第36話 動き出す世界
またまた間が開いてしまいましたが一応失踪はしていません(笑)
細々と続けていきますので見ていただける方はよろしくお願いします。
???「予測どおり勇者たちが召喚されました」
???「そう、いよいよ時が来た、という訳ね」
???「はい。ですが召喚された『勇者』は四人とのことです」
???「四人?ずいぶんと多いわね?」
???「はい。しかも全員女性だとか」
???「全員女性?そんなはずは…」
???「ああ、ですが勇者ではない普通の男が1人巻き込まれたとか…」
???「っ!!!…なるほど。そういうことね。それなら理解できるわ」
???「監視させますか?」
???「必要ないわ。それよりも…」
???「承知しました。全てお望みのままに」
~?~
深き森の奥にあるエルフの集落。
その深部にある祭壇の前で思考の深淵に沈む一人の女がいた。
「『王都の空を炎の槍が貫くとき、全ての世を滅ぼす悪意とそれを打ち滅ぼす救世主が訪れる』、か・・・」
そんな眉唾物の伝承に苦笑を漏らす。それは、事実としてそれが起きてしまった以上対策を練らねばならない自身に向けられたもののようにも見えた。
そんな思考の海に沈んだ彼女を現実に引き戻す声が祭壇の入り口付近から複数聞こえる。
「炎のエルフ族長、フリート。来たぜ」
燃え盛る炎のような逆立った赤髪短髪の男性エルフがそう叫ぶ。
「水のエルフ族長、ディーネ。招致に応じました」
深海のように濃く深い蒼、そしてまさしく波のようにウェーブのかかったロングヘアーの女性エルフが恭しく礼をしながらそう口にする。
「風のエルフ族長、シルフィー。また僕が一番乗りだったね」
若葉のようなみずみずしい緑のショートヘアーのボーイッシュな少女のエルフがだいぶ前に到着していたにも関わらずわざわざ他の者たちもに倣って名乗りを上げる。
「土のエルフ族長、ロクサンド。…推参」
エルフらしからぬガタイをした男性エルフが呟くように告げる。
「光のエルフ族長、リリアン。ご機嫌麗しゅう、皆様」
落ち着いた雰囲気の神秘的な金髪ロングのエルフと聞いてすぐ思い浮かべるようなエルフオブエルフといった感じの女性が目を伏せるように礼をする。
「闇のエルフ族長、シェイド。族長をすべて集めるとは何用だ?」
暗い、というよりはクールなイメージの、創作のダークエルフでよくある灰髪でも色黒ではない濃い紫の髪をアップしてまとめた色白の女エルフ不満そうにしつつも臣下の礼を取る。
エルフは各々の属性によって部族が分けられ、炎、水、風、土、光、闇の六つの部族に別れ生活をしている。それぞれに族長を据え、有事の際には族長がそれぞれの部族を統括する、という体制となっている。
そしてその族長らの頂点に立つのがハイエルフである冒頭の女エルフであった。
「すでに察しているものもいるかと思うが先日、王都、そしてそこに住む者たちがためしの森と呼ぶ場所でそれぞれ大規模な炎が確認されている」
「ああ、それなら話は聞いてるぜ。なんでも巨大な炎の槍と空を覆うほどの爆炎だったとか」
炎と聞いて炎のエルフであるフリートが代表するように応える。
「そのとおりだ。そしてそれは我等エルフに伝わる伝承にも記されている」
ハイエルフはそこで一旦言葉を切ると族長たちから視線をそらし背を向けると神妙な面持ちで語り始める。
「そしてそこに記されているのは世界を滅ぼす悪意、それを打ち倒す勇者の出現、・・・そしてエルフの滅びへの道」
「「「「「「!!!」」」」」」
「もちろんその伝承が全てそのとおりになるとは思わぬが、記されたことが現実となった以上考慮しないわけにはいかん。まあそのくらいに捉えてもらえば良い」
その言葉を聴き族長たちは安堵のため息を漏らす。だがその言葉だけでは安心しきれないのもまた事実。
「その伝承の話をするためだけに私たちを呼んだのですか?」
