11、大都市に行く前に
おひさしぶりです。新しい物語作ろうと思ってます ファンタジー系になるけど………見てください!
なんか書くのが1か月くらいぶりで性格とか全然違うかもですけど………見てください
「……ほう。昨夜の偵察隊を壊滅させた獣人どもが、たった五人とはな!」
白銀の甲冑をまとった騎士団長が、大剣を掲げた。背後では五十人もの騎士たちが一斉に馬を降り、巨大な魔法陣を街道いっぱいに展開していく。
地面に刻まれた紋様が、青白い光を放った。
「対魔物制圧陣だ。貴様らの魔力を封じ、動きを鈍らせる。大人しく投降すれば、命だけは助けてやろう」
「……魔力を封じる、だって?」
私の狐耳が、ぴくりと動いた。
魔法陣から伸びた光の鎖が、私たちの足元へと迫ってくる。私は反射的に刀へ手を伸ばそうとしたが、その前にネフィが一歩前へ出た。
「ボス、あれは魔力そのものを封じるんじゃない。地面を通じて、体内の魔核へ干渉する術式だ」
「それって、危ないの?」
「かなりね。ピョンが捕まったら、回復魔法も使えなくなる」
その言葉を聞いた瞬間、私の中の空気が変わった。
騎士団長が口元を歪める。
「ようやく理解したか。貴様らはもう逃げられん!」
「逃げるつもりなんて、最初からないよ」
私は静かに刀の柄へ手をかけた。
「ガオ、ミャオ。左右から魔法陣を崩して。ネフィは指揮官の幻を作れる?」
「任せな、ボス」
「了解にゃ!」
「……(コクッ)」
三人が同時に駆け出した。
ガオの姿が風に溶ける。次の瞬間、左翼の騎士たちの間で、黒い影が弾けた。
「なっ、速――」
ガオの短剣が、騎士の鎧ではなく、地面に刻まれた魔法陣の要所だけを正確に砕いていく。風の刃が走るたび、青白い光が次々と消えていった。
「『影の侵食・シャドウバイト』にゃ!」
ミャオが両手を広げると、騎士たちの影が一斉に膨れ上がった。黒い腕のような影が馬の足や騎士の手首に絡みつき、隊列を乱していく。
「くそっ、動けん!」
「魔法兵、あの黒猫を狙え!」
騎士たちがミャオへ向けて杖を構えた。
その瞬間、十人のミャオが街道に現れた。
「えっ、あたいが十人に増えたにゃ!?」
「違うよ、ミャオ。ネフィの幻術」
私が叫ぶと、十人のミャオが一斉に騎士たちへ飛びかかった。もちろん本物は一人だけだが、騎士たちは見分けがつかず、互いに味方を攻撃し始める。
「何をしている! そいつは幻だ、落ち着け!」
「隊長、どれが本物です!?」
「私に聞くな!」
その混乱に乗じて、ネフィがゆっくりと刀を抜いた。
彼女の姿が、騎士団長の背後に揺らめく。
「な、何だ……?」
団長が振り向いた先にいたのは、血まみれの桜雪だった。
「ひっ……!」
幻術だと分かっていても、騎士団長の体は恐怖で硬直した。
「今だよ、ボス!」
ネフィの声が響く。
私は地面を蹴った。
一歩。
たった一歩で、数十メートルの距離が消える。
だが、騎士団長は完全には動きを止めていなかった。幻術を振り払い、巨大な大剣を横薙ぎに振るってくる。
「舐めるなぁぁぁっ!」
大剣が迫る。
私は刀を抜かなかった。
腰を落とし、刃の軌道を紙一重でかわす。大剣が白銀の髪を数本だけ切り飛ばし、背後の岩を粉々に砕いた。
その隙に、私は団長の懐へ入り込む。
「なにっ!?」
柄頭を鳩尾へ叩き込む。
ドゴンッ!
