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クラスごと集団転移しましたが、一番強い俺は最弱の商人に偽装中です。  作者: かわち乃梵天丸
第一部 クラスごと集団転移しましたが、一番強い俺は最弱ランクの商人に偽装しました。
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冷蔵庫作り2 *

 王都セレスティアから二時間馬車に揺られた所に有るダンジョン。


 そこが目的のカニの狩場だ。


 そのダンジョンの入り口の周りには宿屋や料理屋、雑貨屋等が有りちょっとした宿場町の様相であった。


 俺は感心して呟くようにロココさんに言った。


「思ったよりも賑やかで栄えてますね」


「冒険者の訓練にうってつけの場所だからな。王都からそれほど遠く無いし、敵の強さもそれほど強くないので新米冒険者の訓練にうってつけなんだ」


 ロココさんはダンジョンの受付に行き入場登録を済ます。


 入場料は一人銀貨一〇枚。


 ロココさん、セーレ、俺の三人で銀貨三〇枚になったがロココさんが払ってくれた。


 気前が良くて助かる。


「入場料を払ってくれてありがとうございます。ダンジョンに入るのにお金掛かるとは思いませんでした」


「ここは冒険者ギルド管理のダンジョンだからな。冒険者ギルドのメンバー以外がダンジョンに入る場合は金が掛かるんだ」


「俺、冒険者ギルドのメンバーでもあるんですが、もしかして無料で入れたのかな?」


「なんだと! それを早く言えよ!」


 ロココさんは血相を変えて俺のギルドカードを持って受付嬢の元へ。


「規則で一度払った入場料は返せません」という受付嬢から「冒険者ギルドのメンバーが居るか確認しなかっただろう!」と難癖の様な文句を言って無理やり銀貨一〇枚を返してもらっていた。


 ロココさんはお金を結構持ってるはずだから銀貨一〇枚なんてどうこう言う額では無い筈なのに、こういうとこはしっかりしてる。


 さすがは商人といった感じだ。


 カニはすぐに出会えた。


 ダンジョン二層目奥の水たまりのある大きな部屋にこれでもかというぐらい居た。


 犬ぐらいの大きさで俺たち日本人が想像するカニよりも三回りぐらい大きかった。


 ハサミもすげーデカい!


 結構攻撃力有りそう。


 あんな大きなハサミで大事なとこ挟まれたら、赤チン塗る前にモゲるね。


 ところどころで冒険者の少人数パーティがカニを狩っている。


 銅の片手剣に銅の短剣。


 そしてみそぼらしい防具。


 どう見ても初心者の冒険者だ。


 そんな冒険者たちがレベル上げでカニを狩っていた。


 ロココさんによると防御力はやたら高いが攻撃力は非常に低いので初心者冒険者の訓練用に最適との事だ。


 俺達は冒険者の邪魔にならない部屋の奥の中州にキャンプを取る。


 ここなら周りに冒険者はいない。


 狩りまくっても邪魔になる事は無いだろう。


「よし! タカヤマはカニを倒さない様に手加減して突いてくれ。カニが身の危険を感じたら泡を吹く技を使ってくるはずだ。それを確認したら倒す。いいな?」


「了解!」


 俺は早速近くにいる敵を一撃で倒さない様に手加減して切り掛かる。


 ──ばーん!


「のわっ!」


 短剣で軽く突くと一瞬でカニが爆ぜた。


 どうやら俺の攻撃力が高すぎるらしい。


「なにやってるんだよ! 手加減して突けって説明したろ?」


「すいません。かなり軽く突いたつもりなんですが弾けちゃいました。今度は素手でやってみます」


 俺は慌ててシステムちゃんを呼び出す。


 攻撃力低下のスキルを入れ忘れてたわ。


 やばいやばい。


『システム!』


『はい、なんでしょうか?』


『全スキルスロットの設定頼む。ユニーク無効、1番から5番まで【攻撃力低下:超】』


『それだと常人並みの攻撃力になってしまいますがよろしいですか?』


『構わない。やってくれ』


『はい。出来ました』


 素手で殴ってみるがやはり爆ぜて、指でチョン!と突いてみてもやはり爆ぜた。


 なんで指先で突いてるだけで死んじゃうんだよ。


 攻撃力低下スキルの意味ないだろ!


