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婚約披露パーティー END

いままでお付き合いくださった皆々様ありがとうございました!

最終回です!

 私がマクスさんの婚約者になるのに三年の歳月がかかった。

 勿論、何の問題もないはずだったのだが侯爵家に庶民が嫁入りするって言うのは世間体が悪いと周りが騒ぎ結局三年かかってしまった。

 特にお父さん。

 ただ、嫁にやりたくなかっただけだと思う。

 私は目立たないように三年の間学園に通った。

 飛び級出来るって教師たちは言ったけど、エリザちゃんとエンジェちゃんと仲良くしたかったから飛び級なんてしなかった。

 学園卒業にともない、リリックの家の侯爵家で婚約披露パーティーをすることになった。

 私の貴族マナーなどなどは三年間エリザちゃん達が徹底して叩き込んでくれた。

 エンジェちゃんに何度〝鬼エルフ〟と叫んだことか。

 初代鬼エルフに沢山慰めてもらった。

 だって、アーク様の淹れる紅茶は癒されるから………

 話しを戻そう。

 パーティーの日招待されたのは貴族の人達。

 勿論、私を目の敵にしていた男爵令嬢も招待されている。


「あの人が侯爵家の長男だなんて!何で言わなかったのよ貴女!」


 お祝いの挨拶をしてくれる人達の中から現れた男爵令嬢に私も周りもビックリした。

 婚約披露パーティーでなに言ってるんだこいつ。

 私の隣で挨拶をしていたリリックに男爵令嬢はニッコリと笑顔をむけた。


「お久しぶりです」

「………はあ、どこぞでお会いした事がありましたか?」


 ああ、リリックってば全然覚えていないんだ。


「娘は魔導師団にストレート就職をするエリートでしてね。私の自慢なのですよ」


 そこに、男爵令嬢の父親らしき人が現れて男爵令嬢の肩を抱いた。


「庶民なんかと婚約せずとも、私の娘なんて貴方に相応しいと思うのですよ」


 男爵の言葉に周りがザワリとした。


「リリック様も魔導師団にストレート就職をしていましたよね?エリート同士お似合いだと思います」


 男爵のニヤニヤ顔に私は口元がヒクヒクしたのが解った。


「いえ、自分は小鳥を愛していますので他など考えられません」


 リリックは満面の笑みを張り付けて言った。


「それはそれではないですか?普通に考えて、庶民相手なら妾でも構わないのでは?侯爵家の長男が庶民を正妻にすえるのは些か世間体が悪いでしょうに………その点家の娘はエリート、正妻に相応しい」


 力説する男爵に有力貴族様達が呆れたようにため息をついた。

 けど、男爵は気が付いていない。


「自分は妾をとるつもりはありません。小鳥がいてくれるのなら何もいらないのです。小鳥と結婚できないのなら、侯爵をやめます」

「リリック大袈裟に言い過ぎ」

「真実です」


 リリックは私に視線をうつすとヘニャっと笑った。

 か、可愛いじゃないか!

