1 どうやら小説家らしい
「先生!原稿を下さいっ!」
チャイムが鳴ったので出たら理不尽に出会った
いやね、日曜の昼下がりにコタツでゴロゴロしていたんよ
せっかくの休日だからね
全力で満喫するのがサラリーマンとして正しい姿だよ
そしたら
<ピンポーン>
と玄関のチャイムが鳴った
だれじゃい?
せっかくの怠惰な休日を中断されたので少し、いやかなりムッとしながら玄関のドアを開けた
そうしたら見たことがない人が立っていた
そしておもむろに原稿を寄越せと言われた
「・・・は?」
あまりの非常識さで頭がマッシロになった
返事ができたことに対して、自分で自分を褒めたい
・・・我ながらよく返事ができたものだと思う
話についていけなくて茫然としていると
「はあ~っ、またですか」
とため息をつかれた
いや、ため息つきたいのはこっちなんだが?
そう思っていると
「はいはい、わかりました、とりあえず入りますよ、詳しい話は座ってからしまようか」
身体をグイグイ押されて押し込まれ、気がつくとコタツで向かい合わせで座っていた
・・・なんか手慣れてないか?
そこでなぜだか、見知らぬ人から、オレの名前と年齢と住所、小説家としての経歴に至るまで一気呵成に説明?解説?された
「ちょちょっと待って!オレサラリーマンだから!」
最後の職業の所が間違っていたので訂正をいれてみた
どうやら近所に同姓同名の人がいて勘違いされたらしい
だったら納得だよ
そう思っていたら違っていた
「3年も担当をしていて、何度も原稿を取りに来ているので間違いでないですよ?」
だってさっ!
そこでようやく理解した
これは異世界モノだということに
・・・しかし異世界にしてはしょぼくね?
普通、剣と魔法の世界が定番でしょ?
それなのに同じアパート、同じ姿、職業だけが違うという、ちょっとだけ異なる世界
いくらトラックに轢かれて(死んで)ないからって神様に出会うイベントも、そこで特別な能力を貰うってチートもなしってどうかと思うぞ?




