1997年7月16日
蝉の鳴き声と共に俺は目を覚ました。先程まで嫌な夢を見ていた気がする。何もかも忘れたいと何故か俺は願っていた。夢の内容など何一つ思い出せないというのに。
部屋を出て階段を降りると母親が朝食を作っていた。
「今日はあおちゃんとのデートどうするの」
あお...そう俺の彼女だ。この世界ではそうなっている。
青は幼馴染で腐れ縁、気がつけば高二の冬に俺は告白していた。将来を約束し今俺は彼女のため一流企業に就職すべく学問を極めようとしていた。
そんな中青は料理研究をしていた。よくわからないが美味しいものを作りたいと毎日のように言っていた。
「今日は違うよ救済じゃない」
「あら明日だったかしら嫌だね年かしら?」
「そんな年じゃないだろ」
そんなやりとりをし朝食を済ませて俺はショッピングモールに向かう」
田舎じゃなんもやることがない。自転車で一時間、これでもだいぶ近いショッピングモールには同じく暇を持て余す学生が多くいた。俺もそんな一人なのだが。
特にやることもなく時間を潰し気がつけば十六時を回っていた。俺は帰路に着くと家の周りには警察や救急車が止まっていた。
警察が呑気な俺を見るなりここに家の子かと肩を掴みきいてくる。警察の慌てようからさては俺にドッキリでも仕掛けてるのかと冗談半分に返答しようと口を開いた瞬間
「君の母親と娘が殺された」
その言葉に頭が真っ白になると同時に胸の奥で何かが弾け飛んだ気がした。
「嘘だろ」
そういうと全てが嘘になり警察も救急車も消えてカエルの鳴き声だけが響く。ひどく静かになった家の扉を開けて居間に向かうとピエロが立っていた
「君は逃れられない。世界で二人しかいない厨二病発症者だ。君は世界を書き換えないといけない」
「救済は無理だ。彼らはあらゆる手段を使い妨害してくる」
「世界は残酷だ。しかし君がいくら逃避しようが世界は常に因果に収束する」
「ならば彼女に頼めよ」
「彼女が狂ってしまったから世界は破滅を繰り返しているのだろ」
「知ったことか」
「厨二病はあらゆる可能性を具現化させる。世界は救済を望む」
「世界?違うだろ救済は彼女に対して言うから救済なのだろ」
「アルテマが再び君を観測し始めた、また白い部屋に戻されるだけだぞ?」
「その度に君や監視員が殺しにくる」
「世界は姿形を変え君に救済を求める」
「全て壊れているんだよ、夢を見させてくれ」
「救済が始まる」
ピエロは額に銃を押し当てる。
「僕は無理だ。神にはなれない」
「永劫の刻を刻む君に敬意と感謝を」
「蛮族どもが死で償え」
「救済と共に我々の罪を償おう」
トリガーを引いた。世界は救済を求め始めた




