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5月のまぶしい空  作者: 青井 海
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美優からのエアメール

美優みゆがB国に行って、1カ月後、知世ちせにエアメールがきた。


封を開くとラベンダーの香りがした。二人の文化祭でウェイトレスをした写真が入っていた。


 知世、元気ですか?

 私は元気です。

 今は、父と父の新しい奥さんやその子供たちと暮らしています。

 ステファニー(奥さん)の子供ジョー(男の子)はまだ3歳で、エレン(女の子)は5歳なので、私は学校でも習っているけど、家では彼らにB語を教わっているようなものです。少し、会話ができるようになってきて、うれしいです。

 ステファニーには父との間の赤ちゃんがおなかにいるので、彼女の体調が悪い時は私が食事の準備をしたり家事をしたりしています。ステファニーはジャズが好きなので、私が伴奏して、ステファニーが歌うとエレンもジョーも大喜びしてくれるので、ジャズで弾ける曲もだんだん増えてきました。

 この町もこの家も居心地は悪くないけど、私は、来年、全寮制の高校に行くつもりです。そこの高校は音楽を目指す人もいるので、B国内とは限らず、自分の道を見つけていきたいです。


 あのとき、知世に言えなかった言葉がまだ心に引っかかっていて、手紙を書きました。

 知世がまだ怒っているのなら、私は知世にあのとき言えなかった自分を悔やみます。

 知世に言ってしまうと、決意が鈍りそうで、B国に行くことが言えなかったんだよ。

 私は、知世が大好きでした。小学校の時も中学校の時もそして、高校の時も私が一人でいても構うことなく、私を私として接してくれた知世を。

 優弥のことが好きなのはなんとなく気づいて、面白くなかったこともあったけど、知世のこと大好きだったから、ずっと親友でいてほしかったから、知世にまとわりついていました。

 

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