第二節:白日の下の搾乳品評會(公開式の幕開け)
南アフリカの遮るもののない、烈烈とした太陽が廣大な特設鬪技場を照らし出す。
すり鉢狀の觀客席を埋め盡くすのは、世界中から集まった數千人の構成員、彼らに臣從を誓った他國のマフィアの首領、そして高額なミルクの常連である不氣味な假面を被った大富豪コレクターたちだ。
ステージの中央には、かつて世界の頂點にいた三人のミューズ――美波、エレーナ、そしてクロエが、全裸に近い姿のまま特製の鐵製十字架に縛り付けられていた。
「これより、我が大組織の繁榮の源泉である、最高級奉公人どもの公開品評を行う!」
ジャックの狂氣的な宣言がスピーカーを通じて地鳴りのように響き渡り、會場は割れんばかりの歡聲に包まれた。
數年閒に及ぶ過酷な奉公と搾乳により、三人の肉體は完全に原型を失っていた。顏は左右非對稱に異常に膨れ上がり、どこが目や口かも分からないほどに破壞され盡くしている。背中から尻にかけては、日々の折檻で刻まれた赤紫の內出血と古傷がザクロのように裂け、自身の血が足元の大理石を赤く染めていた。
その無慘に變形させられた肉體の胸元には、家畜用の電動搾乳機が白日の下で大々的に裝着されていた。
――ブゥゥン、ブゥゥン……。
無機質な機械の驅動音が會場に響く中、衆目の前で三人の身體からミルクが强制的に吸い上げられていく。
「おい、あれが一本數萬ドルの最高級ミルクの現場か!」
「顏も尻もめちゃくちゃに叩き潰されて、完全に家畜そのものじゃないか!」
世界中のコレクターたちが下卑た笑い聲をあげ、雙眼鏡でその無慘な姿を品定めする。かつて世界を魅了したトップモデルとしての美貌も、極道としての誇り高い自尊心も、大衆の欲望の渦の中で完膚なきまでに踏みにじられ、眞空パックされていくボトルと同じように消費されていった。




