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美波さんには絶対勝てない~低身長小動物男子が高身長女子たちに溺愛されている件  作者: UMA未確認党
3章 文化祭編

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12話 文化祭(準備編①)

 そんなこんなで文化祭の準備はあれよあれよと進んでいった。僕もその流れに振り回されるがまませこせことメイド喫茶の準備に取り掛かる。


「英二!テーブルはどう配置すりゃいい?」


「そのことについては明菜に任せてあるから明菜の指示に従ってくれ」


「りょーかい!」


 英二が晃に向けてそう叫ぶとあちこちから返事が帰ってきた。僕も頑張って重い机を運んで続く。本当は啓馬が居ればいいのだけれど生憎文化祭の出し物はクラスだけで行うものではない。現に部活で出払っているクラスメイトも多いのだ。



「メイド喫茶って準備とか検疫とか大変だよなぁ……」


 僕がそう考えていると、「まぁな。でもさ、俺は結構楽しみなんだよな」

 と、晃が話しかけてきた。


「なんで?」


「いやさ、だってメイド喫茶って男なら1度は行ってみたい場所だろ?ご主人様~ってよ」


「……確かに」


 僕もその意見には同意だった。メイド喫茶は世の男子高校生の憧れだ。僕もその1人だし、でも……


「僕が女装することにならなければね!」


「アハハ行ってこいww安心しろ野球部の先輩方一同には声かけておいたからよ!」


「そ、そんなぁ~!」


 僕が涙目になっていると肩をトントンと叩かれる。


「?!」


 僕が振り返ると恵麻さんがニヤニヤして僕の頬をつついて来る。


「やっと見つけたよあっちゃん!も~、逃げられると思わないでね♪」


「ごめんよ恵麻さん」


「じゃあ早速行こっか」


「……はい。じゃあ晃頑張ってね」


 僕は項垂れて、ギャルたちに力づくで引きずられていく。


「さっ、観念しな!」


「嫌だ~!僕は男だよ~!」


 そんな僕の叫びも虚しく、僕は何故か女子更衣室に連れて行かれた。


「男子更衣室で良いから!」


「別にいいじゃんあっちゃん下手なことするわけないしw」


「うぅ……」


「服脱いで。それとも剥いで欲しい?w」


「じ、自分で脱げますぅ……」


 僕がそう言うと梨奈さんは僕の服を全て脱がせてから、一着のメイド服を手渡してきた。


「はいこれ!サイズはピッタリなはずだよ♪」


「何で僕のサイズを知ってるのさ」


 僕は部屋の隅で隠れながら着替える。2分後




「可愛い~!!」


「ヤッバ可愛すぎんか?写真撮っていいw」


 梨奈さんと恵麻さんに抱きしめられる。


「もう好きにして……」


 僕は諦めた。確かに可愛い福だけど、僕は男として何かを失った気がする。


「さ、後はウィッグね!」


 そう言って別の女子が取りだしたのはなんと金髪ツインテール用のウィッグだった。それを僕の髪にかぶせると……


「はい完成♪」


「か、完成?」


 僕がそう聞くと梨奈さんは笑いながら鏡を持ってきて僕に見せる。


 そこに映っていたのはアニメに出てくるような美少女メイドだった。胸にはパッドを入れているけど……何か渋川君が必死に貧乳に留めようとしていたらしいがそんなこと知ったことではない。これで街を歩いても恐らく僕が男の子だと看破する者はほぼいないであろう。


「こ、これが僕?!」


「そうだよ~。まぁ今は服だけでメイクなんかは本番になってするけどね。もう下手な女子よりかわいい♪」


「これがリアル男の娘デスか!」


 僕が周りを見るとクラスの女子たちはニヤニヤしながら僕を見ている。


「はぁ……まぁわかったよ」


 僕はそう言うしかなかった。女子ってこういう時本当に強いなぁと実感するのだった。


「じゃあみんな!この可愛いメイド君を文化祭当日までしっかり可愛がって女の子にしましょ~!」


 梨奈さんのその宣言で、僕はまた地獄を見ることになるのだった。四方八方から女子の手が伸びて来る。僕は悲鳴を上げることしか出来なかった。


「素体がいいからこのままでも十分映えるね~」


「ちょ、梨奈さん急に頭撫でないで……」


「足もほっそ~い!ちゃんと食べてるの?いいな~」


「ちょっと恵麻さん腕くすぐるの止めて……」


「肌が白い!日本人形みたいです……」


「仁木さんまで~!」


 散々弄ばれた後で僕は教室に戻って椅子に座り込んだ。僕がこんな女子にいいように弄ばれたのは初めてだった。いや、男としての尊厳を失った気分だ。いや元々かもしれないけど……女子たちは別の作業をしているのが見える。


(でもメイド喫茶なんだから見た目だけ良くともダメだよね…確かメイドってこうするんだよね)


 僕は胸の前でハートを作って小さく『萌え萌えキュン♡』と呟いた。


 その瞬間教室内にいた者が男女問わず倒れた。


「あちゃー……淳志、それダメなやつ、ダメな奴だからぁ……」


「へ?」


 細い声で晃が言い残した言葉に僕がキョトンとしていると何故か地面に伏している仁木さんが説明してくれた。


「淳志くん……それは貴方がやると洒落にならないんですよ…先ほど三途の川の向こうに一昨年死去した祖父が見えました……」


「仁木さん彼岸から戻って来て~!てか皆早く戻って来て~!準備は途中だよ!」


 僕はメイド服を着たまま教室のど真ん中で叫んだのであった。(ちなみに叫んだ結果他クラスの一部メンバーも来てまた倒れた)

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