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『貴女はお姫様よ』

 大きなお屋敷のご主人様。

 たくさんの使用人、綺麗なドレス、大きな庭のこぼれる花。

 どれもみんな、お姫様のもの。

 小さな可愛いご主人様。

『じゃあおかあさまもおひめさまね』

『ふふ、ありがと』

 優しい香り。

 そこにもうひとり。

『おにいさま、いらっしゃい』

『やあ、元気にしていたかい?』

 綺麗なおにいさまが、ときおりお姫様を訪ねてくる。とびきりの笑顔。

『今日はね、私のお友達を連れてきたよ。お前も友達になっておくれ』

『ええ、もちろん。おにいさまのおともだちはわたしのおともだちよ』

 なにひとつ疑うことを知らないお姫様は、純真に答える。

 おともだちは、深い紺碧のひとみをお姫様に向けた。

『彼の名前はね』

 なまえ、は……。


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