいけない。迷子になるしね。
「まぁまずはお母様に挨拶しましょうか」
「ふぅん…何でお母様に挨拶する必要が」
僕が言おうとしたら美波さんが手でほっぺを挟む。
「そう言う規則になっているのよ。別に彼女の親に挨拶するのと一緒よ」
どこが一緒なの?!美波さんが彼女ってこと?
僕はそう思いながら美波さんのお母さんのいる部屋に案内された。




