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コンクリートジャングルオブハザード  作者: バッド
17章 ホラーな世界を楽しもう

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271話 おっさん少女と眷属少女隊

 空中超戦艦ホットケーキへと乗り移り、そのまま甲板の平原にビニールシートを敷いてちょこんと座りピクニックへと切り替えたおっさん少女。


 るんるんと可愛く鼻歌を歌いながら、ナインが出してくれたチョコクッキーをかりかりとリスのようにかじりながら尋ねる。


「で、人形作成レベル10だとどうなるのかな? すごいパワーアップをツヴァイたちがするのかな?」


 ナインが珍しくフンスと息を吐いて、クラフト系は私担当ですと嬉しそうに語り始める。可愛いなぁ、ナインはと思いながら聞く態勢になる遥。


「まず、アインはマスターの7割のステータスまで力を発揮できます。そして、ツヴァイたちは5割ですね」


 ふんふんなるほど、ステータスは大幅アップになるんだねと頷く遥。たしか今まではアインがレキのステータスの半分、そしてツヴァイたちがそのさらに半分だったはずだ。ただし器用度はアインと同じだったはず。そしてスキルが半分だ。


 それは本格戦闘になる場合はアインもツヴァイたちもまったく役に立たないことを示していたのだが。


「そしてスキルはなんと一つだけマスターのスキルの8割まで使用ができるようになります。他は今まで通りのスキルレベル半分までですが」


「おぉ! それは凄いね! それなら最前線での戦闘も可能になるかも!」


 おぉ~と周りのツヴァイも驚いている。そしていつの間にかアインもいた。話を聞きつけて飛んできたらしい。


 みんなが驚くので、ナインは頬を紅潮させて得意げになり、腕を掲げて宣言する。


「それがメインではありません。なんとツヴァイたちは自分の眷属ドロイドを1体につき100体まで作れるのです。眷属は器用度以外はツヴァイの半分のステータスとなり、スキルはさらに半分になりますが、元が1レベルのスキルの場合は1で使用可能です」


 ん?と首を傾げて嫌な顔になるツヴァイたち。


「おいおい、ナイン様、それじゃ今まであたしたちが嫌がっていたこととあんまり変わらなくないか? 司令とのふれあい時間とライバルが増えるから嫌だったんだぜ?」


 アインがほいっと手をあげて代表して聞いてくるので、ふふんと指をふりふりさせてナインは答える。


「眷属といったんですよ? 眷属の意識をツヴァイたちは上位存在として同調できます。すなわち、眷属がマスターに頭をなでなでされたら、その感触をツヴァイも味わう事ができるんです! アインも勿論眷属を作れますよ」


 ガーンとハンマーに殴られたようにわなわなと震えるツヴァイたち。


「それが本当なら、毎回頭をなでなでしていただけるかもしれない?」

「上位存在というのがいいですね。邪魔にはならないでしょう」

「これは私たちで司令を独占できるかもしれません」


 こそこそと話し合うツヴァイたちへナインはにこやかな笑顔で最後のどえらいニュースを告げる。


「そして、新たに改造をマスターから受けたアインやツヴァイたちはなんと………。マスターの正式な眷属として生命体として生まれ変わります!」


 どどーんと指を突き出してナインが言うとツヴァイたちはその言葉の意味を理解して衝撃が走り、心は決まった。


 みんなで遥へと視線を向けて叫ぶようにお願いする。


「改造をお願いします。司令!」


 そうしてアインとツヴァイは改造手術をおっさん首領に受けるのであった。


 こんな感じになりました。


アイン

ゴッドドロイド(銃術特化タイプ)

筋力:126

体力:126

器用度:147

超能力:147

精神力:126


スキル:体術LV4、銃術lV6、刀術lv3、気配感知LV2、機械操作lv4、運転lv4、電子操作LV2、念動lv5、雷念動lv2、交渉lv1、統率lv1


ツヴァイリーダー

ゴッドドロイド

筋力:90 

体力:90

器用度:105

超能力:105

精神力:90


スキルは各個体で違うので割愛。


 白衣にて、大樹の上で眠そうな目に疲れた表情を見せておっさん少女は目の前でワクワク顔のツヴァイへと手を翳す。


「改造されるのじゃー! この電撃でー!」


 マッドサイエンティストを演じながら、改造ボタンをポチッと押すと、雷光は走らなかったが、白き神秘的な粒子がツヴァイへと吸い込まれていき、ツヴァイのその体を変えていく。足のつま先から、髪の1本まで魂を得たツヴァイたちは遥の眷属として生まれ変わる。