 最近、リリックは私がその可愛い顔にキュンキュンしていることに気が付いている気がする。


「貴女、立場をわきまえなさいよ」


 男爵令嬢の言葉に私は思わず言ってしまった。


「エリートだから、何ですか?」

「はぁ?」

「エリートだから男爵ごときで侯爵家の嫁になれる。そう言ってるんですか?」

「そうよ!」


 私は冷たい笑顔を男爵令嬢に向けると言った。


「じゃあ、一戦まじえますか?貴女が勝ったらリリックのことは諦めてあげても良いですよ。その代わり、殺しちゃったらごめんなさい」


 その場の空気がヒヤリとしたのが解った。

 私の殺気にあてられてしまったのだろう。


「小鳥、止めときなさい」


 私を止めたのはアーク様だった。


「男爵、すみませんがこの話しは無かった事にしてもらえますか?」

「アークライト様、この話しはあの小娘から言い出した事ですので納得いくまで戦わせれば宜しいかと思いますが」


 ゲスい笑みを浮かべる男爵にアーク様は苦笑いを浮かべた。


「僕はやらない方が良いと思いますよ。小鳥は国が驚異と認める実力者ですから」

「へ?」


 アーク様は私の所まで来るとニコッと笑った。


「彼女はどれぐらいで倒せますか?」

「一瞬」

「だ、そうですよ」


 男爵がキョトンとしているなか男爵令嬢が怒ったように言った。


「アークライト様、私はエリートなんですよ!」


 アーク様は困ったような笑顔を作った。


「だから?」

「えっ?」

「君は優秀かもしれない。でもね、小鳥は天才だ。小鳥は年齢が一桁の時から国の中心を担う魔法関連のエキスパートですよ。君レベルが百の束でかかったって一瞬で勝てるだけの実力者です。言うなれば、小鳥は庶民と言う名の最強兵器ですからね」


 おい、鬼エルフ!人聞き悪すぎて殺意が生まれるぞ!


「最強兵器?」

「君のために言ってるんです。小鳥にケンカを売るなんて自殺行為は止めることです」


 自殺行為。

 そうかもって本気で思った。

 今やお母さんにも勝てる私だ、男爵令嬢が束でかかって来ても瞬殺できるだろう。


「君は己をエリートって言ってましたがエリートとは小鳥のような者を言う言葉ですよ」

「でも!」

「小鳥が本気を出せば国王ですら二つ返事で言うことを聞くのに君は勇敢ですね」


 男爵令嬢以外にも私の存在を知らなかった人達皆が真っ青になったのが解った。


「私は国王に何か望んだりしないよ」

「いいかげんマクス氏との婚約を認めるように小鳥の父親を説得したのは国王じゃ無かったですか?」

「………何で知ってるの」

「僕を誰だと思ってるんです?」

「腹黒鬼エルフ」

「怒っても良いんですよ」

「ごめんなさい」


 アーク様は私の頭を撫でるとリリックの前に立った。


「小鳥を幸せにしないと許しませんよ」

「勿論、心得ています。アーク様にも早く春が来ることを祈ってます」

「僕から小鳥を奪っといて良く言いますね」


 リリックは幸せそうに笑った。


「小鳥を宜しくお願いします」

「はい」


 何だかアーク様とリリックが仲良してムカつく。


「小鳥、なんて顔してるんです」


 ふてくされた顔をアーク様に指摘された。


「だって、アーク様とリリックが仲良しなんだもん」


 私が言った言葉にリリックが何故か赤くなった。

 何事だ!


「小鳥が嫉妬なんてするからマクス氏が照れちゃったじゃないですか」


 アーク様が呆れたように言った。

 な、なんだと!可愛いじゃんか!


「リリックが可愛くてツラい」

「あんな、でっかいのが可愛く見える小鳥の目はどうかしてる」


 アーク様は私の頭をポンポンしていまだに青い顔をした男爵と男爵令嬢を連れてさっていったのだった。




 こうして私とリリックの婚約披露パーティーも無事に終了した。

 エリートエリート騒いでいた男爵令嬢は国の中心貴族達に目をつけられてエリート街道を踏み外し、地方に左遷されたらしい。


「リリック!」


 婚約してもリリックは仕事が忙しくてデートもまともに出来なくて、侯爵家でマッタリするお家デートばかりなのは不満だ。


「何でしょう?………ちょっと待って下さい。もう少しで一段落しますから」


 家にまで仕事をもって帰ってくるのも不満だ。

 漸く一段落つけて私に近づいてきたリリックに私は背伸びをしてキスをした。

 いまだに大人なキスは自分からは出来ないけど、いまだに軽いキスを私からすると真っ赤に染まるリリックは気に入っている。

 

「小鳥」

「キスしたかっただけ~」

「ああ、もう………愛してます」

「私もリリックを愛してます」


 リリックは更に真っ赤になって私を抱き締めた。

 

「可愛すぎて心臓がもたない」


 私を抱き締めながら私の頭を撫でるリリックにしがみつきながら私はこれからもずっと続く幸せを噛み締めるのだった。



        END

 


最後までお付き合いありがとうございました!

次の作品もすぐに更新したいと思います!

よろしければ、またお付き合い下さい。

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