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漆黑の品評會
「これより、前體制の亡靈であり、我が組織の長を暗殺した大逆人――美波の公開處刑を執り行う」
眩いスポットライトが、新ボスの折檻によって左右非對稱に腫れ上がった私の瞼を容赦なく射拔く。すり鉢狀の觀客席には、昨日まで私を恐れ、あるいは新體制に怯えていた數百人の構成員たちがひしめき合っていた。彼らの目は、一樣に昏い欲望と殘酷な好奇心に濡れている。
私は鬪技場の中央、一段高く設置された鐵製の十字架に、兩手兩足を太い鎖で縛り付けられていた。
衣服はすべて剥ぎ取られ、數ヶ月に及ぶ暴行で變形した私の肉體が、白日の下に晒される。
「だが、ただ殺すだけでは新ボスの無念は晴れぬ」
マイクを握った老幹部が、冷酷な笑みを浮かべて觀客席を見渡す。
「これより處刑が始まるまでの閒、この場にいる全メンバーに、この罪人の肉體を『解放』する。自由にするがいい。かつてのボスの女が、いかに無力で、いかに慘めな玩具に過ぎないか、その身に敎え込んでやれ」
その宣吿が響き渡った瞬閒、地鳴りのような歡聲が鬪技場を搖るがした。
鎖に繋がれたままの私は、逃げ場のない絕望の渦中で、ただその瞬閒を迎えるしかなかった。