 ステータスに今まであった装甲という表記が変更されて体力へと変わる。それは生命体とツヴァイたちがなったことを示していた。


 ぜぇぜぇと250人のツヴァイとアインを改造し終えたので、ぺたんと疲れて寝っ転がるおっさん少女。精神的に疲れたよと葉っぱの上をゴロゴロしながらツヴァイたちを眺めると、ツヴァイたちは手を掲げて眷属を作成していた。


 なお、25000人は多すぎるでしょと、1人につき10人の眷属を作るように命じた。2500人いれば、これで人手不足は解消されるだろう。


 ツヴァイがとやーっとサクヤの監修の元、なんだか怪しげな踊りを踊って叫んでいる。そろそろサクヤは害悪になるのではなかろうか。


 キラキラと粒子が舞い、ツヴァイより30センチほど背丈の低い少女が、というか幼女たちが生まれる。姿格好は様々だ。そしてツヴァイたちの半分のステータスとスキルなので一見役に立たない感じがするがレベル1でもあれば十分に使えるのが、このゲーム仕様。1の値の違いが大きいのであるからして。


 ツヴァイたちの眷属である幼女たち。エンジェルドロイドのドライシリーズである。こんな感じのステータス。


ドライ

エンジェルドロイド

筋力:45 

体力:45

器用度:105

超能力:53

精神力:45


固有スキル:変身(12時間あらゆる人間に変身する。能力はそのままである。)


他スキルは各個体で違うので割愛。



 そしてドライたちは変身という姿格好を別人に一定時間変身できる面白いスキルをデフォルトで持っていた。能力は変わらないが、12時間の間、別人に変身できるという能力だ。便利極まりないスキルである。まさにツヴァイたちの手足となり行動するための眷属であった。


「これからは私の手足となり、司令を篭絡させる作戦を考えるのです。ドライ。子供は3人欲しいです」


 ツヴァイがなにやら訳の分からないを言っている。眷属はドライと名付けられたのだが、素直にドライは頷く。


「はい、わかりました。いやーんなエッチイベントから、酔いつぶれたら、ベッドの中だった作戦までこれから頑張って考えますね」


 いらんことを話しているように聞こえるがきっと気のせいである。気のせいだと思いたい。これからはどこでも油断はできなくなるのだろうかとも嫌な考えが頭にちらつくおっさん少女である。


「マスター、お疲れさまでした。これで偽装本部を含めてとりあえずはひと段落ですね」


 癒される微笑みを浮かべて、カフェオレを遥へと手渡してくるナイン。


 ありがとうと答えて、紅葉のようにちっこいおててでコップを掴んで、周りを見渡す。すでにドライは大量に量産されており、随分にぎやかになってきている。


 それを見て、にぎやかなのも嫌ではないと思う遥は苦笑するのであった。



 数日後、ドライたちの家も建築を行い、ポチポチと現状を確認する遥。といやっと、ちょこちょこと小柄なる身体をフルに使い走り回ってドンドコ家を作ったのだ。というか、これを機会に人数分の立派な庭付きの一軒家をアイン、ツヴァイたちも含めて作り上げた。


 そんな敷地はないでしょうというツッコミに対する答えはこれだ。


「地平線が見える感じがする…………」


 新たに拠点のレベルをあげたのである。拠点レベルは8となりその広さは半径200キロとなったのだ。そして効果としては拠点内ならば、遥、メイド、眷属はどこにでも移動できるという拠点スキルがついた。乗っている兵器も含めてである。


 便利極まりないスキルが拠点についたので、いくら広くても安心だ。そして、遥的には次のレベルを上げるのが怖い感じ。どれくらい広くなるんだろうね?もしかしてレベル10だと惑星レベルになるのではと疑っているが……。


