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5月のまぶしい空  作者: 青井 海
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受験当日

公立高校の入試は、二日間の日程で行われた。


卒業式の後、いなくなった美優みゆを探して、知世ちせは美優の家まで行った。

ピアノの音がする。ショパンの「別れの曲」だ。

美優なりの中学校への別れの気持ちなのだろうか。


インターホン越しに知世は美優に


 「先に帰ってたんだね。明日、一緒に行く時間の約束してなかったから・・・」


と告げた。玄関先に出てきた美優は、風邪で頭が痛かったから先に帰ったといい、待ち合わせの時間を約束した。


入試の当日、美優が知世を家まで呼びに来た。


 「お母さんが、優弥ゆうやと一緒に車で連れていくから、知世ちゃんも連れておいでって」


(あれ、兄貴って呼ばなくなったんだ、もともと双子だから、兄とか妹とか関係ないだろうし)

と思いながら、ありがとうと一緒に連れて行ってもらった。


優弥のことが好きで、美優からこっそり受験する高校を聞いて、同じ高校を受験することにしたものの、知世の成績では少し及ばないことは知世本人が一番わかっていた。

木島きじま君は優秀だし生徒会長で内申もいいだろうから、問題なく受かるだろうし、美優だって頭がいいから合格するんだろうなと居心地悪く、美優の母が運転する車に乗っていた。行きも、そして、解けなかったという自覚がある帰りも。

優弥の近くにいることの喜びなんてとても感じることはできなかった。

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