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捨て石同然で異世界に放り込まれたので生き残るために戦わざるえなくなった  作者: よぎそーと
四章

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第53空間 ささやかで危険な探索行

 幸い、初日における戦闘はそれほど困難なものでもなかった。

 遭遇した3体のモンスターを倒し、貢献度を得て寝床の準備に入っていく。

 一旦森の方に入っていき、そこに鳴子を仕掛け、警戒をしていく。

 それでも安全安心とは言えないが、出来る限りの事はしておく。

 あとはモンスターがやってこない事を祈るだけである。

 夜はモンスターも寝入ってくれてる事を願うしかない。

 周囲から隠れるようになってる場所を見つけ、そこに身を潜めて目を閉じる。

 あとは自分の持ってる技術と仕掛けた罠が上手く働いてくれる事を願うだけになる。



 運が良いことに、初日の夜はどうにか切り抜ける事が出来た。

 まだ自分が生きてる事、体のどこも欠けてない事に安心をおぼえる。

 それから食事を貢献度で購入し、腹におさめていく。

 おちおち食事も出来る状況では無いが、食わなければすぐにばててしまう。

 無理してでもある程度は腹にいれておかねばならなかった。

 それを終えてから暫く休む事にする。

 腹を落ち着けなければいけないし、栄養が吸収されるのも待たねばならない。

 そこまで衰弱してるわけではないが、気持ちを落ち着けるためにもあえて休んでいく。

 寝床にしていた木の陰で、背中を樹木にあずける。

 そこで暫くは待機をしていった。

 まだまだ夜も明けたばかりで周囲も薄暗い。

 わずかに残る薄暗さが、行動する事をほんの少し躊躇わせもしていた。



 鳴子を回収してステータス画面に収納し、再び歩き出す。

 昨日の位置に戻って再び壁沿いに。

 ここのトンネルがどこにあるのかを探していく。

 もしかしたらそんなものはなく、この空間は元いた場所に繋がってるだけかもしれなかったが。

 それでもトモキはただひたすらに歩いていった。

 何があるにしろ何もないにしろ、確かめなければ何も分からない。

 今はただ歩いていくしかなかった。



 2日、3日と同じ事を繰り返す。

 日が暮れる前に森に入り、身を隠す場所を見つけて鳴子を設置する。

 そして夜が明けたら再び探索を開始する。

 その繰り返しである。

 途中モンスターとの戦闘や食事、その他が挟まるが、それらもほぼいつも通りの中にある。

 多少は何かが変わるのかと思っていたトンネルの向こう側だが、やってる事に変化はなかった。

 ただ、一人で行動してる事による危険があるだけだ。

 その他は今までと変わりはない。

(これくらいかな、違うのは)

 ステータス画面から貢献度だけを表示させていく。

 一人で遭遇する全てのモンスターを倒してるので、手にする貢献度がいつもより多い。

 危険と隣合わせであるが、それが今のところ一番の違いとなっている。

(倒した分が全部手に入るからなあ……)

 仲間をつれずにモンスターを倒した場合のRPGのようだった。

 ゲームによって違いはあるが、戦闘に参加した人数で経験値を頭割りにするゲームを思い出す。

 参加人数が少ないほど入手する経験値が増えるのが、今の状況に酷似してるように思えた。

 人数が減った分だけ経験値が減るという危険性も同じである。

(寝る時だけ帰れれば良いんだけど)

 そんな都合の良いことを考えながら歩き、そして夜を迎える。

 報酬がどれほど高くても、この危険さを甘受する事は出来ない。

 よほど完全な安全圏を確保出来るようにならない限り、単独行動は避けたかった。



 それでも何にも行動し、次のトンネルを見つける。

 この空間に入って6日目。

 さすがに色々と疲れてきた頃だった。

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