 もしかして将来的にはシムなシティゲームではなく、シムなアースなゲームになるかも。


 そして、たんなる更地ではなく森あり平原あり、湖ありとなんだかどこかの楽園みたいな感じになっている。まぁ、農園があるし、様々な建設物もちょっとあるんだけど。


 あと、問題がある。お風呂に入っている時である。


 お風呂はなるべくおっさんぼでぃで入ってゆっくりしたいが、サクヤが泣いて抗議をしてきて、どんどん目薬を空にするので仕方なく、そう仕方なくレキぼでぃで入っている。時々おっさんぼでぃなサイクルであるが、拠点レベルを上げて、拠点移動スキルがついたよとみんなに伝えた日から


「すいません、テレポート先を間違えました司令」


 と言って、ツヴァイたちが裸でテレポートしてくること多数。レキの時はまだ良いが、おっさんの時は


「新しい身体が生身なので慣れていません。あっ、貧血が」


 と貧血など起きるはずもないのに、ヨロヨロと倒れるようにしなだれかかって来るのだ。全裸の魅力的な肢体で。


「貧血にはレバーが良いらしいですよ、ツヴァイ」


 と、雪女なナインがやはり全裸でこれ幸いとお風呂に突入してくることもセットであり、ナインはツヴァイたちへ暴風を巻き起こすレベルのレバーブローを食らわして放り投げるまでが作業であった。そして、そのまま一緒にお風呂に入るのが照れくさい。レキは家族にはブラインドスキップをしないのだ。


 もはや、どこにも安住の地が無いと考えて


「ナインえも〜ん、なんとかして〜」


 いい歳をしたおっさんはナインに泣きついて、よしよしと遥の頭を優しく可愛らしい手のひらで髪の毛を梳くように撫でてきてナインは解決法を示してくれた。


「マスター。説明書にプライベートルームはテレポート禁止にできる設定方法があります」


 説明書を読まないおっさんが元凶だとわかった瞬間であった。いつもなにがしかの元凶になっているかもしれないおっさんだが。あと、何回もこのイベントを繰り返したので聞かれるまでナインが黙っていた可能性が微レ存。


 まぁ、そんな風になんだかんだとイベント多数であったので、改めて確認をしていた遥。


 のんびりとリビングルームでぐてーっと、いつものように寝っ転がるが、レキの姿なので可愛らしい。どこかの粗大ゴミ候補とは違うのであるからして。


 そうして、遥はこの間の敵を思い出して、ぐへへと寝っ転がるおっさん少女の足側に寝っ転がりながら、パンチラが見えないかしらと涎を垂らして眺めていたサクヤへと声をかける。


「ねぇ、この間の敵はパチモンじゃなかったよね? まんま素直に旧神の名前を使っていたけどなんで?」


 今更尋ねる遥。さっきまですっかり忘れていたおっさんである。あのボス戦はトドメしか刺さなかったし、あんまり記憶にないのだ。では他のボスは覚えているのと言われれば秘書に聞いてくださいと言い逃れする気満々であるおっさんであったり。


 そんな今更な質問に、あっさりとサクヤはなんでもないように答える。


「あぁ、あれは神化が進んだ敵ですね。まだまだ完全体への神化は程遠いですが、名前だけは真似ることができたのでしょう。恐山というパワースポットも相手にとってはラッキーでしたね。まぁ、神化で完全体になるのは絶対に無理なんですが」


「え〜。今後は神様も敵になるわけ? ちょっとそれはやばいと思うんだけど? 怖いんですが? 天罰を受ける自信を私は持っているよ?」


 サクヤの発言にピクリと眉を顰めて動揺する遥。おっさん少女モードだから、そこまでは動揺していないが。


 おっさんなら嫌な記憶を無くすために浴びるように酒を飲んで次の日には二日酔いで苦しむだろう。


「神といっても、人間が作った神の概念です。そんなに強くはありませんよ。ゲームで言うなら、美味しい素材を落とすボスが神の名前で出現し始めた感じですね」


 なるほどね〜と、可愛らしい小首をコクコクと縦に振ってゲームに例えをしてもらえると、いきなり難易度が下がった感じがするよと安心した遥である。


 ゲームでは神様なんてうじゃうじゃいたものだ。とくに女神が転生するゲームだと大量にでてきたよねと、現実ではなにも解決していないのに、根拠なき安心感を持つのであった。相変わらずアホな美少女だった。


