25話 もしかしてこの学園ってラブコメ適正高い?
僕が昇降口で靴を脱いでいると突然後ろから抱き着かれた。
「淳志サン。オハヨーゴザイマース!」
「と、土岐さん!急に抱き着くのは止めてって言ってるでしょ!」
しかしまぁ凄く凄く胸がデカい……
僕から離れたので振り返るとそこには金髪の女子がいた。
「土岐さん。おはよう」
「ハイ!淳志サン!いい加減挨拶のハグはアメリカンの礼儀だと学んでくだサーイ」
「ここは日本だから日本の礼儀であって欲しいな……」
彼女は土岐アンジェリカ。日本とアメリカ人のハーフで中学までアメリカで過ごしていた帰国子女らしい。胸も身長も全部がアメリカンサイズだ……にしても随分とアニメみたいな話し方をするなぁ……と僕は思った。
「日本には慣れた?」
「ハイ!最高デス!ニンジャ!サムライ!ゲイシャ!ユウジョ!」
最後に明らかに如何わしい単語が入ってるけど…まぁ良いか。
「フハハハハ!淳志殿!アンジェリカ殿!おはよう!今日は風が騒がしく、空も陰鬱とした気に包まれているがいい天気ですな!」
この声は……渋川君だ。
「あ!渋川君おはよう!」
「オハヨーゴザイマース。師匠!」
「おぉアンジェリカ殿もお元気そうで
土岐さんは渋川君のことを師匠と慕っている。土岐さんはアメリカにいた時日本のアニメにハマったらしく日本でも大量のオタグッズを集めているとかなんとか……
「昨日の『魔法少女宇宙大戦記~逆襲の彼方に』は履修しましたかな?」
「はい!やっぱりヒロインはエロデース!」
「ムフフ……やはりあの胸のふくらみはあのアニメータならでは……」
「フィギュアのキャストオフも楽しみデース!」
少し悪い方向に行っている気もするけどね……
昼休みに渋川君が僕に話しかけてきた。
「淳志殿はどんなタイプの女の子が好みですかな?」
「えぇ…優しい人かなぁ……」
「愚直すぎますなぁ……男ならばもっとデッカイ夢を持たないと」
渋川君はそうため息をつく。
「夢って具体的に何なのさ」
「それはですなぁ……オタクに優しいギャルですぞ!まぁ現実には存在しませんがな」
「そ、そうかぁ……」
僕は黙ってうなずく。
「まぁだからラノベを読んでるんだけどな……だっていないだろ?朝起こしてくるツンデレ風紀委員とか……」
「う、うん?」
僕はしばらく考える。本当に存在しないのかなぁ……
僕の背後で声が聞こえる。
「あっそこ!髪が乱れてるわよ!」
あれは明菜だな……相変わらずツンデレな所は変わらないなぁ……て言うかいるじゃんこの教室に……
「ねぇ渋川君。普通にこの教室にいない?」
「あ、明菜殿?確かにいますなぁ……でも絵にかいた厨二野郎とかオカルト狂いの少女とかは……」
「光士郎と仁木さんだね……」
「海外から来たデス口調の転校生は?!」
「今朝会ったねぇ……」
「女性ファンが多いイケメン女子は……」
「生徒会副会長だよ…何ならもう一方は関西弁糸目の男だよ」
「何でもできるお嬢様生徒会長……ウチの生徒会長じゃねぇか!」
渋川君は立ち上がる。
「この仙石学園って言うのはまさかラブコメに適した環境が築かれているというのか?!これは新発見ですぞ!後は…後はオタクである拙者に優しいギャルが居れば拙者が主人公属性になれる……」
渋川君はそうつぶやいた。そんなにうまく行くかねぇ……
渋川君は僕の隣に立っていた。
「向こうからウチのギャルズこと梨奈殿と恵麻殿が来ますな……彼女たちはオタクに優しいのかどうか……」
向こうから梨奈さんと恵麻さんがやって来た。二人は僕たちを見つけ走り出した。
「あっ、見つけた~!」
梨奈さんと恵麻さんは僕に抱き着いた。
「やっほーあっちゃん!今日も可愛いね」
渋川君は灰になった。
「ど、どうして……拙者より背が低い淳志殿がギャルにモテるんですぞ……」
倒れる渋川君に恵麻さんがこう言った。
「あのね…背が低いことをバカにしたらモテないっしょ」っと。




