↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
「異」世界「常」連の「日常」奪還奮闘記  作者: ちょい悪代官
第三章 迷いの森と呪われしエルフ

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/86

第38話 資料室

ランクアップを終えた唯人は一も二も無くCランクの資料室へと向かった。


Dランクに昇格した際もそうであったが唯人が求めるのは情報である。


E、Dランクのときはたいした情報が得られなかったがそれは今までの経験からなんとなく察しはついていたことであった。


どの世界においてもおおよそB,Aランクあたりから重要な情報が〝明示”されるようになる。


そしてCランクあたりから隠された重要な情報がちらほらと散見されるようになるものであった。


唯人はCランクの資料に端から目を通す。Cランク相当のモンスター、採取対象のアイテムや素材・・・そして探索可能になるフィールド。


モンスターに関しては危険なものは無いと判断する。


この場合気をつけるべきなのは所謂『特効』と呼ばれるものだ。


唯人1人ならばほぼ無視してよいものであるが――もし異世界人特効などというものがあれば気をつけるべきではあるが――今回気をつけるべきなのはリュートに対する特効である。


数ある世界の中には矮小な存在にもかかわらずドラゴンに対してはほぼ無敵を誇るモンスターや武具などが存在したのだ。


そういった理由もあり唯人は常に警戒を怠らない。


今回もそういったモンスターに関する情報は記載されていないので一旦は安心といったところだ。

もちろんここに記されていないだけで実際は持っている可能性もあるので油断はできないのだが――もしこの中に『異世界人特効』などというものを持つものがいたとしても絶対に記されてはいないであろうし――。


そんな感じでモンスターの項目を流し読みした唯人はいよいよ本命であるフィールドの項目に移る。


このフィールドの項目においては数多の世界でなぜかあからさまに怪しいのにその世界の住人には重要視されていないものが平然と並んでいることがあるのだ。


客観的に見るとおかしいと感じるものだが元の世界でもこれはよくあることで、それが当たり前と思ってしまっているとおかしいということに気づけないものである。


先の試しの森に関しても直近のこととはいえリュートという場違いな存在がいたにもかかわらずそのことに関してはまったく触れられてはいなかったし、その片鱗さえ窺えなかったのだ。


それを踏まえると重要な情報が隠されていると考えるのは不思議ではないし唯人は数ある世界を渡り歩き、そういった隠された情報があるということを知る存在であるので注意を払うのは当然である。


そんな唯人の目に留まるひとつの項目があった。


「迷いの森」


数々の世界を渡り歩いた唯人にとっては見慣れた字面、そしてこの世界に住む人々にとっても当たり前に存在するフィールドの一つ。


だがその捉え方はまったく異なる。


「やはりこの世界に『も』あったか」


唯人は誰にも聞こえない程度の声でつぶやくとその項目を読み進める。


読み進めるうちに唯人の口元に笑みが浮かび始める。

そして読み終わると同時に


「これは『当たり』の迷いの森だな」


そう口にし資料をもとあった場所へと戻し資料室を後にする。

そして資料室に入れないため入り口で待っていた『リュウト』と合流する。


「タダヒト、置いて行くなんてひどいじゃ・・・、何かあったのか?」


おいていかれたことに不満を漏らすリュウトであったが唯人の様子から何がしかの成果があったことを察する。


「リュウト、俺たちはこれから迷いの森へと向かう。決して油断するな。何か気づいたことがあれば細大漏らさず報告しろ」


「わ、わかりまし、わかったよタダヒト」


タダヒトの唯人としての言葉を受け少々どもりながらも答えを返すリュウト。

そしてすでにギルドの出口へと向かい歩き始めた唯人を追う。


リュウトは思う。

迷いの森などにたいした情報など無いのではないかと。


モンスターもたいしたことはないし、整備された道こそ無いもののそこまで複雑な地形をしているわけでもない。

強いて言うなら『嫌な感じ』のする場所であることぐらいであろうか。


それでも龍族である自分を脅かすほどの力は感じないし、その主人である唯人を害することができるかといえば言わずもがな。


だがその主人が油断するなというのであれば決して油断などしない。


そう強く胸に刻むとリュウトは自らの主に続き迷いの森への道を歩みだした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。