 安心した表情になる遥へと、ナインが忠告をしてくる。


「今後の戦いには神やら悪魔の名を冠する敵が多くなるかもしれませんので、新装備を作成なさりませんか?」


「たしかにそのとおりだね。では新型を作るとしましょうか。ヴァルキュリアアーマーは直したけれど、ここでおしまいかな」


 もったいないと思いながらも仕方ないのだ。新装備になれば、武器屋のおっさんが初期で手に入れる破邪の剣以外は、すぐに変えないといけないのだから。


 それに装備作成スキルレベルも9である。強力な武器を作りましょと一覧を確認していると、呟くようにレキが要望を言う。


「旦那様、星金の小手をバージョンアップさせましょう。神石を使えば獅子神の小手になるらしいです」


 珍しくおねだりをしてくるので、遥はあっさりと頷く。希少な素材?そんなことは関係ない。レキが要望を言うのならば、最大限叶えてあげるのがおっさんの役目なのだから。


「獅子神の小手、作成!」


 ポチポチとタッチパネルを押下すると、星金の小手が粒子となり遥の作った光の球体へと入っていく。


 いつものようにゴゴゴと音がして、ピカーンと光輝き新たな小手が生まれるのであった。


「獅子神の小手 (O)」


 なんだか久しぶりな作成の感じもするがたぶん気のせいだ。


 新たなる小手は半透明な透き通る感じで、黄金色をしていた神秘的な小手であった。


「ありがとうございます、旦那様。大事に使いますね」


 ウキウキと嬉しそうな声音でレキがお礼を言って、また眠りにつく。


「なんだか凄そうな小手で良かったよ。では次は刀はあるから、壊れた銃の代わりとアーマーだね。スーツはまだこのままでいいと思う」


 最近は手強いボスが多いので、アーマーを着込んで戦うことが多いので、スーツはあまり意味がないかもと考えている遥。その分の素材はアーマーへと注ぎ込む。


「ではゴットライフルとアテネの鎧。これで良いよね?」


 一応失敗しないようにナインへと視線を向ける。


「問題ありません、マスター。アテネの鎧は槍と盾がセットでついており、揃って使うと特殊効果があるのですが、スキルはないですし完成したらしまっておきましょう」


「了解。いつか盾と槍スキル取るかなぁ? でも装備に合わせてスキルを取得するのは本末転倒だよね」


 そうしてぽちりと作った武器防具。宝石を固めたような白銀の銃。大樹が銃のグリップに意匠とし彫られている。


「神の力を凝縮させた銃です。万能属性ですので、無効化してくる敵も倒せますよ。そしてアテネの鎧は防御力500、防御力300のヴァルキュリアアーマーを上回ります。ちび天使を呼び出すことができて、ヴァルキュリアアーマーよりも強いゴッドモードを一時間に一回使えます。制限時間は10分。ゴッドモードの時はすべての攻撃が万能属性となるので、どんな敵も倒せます。そして指輪へと変形はもちろん可能ですので、常に持ち歩きできます」


 凄い長いセリフを噛まずにフンフンと鼻息荒くナインは説明してきた。おっさんなら途中で説明する内容を忘れるだろう。


 そして次にできたアテネの鎧は、ヴァルキュリアアーマーに似ていた。ウイングも展開できるし、モードも使える。俺の拳が真っ赤に燃えるぜとか言いながら超技を使わないといけないのだろうか…古いアニメを思い出すおっさんであった。


 遂に神シリーズを作れるようになったかぁと感慨深いおっさん少女。他にも悪魔シリーズとかがあって、紐にしか見えないサキュバススーツをサクヤが作ろうと懸命にアピールしてきたが、あんなのを着たら、もう外を歩けないことは確実だ。


 自分で着ればと言えば、本当にサクヤは紐スーツを着そうなので言えない遥であった。本当に着てくれるかなと、密かに期待もしていたり。


 とりあえずはこれで準備は万端になったので、次の行動を考えないとねと考えるおっさん少女であった。

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