デスアンドゲーム
『17話 人生』
「ロードスは、この世界が楽しいの?」
相変わらず僕は。
VRR-MMO ダンジョンアンドドラゴンの、
情報収集命令(総長 ベルカーナジヤによる【てこの原理】)で人生相談係である。
「いいや。そうじゃない。」
僕は知らない相手に言葉を続ける。
「この世界は・・国がうそつきで成り立つ場合があるんだ。」
実際はそんなことは知らないが。
僕は言葉につまづかないように人生相談係(情報屋 ギルド ベルカーナジヤ)をやっている。
「よーく、うそつきになれるもんだ。」
マーキュリーは感心しながら感動もの、だとそう言った。
マーキュリーは先輩のはずなのにうそをつくと。
うそつきになるのが誇りを汚す、という話でダメらしい。
「ちゃんと話そうとはしてる。犯罪者の良心じゃない善意ぐらいある。」
そう。僕は。
犯罪者ではない。
そして。
犯罪者の犯罪美学や、
犯罪者の良心なんてものも理解したくない。
「でも。ロードス。僕らは祈っている祈りではないから、心が痛むよね。」
マーキュリーはそう言う。
本当に先輩といえば先輩なのに。
なんか気分が僕のほうこそ悪くなった。
「マーキュリー。じゃあ、【練習訓練試合】で勝たせてくれ。」
そう。
そうである。
正義に目覚めて、
必殺技一式型袋叩き(集合攻撃?)にあうのは、いつも僕のほうなのだ。
【結局のところ。犯罪者あつかいの『練習訓練試合』は僕が勝てるところでマーキュリーがいつもの正義必殺技に目覚めて勝った。】
~続く~




