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000 カイ=ヴェルナー

はじめまして。本作品を読んでいただきますありがとうございます!


更新ペース遅めとは書きましたが、GWの間は多めに更新出来そうです!




シュッ―――シュッ―――


爽やかな風が吹き、少年の頬を優しく撫でていく。


そんな中でただ剣が風を斬る音と呼吸音だけがこの広い庭の中に伝播する。


思わず息を飲む程に美しい剣筋を見せるその剣士はまだ15歳の少年である。


カイ=ヴェルナー、その腕は自他共に認める程で、将来が期待される注目の若手剣士だ。


だがカイは正確にはまだ剣士では無い。この国で剣士を名乗るには、15歳になった時に受験可能な『剣士等級試験』で国から『等級』を与る必要がある。そこで『等級』を与って初めて剣士を名乗れる。


『等級』は一等〜五等、そして剣聖と分かれている。だいたいの受験生は五等に収まる。


しかし、稀に受験生の枠を超越した者もいる。それらは三等や四等を与る。カイはその最有力候補者だ。


「精が出るな」


「はい、父さん」


カイは額を流れる汗を拭って、そう短く応える。


ラート=ヴェルナー、カイの父で、国から『一等剣士』の称号を与っているが、現在は一線を退き、国の剣術学院に勤めて後進の育成に力を注いでいる。


一頻りの鍛錬を終えたカイは()()()()()剣を鞘に仕舞い、そのまま芝生に座り込む。


「お前もいよいよ真剣を持つときが近づいて来たな」


「そうですね、俺も楽しみです」


この国では法により、真剣を使用するのは『剣士等級試験』からと定められている。


つまり『剣士』にならない限りは真剣を持つことを国で許可していない。


国の政策として、剣を持つ者は存分に力を振るい、それ以外の者は生産・サービスに従事するなど、しっかりとした区別が為されている。


カイは勿論の事、剣を持ち、その力を振るうことだろう。


「カイ!もう鍛錬終わったのか?」


その声の主は同じく腰に刃を潰した剣を提げ、カチャカチャと音を立てて揺らしながら走ってやって来る。


ヘス=ヴェルナー、カイの双子の弟で、カイには劣るがその剣の腕は素晴らしい物だ。カイが努力の天才ならば、ヘスは天才肌とでも言おうか。


ラートが教えた事を数日でマスターしてしまう、そんな人物だ。


だがカイはその天才肌のヘスをも凌ぐ技量を保有している。その根幹に有るのは途轍もない努力だった。


更にその力を上げているのは二人の研鑽の日々だった。


「カイ、やるか?」


「あぁ、勿論だ」


ふたりは手馴れた流れで鞘にから剣を抜き、構えの姿勢を取る。


「あら、またやってるの?」


長い髪を風になびかせ、その歩く姿はさながら何処かの貴族にも思えるほどの優美さを持つ女性。


テノア=ヴェルナー、カイの母で、『四等剣士』を与る女性剣士だ。元は平民の出であるが、剣の才能があった為に、試しに『剣士等級試験』を受けたところ、見事に『五等剣士』の称号を与えられた。


挙げた武勲は大きな物では無いものの、地道に国に貢献し、『四等剣士』となった。


テノアも同様に一線を退き、後進の育成に力を注いでいる。


こうしてヴェルナー家毎朝恒例の、カイvsヘスの模擬戦が始まった。


カイは毎朝のこの時間がとても気に入っていた。


―――だがそんな日常は突如として音を立てて崩れ去る。







ブックマーク、評価をして頂いた方、そして読者の皆様、本当にありがとうございます!


これを励みに更新を続けていきたいと思います!


これからも私の拙作を宜しくお願いします!



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