 カニさん弱すぎだろ!


 ロココさんは弾けたカニの残骸を見て呆れ返ってた。


「これで手加減してるんだよな?」


「全力で手加減しています」


「お前、勇者だから常識外れに強いんだな」


「すいません、勇者なもので」


「じゃあ、タカヤマはもういい。セーレやってみてくれ」


「はい」


 セーレも頑張ってみるがやはり一撃で爆散してしまう。


 やたらペコペコ頭を下げながら謝り続ける。


「ごめんなさい、ごめんなさい」


「解ってるからいいよ。お前本当はリバイアサンだもんな」


「すいません、すいません。海の魔王とか呼ばれているリバイアサンでごめんなさい」


「ふー。さてと、どうするかな?」


「もっと強いカニのいる狩場に変えるしか無いかな?」


「試しにロココさんが狩ってみたらどうです?」


「戦闘力皆無の商人の私がか?」


「回復やら強化魔法なら俺がしますから」


「そうか。ちょっとだけやってみるか」


 俺はロココさんに防御上昇魔法と攻撃力上昇魔法を掛ける。


 防御魔法を掛けておいたから一撃で即死する事もないだろうし、攻撃力上昇魔法を掛けておいたから商人のロココさんの攻撃でもいい感じでダメージが通るはずだ。


 ロココさんは短剣を持つとカニに突っ込んでいって全体重を掛けて短剣を振り下ろした。


「どりゃー!」


 ぽん!と言う軽い音がしてカニが爆ぜた。


 呆然と立ち尽くすロココさん。


「ど、どうなってるんだ? いったい? なんで私がカニを一撃で倒せる?」


「たぶんタカヤマさんの強化魔法が強すぎるんじゃないかと思います」


「俺の強化魔法のせいか。じゃあ、強化魔法を解除します」


「いや、ちょっと待ってくれ。手加減してみる」


 今度は素手で殴る。


 すごい衝撃がカニに奔るが即死する事は無かった。


「よし! いい感じでダメージが入ったぞ」


 フラフラになったカニが怒ってロココさんを攻撃するが防御力上昇の魔法に阻まれてノーダメージだ。


「しばらく待てばカニが泡を吐くはずって、吐いたな! よし、とどめだ! どりゃ!」


 カニは遥か彼方にゴロゴロと吹っ飛んでいった。


 慌ててセーレが走って行って回収。


 すぐにカニを抱えたセーレが笑顔で戻って来た。


「いい感じで倒せましたよー」


 カニの身体にカチカチの泡が付いていた。


「おう、いい感じだな。どんどん狩るぞ!」


 アイテムボックスの中にカニをしまうと、次々にカニを狩りまくる。


 30分ほどでフロアのカニが見当たらなくなるぐらい狩り尽す。


「おし! いい感じで倒したな。私は商人だから普段戦闘なんてしないんだけど、これだけの攻撃力で一瞬で敵を倒せるとなると結構楽しいもんだな」


 上機嫌なロココさん。するとそれを聞いた辺りの冒険者から蔑む様に見られた。


「なんで高レベルがこんなとこで狩ってるんだよ!」


「獲物のカニが居なくなったんだけど、どうやってレベル上げすりゃいいんだ?」


「低レベルの冒険者の目の前で俺tueee!かよ! 頭おかしいんじゃねーの? 空気読めよ!」


 ちなみにネトゲと違って敵が時間で再POPするなんて事はない。


 狩られたら狩られたまま。


 カニが交尾をして繁殖するまで二度と増える事はない。


 敵がいなくなったらずっと枯れたままだ。


 ロココさんがしどろもどろになって反論!


「わ、私は商人だぞ! そんな商人に狩り負けるお前らが悪い」


「嘘コケ! そんなに強いのに商人の訳があるか!」「そうだそうだ!」「とっとと出てけ!」「帰れ帰れ!」


 初心者冒険者達から狩場荒らしとして白い目で見られつつ俺達はダンジョンを後にした。

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