鎧が大きくへこみ、騎士団長の巨体が宙に浮いた。彼は十メートルほど吹き飛び、街道の上を転がっていく。
「隊長!」
周囲の騎士たちが動揺した。
私はゆっくりと刀を抜いた。
刃には、ほんのわずかに黒い炎と白い雷が絡みついている。魔力の消費は、前の大爆発とは比べものにならないほど少ない。
それでも、刀身の周囲の空気が震えた。
「これ以上、魔物の集落に手を出さないで」
私は騎士団全体を見渡した。
「あなたたちが私たちを捕まえたいなら、好きにすればいい。でも、私の仲間や、あの森の魔物たちを傷つけるなら――」
刀を一閃する。
刃は騎士たちには触れていない。
それなのに、街道の中央に走った剣圧が、彼らの盾と武器だけを一斉に切断した。
ガキィン、ガキィン、と金属音が連続して響く。
騎士たちは武器を失い、呆然と立ち尽くした。
「次は、鎧ごと斬る」
静かな声だった。
だが、その場にいた全員が、その言葉を冗談ではないと理解した。
「ひ、ひぃ……!」
誰かが逃げ出そうとした。
その前に、ピョンが両手を胸の前で合わせた。
「えっと……逃げるのは、まだ早いですよぅ」
足元に白い花のような魔法陣が咲く。
次の瞬間、騎士たちの体から力が抜け、次々と地面へ倒れていった。
「ピョン、今のは?」
「少しだけ、眠くなる魔法ですぅ。殺してないので、だいじょうぶですぅ」
ピョンはにこにこと笑いながら、落ちたにんじんを拾った。
ミャオが目を丸くする。
「ピョン、治すだけじゃなくて眠らせることもできるのにゃ!?」
「えへへ……薬草を煮るとき、眠くなる葉っぱを使うのでぇ……」
「それ、意外と怖いにゃ……」
やがて、街道には立っている騎士が一人もいなくなった。
私は鞘に刀を収め、倒れた騎士団長のもとへ歩み寄った。彼はまだ意識を失っている。けれど、胸元に光る徽章の裏側から、微かな魔力の反応があった。
ネフィがそれに気づき、団長の首元から小さな黒い結晶を取り出す。
「通信用の魔導具だね。こいつを使えば、王都と連絡を取れる」
「王都と……?」
「ああ。しかも、ただの通信具じゃない。記録が残っている」
ネフィが指先に闇の魔力を流すと、黒い結晶の中から男の声が響いた。
『第二偵察隊が壊滅。九尾の正体は不明。ただし、白銀の狐耳を持つ少女と、四体の獣人が行動を共にしている模様』
続いて、別の声が重なる。
『対象は交易都市エルグランへ向かっている。都市内の協力者に警戒命令を伝えろ。異世界遺物の搬送記録も、すべて封印する。特に、神代結衣という名の少女については――』
私は息を呑んだ。
結衣の名前が、はっきりと聞こえた。
『王都への移送を最優先とする』
「……結衣が、王都にいる」
胸の奥で、闇と光の魔力が同時に脈打った。
ミャオが険しい顔で騎士たちを見下ろす。
「王都に連れて行かれるってことにゃ?」
「その前に、交易都市を通るはずだね」
ネフィが結晶を握りつぶした。
「なら、エルグランへ急ごう。結衣が王都へ運ばれる前に、あたしたちが先回りする」
ガオが無言で頷く。
ピョンも、にんじんを両手で抱えたまま、決意に満ちた顔をした。
「結衣さんを、助けに行くですぅ」
私は街道の先を見つめた。
遠くに、交易都市エルグランの城壁が見え始めている。夕闇の中で、無数の灯りが不気味に揺れていた。
「待ってて、結衣」
私は刀の柄を強く握りしめる。
「今度は、私が絶対に助けるから」
こうして、神獣の眷属レガリアは、初めて人間の大規模部隊を退けた。
しかし、彼女たちはまだ知らなかった。
交易都市エルグランには、異世界から召喚された勇者たちの一人が滞在していることを。
そしてその勇者が、桜雪と同じ学校の制服を身につけていることを――。
「すごい!おっきい!」
(魔物の里とは比べ物にならないくらいの大きさだなぁ。)
私が目を丸くしているとネフィ




