099●長い旅を経て
ああ、久しぶりだね。こんな時にも出てくるんだね。
ーあんな願いをされたのですから、わたしもお会いしにくくなりました。
で、まだ、わたしはジン君を探してるのよね。現実の彼は先に逝ってしまったのに。
ーそうですね。現実の世界はいかがでしたか?
悪くなかったよ。いいえ、とても、良かった。
彼と一緒になって、子どもも生まれて。なつみもさやかも、ふたりともしっかり大きくなって。わたしたち、孫もできたし。
ーそれは、よかったですね。
心残りがあるとすれば、この夢の世界でジン君を見つけられなかったことかな?
ー青い鳥は、足元にいるではないですか。
あれっ?悪魔の姿が消えてる。ジン君が立ってる?
ーココア、会えたね!お疲れさま。
ーあれ、ジン君・・・。マイロード・・・。記憶が渦巻く。なに、これ?ソフィア、アリス、みんながいる・・・。ああ、そうか。わたしは、あの次元断層で飛ばされて・・・転生していたんだね。ジン君、マイロード、聞きたいことが。いや、呼び方が、まず、わかりません!
ーどちらでも。あなたの好きな呼称で構いません。
ーこの世界線のわたしは、どうなるの?
ー生物的には、間もなく死を迎えます。わたしもそうだったでしょう?でも、アークエンジェルのあなたの本質は、元の世界線、他の世界線で存在し続けます。
ーああ、じゃあ、もどるんだ。いや、失礼しました、もどれるのですね。
ーそんなに気を使わないで。敬語でなくていいんだから。だって、ずっと一緒にこの世界線で暮らしてきたんだから。
ー長い旅を経て、こうなるんだなあ。これから、もっと長い旅になりそう。
ーでは、一緒に行こう!世界線をこえて。
ーハイ!!




