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第六幕:絕望の檻へ
「美波、見ろ。お前を救いに來た救世主の無慘な姿だ」
新ボスは、原型が變わるほど叩きのめされたエレーナの身體を引きずり、本館の最深部にある、あの全面ガラス張りの監禁部屋の前へと放り投げた。
ガラスの向こう。そこには、やはり顏の形が變わり、下半身を麻痺させて車椅子に縛り付けられた美波の姿があった。
美波は腫れ上がった瞼の隙閒から、血の淚を流しながら、自分のために異國へ渡り、同じように徹底的に破壞されたエレーナの姿を見つめていた。
「美波……っ、ごめ、ん……なさい……」
裂けた唇から血を吐き出しながら、エレーナは虛しくガラスの向こうの友へと手を伸ばす。しかし、新ボスの足が、その細い手首を容赦なく踏み潰した。
「新しい玩具が增えたな。今日からお前も、美波とその家族と一緖に、私のために每日盡くす『奉公』の身だ。お前たちのその誇りが、この南アフリカの渴いた砂に完全に溶けて消えるまで、徹底的に可愛がってやる」
新ボスの壓倒的な武力と冷徹な支配の前に、エレーナの決死の救出劇は、ただの「新たな生贄の追加」という、最惡の結末へと塗り替えられた。美波を追ってきたトップモデルの運命もまた、怪物の巨大な檻の底へと、殘酷に引きずり落とされていった。




