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【1】大天使ガブリエル、ハリウッドから夜長姫ワールドへ

大天使ガブリエル、またも“わがままボディ”で爆誕!

しかも今回は――まさかの異世界転生!?

転生先は、ジャパン昔話『夜長姫』の世界だった!


待ち受けるのは――

✔ 暑苦しすぎるリリカル感性地獄の王ルチアーノ

✔ 真面目が過ぎて棒読みになる大天使ルシアン

✔ 金の亡者にして地球最強魔女イレイナ

✔ 守銭奴ギャルハッカーのロクシー


神の命「聖人誕生を見届けよ!」を果たせるのか!?

それとも意味不明脚本に振り回されて☆になるのか!?


シリアスほぼゼロ、恋愛ほぼゼロ、ギャグ全開の爆笑外伝!

肩の力を抜いて、異世界昔話ギャグライドをどうぞ♪


※坂口安吾『夜長姫と耳男』をモチーフにしていますが、原作を知らなくても楽しめます✨

――天は静まり返り、御座を囲むのは無窮の光。

私は大天使ガブリエル。畏れ多くも、今、神の御言葉を賜った。


「地上に降り、聖人の誕生を見届けよ」


その響きは大いなる法螺貝のように天を震わせた。

だが続く御声は――なぜか妙に説明が多かった。


「ただし、この聖人は偉大ゆえ、必ずしも聖人になれるとは限らぬ。

誰が聖人かも、まだ決まってはいない。

分かっているのは、アメリカのカリフォルニア州である……それだけだ」


カリフォルニア!?!?


「さらに――悪魔、魔女、魔物らが妨害するやもしれぬ。

ゆえにお前の恩寵は一度すべて消す。

そして聖人誕生の祭に、その聖人と共に戻れ」


私は感涙にむせんだ。なんと崇高なる使命!

すると、慈悲深き神は更に告げられた。


「だが恩寵を完全に消すのは忍びない。

そなたにもう一人、大天使を付けよう。希望はあるか?」


「な、なんとありがたき御慈悲……!

では――実直な大天使を……!」


心では言いたい。もっと!もっと頼りになる大天使を!

だが、神の御前で過度な要求など、口にできようか……!


――そして、私は私の器"アンジュ"の自宅、ハリウッドへと飛んだ。


アンジュは全米NO.1ランジェリーモデル。


SNSのフォロワーは8000万人。


故に、地上で混乱が起きぬように私はアンジュの"化身"を地上に残し、活動させていた。


アンジュの全ての思考、行動は全て私が把握している。


しかし…ランジェリーモデルとやらは忙しいのだな…


化身は"アンジュ"の魂を元に作りあげたが、アンジュは働き者だ!流石、私の器になっただけはある!


しかも敬虔なクリスチャン!


性格も良い!


しかもモデルをしながら大学も卒業している!


……だが、10代からパリ、ミラノコレクションのランウェイを歩き、ブランドのミューズとして生きて来たアンジュは孤独だった…


まあ、そこも、私の器らしい……!


孤独に耐え、勤勉であり労働に勤しむ!


ところが――


化身のアンジュに友達が出来た。


そう!あのロクシーとか言うハッカーだ。


ロクシーは守銭奴なのに、なぜか交通費を支払ってまで、週に一度はアンジュの化身に会いに来ては、"女子トーク"に花を咲かせている。


まあ、それも良い。


アンジュの化身に友達が出来て、私も人間らしさを学んだし、これからの活動に活かせるだろう。


そんな希望と聖なる使命に胸を高鳴らせてアンジュの家に降り立つと、アンジュの化身は瞬時に消え、私と同化した。


が――


その瞬間――真面目くさった声音が響いた、


「アンジュ様。神の命により、アンジュ様のお世話係を命じられました」


ギャー!!ルシアン!?

確かに!確かに……!「実直な大天使」と言ったけど!?

よりによって、ルシアン!?!?


そこへ突然、ルチアーノの声が響き渡った。


「ルシアン……!!やはりアンジュちゃんを諦められないんだな!?……尊い!

ズッ友の辞書に“諦め”の二文字はない!!

俺様が今度こそ初恋を成就させて見せるーー!!リリカルーー!!」


どこから現れたのか、彼は水晶玉を胸に抱きしめ、目を潤ませていた。


ルシアンはいつも通りの無表情。


「アンジュちゃ〜ん!」


ガヤガヤと階下から駆け上がってきたのはロクシー。

手には買ったばかりの有名コーヒー店のカップを二つ抱えている。


「今日は女子会しよ!ついでにWi-Fi貸して!

てか暗号化してる?弱いとハッキングしたくなるんだけど!」


そしてイレイナの声が響きわたる。


「今こそ、広告代理店を立ち上げる時!」


ドレスの裾を翻し、目をギラギラと輝かせていた。


「アンジュ、あなたには稼ぐ素質がある!

まずはそう…ランジェリーブランドから始めましょう!市場は巨大よ!

私の広告塔になりなさい!報酬は折半よ!」


……。


五人は顔を見合わせた。

次の瞬間、床下から光が迸り、部屋全体が揺れ出す。


床板がきしみ、窓の外のパームツリーまでも光に吸い込まれていく。

カップのコーヒーが宙に舞い、Wi-Fiルーターが悲鳴を上げた。


「どういうことなの!?」

「ま、待って!まだズッ友の誓いも済んでないのにー!!」

「Wi-Fiーーー!!!マジで死守してーー!!」


轟音と共に、光の渦が五人を飲み込み――

気づけば彼らの姿は、跡形もなく消えていた。

ここまでお読み下さり、ありがとうございます(^^)

明日も17時更新です☆


Xはこちら → https://x.com/himari61290

自作のキービジュアルやキャラクターカード貼ってます♪


\外伝の元ネタはこちら✨/

『最強捜査官』本編 → https://ncode.syosetu.com/n2892lb/

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