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第四話 魔法道具と黒い影


 大広間では、こころのレベルMAXやインキュバシタンボルグへの転生志願発言にざわつき始めていた。


 優秀クラスのラウクが言う。

 「あいつがレベルMAXだと!」


 神々は驚いた。

 「そんな、ありえませぬ!」

 「メティス様!恐れながらこれは何かの間違いでは……?」


 優秀クラスのシェルダーが言う。

 「長さより濃さ……もしそれが本当とすれば興味はある。」


 普通クラスのメイラが言う。

 「犬の下界年齢21才まで生きた私が普通クラスの理由てそんなわけ!?っは!ありえませんわ!」


 メティス様に使うトップクラスの魔術師、レオナディールが言う。

 「憶測ですが、結果だけを求めていたら近道しようとして本当の大切さに気づけないところに、あの子は気づいていたのかもしれませんね……」


 またラウクが口にした。

 「なんにせよ、インキュバには行けねーよ!あそこは剣士よりも強くなけりゃな!成績トップの俺、このラウク様でも何回か志願したが無理なところさ!もはや悔しくもないぜ!っま一応今回も志願するつもりでいるけどな!」


  剣士や魂達の色んな言葉が飛び交う中、メティス様を囲む使用人達までもがバカにするようにくす笑いをしていた。

  インキュバに転生できる確率はもちろん成績も関係してくるが、一番大事なのは魂が転生中に次元を移動できるほどのバイタリティーを持っているかが問題である。

 もし耐えられず転生に失敗した場合、元の天界へ戻ってしまうのか、魂自体が消えてしまい本当の意味での無になるのか、或いは一生を時空間に閉じ込められてしまうのかの3つに当たる。


 動物天界にも人間天界同様、階級が存在する。

 良き行いをしていれば下界で過ごした魂達と過ごすことはできるが、その道を選ぶ事を拒む者も多い。

 理由はただ一つ、動物天界の一つ上の階級。

 言わば天国と言う場所だ。


 今のこころ達、見習い魂から天使に昇る事が許されるのだが、そこでは下界での記憶を持ちながら好きな食べ物を食べる必要がなく、何かを得ようとする意識も遠のいてしまう為、一生ひなたぼっこでもして暮らすしかないような場所であって、下界での欲の記憶を消さない限り、ある意味苦痛なのである。


 それに動物天界の魂達は前世の記憶は消せない。

 というか消させてもらえないのだ。

 その為、天国を選ばすに転生を好む者も多く、メティス様の様な神や人間になる為に何百年何千年何万年修行をする者もいる。

 天界からしたら大した年数でもないのだ。

 それに、こころにはインキュバに志願する条件が満たされていた。


 愛情、信頼、幸せレベルはMAXである。ブルーの瞳の力が魔王軍と対等、もしくはそれより上の魔力と聖力が備わっていた。

 下界ではそれをチートと言う言葉がある。

 なぜこころの左目、ブルーアイズにそれ程の魔力が宿ったのか未だ謎ではあるが、最強なのは確かであった。


 「ココロ、たくましくなりましたね。私はココロが願うのであれば旅をしながら、もしくは普通に暮らしながら転生先で下界のお母様たちにまた巡り会えることを信じていますよ。必ず。魔王軍との鉢合わせがなければ安心なのですが、、、にしてもこころがインキュバシタンボルグに転生することになるなんて、何かの巡り合わせがあるのかしらね。ココロの転生に関しましては、私が言うのですから誰も文句はありませんね」


 「メティス様がそうおっしゃるなら……。」

 使用人や剣士はそう口にした。


 「お、おれのインキュバへの志願はどうなるんですか!」


 優秀クラスのラウクが叫ぶ。


 「ラウク、今回はココロだけよ。というより今はココロ以外あの時空は越えられないの。自身が持つ最大限のエネルギーが魔王や神クラス、それ以上に備わっていないと時空間で魂も消え本当の意味で無になっちゃいますよ、、、。」


 インキュバに志願するつもりでいた他の魂は青ざめた顔をして諦めざる終えなそうな表情を見せていた。


 「最早成績の問題じゃないじゃないか……というか成績はただの形で、結局必要なの次元を越えるためのエネルギー……これは先が思いやられる……」


 ラウクは転生の為に今まで積み上げてきた努力の意味を失ってしまったかのように青ざめながら呟いていた。


 「ラウクは真面目なのですが、成績に寿命は実の所あまり関係してこないのですよ……本来の目的を忘れずに、次は人間や他者の為に何が出来るか、相手を思う心が十分備わっていれば、身体の中にあるエネルギーの層は次第に増していくわ」


