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リリア・テレシア~亜空間魔法の使い手~  作者: シャチ
第2章 貴族学校編

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【番外編4】エドワード・レイナーから見たリリア・テレシア嬢 2

 顔合わせが終わり、レイナー家の魔法練習場に来た。

 学園の練習場とは違い一人用であり小さいが、試しの攻撃魔法を見る上では十分な広さがある。

 ここに来るまでの間に私はリリア嬢から名前で呼ぶことを了承してもらった。


「リリア嬢、さっそく亜空間魔法を見せてくださいますか?」

「転移魔法ではなく攻撃魔法でよろしいんですの?」

「はい、専用の的を用意いたしました。どの程度の威力化はこれで分かりやすいと思っています」


 私が用意したのは丸太を十字に組み合わせたもので数か所に的を描いたものだ。

 想定として人をイメージしていて、頭と胴体、手足にそれぞれ的を書いてある。

 

「では的を狙って発動しますね」


 リリア嬢が一点を見つめると魔法が行使された。

 一瞬的の周りに黒い靄のようなものが出現すると、的の中心部分が消え去っていた。

 本当に無詠唱で魔法が使えるのだなという感嘆と、魔法防御を施され本来であればどこに当たったかがわかるはずの的がえぐり取られている事実に驚く。

 

 レポートには書いてあったが、本当に魔法防御を無視してくるとは思わなかった。

 既存の魔法防御では意味をなさない。

 これは恐ろしい効果だ。

 過去の文献を見ても亜空間魔法というのはほとんど記録がない。

 唯一過去に残された記録はリリア嬢も呼んで勉強した本だけだ。


「このような感じですね」


 リリア嬢の手には切り取った的が握られていた。

 私はふと思いつき彼女にあることを試してもらう事にした。


「リリア嬢、ためしにその切り取った的を魔法で元の場所に戻してもらえませんか?」

「戻す、ですか? 同じ位置に出現はさせられると思いますけれど……」

「元に戻るのか確認したいのです。お願いします」


 私のお願いを聞いてくれたリリア嬢は、手元にあった的を一瞬のうちに消し去ると、次の瞬間には的のあった位置にくり抜いた中心部分が出現した。

 そして、下に落っこちた。


「もとの位置に出現はさせられるのですね」

「はい、目に見えている範囲であればかなり正確に物を置く事はできます。ですが、このように元には戻りませんよ?」

「そのようですね。完全に切断されている」


 私は落っこちた的を拾いに行く。

 拾った切断部分は本当にきれいに切り取られており、触ると指を切りそうな鋭さがあった。

 これは研究のし甲斐がある。

 むしろ聖属性と呼ばれ記録が豊富な回復魔法や治療魔法などよりよっぽど面白い。

 そこでふと思い出す。

 回復や治療の魔法は魔法防御の鎧や装備を付けていても効果を発揮したという。

 であればこの亜空間魔法も同じ……いや現在の魔法防御は一般的な4属性にしか対応できないという事になるかもしれない。

 魔道具研究をしてる同僚に伝えてやろう。

 そして、私の研究意欲の為にも彼女は絶対に宮廷魔導士になってもらおう。

 彼女もそれを望んでいる。

 すばらしい利害の一致。

 絶対に彼女を大切にするぞ。

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