32話 もしかしてデート?⑦
ハッと目を覚ましたら、僕は横になっていた。
「あら?起きたかしら?」
上から女神の声が降ってくる。
「は、はい。美波さん…」
頭が柔らかい。眠くなっちゃうよ。と言うか今僕の状態って…膝枕されてる?!
衝撃で飛び起きようとして顔が別のものにぶつかる。
プルン。美波さんの胸だ…僕が何度も沈められてきた僕の頭くらいあるその胸…でも下から見上げると別の景色に見える。何より顔が見えない…
「急に起きると危ないわよ?」
「ご、ごめんなさい」
僕がそう言うと美波さんの手が僕のことを優しくなでる。
「あ、ありがとうございます…」
僕が起きると美波さんはこう言った。
「あんなことで気絶しちゃうなんて…本当にウブな子ね」
「す、すみません」
「でも良いわ。私が運んであげたんだもの。あなたが軽くてよかったわね」
え?美波さんが僕の事を運んだの?!恥ずかしいよ。僕男の子なのに…
「あぁ安心して君の友達たちは良いところが見られたとか言って別の店に行ったようだから。誰にも見られていないわ」
美波さんはそう妖艶な声で僕の耳に話しかける。
「そ、そうですか。じゃあ僕もそろそろ行こうかな」
僕が立ち上がろうとすると美波さんに急に抱きしめられる。
「まだ動いてはダメよ。倒れたばかりなんだから」
「そうなんですか…」
僕はもう一度膝の上に座らされる。そう言えばここってどこなんだろう?
見たことない場所が多い気がするけど…
医務室?にしては少し広すぎる。
「あの美波さんここってどこなんですか?」
「あぁここはね…私の部屋よ?」
「へ?!」
「ビューティー・ウェーブを日本語に直してみなさい?」
ビューティー=美、ウェーブ=波。つまりこのモールって美波さんの名前の事だったの?
「このモールは神崎財閥の所有で後々私が管理する建物なのよ」
彼女はそう微笑む。一体何を言っているのだこの生徒会長様は…何で美波さんがこのモールに自分の部屋を…持ってるかも。だって美波さんってあの世界有数の神崎財閥の令嬢だしビルの一棟や遊園地の一つくらい自分で持っててもおかしくないよね…
「ってことは美波さんは僕を自分の建物に招待したって事?何で…」
僕がそう呟くと僕を背後から抱きしめる腕の力が強くなる。
「それはね…私が」
貴方のことを食べちゃいたいくらい可愛くてずっと一緒にいたい子と思っているからよ♪大好き♡
その言葉の前半を聞いた途端途端全ての音と時間が止まった気がした。
ぼ、僕が可愛い…今までも言われていたことだったけれどこの気持ちは少し違う。何か口で説明するのにも苦労する。分かったことは今後ろにいる先輩は僕のことを何よりも愛らしいと思っていること…
途端思い出したのは僕と美波さんが最初に出会ったあの日の事だった。




