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迷い子  作者: 竜胆
9/10

お家訪問

みぃが彼氏のお家に初めて行きます。

彼氏の姿が見当たらなくて私は心細さを感じた。みぃを抱き上げて、家中を見て回った。あ、と思って玄関のたたきを見たら、彼氏の靴は無かった。私はみぃを抱いたまま玄関に立ちつくした。その状態でどれ位の時間が経ったか分からないが、玄関が開いて彼氏が帰って来た。私は肩の力や身体の力が抜けてよろめいてしまった。彼氏が「大丈夫?」と私を支えながら、みぃごと抱き寄せてくれた。「ごめんね、トラブルが起きたと連絡が来て会社に顔を出して来たんだ」と彼氏が謝ってくれた。私は黙って彼氏の肩に頭を押し付けた。みぃも大人しくしてくれていた。


みぃに餌をあげてから、私たちの夕食はおつまみだけ新たに作って、昼食のオカズの残りを食べた。二人でゆっくり飲み食いしながら、彼の会話に私は相槌を打ったり、たまには違う意見を言ったりした。「瑠璃、さっき俺じつは嬉しかったんだ。瑠璃が玄関で俺を待っていてくれて」と彼氏が言った。私は彼氏の顔から目を背けてお酒が入ったグラスを眺めたけれど、全身で彼氏の視線を浴びるのを感じていた。「言わないで」と私は彼氏に降参をした。「ふふふ、瑠璃は可愛いね」と彼氏が言った。「もう、私、酔ったみたい。眠たくなっちゃった。少し寝ていい?」と彼氏に言ってから私はソファーに横になった。


起きると彼氏が私にブランケットを掛けてくれていた。片付けもしてくれていた。甘やかされているな、と私は内心で思っていた。「お風呂に入ろうか」と彼氏が私の背後から声を掛けて来た。「うん。片付けありがとう。これも」と、彼氏にブランケットを見せた。「いいよ。みぃは寝室で寝ているよ。お風呂は今日は二人で入ろうか」と彼氏が言った。「そうだね。みぃは起きたら、お風呂場に来るよね?」と私は言いながら、彼氏とお風呂場に向かった。


私たちは互いの髪や身体を洗いあって、ハーブの入浴剤を入れたお湯に浸かった。「目の錯覚で足がなおさら大きく見えるわ」と彼氏の足を私は撫でた。彼氏は「そう?」と気持ち良さそうな顔をしてお湯に浸かっていた。

しばらくそうしていると浴室のガラス戸をカリカリと爪で掻きながら、みぃが鳴いていた。「来たね」と彼氏がみぃを浴室に入れて、バスタオルでみぃの居場所を作ってくれた。「寂しくなったの?」と私はみぃに語りかけながら、蒸しタオルでみぃの身体を拭いてからマッサージをしてあげた。みぃはゴロゴロと喉を鳴らして、満足そうな顔をしていた。またみぃは寝てしまった。みぃをバスタオルごと彼氏が抱き上げて、「俺たちもあがろうか」と言った。

彼氏が手早く自身の身体を拭いてから、みぃを寝室に連れて行ってくれた。私も髪や身体を自分で拭いて、化粧水や乳液を顔や身体に塗ってから、それらが肌に馴染むのを待っていたら、彼氏が脱衣所にやって来た。いつものように彼氏は私の髪を乾かして柘植の櫛で梳いてくれるのだった。「髪を切りたいな」と私が言うと、「お父さんは瑠璃の長い髪が好きなんだって言っていたよ。俺も好きだ」と言われてしまった。私は冗談めかして「いつもあなたが私の髪の手入れをしてくれるのなら、長いままでいてもいいわよ」と言うと、彼氏は私を背後から抱きしめて私の髪に頬ずりしたから私は可笑しくなってしまい、笑いを堪えたけれど、身体が震えてしまい彼氏にバレてしまった。


布団に入って背後から彼氏に抱きしめられながら、「明日はなにがしたい?」と尋ねられた。私は彼氏の部屋にみぃと行ってみたい気持ちがあったのだけれど、彼氏に言い出せずにいた。わたしが黙り込んでいると、「俺の家にみぃと来てみない?」と言われて、私は身体をビクつかせてしまった。「嫌だった?」と彼氏が私の頭を撫でながら言った。「違うの。私も同じ事を考えていたから驚いただけなの」と彼氏の方を向いて私は言った。「そっか」と彼氏は微笑んでくれた。「みぃがいつ来てもいいように、餌入れや、水を飲む容器、トイレも実は用意しているんだ。やっと出番だな」と彼氏が笑った。「そうだったの。。。」と私は心が温かくなる気持ちになって、身体を彼氏の方に向き変えて抱きついた。


