1、白狐現れる
こんにちは!作者の舞です!こういうの書くの初めてなんで少し下手な部分があるかもしれませんがそこはセーフでお願いします。
では本編へ!
「……結衣ッ!!」
自分の叫び声で、私は目を覚ました。弾かれたように上半身を起こそうとして――激しい違和感に、言葉を失う。視界に入ったのは、アスファルトの道路ではなく、見たこともない巨大な樹木が群生する深い森。そして、地面に突いた自分の「手」だった。いや、手じゃない。それは、白銀の美しい毛並みに覆われた、ふかふかとした肉球を持つ「獣の前足」だった。
「え……? なに、これ……?」
慌てて自分の体をあちこち見回す。人間の衣服を着ていたはずの体は、しなやかな白い狐のそれへと変わっていた。さらに後ろを振り返ると、自分の体よりも大きな、圧倒的なボリュームを持った『9本の尻尾』が、私の動揺に合わせて激しく波打っている。
近くの濁った水溜まりに駆け込み、水面を覗き込んだ。そこに映っていたのは、神秘的な黄金の瞳を持つ、息をのむほど美しい「白狐」の姿。
「私……狐になってる……? 嘘でしょ、なんで……?」
頭が混乱で破裂しそうだった。記憶を必死に手繰り寄せる。学校の帰り道。トラックが突っ込んできて、私はとっさに親友の結衣を突き飛ばした。衝撃と、激しい痛み。そこで私の記憶は途絶えている。
「私、あの時死んじゃったんだ……」
だとしたら、なぜ私はこんな姿で生きているのだろう。自分の胸の奥に意識を向けると、そこには言葉にできないほどの巨大な「力」が渦巻いているのが分かった。冷たくて深い【闇】の感覚と、温かくて眩い【光】の感覚。相反する二つのエネルギーが、私の心臓の鼓動と一緒にドクドクと脈打っている。
私はただの女子高生だ。魔法なんて知らないし、戦い方だって分からない。それなのに、この肉体は、自分が世界をひっくり返せるほどの「規格外のバケモノ」になってしまったことを、本能的に理解させてくる。
「戻れないんだ……」
ぽろぽろと、狐の目から大粒の涙が溢れ、水溜まりに波紋を作った。もう、大好きなお母さんのご飯も食べられない。結衣やみんなと、学校の教室でバカ笑いすることもできない。
私は本当に死んで、一人ぼっちで、人間じゃない何かになってしまった。静まり返った森に、私の切ないすすり泣きだけが響く。しかし、その静寂を切り裂くように、下品な人間の声が近づいてきた。
「おい、見ろよ! 斥候の報告通りだ。こんな浅い森に、見たこともない激レアな魔物がいるぞ!」
「マジかよ、あの白銀の毛皮、国に持っていけば一生遊んで暮らせる財産になるぜ!」
茂みをかき分けて現れたのは、ギラギラした武器を持った、いかにも柄の悪い人間の男たちだった。
「ヒャッハー! 運がいいぜ、仕留めて剥ぎ取るぞ!」
男の一人が、容赦なく鉄の大剣を私の頭めがけて振り下ろしてくる。迫る刃。しかし、私の心の中にあった「悲しみ」は、その瞬間、理不尽な暴力に対する「激しい怒り」へと変わった。
「(ちょっと……人がせっかく悲しんでたのに、なんなのよ、こいつら……っ!)」
ドカァァァン!!!
大剣が私の額に直撃した瞬間、鋼鉄が粉々に砕け散る凄まじい音が響いた。私のモフモフの毛皮には、傷一つ付いていない。
「は? 俺の剣が……砕けた!?」
「怯むな、魔法で焼け!」
「近寄るなァァァァァァッ!!」
私が怒りのままに吠えた。その瞬間、私の体から、すべてを飲み込むような「黒い炎(闇)」と、天を貫くような「白い雷(光)」が同時に噴き上がった。それは、私自身の感情の暴走だった。闇の炎と光の雷が螺旋状に混ざり合い、凄まじい大爆発を起こす。
ズガァァァァァン!!!
地響きと共に、目の前の森の木々が数百メートルにわたって一瞬で消し飛び、綺麗な更地が出来上がった。男たちはあまりの衝撃波に遥か彼方へと吹き飛ばされ、星となって消えていく。
「はぁ、はぁ……」
あまりの破壊力に、私自身が一番呆然としていた。
「私、一体何になっちゃったの……?」
呆れると同時に、お腹が「きゅ〜」と情けない音を立てた。どうやらこんな体になっても、お腹は減るらしい。水溜まりに映る自分の狐の顔を見つめる。耳がピコピコと動き、9本の尻尾がふさふさと揺れた。
「……よし。泣いてても始まらない。もう元の世界に戻れないなら、この新しい体と、このわけのわからない強い力で、誰よりも自由に生き抜いてやるんだから!」
こうして、現代から転生した少女・桜雪は、自分の体に眠る「闇と光」の力を手探りで受け入れながら、異世界での第一歩を踏み出すのだった。
みなさん1話どうでしたか? 私的には結構自信あるんですけど‥ 楽しんでいただけたら幸いです。
それと多分ですね5話くらいから面白くなってくるんじゃないかなぁなんて思ってます。
一日に一個は投稿すると思うんでぜひみてください




