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リリア・テレシア~亜空間魔法の使い手~  作者: シャチ
第2章 貴族学校編

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13.みんなで魔法の研鑽をしましょう

 メアリー様と正式にお友達となったことで、仰々しいやり取りをしなくともお話しできるようになりました。

 そして、私からドロシーさんを紹介し、ようやく魔法学科における女子三人の交流ができるようになりました。


 貴族学園での授業は主に午前中のみで、生徒たちの午後はそれぞれ自主的に学習したり、こないだのように茶会を開いたり、あるいは知人たちとたわいない会話をしたりと思い思いに過ごします。

 なので私たちは午後に集まり、魔法の研鑽を積むことにしたのです。


「メアリー様は水と風属性なのですよね? 魔力量も多いようですしうらやましいです」

「ドロシーさんは火と風ですわよね?南部閥らしい属性ですわね。あとは的にきっちり当てることが出来れば十分領地防衛の役に立てると思いますわよ」


 今日は二人が的に向かって魔法を行使して命中率を上げる練習をしています。

 私はそれを見ながら、木のコップをいろんなところに出したり消したりして精度の練習をしています。


「そういえばリリア様の魔法ってどのぐらいの大きさのものまで、その亜空間?というところに飛ばせるのですか?」


 ドロシーさんが私が無詠唱で行使している魔法を見ながらそんなことを聞いてきました。


「そうですね、試した限りだと私自身とおんなじぐらいの大きさまでは取り込めますね。こないだの的を丸ごとの亜空間に取り込めたのはよく使われるので大きさを知っていたからです」


 私が亜空間に送ることができるサイズは練習を重ねた結果ではありますが、正しく大きさを把握できていれば大体私と同じ大きさぐらいのものをしまって取り出すことができます。

 ちなみに意識的に取り出すことを考えないとどこに行ったか分からなくなるので、何となくで魔法を使うと亜空間に取り込んだものを二度と取り出せなくなります。


「逆に小さくもできると?」

「やろうと思えばできますね。たとえば動物の首だけ亜空間に飛ばしてみるとか」


 実際にそうやって狩猟会で実力を示したわけですが、お二人の顔が若干青ざめているのは気のせいでしょうか?

 魔法で魔物を倒せば少なからず似たような状況になると思うのですけれど。


「リリア様、少し疑問なのですけど、亜空間の中ってどうなっているんですか?」


 少しして顔色が戻ってきたドロシーさんが興味深い質問をしてくれました。

 実はこれ、私自身も疑問に思っていることなのです。


「実はわからないんですよ。過去に家で飼っている鶏から生まれたヒヨコを試しに亜空間にしまってお母様に見せようとしたことがあって、その時はとりあえず生きていましたね」

「とりあえず生きていた?」

「怯え切っておりましたの。まぁヒヨコですから当然だと思いますけれど、とりあえずその後普通にそだって最後は私達の夕食に上りましたわね」


 二人ともなるほどという顔をしています。

 ただ、私もこれについては謎なのですけれど、家族から求められているので私自身が亜空間に入るのはやめています。

 私自身も亜空間への出入り口って目視したこと無いんですもの。

 犯罪奴隷でも買って試してみればよかったでしょうか?


「ドロシーさん、試しに亜空間にはいってみます?」

「や、やめておきます。もう少し実験してみてからのほうがいいと思います」

「そうね、リリア様。いきなり人を亜空間に入れて責任が取れるの?」

「無理ですね。だからやらないわけですし」


 そうよねと二人は頷く。

 私のことを傍若無人な暴君だとでもおもっているのかしら?

 さすがにそこまで倫理観は壊れていないと思うけれど。


「ところで、対魔法防御が施されているはずの的をリリア様は破壊できるのですよね?もしかして攻撃魔法を防ぐこともできるのですか?」

「……やったこと無いわね。でもそうか攻撃魔法をまるごと亜空間にとばせば防げるかも?」

「面白そうなことを提案するわねドロシーさん。リリア様試しにやってみましょう」


 というわけで、ドロシーさんの提案の下魔法消滅実験をすることにしました。

 万が一に備えて魔法防御用の防具を身につけます。

 この防具には的と同じような加護がほどこされているので、仮に魔法を浴びてもダメージを食らいません。

 あまり起こりませんが人同士の戦争で魔法が使われない理由の一つです。


「では定番のファイヤーボールを放ちますね」

「ドロシーさん、いつでもいいですよ」


「火の玉よ相手を燃やし尽くせ!ファイヤーボール!」


 ドロシーさんの目の前に火の玉が現れ、風に乗って私に向かって飛んできます。

 火風魔法の定番魔法で、魔力をそれほど消費しない便利な攻撃魔法の一つです。

 私はその火の玉をよく見て亜空間へ取り込みます。


”ぎゅぽっ”


 そして火の玉は私に届く前に消えました。

 亜空間に飲み込むにあたり、少し火の玉よりも大きめに亜空間を展開したので、飲み込む時に変な音がしましたね……


「本当に消えた」

「なるほど、リリア様は本当に規格外ですわね」


 私の魔法に呆然とするドロシーさんと、変な感心の仕方をするメアリー様。

 メアリー様は先生が先日言っていた「私が魔法対決に仮に出たとしても ”攻撃魔法を使わせない” 」というのを再認識しているような表情ですね。


「もともと人に対して魔法を放っても防御装備を付けていれば効果が殆どないわけですけど、リリア様はさらに視界の外から不意打ちでもしない限り、すべて対処できそうですわね」


 メアリー様が感心したように言いますが、ひとつ注意しないといけないですね。


「私の身長より大きい大規模魔術を使われたら亜空間に飛ばせませんから、すべては対処できませんよ?」

「そんな大規模魔法、複数人で同時に連携して使うようなものでしょう? ほとんどあり得ないわよ」


 なんだかメアリー様に少しあきれられた気がします。

 この後互いに魔法を見せ合いながら、どう魔力を使うかとか、呪文の構成だとか議論をする時間はとても有意義でしたね。

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