第52空間 新天地
<ここまであらすじ>
新たな者達が増えていく。
いずれ問題を起こしそうな者を始末して後の禍根を取り除いていく。
そうして残った新人たちにやり方を教え、この空間で生きていくための協力体制を作っていく。
歩みは遅々としたものだが、今いる人数で出来ることを誰もが考えていた。
それと同時に空間内の探検も進められ、大雑把ながらも大体の把握がなされていく。
その中で見つかったトンネルと、そこから出てくるモンスターの撃退。
効率よく貢献度を稼ぐために、トンネル付近に陣取っての戦闘が行われていく。
また、更なる探検・探索により、そのトンネルが複数あることも確認がされた。
それらの前に陣取り、モンスターを倒していく。
のみならず、その向こうに何があるのかを確かめるために、トモキが探検に赴いていく。
この空間がいったい何なのか、その先に何があるのかを少しでもつきとめるために。
<以上、大雑把なあらすじでした>
遭遇したモンスターの背後に回り、ボウガンで攻撃を加える。
持ってきた4挺は狙い過たずモンスターの背中に当たっていく。
それを見てからボウガンを一度ステータス画面に回収し、武器を持ち替える。
気配を消しながら距離を詰め、体に矢を突き刺されたモンスターの足を切りつける。
以前とは比べものにならないくらい早く繰り出された刃は、モンスターの足の腱を切っていく。
血液も大量のもらしながらモンスターは倒れた。
それでも、まだ無事な両腕を使って移動を試みるが、トモキは容赦なくその腕も切断する。
完全に身動きが出来なくなったモンスターは、体をよじって動こうとするが、それ以上に動けるわけもない。
その背中にトモキは、刀を突き刺し、急所に向けて体に埋め込んでいった。
芯を入れられるように体を硬直させたモンスターは、そのまま刃で心臓を貫かれる。
程なくモンスターは命を失い、トモキは勝利を手にした。
あとは、腹ばいになって倒れるモンスターをひっくり返し、核を回収するだけである。
これをしておかないと、モンスターが復活するという。
手間はかかるが、そうはさせない為に核を手に入れておく必要があった。
今の所使い道がないのが残念であるが。
「……ホントに面倒な奴らだよ」
誰にともなく文句を言いながら、作業を開始していく。
新たな空間に入ってから二時間。
この空間で始めてのモンスター遭遇をそうして終えたトモキは、いつも通りに貢献度100点を手に入れた。
今の所出現するモンスターに違いは無い。
獣型の大きなモンスターがそこらを徘徊している。
強さ自体はそれほど違いは無いようで、さして手こずる事も無い。
単独で行動していたのもあって、それほど面倒にもならない。
今までやってきたように一気に決着を付ける事が出来た。
ここ最近の成長でレベルを伸ばしたボウガンの技術のおかげもある。
やはり遠距離攻撃の利点は大きい。
これで急所を狙う事が出来れば、モンスターを確実に圧倒出来る。
その為にも先に見つける事が重要になる。
また、急所を狙えるだけの技術も求められる。
今の段階でも確実に当てる事が出来るほどの腕にはなっている。
狙いもかなり正確につけられる。
だが、当てるのと急所を貫くのでは意味が違う。
当てるのは当たり前で、更にその上を目指さねばならない。
さすがにそこまでの技量に到達するのは大分先だろう。
その前に上げねばならない技術もある。
何よりも生き延びねばならない。
たった一人で出てきた以上、全てを自分だけでこなす必要がある。
無理や無茶は今まで以上に出来なくなった。
しかし、それがそうもいえないのがこの世界だ。
(けど、貢献度は稼がないと……)
悩ましい問題である。
安全と背反するが、食っていく事を考えると避ける事が出来ないのが戦闘である。
出来るだけ安全に倒していくよう心がけねばならないが、本当に安全を考えるなら戦闘そのものを避けねばならない。
しかしそれでは食い扶持にもありつけないし、成長も出来ない。
究極的な安全を手に入れるには、自分が強くなる事も必要である。
その強化の為には、貢献度を手に入れるためにモンスターと戦わねばならない。
相反する条件をどうやって両立させるかを考えていかねばならなかった。
その安全面から考えても、モンスターの強さが以前と変わらないのはありがたかった。
それほど集団で行動してるわけでもない。
注意して行動していれば確実に倒していける。
その事がトモキにはありがたかった。
(ゲームみたいに、モンスターが強くなるってわけじゃないみたいだな)
そう言ってよければ、これも発見の一つだろう。
RPGでもシューティングでもアクションでも、面が進めば進むほど敵が強くなっていく。
例外も幾つかあるだろうが、基本的に始めた直後のステージよりも、後半の方が難しくなっている。
同じ事がこの空間でも起こってるのではないかと思った。
それが今までと差を感じないほど小さなものなのか、今までのレベルでは到底足りないほど凶悪なのかは分からない。
だが、ある程度の覚悟はしていた。
それが杞憂になりそうだったので少し安心している。
最初の一戦が、たまたま楽だっただけだったかもしれないとは思っているが、
(とにかく気を抜かないようにしておかんと)
何一つ安心する要素がない事を自分に言い聞かせつつ足を進める。
とにかく今までと違う場所である。
何がどこで変わってるのかは分からない。
どれだけ慎重でも慎重すぎるという事は無い。
いっそ臆病と言える程トモキは神経を張り詰めさせていった。
活動報告にも書きましたが、各章冒頭の話の前書きに前章のあらすじを加えてみました。
話の流れを大雑把にでも把握できれば、と思ったもので。
これらの具合についてメッセージなどいただけるとありがたいです。
それこそ、「良い」とかの一言だけでも伝えていただけると参考になります。