「いや、本題はここからだ。今の話はこれからする話の前座、と言うほどでもないがまったく関係の無い話でもない」
そういって振り向くと6人の族長を睥睨する。
「まどろっこしいな。その本題ってのは何なんだ?」
遠まわしの発言にイラついたかのようにフリートが尋ねる。
「お主達もよく知っている『呪われし娘』のことだ」
「「「「「「!!!!!」」」」」」
先ほどの伝承の話のときより衝撃が強かったことを物語るように族長たちの顔に驚愕が張り付く。
「あ、あ~、あの娘ねぇ・・・いったい何があるっていうの?」
搾り出すようにシルフィが何とか口にする、っといった趣で尋ねる。
それに答えたのはハイエルフの女ではなかった。
「わかっているのでしょう?あの娘はかねてよりエルフに厄災をもたらすと言われて来たではありませんか」
「ああ、そしてこのエルフの滅びへ向かう伝承との一致。とくれば・・・な」
そう光と闇のエルフが誰もが思っていたことを告げる。
だがそれに、自らも頭をよぎってしまった考えを振り払うように反論するものもいる。
「おいおい、まさ俺たちにあの娘を始末しろとか言うんじゃないだろうな?確かにあの娘は近づくだけでも吐き気がするほどの嫌悪感があるがそれは呪いのせいなんだろ?あの娘はまだ何にもしちゃいねぇ。少なくとも今のところはな。それを始末しろってのは乱暴すぎやしねぇか?」
「あら、この中で一番粗暴なあなたからそんな言葉が聞けるなんて、明日は雨を降らせなければいけないかしら?」
「何だとコラ!?」
フリートの意見に相性がまさに炎と水であるディーネがちゃちゃをいれる。それに反射的に喧嘩腰になってしまうフリートであるが次にディーネから告げられた言葉で言葉に詰まってしまう。
「ですが私もフリートの意見に同意ですわ。実際に害をもたらしたのならばともかく、まだ何もしていないあの娘をどうこうする、というのには反対です」
「お、おう。わかってるならいいんだよ」
普段は事あるごとに反発しあっているディーネより肯定的な意見が出て調子の狂うフリートであるが、思わぬ賛同者を得て悪い気はしていないようである。
「・・・だが事が起こってからでは遅いということもありうる」
見ようによっては夫婦漫才のような始終を静観していたロクサンドが静かに口にする。
「だからといって罪の無いあの娘を始末するなど・・・、それこそ罪なことです」
「・・・そういった罪を飲み込むのも族長たる我々の勤めだ」
「確かにそうではあるが・・・」
ロクサンドはあくまで客観的な立場で意見を述べ、光と闇のエルフはその意見に理解を示しつつも納得できない、といった様相だ。
そうして族長たちの意見が交わされるのを静観していたハイエルフの女は静かに口にする。
「・・・皆の考えはわかった。」
その声に喧々諤々となりつつあった族長たちも口をつぐみハイエルフの女に向き直る。
「先入観にとらわれない皆の意見、うれしく思う。さすが選りすぐられた族長達だ。皆ならばこれから話すことも受け入れてくれると確信し、安心して話すことができる」
そう口にするとハイエルフの女は天井にさえぎられ見えないはずの星空を見つめるかのように上空を見つめ、言葉を紡ぐ。
「わかっていると、いや、聞けばわかると思うがこのことはここにいる者以外には他言無用だ。よいな?」
族長一同はそのハイエルフの女の様子に余計な口を挟むことをよしとせず、無言でうなずく。
「では話そう。彼女の真実を」
そうして族長たちに『呪われしエルフの少女』の真実を語り始めた。
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たぶん感想をいただけたら書くペースが上がると思いますw
・・・クオリティーは保障できませんが。
と、皆様に要求するだけではクレクレ君になってしまうのでしばらくがんばって更新していきます(当社比)のでよろしくお願いいたします。