翌朝、彼氏の家に持って行くみぃの餌を用意したりしてから、みぃに餌を与えてから、二人で朝食を作って食べた。みぃはキャリーバックに素直に入ってくれた。私はキャリーバックを膝の上に乗せて、みぃが鳴く度に声を掛けて宥めていた。彼氏の家まで車で約十五分、あっという間に着いてしまった。


私たちは車庫に車を停めて、車から降りた。「庭の手入れがなかなか出来なくてね。お父さんに見せられないな」と彼氏は芝生に雑草が茂った庭を苦笑しながら、みぃと私を彼氏の家の庭を案内してくれた。「広いから仕方がないよ」と私は言った。改めて彼氏の庭を歩くと新しい発見があって楽しかった。私の庭とは違って彼氏の庭は洋風だから、その違いも楽しかった。「洋館に薔薇が映えているわよ。私は一重の薔薇やイングリッシュローズが好きだから、この庭好きよ。薔薇の葉っぱが紅葉して綺麗」と言うと、彼氏は嬉しそうな顔をした。


広い玄関から、リビングルームに入って、扉を閉めてから、私はみぃをキャリーバックから出した。みぃは部屋の匂いを嗅いだり、カーペットに爪を立てたり、鳴きながら部屋の探索をして回っていた。みぃなりに満足したのか、ソファーに座っている私の膝に飛び乗ってから、私のスカートの生地を足踏みしてから寝てしまった。「気に入ったかな」と彼氏が小さな声で私に聞いて来た。「嫌じゃないみたいね」と私は彼氏に言った。


私はみぃが起きるまで動けなかったので、態勢を維持するのに苦労していたけれど、いつの間にか寝てしまっていた。「お昼ご飯出来てるよ」と彼氏が私の向かいのソファーに座って微笑んでくれた。私は何だか擽ったくて、「食べる!」と大きな声を上げてしまった。その声に起きたミィが私を見つめていた。「みぃ、ごめんね」とみぃの身体を撫でてやってから、みぃにも餌をあげなければと、持って来たみぃの餌を彼氏が準備していたみぃ用の餌の容器に入れてあげた。「水も飲むよねー」と水を入れた容器もその隣に置いた。


彼氏は野菜カレーとサラダを作ってくれていた。「簡単な物しか作れないんだ」と言い訳もしていて、思わず私は笑ってしまった。カレーは辛い物が苦手な私に合わせた味だった。お肉も入れていなくて、彼氏の心遣いを感じた。「あまりね、気を遣って欲しくないし、甘やかして欲しくないの」と私は彼氏に自分にしては珍しく自己主張をしたのだけれど、彼氏は微笑むだけで何も言わないのだった。

二人で洗い物をして、彼氏が珈琲を入れてくれた。


みぃはソファーに丸くなって寝ていた。「DVDでも観ようか。瑠璃が観たがっていた、ドキュメンタリー買ったんだ」と彼氏が言うので、私たちはそのDVDを二人で観た。

「よかった!」と私が興奮して言うと、「やっぱりね、瑠璃が好きな監督のシリーズ作だからね、瑠璃気にいると思ったんだ」と彼氏が言った。

みぃが起きてリビングをうろうろし始めて、キャリーバックに戻ってしまった。どうしたんだろうと思い、バックの中を覗いたら、みぃはバッグの中に敷いていたペットシートの上にオシッコと糞をしていた。「まだうちのトイレじゃ嫌みたいだね」と彼氏が言った。私はペットシートを交換して「みぃ、慣れませんか」とみぃを抱き上げて撫でた。


「そろそろ、瑠璃の家に戻ろうか」と彼氏が言った。「そうね。。。」と私も彼氏の意見に同意した。


みぃの初めての彼氏のお家訪問はこうして終わった。

なかなか話が進まずすいませんm(_ _)m

まだまだ続きます?

お付き合い、よろしくお願いいたします。

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