文化祭
週末で文化祭は行われた。
(二日間このうさぎの着ぐるみかー暑そう)
知世は着ぐるみに着替え、うさぎの命の耳のカチューシャを固定し、鼻をつけ頭の後ろで紐を結んだ。全身タイツ状態の上、この耳にこの鼻。熱中症にでもなりそうな気分になった。
美優の姿は見ていなかった。
同じウェイトレスの子たちに、美優を見なかったかと聞いたが、みんな首を振った。
千明たちが不穏な感じで、気になったが、美優を探し回る時間もなかった。
開店だ。
結構なお客様の数。人気があった。
着ぐるみが暑かったが、休憩もできなかった。
優弥がやってきた。同じ高校の男子を連れてきていた。
「東山高校じゃん」
東山高校は県立の名門高校なので、色めきだったようだった。
裏で控えていたクラスメートたちがざわついた。
「何だよ、その変なうさぎ」
「鼻がもげそうだぞ、耳は後ろに落っこちそうだし」
「いらっしゃいませ!!もう死ぬほど暑いのよ」
「こちらにどうぞ」
知世と親しげに話す優弥にクラスメートたちが食い入るように見ていた。
「美優の双子のお兄さんだよ」
一応、言っとかないと、あとで大変な目にあいそうで、慌てて言った。
変な空気が流れた。
「ガトーショコラ、クッキー、マドレーヌとありますが?お客様、どれになさいますか?」
「飲み物は、コーヒーと紅茶からお選びいただけます」
「じゃ、ガトーショコラとコーヒー」
優弥が注文したら、他の男子も注文した。
「おい、木島、おまえの妹どの子?」
優弥の友達が聞いた。
「そうだ、美優は?」
優弥が聞いた。
「美優、いないのよ。昨日、衣装を持って行ったんだけど、美優、どうしたんだろう?」
首をかしげながら、答えた。