 ラウクは難しそうな顔をしていた。

 メティス様はそういうと、両手を上に上げはじめ、でかい魔法陣を天上に放ち呪文唱え始める。


 「……ディメンシオンアクセス!」


  すると赤紫に輝く魔法陣の中心から渦を巻きながら何かがおりてくる。


 「うわうわうわ!なにこれ!くすぐったいよー!アハハ!でもなんかいい匂いするー!!」


 こころに光りの渦が絡みつき小さな多数の魔法陣がこころを包み込んだ。

 一瞬大広間全体に光が放ちなにも見えなくなった。

 みんなが目を開けるとこころの体には、魔法のバッグや武器が見に付ついていた。


 「ココロとっても似合っていますね!」


 こころは誇らしげに鼻で笑った。


 「そうそう、説明しておくわね。魔法のバッグは下界と繋がっていて、お供え物からエネルギーを引っ張り出してどこでもオヤツを好きななだけだせるのよ」

 

 こころは目をぎらつかせながら言う。


 「じゃぁ!じゃぁ!お芋のオヤツ食べ放題!?」

 「さっきのいい匂いってそれのことだったのね。ココロ、念じれば出せますよ。今から試して見て。」


 そうメティス様が言ったすぐにこころは魔法のバッグを開け腕を突っ込んだ。


 「っあ!これか!?よし!つかんだ、、、ぞ!っえい!なんだこれ?腕?」


 みんなが驚いた。


 「キャーーーー!!」


 周りは青ざめた顔をしていた。

 メティス様は、誰の手という事はすぐに気づき、

「まぁまぁココロったら、、、」と微笑みを見せていた。


 「あれ!?あ!じいちゃんの手だ!アハ、アハハハハ……。おさわがせいたしましたー」


 こころは直ぐに手をしまった。

 その頃別の天界では、、、。


 「お父さん!手が消えていますよ!」

 「はっれー!」

 「お!戻ったぞ!なーんやぁ!今のは……」


 メティス様がこころにまた説明を続ける。


 「ふふ、ココロはお爺さまからたくさんそのオヤツを貰っていたのね。人間の天界とそんなに簡単に繋がったてしまうなんて、ココロはつくづく不思議な子ね。無意識に念じないで手を入れると次元の歪みでそう言うこともあるから、次はちゃんと頭に浮かべるのよ。心で感じながら」


 こころは舌を斜め上にだし期待まんまんな顔つきでバッグの中に手を入れた。


 「よし!次こそは!とったぞ!出せたー!!」


 するとベーコンが巻かれた芋のおやつを手のひらいっぱいに掴んでいた。


 こころは一気に頬張った。


 「おいしい!!あー!肉の仄かな香りとこのお芋の感触が、、、身体になすりつけたくなるー」


 「身体になすりつけたくなるはよくわかりませんが良かったです。ココロ、それにそのバッグは食べ物だけではなく、前世で使っていたおもちゃを武器に変えたり、お気に入りだった部屋や家までもだせちゃうんですよ。すごいでじょ!」


 こころは目をキラキラさせ自分に身についているものを右左に見返していた。


 「これだけあれば安心だ!後、、、この剣は、、、?」


 こころがそう言うとメティスが説明をし始めた。


 「それはね、正義魔力が宿った剣で、ココロを愛する下界や天界の人たちとエネルギー共有し呪文を唱えて敵に合わせて強化できる優れものなのよ!

その剣の名前は確か、、、その剣を持った持ち主の心の中現れるのよ。その後にスレイブが付くのだったかしら。主人との共有てことね。じゃ試してみましょう!剣から自然に身体を通して聴こえくるわ。」


 メティス様がそう話すとココロが呟いた。


 「感じる……聴こえる……。剣から何かが聴こえてくる《チュビルナーシュビルナー》よし!これだ!シュビルナースレイブー!!」


 こころは何かを感じたかのように、そう叫びながら剣に力を込めた。


 そして天に捧げる様に突き上げた!すると光の線が大広間全体に飛び交った!剣士達が持つ剣や防具が全てその剣によって消されて行く。


 「なんだ!この光は!おい!武器が!鎧!鎧が消えていくぞー!」


 「成功ね!」

 メティス様はこころに親指を立てた。


 「あの、、、ココロは聞いたこともないような言葉を発したりしていますが、それが何なのか気にりますー!」


  メティスはとても教えてほしそうな顔をしていた。

 「これは下界のお母さんの息子が僕と接している時によく言っていたぞ!愛情さ!色んな言葉があるけど言葉には意味はなくて、それを言ってくれているだけで気持ちが満足しちゃうんだ!下界の魔法だ!それよりメティス様、後ろ……」


 「っえ?あらあらまぁ、防具や武器が消えてしまっていますね……ぜーんぜん気がつきませんでた」


 メティス様はココロだけに夢中だった。

 剣士達は鎧を剥がされ、パンツとTシャツだけの姿になってしまった。

 

 「魔力を込める。エネルギーの共有。危険性がある物などを認知して消すことができる剣。あれはまさか、、、しかし動物天界のメティス様がなぜ聖力ではなく魔力などを利用している?魔王さまに報告せねば!」


 結界を張っていたにも関わらず大広間にの外から怪しい黒人影がそう言い城を後にする。

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