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中学校時代後半
部活が試験前で休みのとき、知世は試験勉強をしてくるという口実で、また美優のピアノを聞きに行く。
美優とて、試験勉強をしたいのだけど、知世にせがまれて、一曲、二曲と弾く。
いい加減、勉強したいからと、美優の部屋で勉強をしていると、ピアノがまた踊りだす。
「おばさんが弾いてるの?」
美優の母親も昔ピアノを習っていたと美優から聞いていたので、つい、そう知世は言った。
「ああ、兄貴」
美優がめんどくさそうに言った。
「最近、お母さんが兄貴に熱心にピアノを勧めるから、仕方なく弾いてるの。練習さぼってたんだけど、コンクールに出るから、仕方なくね」
コンクールに出るほどの腕前なら、練習をさぼってたとしても大した腕前なもんだ。と思いながら、聞いていると、美優のピアノと違って、男だけに迫力があるようだ。
生徒会活動で気になっていた優弥の知らない一面を知って、何かうれしくなった知世だった。
一方、美優は、ちらっと知世を見ながら、少し面白くなさそうな顔をしていた。知世はそれに気付かなかった。
中学3年になった。優弥は生徒会長になった。今度は立候補でなく、推薦で、圧倒的な票をとっていた。知世は生徒会役員にはならなかった。
そして、相変わらず、知世は美優のピアノを聞きにきているふりで、優弥のピアノを聞きにきていた。




